マンション購入を決断できない、と悩む人は少なくありません。マンションは多くの人にとって大きな買い物になり、大きな決断が伴います。そのためさまざまな不安要素を考えてしまい、決断が遅くなることはよくあることといえます。
そのためマンション購入を決断できないときは、なぜ決断できないのか、理由をまず整理することが重要といえます。理由を把握できれば、悩みについての対策も取れて、結果としてマンション購入を決断するきっかけになるでしょう。
そこで今回は、マンション購入を決断できない理由を解説しつつ、悩んだときに実践したい対処法を紹介していきます。
マンション購入を決断できない理由:お金に不安がある
マンション購入が決断できない理由として多いものは、主にお金の問題です。住宅ローンを払っていけるのか、建てた資産計画で問題ないのかなど、マンション購入時にはさまざまな金銭面の不安が伴います。
そのため、マンション購入を金銭面の不安から決断できないときは、次の対策を考えてみましょう。
- 国や自治体の補助金を使う
- 住宅ローン返済をシミュレーションする
- ファイナンシャルプランナーに相談する
いずれも対策も、お金の問題で困っているときには積極的に実践したいところです。では、それぞれの対策における重要なポイントや注意点を見ていきます。
対策①国や自治体の補助金を使う
金銭面で不安がある場合は、マンション購入に伴って利用できる補助金をチェックしてみましょう。マンション購入時には、国や自治体で実施している補助金・助成金制度が利用できる場合があります。
国の補助金には、「すまい給付金」があります。すまい給付金は、消費税引き上げに伴う住居費の負担増を支援する目的で実施されている給付金制度です。最大で50万円もの給付が受けられるため、マンション購入における費用負担を減らせる可能性があります。
そのほかにも、各自治体では、住宅購入時に利用できる補助金制度が実施されている場合があります。金銭面に不安があるときは、まず補助金制度の利用可否を積極的にチェックしてみましょう。
また住宅ローン控除で節税し、長期的なコストを抑えることも大事です。住宅ローン控除は、住宅ローンを払っている人を対象とした、一定の割合で税金の控除が受けられる制度になります。
対策②住宅ローン返済をシミュレーションする
マンション購入時には、資金計画の失敗を避けるためにも、慎重に返済シミュレーションを重ねる必要があります。各金融機関では、公式サイトで住宅ローンの返済シミュレーションのページを公開しているため、マンション購入前には積極的に利用しましょう。
返済シミュレーションでは、明確に返済計画がわかるため、非常に参考になります。もちろん、直接金融機関に相談に行き、担当者とよく話し合いながらシミュレーションを重ねることも大事です。対策③ファイナンシャルプランナーに相談する
返済計画が立てられない、自分で立てた返済計画に自信がないという人は、ファイナンシャルプランナー(FP)への相談も検討してみましょう。
ファイナンシャルプランナーは、資産計画のプロです。それぞれの資産状況をもとに、最適となる住宅ローンの返済計画を立ててくれます。その他資産運用について不安があればさまざまなことを相談できるため、困ったときはプロへの相談を考えましょう。
マンション購入を決断できない理由:「もっといいマンションがあるのでは?」と考えてしまう
マンション購入を決断できない理由には、「もっと好条件のマンションがあるのではないか」とつい考えてしまう心理が関係していることも多いです。マンションの物件にはさまざまなものがあるため、その分自分自身の希望条件も多いでしょう。
さらにいえばマンションは長く住む予定の住居のため、妥協はなかなかできないものです。するとつい優柔不断になったり、ないものねだりしてしまったりする心理が生まれることになります。
「もっといい物件があるかも」という心理が原因で決断できないときは、次の対処法を試してみましょう。
- 譲れない条件を3つに絞る
- 妥協できるところは妥協する
- 無理に今購入を決めない
では、それぞれの対策のポイントを具体的に解説していきます。
対策①譲れない条件を3つに絞る
まず、マンション購入を決断できないときは、多すぎる希望条件が原因となっている可能性があります。希望条件が多ければ多いほど、あの物件も、この物件も…と目移りしてしまいがちになります。
そのため、困ったときはいったん、譲れない条件を3つだけに絞りましょう。優先したい条件を3つに絞り、その他の条件を無視してマンションを探せば、理想的な物件に巡り会える可能性は自然と高まります。希望条件を一通りピックアップしてみて、まずはそのなかから特に優先度の高い条件を3つ絞ってみましょう。
対策②妥協できるところは妥協する
一度落ち着いて希望条件の一つひとつをチェックすれば、意外と妥協できる条件は見つかるものです。妥協できる条件の部分で妥協すれば、良い物件はより見つかりやすくなるでしょう。
