自分のライフスタイルに適した住まいを求めて、中古マンションの購入を検討する方が増えてきています。
中古マンションは新築マンションに比べて購入時のコストを低く抑えられるところが利点ですが、一方で築年数や物件の状態など、注意しなければならないところもあります。
中古といえどマンションを購入するには多額の資金が必要となるため、後悔のないよう、物件選びのポイントをしっかり押さえておきましょう。
今回は、中古マンションの購入でおすすめの築年数やエリア、避けるべき物件の条件などについて解説します。
中古マンションの購入におすすめのエリアとは
中古マンションを購入するなら、以下の条件に当てはまるエリアがおすすめです。- 交通利便性が高い
- 生活利便性が高い
- 将来性・発展性が見込める
上記に当てはまるエリアは人気が高いため、資産価値が下がりにくく買い手も見つかりやすいでしょう。
また中古マンションは新築マンションに比べてエリアの選択肢が多い分、何を基準に選べばよいか悩んでしまうところです。
中古マンションの立地に何を求めるかは人によって異なりますので、自分のライフスタイルやニーズに適したエリアを選ぶようにしましょう。
交通利便性が高い
交通利便性の高いエリアは、中古マンションの購入におすすめです。駅から徒歩数分の場所にある、付近にバス停があるなど、交通利便性の高いエリアは資産価値が下がりにくい傾向にあります。
職場や学校からやや離れていても、家の近くに駅があれば、通勤・通学で不便を感じる心配はないでしょう。
駅については、マンションからの距離だけでなく、複数路線が乗り入れるかどうか、急行が停車する駅かどうかも要チェックです。
生活利便性が高い
日常生活を送るうえで必要な施設・機関が周辺に点在しているエリアは、世代を問わず高い人気がありおすすめです。具体的には、商店街やスーパー、ショッピングモールといった商業施設や、病院・役所などの公的施設、銀行・郵便局などの金融機関が近くにあると、生活利便性が高くなります。
特にファミリー世帯は、公園や学校が近くにある物件を選ぶと子育てしやすくなるでしょう。
将来性・発展性が見込める
将来性や発展性の見込めるエリアは売却時に有利になる可能性が高いです。不動産の資産価値は、その街の発展性に比例します。現時点ではあまり特徴のないエリアでも、近い将来、大規模開発や再開発などが行われる予定があれば、市場のニーズと共に物件の資産価値も高騰していきます。
将来性や発展性を考慮してエリアを選ぶのはなかなか難しいことです。
しかし新駅の設置や再開発、ショッピングセンターの建設といった情報をキャッチしたら、将来性・発展性を見込めるエリアとして、中古マンション購入の候補として検討してみましょう。
【条件別】中古マンションのおすすめエリア
ここからは以下の条件別で、首都圏のおすすめのエリアを紹介していきます。- アクセス重視の人におすすめのエリア
- 治安重視の人におすすめのエリア
- 人気重視の人におすすめのエリア
都心で中古マンションを探している人は、ぜひ参考にしてみてください。もちろんこのほかにも、中古マンションの購入に適したエリアは数多くあります。
先に紹介したおすすめエリアの選び方も参考に、自身が希望する地域で最適なエリア探しをしてみてください。
アクセス重視の人におすすめのエリア
アクセス重視の人におすすめのエリアは、主に以下のとおりです。- 渋谷区渋谷エリア
- 新宿区西新宿エリア
- 川崎・横浜エリア
アクセスを重視するなら、やはりターミナル駅が近いことがポイントとなります。
中でも上記エリアは駅からやや外れたところに中古マンションが多くあるため、ねらい目です。またこうしたエリアは買い物にも困らないため、生活するうえでも非常に便利でしょう。
将来的に売却する際も、複数路線が乗り入れて急行列車も止まるターミナル駅が近いと資産性が高く維持でき、買い手も見つかりやすい傾向にあります。
治安重視の人におすすめのエリア
治安重視の人におすすめのエリアは、主に以下のとおりです。- 目黒区自由が丘エリア
- 世田谷区田園調布エリア
- 埼玉県浦和エリア
都内では、目黒や世田谷といった高級住宅地エリアがおすすめです。特に東急田園都市線沿線は治安が良く、女性の一人暮らしにもおすすめとされています。
