別荘ライフに憧れる人は少なくありません。しかし、下記のような理由から、購入をためらっている人も多いでしょう。
「別荘を購入したいけど、物件選びが難しい」「買ってから後悔したくない」
そこで本記事では、別荘を購入する際のポイントや注意点を紹介します。結論からいうと別荘は中古物件がおすすめです。本記事ではその理由についても詳しく解説します。
希望に合った別荘を手に入れて、理想のセカンドハウスを実現しましょう。
別荘購入で後悔しないための注意点
別荘購入までのステップは、主に以下のとおりです。- エリアを選ぶ
- 物件を検討する
- 内覧する
それぞれのステップごとに、注意すべきポイントがあります。別荘購入は、セカンドハウスとはいえ高額な買い物です。
購入後に後悔しないためにも、ここからは理想の別荘を手に入れるための注意点を見ていきましょう。
別荘の購入でエリアを選ぶ際の注意点
別荘の購入でエリアを選ぶ際は、以下の注意点を意識しましょう。- 災害リスクの少ない土地を選ぶ
- 行きやすい土地を選ぶ
- 別荘周辺の状況をチェックする
別荘というと、軽井沢や那須といった名の知れたリゾート地を思い浮かべる人が多いでしょう。
しかし、ネームバリューのある土地が一概によいとはいえません。快適性や安全性を維持するためにも、さまざまな視点でエリアを選びましょう。
災害リスクの少ない土地を選ぶ
自然災害の多い日本では、別荘を購入する際も災害リスクの想定が必須です。希望するエリアのハザードマップを確認しておきましょう。ハザードマップをチェックすることで、自然災害による被害を受けやすいかどうかが分かります。たとえば、チェックしておきたいハザードマップは以下のようなものです。
- 洪水ハザードマップ
- 内水ハザードマップ
- 土砂災害ハザードマップ
- 地震ハザードマップ
- 津波ハザードマップ
購入を考えているエリアが自然災害リスクが高いとしても、「やはりこのエリアでないと」というこだわりがある人もいるでしょう。
災害リスクがあってもその土地で別荘を購入したい場合は、災害保険等を充実させておくことをおすすめします。
行きやすい土地を選ぶ
別荘のエリア選定において重要なのが、アクセスのよさです。「別荘を購入したものの、距離が遠くあまり使わなかった」というのはよくある失敗談の1つ。せっかく別荘を手に入れたにもかかわらず、活用しないのは非常にもったいないことです。
特に、歳を重ねると長距離移動が億劫になるため、別荘を使わなくなるケースが増えます。長年にわたり別荘を所有する場合は、老後の移動についても視野に入れるとよいでしょう。
別荘周辺の状況をチェックする
中古別荘を見るときは、環境や周辺状況を理解しておきましょう。たとえば、以下のポイントについてきちんと調べておくと良いでしょう。- 隣接地との距離
- 騒音
- 住民の構成
- 自治会の有無
隣接地との距離が近すぎると、視線や話し声が気になることがあるかもしれません。
立地によっては、車の音や環境音などがうるさく感じることもあります。できれば朝、昼、夜と時間を変えて騒音がないかチェックすることをおすすめします。
また、別荘地でも住民の付き合いはゼロではありません。近所付き合いに不安がある場合は、住民の構成や年齢層などを管理会社に聞いておくと安心です。
別荘地には自治会が設置されているケースも多いので、加入義務の有無や年会費などについてもチェックしておきましょう。
別荘購入を検討する際の注意点
別荘のエリアが決まったら、続いて物件を選びましょう。物件選びにおける注意点は、主に以下のとおりです。- 瑕疵物件ではないかチェックしておく
- 別荘地全体の管理状況をチェックする
- 新耐震基準に適合しているか確認する
- 再建築可能か確認する
- 土地の権利関係について確認する
特に中古の別荘を検討する場合は、上記の注意点をしっかりと押さえたうえで物件を選ぶ必要があります。リフォームや売却するときのことも踏まえて、失敗のない物件選びをしましょう。
瑕疵物件ではないかチェックしておく
中古物件やリノベーション物件の場合、瑕疵物件でないかチェックしておきましょう。瑕疵(かし)物件とは、いわゆる訳あり物件です。たとえば良い条件の中古別荘が格安で販売されている場合は、瑕疵物件なのかもしれません。
