では、広島市中区の不動産売却の市況から解説します。
まず、広島市の紙屋町・八丁堀地区ではインバウンド増によるホテルの建設ラッシュに沸いています。内閣府・国土交通省によると、この地域や広島駅周辺は「都市再生緊急整備地域」に認定されたため、土地の理容制限の規制撤廃、税制上の優遇が受けられるため、建て替え需要は更に広がりそうです。
以上は商業地の地価への考察ですが、これに付随して住宅地の需要も少なからず影響を受けることと、景気回復・低金利によって住宅地の地価も堅調に推移しています。
国交省の「都道府県地価調査」によれば、広島市中区の住宅地の価格の前年比の変動率は、2018年は+4.6%、2019年は+5.7%でした。
つまり、住宅地の価格はこの3年では上がり続けています。
また、広島市中区での不動産の価格を世帯数・空き家率からみていきましょう。
- 広島市中区の世帯数は2016年に73,317世帯でしたが、2018年に75,345世帯となり、2,028世帯(2.8%)が増えているため、住宅需要も増えていると言えます。
- 広島市中区の空き家率は、2013年に17.6%、2018年に21.5%と増えているので、空き家は更に増えたと言えます。
(なお、空き家率の全国の約1,900の市区町村での順位は、2013年は175で、2018年には83でした。)
つまり、今後の市況は、大まかな傾向としては世帯数(需要)は増えるものの、空き家も増えるので、売りやすい状況とは言えません。