例えば最寄駅からの所要時間、築年数、広さ(平米数)、設備、階数などの面で妥協すれば、意外と自分に合った物件は絞れてきます。冷静になって一つひとつの希望条件を確認し、「この条件は本当に妥協できないのか」を考えてみましょう。
対策③無理に今購入を決めない
希望条件がたくさんあってマンション購入を決めかねているときは、あえて今購入することを避けるのも大事です。
マンション購入は非常に大きな買い物で、一生の住まいになるものです。妥協を重ねて物件を選べば、失敗につながるケースも十分に考えられます。理想にかなう良い物件が見つからないのなら、そのタイミングで焦って購入を決める必要はないでしょう。定期的に物件をチェックして、好条件のマンションが出てくるまで待つ選択肢もあります。
マンション購入を決断できない理由:気になるマンションが複数ある
マンション購入にあたって物件を検索するときは、気になる物件が複数出てきてしまうことも多いです。そして結果としてどちらか一方に絞ることができなければ、マンション購入を決断できない理由につながります。
物件によって長所短所はさまざまあるものです。長所短所を比べて延々と比較検討を繰り返しているときは、次の対処法を実践してみましょう。
- あらためて条件の優先順位を明らかにする
- 不動産会社に迷いを伝えてみる
- 物件を見すぎない
では、詳細を一つひとつ整理していきます。
対策①あらためて条件の優先順位を明らかにする
気になる物件を1つに絞れないときは、あらためて希望条件の優先順位を明確にしましょう。各条件を優先度が高いほうから順に並べてみて、その優先度の高い条件に当てはまる物件を候補にしていきましょう。
条件の優先度を明らかにすれば、意外と優先度の低い条件の物件をチョイスしていたことがわかる場合もあります。物件選びの際には頻繁に目移りしてしまいますが、優先順位に則って機械的に物件を絞り込めば、気になる物件が多くて選べない、ということはなくなります。
対策②不動産会社に迷いを伝えてみる
困ったときは、不動産会社に相談してみるのもおすすめです。迷っている物件が複数あれば、「どれにすれば良いのか決められない」と正直に伝えてみましょう。不動産会社はマンション購入におけるプロのため、プロの立場からアドバイスをくれます。その結果決めやすくなることは多いです。物件購入において顧客が迷いやすいポイントはある程度パターン化されているため、経験則から、不動産会社もわかりやすいアドバイスをくれるはずです。
対策③物件を見すぎない
複数ある物件のなかから買いたいマンションが絞り込めないときは、そもそも物件を見すぎている可能性もあります。あまりにも多くの物件をチェックすると、好条件の物件が増えすぎるせいで、決めきれなくなることは少なくありません。
特に内見に行くマンションは、3~5件程度に絞るのがおすすめです。例えば10件も内見に行ったとすれば、最初のほうに内見した物件の印象はかなり薄れてしまい、決断できなくなる原因になります。あらかじめ理想の物件を3~5件に絞り込んだうえで内見を経て、厳選した選択肢のなかから購入したい物件を決めていきましょう。マンション購入を決断できない理由:夫婦の意見がまとまらない
マンション購入時に夫婦の意見がまとまらず、なかなか購入へと至らないケースもよく見られます。お互いの譲れない条件に乖離があると、それぞれが納得できる物件にはなかなか巡り会えないでしょう。すると、購入を決断できない状況はどんどん泥沼化してしまいます。
夫婦の意見がまとまらず、マンション購入を決断できないときは、次の対策が望ましいといえます。
- 譲れない条件を明確化する
- 第三者に相談してみる
- 徹底的に話し合う
では、重要なポイントを一つひとつ整理してみましょう。
対策①譲れない条件を明確化する
まず、そもそも両者の希望に完全に合致するマンションを探すことは、至難の業です。適度に折衷案となる物件を模索するか、お互いに妥協し合うことが重要になります。
そのためはじめに、それぞれの譲れない条件を明らかにする必要があります。そしてほかの条件はいったん無視し、お互いの譲れない条件に合致する物件をピックアップしてみましょう。
結果として候補となる物件のなかから、お互いが納得できるマンションを見つけていくのが望ましいでしょう。もちろん、譲れない条件をそれぞれいくつも出し合うのはNGです。お互いに譲れない条件は一つずつ設定し、まずはその条件をもとにマンションを探してみましょう。
対策②第三者に相談してみる
第三者に相談し、意見を聞くことも大事です。夫婦でマンション購入についての意見が食い違うと、感情的になってしまい、なかなか客観的な結論が出せないことも珍しくありません。
そんなときは両親や友人に話を聞いてもらい、第三者の立場から意見を求めてみましょう。また、第三者の立場からアドバイスしてもらえるという意味では、FPへの相談もおすすめです。