購入後に発覚するといろいろと不都合が多いため、事前に調べておくのがおすすめです。周辺の人に確認したり、業者などに何らかの心理的瑕疵はないかを尋ねたりしておきましょう。
瑕疵物件と呼ばれるものには、以下の4つがあります。
- 物理的瑕疵物件
- 法的瑕疵(法律的瑕疵)物件
- 心理的瑕疵物件
- 環境的瑕疵物件
このうち「物理的瑕疵物件」「環境的瑕疵物件」は、これまでに注意した通り、物件や周辺環境のチェックを行えば、ある程度は分かります。
とくに、物理的瑕疵への不安が大きい場合は、専門家の「インスペクション」を受けると、不安は解消されるでしょう。
また、法的瑕疵物件とは、建築基準法、消防法、都市計画法などに抵触しているケースです。
別荘地でこのケースに当たることはまれですが、築年数が相当古い場合は該当するものがあるかもしれません。事前にチェックしておきましょう。
瑕疵物件のなかでも最も注意したいのが「心理的瑕疵物件」です。これは、過去に別荘内や近所でトラブルや事件があった物件のことです。
物理的、法的に問題はなくても、後で分かると心理的な負担が大きくなります。
別荘地全体の管理状況をチェックする
別荘地全体の管理状態も、事前の確認が必要です。ゴミの収集や道路の整備といったサービス内容は、エリアを管轄する管理会社によって異なります。そのため、希望するエリアではどのようなサービスを受けられるのか確認しておきましょう。
具体的には、次のサービス内容があるかどうか確認することをおすすめします。
- 道路・街灯の管理
- ゴミ収集所の管理
- 緊急時の対応
- 草刈り・雪かきなどの有料サービス
なお別荘地の管理については、そのエリアの管理会社が一括して行っていることがほとんどです。
新耐震基準に適合しているか確認する
中古別荘の場合は、新耐震基準に適合しているか確認しましょう。現在の耐震基準は1981年に制定されたものが基本となっており、その後2000年に改正されました。建築年ごとの耐震強度については、以下のとおりです。建築年 | 適用される耐震基準 | 耐震強度のレベル |
---|---|---|
1981年以前 | 旧耐震基準 | 震度5程度の中規模地震までしか耐えられない |
1981年以降 | 新耐震基準 | 震度6強~7程度の大規模地震まで耐えられる |
2000年以降 | 新耐震基準 | 地震によって全壊する可能性は低い |
検討している別荘が1981年以前に建てられていた場合、震度6以上の地震が来たら倒壊するリスクがあります。安全性を確保するため、耐震補強工事が必要となるでしょう。
なお一般的な戸建ての場合、耐震補強工事費用の相場は約150万円といわれます。しかし別荘地の場合は資材の運搬コストやアクセスの悪さなどがあり、より高額なコストが必要となるでしょう。
耐震基準については、下記の記事でも詳しく解説しています。
耐震基準とは?その定義や旧耐震と新耐震の違いなど基本解説
再建築可能か確認する
別荘を購入して改築・増築したい場合、建築基準法の規制や県条例、町村の条例などを確認しておきましょう。一般的な住宅は建ぺい率と容積率が定められており、現状によってはそれ以上増築できないケースもあります。
また、別荘を購入する際は、その土地で「できること・できないこと」をきちんと確認しておくことが必要です。
たとえば、軽井沢では自然景観を守る目的から、独自の自然保護対策要綱を制定しています。これにより軽井沢の別荘は外壁や屋根の色が制限されるほか、樹木をむやみに排除することも許されません。
土地の権利関係について確認する
別荘地の土地が誰のものになるのかも、事前の確認が必要です。別荘地の土地権利には、以下の2種類があります。- 所有権
- 借地権
所有権とは、購入後の別荘地を自分のものにできる権利です。固定資産税を支払い、自身で管理します。
一方、借地権とは、その土地を「借りる」権利です。別荘を購入しても土地は自分のものとはならず、「借地料(地代)」を毎年地主に支払わなければなりません。
なお、借地権はさらに「地上権」「賃借権」「転借権」などと分類が細かく分かれています。どれに分類されるかによって自分の持てる権利が変わるため、購入前に権利状況を必ず確認しておきましょう。