ファミリー層も多いエリアのため、スーパーや薬局にも困らずのどかな生活が期待できるでしょう。
また埼玉県の浦和も、治安の良いエリアです。浦和は埼玉県の中でも地価が高く、駅前も発展しています。条例で風俗店の営業が禁止されていることもあり、安心して暮らせます。
人気重視の人におすすめのエリア
人気重視の人におすすめのエリアは、主に以下の通りです。- 荒川区日暮里エリア
- 墨田区押上エリア
- 川崎市武蔵小杉エリア
- 港区港南エリア
上記エリアは2022年現在、開発が進められているため将来的に人気が高まり、資産価値が上がると予想されます。
中でも武蔵小杉は、住みたい街ランキング入りするほど、現在も人気の高いエリアです。
港区港南エリアには高輪ゲートウェイ駅ができ、近年人気が高まっています。人気の高いエリアで中古マンションを購入すると、売却もしやすいためおすすめです。
中古マンションでおすすめの築年数は20~30年
中古マンションを購入するなら、築年数が20~30年の物件を選ぶのがおすすめです。新築物件とは、「誰も住んだことがない物件」を意味するため、たとえ1日であっても誰かが入居した物件は「中古物件」の扱いとなります。
そのため、中古マンションと一言にいっても、築年数1年未満の物件もあれば、完成してから30年以上経っている物件もあります。
一般的に、築年数が浅い物件ほど状態は良い傾向にありますが、価格が高く設定されています。かといって安くて古い物件は老朽化や耐久性が気になるところです。
築20年の中古マンションは「品確法」が適用
築20年の中古マンションは、「品確法」が適用されているため、おすすめです。品確法とは、2000年4月に制定された「住宅の品質確保の促進等に関する法律」のことです。新たに建設する建物に対し、以下の2点を義務化しております。
- 10年の瑕疵担保期間
- 住宅性能表示制度
瑕疵担保期間とは、住宅購入後に何らかの欠陥やトラブルが生じた場合、売主が無償で修理やメンテナンスを行なう期間のことです。
つまり築20年よりも新しい中古マンションは、住んでから10年間は万が一の不良や故障も無料で直してもらえます。
「住宅性能表示制度」とは、耐震性や遮音性といった建物の性能を表示する制度です。いわゆる住宅のスペックを一目で見られるため、購入者は住宅を性能の面でも比較検討できるようになりました。
また、こうした制度が義務化されたことで売主は住宅に責任を持つこととなり、結果的に住宅そのものの性能も上がっています。そのため、築20年ほどの中古マンションは安心して購入できるのです。
築25年以降は資産価値がほぼ下がらない
築25年以降の中古マンションは、資産価値がほぼ下がらないためおすすめです。公益財団法人 東日本不動産流通機構の発表によると、中古マンションの築年帯別平均価格は、築25年まで右肩下がりに減少し続けますが、それ以降は横ばいになります。
たとえば築25年のマンションを購入し、20年後に手放した場合、購入時とほぼ変わらない資産価値で売却できるため、負債を抱えずに済みます。
反対に築5年の中古マンションを購入して20年後に売却した場合、資産価値はほぼ半分に下がっているため、物件の支払い状況によっては借金が残ってしまう可能性があります。
マンションは戸建てに比べて大がかりなリフォームやリノベーションを行いにくい分、ライフステージの変化にともなって住み替えする可能性を考慮する必要があります。
このため、購入時より資産価値が下がりにくい築25年~30年の中古マンションを購入した方が総合的にお得でしょう。
大規模修繕の実施履歴を確認できる
築20年~30年の中古マンションは大規模修繕の実施履歴を確認できるため、物件の管理が行き届いているかどうかチェックできます。国交省ガイドラインでは、住民の安全や快適な住環境を守るため12年に1回(25年に2回)の周期で大規模修繕を行うことを推奨しています。
築20~30年は、ちょうど2回目の大規模修繕を実施するタイミングにあたるため、物件が計画的に管理されているかどうかをチェックするのに最適な時期なのです。
外観・内観ともにきれいで、設備もしっかり手入れされている物件なら、これまで適切に管理されてきた証拠ですので、今後も安心して住むことができるでしょう。
