不動産フランチャイズに加盟するべき?加盟金はどれくらい?

不動産フランチャイズに加盟するべき?加盟金はどれくらい?

不動産業界で独立したいと考えているけど、不動産業界は未経験だし無理だろうと諦めている方は少なくないのではないでしょうか。実は、他業種で営業経験があれば、不動産業界は未経験からでも不動産フランチャイズを活用することで独立が可能です。

そこで未経験から不動産フランチャイズで独立できるかについて解説します。

未経験から不動産フランチャイズで独立するには?

営業経験を活かしてゼロから始める不動産経営

不動産業では、宅建士の資格も重要ですが、何よりも重要となるのが営業力です。なぜなら不動産の売買や賃貸といった不動産取引はお客様にとっては非常に大きな買い物になるため、信用できる営業マンから買いたいと考えるのが当然です。そのため、不動産業営業力が非常に重要なスキルの1つとなるのです。

営業力には「顧客との接し方」や「顧客への提案力」といった力が含まれますが、こうした力は不動産業界の経験が無くとも、異業種で営業経験があれば身につけることができます。そこで、こうした営業経験を活かしつつフランチャイズのサポートを受ける事でゼロから不動産経営を始めることができるのです。

他業界でのフランチャイズ加盟事例

自動車業界から不動産フランチャイズを開業した事例としては、自動車ディーラーで営業を25年ほど経験した後に新しいことにチャレンジしてみたかったと考え、不動産業界へ転身したAさんの事例があります。

Aさんは開業準備をディーラー時代から行なっており、宅建士を取得して不動産フランチャイズへ加盟しました。フランチャイズ加盟後は、業界未経験ということもあって、本部が提供している研修のうち必要そうな研修は一通り受講するなど熱心に勉強されました。

特に役立った研修としては、業務の流れを知ることができる研修でした。また、手厚いサポートを行なうフランチャイズだったため本部も異業種参入だったことを気にかけ、研修後にも何度か個別にフォローを行なうなどのサポートも受けられました。

こうしたサポートの結果、事業は順調に進み、現在では5年後の将来には、売上1億円に社員数は5名くらいの会社となれるように目標を掲げていると語られています。

不動産フランチャイズの加盟料・初期費用はいくら?

実際に未経験からでも不動産フランチャイズで成功できることは分ったけれど、気になるのは費用面という方は多いでしょう。そこで、不動産フランチャイズの加盟料と初期費用について解説します。

必要資金の目安は300〜700万円|費用の内訳と注意点

必要資金の目安としては300万円~700万円ほどとなります。必要な費用の内訳は以下の様になります。

事務所準備費用125~410万
営業保証金(弁済業務保証金分担金)200~1,000万
宅建取引業免許の申請手数料3.3~9万
加盟金100~300万

事務所準備費用

事務所の設置が必要となるため、オフィスの賃貸のための敷金や賃料、そして内装工事費などが必要となります。またそれ以外にもPCやプリンターなどの電子機器を購入する費用も必要となります。居抜き物件を選ぶことで内装工事費を抑えることができる一方、スケルトン物件は内装にこだわることができる分、内装工事費が高くなってしまう傾向にあるため中が必要です。

営業保証金

不動産フランチャイズで開業する際には営業保証金として法務局へ供託する「供託金」または保証協会へ納付する「弁済業務保証金分担金」のどちらかが必要になります。注意が必要なのは、居宅金の場合には営業所本店設置ごとに1000万円が必要となる一方で弁済業務保証金分担金の場合には営業所本店設置ごとに60万円で足りるため、保証協会へ入会して弁済業務保証金分担金を納める方が初期費用が安くなるという点です。

宅建取引業免許の申請手数料

不動産フランチャイズで事業を行なうためには宅地建物取引業の規定により宅建取引業免許を国土交通大臣または都道府県知事から受ける必要があるため、免許の申請手数料が発生します。申請手数料はひとつの都道府県に事務所を設置する場合には都道府県知事免許として3.3万円がかかり二つ以上の都道府県に事務所を設置する場合には国土交通大臣免許として9万円が必要になります。事務所を設置する場所と数によって異なるため注意しましょう。

加盟金

フランチャイズに加盟するためには加盟金を支払う必要があります。加盟金の額は加盟先の企業によって異なりますが100万円~300万円が1つの目安となるでしょう。

開業後にどれくらいで初期投資を回収できるのか?