別荘購入前に内覧する際の注意点
気になる別荘が見つかったら、早速内覧をしましょう。内覧の際の注意点は、以下のとおりです- 傷や汚れをチェックする
- 設備の状態をチェックする
このとき、周辺環境も同時に見ておくと安心です。
特に中古別荘の場合、値段や建物の上辺だけを見て別荘を購入すると、購入後に「しまった」ということになりかねません。別荘を購入する際は、建物の事前チェックや土地の状況をしっかりチェックしましょう。
傷や汚れをチェックする
中古物件の場合はとくに、傷や汚れを念入りにチェックしましょう。とくに注意しておきたいチェックポイントは以下の通りです。- 基礎にひび割れや亀裂がないか
- シロアリ被害はないか
- 土台、束柱に腐食はないか
- 屋根に傷みや破損はないか
- 外壁塗装のコンディションはどうか
- ハチの巣やキツツキ被害はないか
- 雨どいに詰まりや破損がないか
別荘の外観だけではなく、悪臭にも注意が必要です。部屋に入ってすぐにニオイを感じる場合は、カビや配管詰まりが発生している可能性があります。
また一般的に人気の高い別荘地は、緑豊かな場所や雪の多い場所や海のそばにあるケースがほとんどです。
しかしこうした場所では湿気や塩害などにより、家のコンディションを良好な状態に保つのが非常に難しい傾向にあります。
そのため、築浅だからといって油断せず、劣化の具合をしっかり目視で確認しましょう。
設備の状態をチェックする
中古物件の場合、建物だけでなく別荘内に設置してある設備や内装の確認も必要です。具体的には、以下のポイントをチェックしておきましょう。- 建具の開閉はスムーズか
- 床にきしみや傾きはないか
- バス・トイレ・キッチン・エアコン・除湿器のコンディション
- 水回り設備の仕様・稼働状況
- 暖房設備の仕様・稼働状況
設備のほとんどは、8~10年で保証期間が切れます。そのため中古物件の場合は設備を新しく設置し直すべきかどうか、状態を見て判断しなければなりません。
特に別荘が寒冷地にある場合は、水道管の凍結防止のため、凍結防止帯があるはずです。
凍結防止帯が作動していない場合、水道管が破裂するおそれがあります。建物の浸水被害が懸念されるため、必ず確認しておきたいポイントです。
また、同じく寒冷地の別荘では、薪ストーブが付いていることも珍しくありません。この場合、タールの付着具合や詰まり具合についての適切なチェックが必要です。
別荘購入で失敗しないために知っておくべきこと
別荘購入前には、以下の注意点を把握しておきましょう。- 別荘に通常の住宅ローンは使えない
- リフォームが必須となる中古別荘も多数
- 売却しにくい場合がある
- 別荘コンシェルジュの活用もおすすめ
別荘は、通常の住宅と異なる点があります。住宅を購入するのと同じように物件を選ぶと、後から思わぬトラブルが発生することもしばしばあるでしょう。
事前に知識を持っておけば、あらゆる失敗を防げます。
別荘に通常の住宅ローンは使えない
別荘購入において、通常の住宅ローンは利用できません。住宅ローンは居住用の家に適用するための商品であるため、メインの家として使わない別荘には適用できないのです。ローンを組んで別荘を購入する際は、「セカンドハウスローン」を利用しましょう。セカンドハウスローンとは、居住用ではない物件の購入に使えるローン商品です。
セカンドハウスローンは一般的な住宅ローンに比べて、融資限度額は低く設定されている金融機関が多数。しかし、フラット35であれば通常の住宅ローンと同じ条件で借り入れできます。
リフォームが必須となる中古別荘も多数
安い中古別荘の中には、購入後にリフォームしなければ住めない状態のものも多くあります。安いからといってすぐに飛びつくのではなく、築年数や建物の劣化状況を確認しておきましょう。
特にエリアの相場より大幅に安い別荘は、注意が必要です。
たとえば和式のトイレしかない場合や、給湯器が壊れているといった場合もしばしば。トイレを和式化から洋式に変えるだけでも30~40万円ほどの費用がかかります。
中古物件のリノベーションにかかる費用については、下記の記事をご覧ください。
リフォームとリノベーションの違い!費用や工事期間・流れを解説!