逆に1回目の大規模修繕がおこなわれる前(築10年未満)の中古マンションは、物件の管理能力を見極める判断基準が少ない分、購入時に少なからずリスクを負うことになります。
なお実際にどのような修繕計画を立てるかは物件によって異なり、中には適切な修繕を行わないまま、老朽化が放置されているケースも見られます。
国交省が実施した「マンション大規模修繕工事に関する実態調査」によると、9割近くのマンションが築11年~20年のうちに1回目の大規模修繕を済ませている状況です。
一方、築20年を過ぎて初めて大規模修繕をおこなったというケースも約1割にのぼっています。
築40年を超えて初めて大規模修繕をおこなったというケースも3%弱あることから、計画的に修繕を実施しているかどうかは物件によって大きな差があることが分かります。
大規模修繕の履歴を見て、しっかりと修繕されているかチェックしましょう。
マンションの修繕計画については、こちらの記事で詳しく解説しています。
マンションの長期修繕計画とは?その目的や注意点などをわかりやすく解説
中古マンションにおすすめの選び方
中古マンションを選ぶ際は、まず以下のポイントを決めましょう。- 予算
- 間取り
予算はフラット35のローンシミュレーターを使い、月収と支出を考慮して決めましょう。
また、将来的に子供ができたり医療費や介護費用がかかったりすることも想定して無理のない金額にすることをおすすめします。
また間取りは将来的なライフプランもふまえて決めましょう。
現在は夫婦2人暮らしでも、将来的に子供や親と住むことになる可能性があるかもしれません。手狭にならないよう、予め余裕のある間取りを検討しておくことをおすすめします。
これらが決まったら、ポータルサイトで家を探すと同時に不動産仲介業者を探しましょう。インターネットで中古マンションの取引実績の多い不動産仲介業者に依頼するのがおすすめです。
さらに検討しているエリアに密着した不動産仲介業者に依頼すれば、非公開物件なども案内してもらえる可能性があります。
よい不動産仲介業者に巡り会えれば、家探しもスムーズに行くでしょう。分からないことは聞きながら、条件を絞って内覧に移ります。
詳しい中古マンションの選び方については、下記記事をご覧下さい。
後悔しない中古マンションの選び方!築年数や不動産屋はどう選ぶ?
中古マンションの見学で確認すべきポイントや回数の目安を紹介
おすすめできない中古マンションの特徴
購入しないほうが良い中古マンションの特徴は主に以下のとおりです。- 築40年以降の中古マンション
- 災害リスクの高い中古マンション
- 相場より高い中古マンション
現在上記に該当する中古マンションを検討している人は要注意です。
中古マンションの中には、良い物件もあれば、購入を控えたほうがよい物件もあります。ここからは、中古マンションを検討する際に避けるべき物件の特徴を見ていきましょう。
築40年以降の中古マンションは要注意
築40年が過ぎている中古マンションを検討する際は注意がしてください。なぜなら築40年以降の中古マンションは現在と異なる耐震基準(旧耐震基準)で建てられており、震度6以上の大地震に見舞われた場合、倒壊や崩壊するリスクがあるからです。
地震大国といわれる日本では建物を設計する際、必要最低限の耐震能力を保証するための基準(耐震基準)が設けられます。
耐震基準を定めた建築基準法は1981年に大規模な改正が行われ、以下のとおり新たな基準(新耐震基準)が設けられました。
基準の名称 | 適用される竣工年 | 築年数 | 具体的な耐震基準 |
---|---|---|---|
旧耐震基準 | 1950年~1981年 | 40年以降 | 震度5強程度の揺れでも建物が倒壊しない |
新耐震基準 | 1981年以降 | 40年未満 | 震度5強程度の中規模自身ならほとんど損傷なし、震度6以上の大地震では倒壊しない |
新耐震基準ではより大きな地震にも耐えられるような基準となっており、震度6強の地震が来ても安心です。
一方、旧耐震基準で建設された中古マンションでは、震度6以上の地震が想定されていないため、万が一のときに不安が残ります。
耐震補強工事を実施し、新耐震基準を満たす建物に改修されている場合は安心です.