初期費用について理解したところで気になるのは開業後どのくらいの期間で初期費用を回収できるのかという点でしょう。

不動産フランチャイズの初期費用回収期間は、投資額と年間の売上額によって異なっており、「投資額÷売上=初期費用回収期間」で計算されます。そのため、投資額をどのくらい投資したか、売上はどのくらい上がっているのかといった点に応じて初期費用回収期間が変わることになります。一般的には3年~5年が回収の目安とされています。

未経験者向けフランチャイズのサポート体制とは

不動産業界が未経験の人でも不動産事業が行えるように、フランチャイズ本部は未経験者向けにフランチャイズのサポート体制を整えています。ここではフランチャイズのサポート体制について解説します。

開業前の研修内容|不動産知識ゼロでも安心

開業前に受ける研修は、不動産知識ゼロでも安心して事業が行えるように以下のような研修が用意されていることが多いでしょう。

法令知識の基礎講座

不動産事業では宅地建物取引業法や契約関連の法律について知識が必要です。そのため、宅建業法をはじめとする法令知識の基礎講座が行なわれます。

物件査定と案内の実務ロールプレイング

実際の業務の流れを知るために物件資料を使い、査定・案内・クロージングの流れをロールプレイングすることで実践的に体験します。

接客対応研修

接客経験が無い人でも安心して対応が学べるように、接客対応について研修を行ないます。

ITシステム・業務管理ツールの操作研修

フランチャイズに加盟すると、物件広告管理や顧客管理、入出金管理など不動産業務を効率的に行うためのシステムが提供されます。こうしたシステムの操作研修も行なわれます。

集客・営業・業務支援まで本部がフルサポート

事業開始後にすぐにフランチャイズ仕様のホームページの利用が開始可能となり、集客のサポートがされます。自社ホームページ経由の反響数アップのサポートといった集客数アップのサポートもなされます。

開業後のフォローアップ体制も充実

事業立ち上げ後もスーパーバイザーとの面談が定期的に実施され、接客の振り返りや営業課題の提案など自社の課題に寄り添ったフォローアップがなされます。

不動産フランチャイズを比較する際のポイント

不動産フランチャイズは複数社が行なっており、どのフランチャイズに加入すれば良いのか分らないという方も多いでしょう。そこで不動産フランチャイズを比較する際のポイントについて解説します。

「案件が来ない」「サポートが薄い」よくある失敗例

よくある失敗例として案件が来ず利益が上がらないというケースやサポートが薄いため、開業後事業を軌道に乗せることが中々できないといった失敗例です。その他にもよくある失敗例として、開業後に資金が足りなくなってしまい営業を継続できなくなってしまったというケースがあります。原因としては書記費用やランニングコストがかかりすぎてしまったといった点が挙げられます。

また、本部と経営方針が合わずフランチャイズの経営が上手くいかないといったケースもよくある失敗事例です。不動産フランチャイズに加盟すると、サポート面やロイヤルティの支払い等、本部との付き合いがずっと続いていきます。そのため、経営方針や事業内容と自分自身との相性は非常に重要となります。こうした失敗を避けるためには事前に経営理念や事業内容を十分に確認しておくことが重要です。

加盟前にチェックすべき比較軸とは?収益性/サポート/実績

では加盟前にチェックすべき比較軸にはどのようなものがあるでしょうか。

収益性

不動産フランチャイズと一口に言っても売買仲介専門であったり、賃貸仲介専門であったりとジャンルが会社によって異なります。それぞれ売買仲介と賃貸仲介では得られる手数料額も異なるため収益性に大きく影響します。また、フランチャイズに加盟すると本部へロイヤルティの支払いをしなければいけなくなるため、ロイヤルの額も収益性に影響するポイントの1つです。こうした点を考慮して収益性の高い不動産フランチャイズを選ぶと良いでしょう。

サポート

未経験から不動産フランチャイズを始める場合にはサポートが手厚いフランチャイズ本部であるかどうかは、事業が成功するかどうかを決める上で非常に重要となります。事前にどのようなサポートが用意されているか、サポート人員の体制が充実しているのか、本部研修が充実しているかといった点を確認しましょう。未経験の場合、加盟しても充分なサポートが受けられないのでは、そもそもどうやって事業を進めれば良いのか分らないという事態になりかねません。可能であれば既に開業している加盟店に確認してみるのが良いでしょう。

まとめ

不動産フランチャイズは不動産業界が未経験でも営業経験を活かして成功することは十分可能です。そのためには、自分自身に合ったフランチャイズ本部を選ぶとともにサポート体制が充実しているか、収益性は高いかといった点を確認した上でどのフランチャイズに加盟するか決める必要があります。本記事を参考に営業経験を活かして不動産フランチャイズで事業を成功させましょう。