中古を買ってリノベーションするのにかかる費用やコツを解説
売却しにくい場合がある
別荘は人気エリアでない限り、売却できない可能性があります。将来的に別荘を手放す可能性がある場合は、軽井沢などある程度人気エリアで物件を選ぶと売却しやすいでしょう。売り手が見つからず、空き家状態になっている別荘は年々増えています。売却できないと毎年維持費だけがかかってしまうため、立地は非常に重要です。
別荘コンシェルジュの活用もおすすめ
別荘購入を検討する際、「別荘コンシェルジュ」を利用する手もあります。別荘コンシェルジュを簡単にいうと、別荘に特化した不動産仲介業者です。エリアや物件の紹介だけでなく、別荘を使わない期間の運用方法や売却についても豊富な知識でサポートしてくれます。
別荘購入は通常の住宅購入と異なる点が多いため、何かと不安に思う人もいるでしょう。購入後に後悔しないためにも、別荘コンシェルジュを利用してみてはいかがでしょうか。
中古別荘を購入するメリット
別荘を購入するなら、中古がおすすめです。その理由は以下のとおり。- 価格が手頃
- 思い通りの内装に仕上げられる
- 現状や住み心地を確認しやすい
- 人気エリアも選択肢に入れられる
中古別荘のメリットは、価格だけではありません。特に初めて別荘を購入する方にとって、実際の建物を見て確かめられる中古別荘なら失敗するリスクを低く抑えられます。
今は「中古はちょっと」思っている人も、中古の別荘を購入するメリットを知ると、中古別荘も選択肢に入れたくなるかもしれません。
価格が手頃
中古別荘の最大の魅力は、物件価格が安い点です。別荘に限らず、物件は完成した時点から価格は下落し始めます。そのため築浅でコンディションのよい物件も安価に購入することが可能です。新築物件を購入するよりも低価格で、満足のいく広さやデザインをそろえた別荘が見つかるでしょう。
以前は、中古というと「予算を十分に用意できない人の選択肢」というイメージがありました。しかし近年では、「あえて中古別荘を購入し、自分で好きに手を加える」という人が増えています。
思い通りの内装に仕上げられる
別荘なら安く購入した後にリフォームすることで、思い通りの内装に仕上げられます。「こんな別荘が欲しい」と理想があるとき、新築にこだわると莫大なコストがかかります。予算が足りず、エリアを妥協したり設備のグレードを下げたりなど、さまざまな我慢を強いられるでしょう。
しかし、中古物件には「本体を安く購入してリフォームを加える」方法があります。自分の条件を妥協せずに済み、理想の別荘ライフを満喫できるのです。
近年は、リフォームの技術の進歩が著しく、施工方法や仕上がりの選択肢は数多くあります。信頼できる業者を選べば、間取りから内装まで思い通りに仕上げることも可能です。
現状や住み心地を確認しやすい
中古別荘は、すでに現物がある状態のため、購入後に別荘を使うときの様子をイメージしやすい点もメリットの1つです。実物を見て検討できるため、購入前と後のミスマッチが少なくなります。
新築で一から別荘を建てる場合、完成後の様子については図面でしか確認できません。「思っていたよりも日当たりが悪かった」「西日がきつすぎた」など、実際に住んでみて初めて分かることも多いでしょう。
ところが中古であれば、実際の状況を確認しながら「本当に住みやすい物件なのか」を購入前に判断できます。
人気エリアも選択肢に入れられる
中古別荘なら、物件価格が安いため地価の高い人気エリアも検討視野に入れられます。現在日本にはさまざまな別荘地がありますが、古い歴史を持っていたり知名度が高かったりする別荘地は、取得に掛かるコストが高額になりがちです。
たとえば、以下のような場所に「別荘を持ちたい」と考えている場合は、新築だと難しいかもしれません。
- 軽井沢
- 那須
- 伊勢志摩
- 八ヶ岳
- 蓼科
- ニセコ
これらのエリアはブランド力が高く、資産価値もさほど低下しません。不動産投資として別荘を購入する人も多いといわれているほどで、新築別荘を建てるにはそれなりの予算が必要です。
軽井沢の場合、平坦地だと坪単価40万円するところもあります。「ここに別荘がほしい」と思っても、予算が足りなければ諦めるしかありません。
しかし、中古物件なら、本体価格を抑えられます。希望のエリアでも、予算内に収まるものが見つかる可能性はあるでしょう。また、人気エリアで別荘を購入すれば売却もしやすいといったメリットがあります。
別荘購入の注意点を理解して理想の別荘ライフを実現しよう
別荘エリアについて考えるときは、ハザードマップを活用したり、環境をチェックしたりすることが重要です。とはいえパーフェクトな物件はなかなか見つからないため、妥協点をどこに置くか考えることが大切です。
また中古の別荘には特に、何らかの傷やダメージがあるかもしれません。購入後に後悔しないよう、家の外・内はもちろん、周辺環境や土地の状況まで詳しくチェックしておきましょう。
近年はテレワークやワーケーションなどで、別荘の活用法も広がっています。お気に入りの別荘を見つけて、理想の別荘ライフを実現させましょう。
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中古住宅の購入を検討されて方は、こちらの記事もご覧ください。
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