対策③徹底的に話し合う
マンション購入は一生に関わる大きな買い物のため、とにかく徹底的に話し合うことも必要です。話し合いをまともにせず、片方の意見のみで購入を検討するのは当然ながらNGです。意見が合わないまま状況を放置するのではなく、お互いに本音を伝えて、意見を理解し合う必要があります。
お互いに意見を理解しあえなければ、結論も永遠に出ません。また、それぞれの主張や悩みを紙に書き出して話し合えば、より妥協点が見つかりやすくなる可能性もあります。二人にとって話しやすいかたちで、しっかりと結論を出しましょう。
マンション購入を決断できない理由:旦那がマンション購入にプレッシャーを感じている
マンション購入時には、旦那さん側が決断できない状態になることも多いです。奥さんは購入する気満々なものの、旦那さんはいまいち乗り気でない…というパターンです。
旦那さん側がマンション購入をためらうことには、さまざまなプレッシャーが関係しています。会社や奥さん、子供のことにプレッシャーを感じ、本当に購入して大丈夫だろうかと不安を感じてしまっているということです。
旦那さん側がマンション購入にプレッシャーを感じているときは、以下の対策を実践してみましょう。
- 夫に購入を急かさない
- 一緒にライフプランを作成してみる
- 奥さんも購入費を負担する
では、一つひとつの対策を詳しくチェックしていきます。
対策①夫に購入を急かさない
旦那さんがマンション購入をプレッシャーに感じているときは、あえて急かさないことも大事です。奥さんから急かされれば、多くの男性はさらに強いプレッシャーを感じ、購入に後ろ向きになってしまいます。まずは、旦那さんのペースや心理状態を尊重することも大事です。感情的にならず、ときには不安や悩みに耳を傾けることも意識していきましょう。
対策②一緒にライフプランを作成してみる
マンション購入が進まないときは、一緒にライフプランを考えることも必要です。今後の仕事のこと、子供のこと、老後のことなどを一緒に考えれば、旦那さん側の将来に対する不安も軽減されるでしょう。お互いに描いているライフプランに食い違いがあれば、のちにトラブルになる可能性もあります。これを機によく話し合い、トラブルのないマンション購入につなげていくことが重要になります。
対策③奥さんも購入費を負担する
購入費の負担をどうするかはあくまで家庭によりますが、奥さんも購入費を負担することで、旦那さん側のプレッシャーを減らす対策も重要といえます。専業主婦の家庭では、マンション購入における旦那さん側のプレッシャーはより大きいものです。
そのためマンション購入時には、奥さん側も働いてお金を貯めるなど、協力し合うことが重要になります。
マンション購入を決断できない理由:ダラダラと探してしまっている
ダラダラと物件情報をチェックしているせいで、なかなか本格的にマンション購入に向けて腰が上がらないケースも多いでしょう。期限を設けずダラダラと物件を探している人は、「まだもう少しあとで良いだろう」という考えから、購入をつい先送りしてしまいがちです。
ダラダラと探してしまっているせいでマンション購入が決断できないときは、以下の対策を検討しましょう。
- 購入目的を明確にする
- 期限を決める
では、上記の対策における重要なポイントを見ていきましょう。
対策①購入目的を明確にする
マンションの物件情報をダラダラと見てしまうことには、「購入目的が定まっていない」という原因がある場合が多いです。なぜマンションを購入する必要があるのか、自分自身のニーズを明確化できていないからこそ、購入に向けて行動ができないのです。
「家族全員が快適に暮らせる家が欲しい」「老後まで住み続けられるマンションが欲しい」といったように、まずは目的を明確にしましょう。目的がわかればそれに伴って希望条件が出てくるため、物件はより探しやすくなるはずです。
対策②期限を決める
期限を決めていないせいで、ダラダラと物件情報を見てしまうことも少なくありません。そのためまずは、期限を決めて行動に移していきましょう。マンション購入を決めるまでの期限は、3か月以内がおすすめです。
3か月以上も物件を探していると、売られているマンションもどんどん移り変わっていくため、ますます決められなくなります。3か月以内をめどに家族でよく話し合い、理想の物件を探してみましょう。
まとめ
マンション購入が決断できないことには、必ずといって良いほど理由があります。まずは理由を明らかにしたうえで、自分たちに必要な対策を取りましょう。理由がわかっていれば対策もスムーズなため、マンション購入の時期は早まるはずです。
金銭面の不安や希望条件が多すぎることで生まれる悩み、夫婦間での意見の不一致など、さまざまな理由を考えたうえで、マンション購入が決断できない状況を脱していきましょう。