しかし前述の通り、大規模改修の内容や時期は物件によって異なりますので、築40年以上が経過している中古マンションを検討する場合は、建物の耐震性についてあらかじめ確認しておきましょう。
災害リスクの高い中古マンションに注意
中古マンションを購入する際は、災害リスクにも注意しましょう。たとえば洪水や津波、土砂災害などです。自然災害の発生件数が多い日本では、あらゆる災害のリスク情報を地図上に重ねて表示した「ハザードマップ」が公開されています。
ハザードマップ上で各災害のリスクが高いと示されているエリアは将来、自然災害に遭うリスクが高い傾向にあるため、できるだけ避けるようにしてください。
ハザードマップは国土交通省が運営する「ハザードマップポータルサイト 」で確認できるほか、自治体ごとに独自のハザードマップがWeb上などで公開されているため、事前に災害リスクのレベルを確認しておきましょう。
相場より高い中古マンションは避ける
相場よりも高い価格で売り出されている中古マンションは避けましょう。本来、中古マンションの価格は、立地や規模、築年数などによって決まるので、同じ条件の物件なら価格相場はだいたい同じになります。
しかし、最終的な物件価格は売り手(物件所有者)が決めるため、中には利益重視で相場より高く売り出されている中古マンションもあります。
相場を知らずに購入してしまうと損する可能性がありますので、周辺にある似たような物件の価格をチェックし、比較してから購入しましょう。
中古マンションがおすすめなのはこんな人
以下の条件に当てはまる人は、新築ではなく中古マンションの購入がおすすめです。- 住宅取得のコストを安く抑えたい人
- 居住エリアにこだわりたい人
- 物件を内覧してから決めたい人
- 住環境やコミュニティを重視する人
中古マンションには、新築マンションにはないメリットや特徴がたくさんあります。人によっては、あえて中古マンションを選んだ方が満足度&お得度ともにアップすることも少なくありません。
そのため自分自身の住宅へのニーズ・要望を踏まえたうえで、新築か中古かを検討してみましょう。ではここから、中古マンションがおすすめの人や向いている人の特徴を紹介します。
住宅取得のコストを安く抑えたい人
住宅取得のコストを安く抑えたい人には中古マンションがおすすめです。中古マンション最大のメリットは、販売価格が安い点。同じエリアで同じ規模のマンションでも、新築に比べると販売価格が安く設定されていることがほとんどです。
そのため、住宅取得のコストを大幅に抑えることができます。たとえば下記に当てはまる人は、新築よりも安い中古マンションの購入がおすすめです。
- 新築では手が届かないエリア・規模のマンションを予算内で購入したい
- 家具や家電など、新生活の準備にお金をかけたい
- お金はできるだけ生活費や子育て費用や教育資金に回したい
居住エリアにこだわりたい人
「駅から近い」「近隣に商業施設がある」など、居住エリアにこだわりたい人にも中古マンションはおすすめです。家を探す際、人気の高いエリアほど空き地は少ないため、新築マンションの選択肢も限られてしまいます。
そこで中古マンションを視野に入れればエリアの選択肢がぐっと増えるため、以下のように居住エリアに譲れない条件がある方は、中古マンションの購入も検討してみましょう。
- 駅から近い
- 近隣に商業施設がある
- 職場から近いエリアに住みたい
- 子育てしやすいエリアに引っ越したい
物件を内覧してから決めたい人
「実物を目で見て確かめてから購入したい」という方は、確実に内覧できる中古マンションを選んだ方が安心できるでしょう。新築マンションは物件が完成する前から売りに出されるので、人気エリアの場合、竣工前に購入しないと売り切れてしまうことがあります。
その場合、物件を内覧せずに購入せざるを得ないため、いざ入居してみたら想像と違った…ということもしばしば。
しかし中古物件であれば実物を見て納得のうえ購入できるため、入居後思わぬ欠点に気付く可能性も低く抑えられます。
前のオーナーが入居している場合は、実際の住み心地や利便性といった生の声を聞けるところも中古マンションならではの利点です。
住環境やコミュニティを重視する人
住環境や周囲にどのような住民がいるのか把握しておきたい人にも、中古マンションはおすすめです。新築マンションの場合、他の住民とほぼ同じタイミングで入居するので、自分の部屋の上下左右にどんな人が入居しているのか、事前に確かめる術がありません。
また、マンションの清掃やメンテナンスを委託する管理会社の情報や評判もチェックできないので、業者の質によっては入居後に不満を覚える可能性があります。
中古マンションはどんな世代の人が入居しているのか、管理会社による清掃・メンテナンスが適切に行われているかどうかなどを事前に調べてから購入できます。
そのため、自分のニーズに合った物件を選べる可能性が高いのです。
中古マンションのおすすめは資産価値の下がりにくい物件
「住宅取得の費用を節約したい」「人気のエリアに住みたい」という人は、新築マンションより費用が安く、エリアの選択肢も多い中古マンションの購入がおすすめです。中古マンションの資産価値は築年数を重ねるごとに減少しますが、築25年以降になると横ばいになるため、将来売却しても負債を抱える心配が少ない傾向にあります。
ただ、築40年を超える物件は旧耐震基準で建てられている可能性もありますので、耐震補強工事が行われているかどうか確認が必要です。
また、ハザードマップをチェックし、災害リスクが高いエリアに建っていないかどうか調べることも忘れないようにしましょう。
さらに、マンションを購入しようと思っている方の中には、
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