「シングルマザーでもマンション購入できる?」
「シングルマザーが住宅ローン審査に通るために必要な年収は?」
このように考えてマンション購入に迷いやあきらめを感じてはいませんか?
結論、シングルマザーがマンション購入をすることはできます。条件を満たせば母子家庭であっても住宅ローン審査に通ることも十分に可能です。
この記事では、
- 住宅ローン審査で重要視されるポイント
- マンション購入に必要な年収
- シングルマザーがマンション購入をする4つのメリット
このような内容について解説していきます。記事の後半ではシングルマザー・母子家庭のマンション購入を助ける補助金や手当についても解説しますので、ぜひ最後までご覧ください。
シングルマザーでもマンション購入はできる!住宅ローンで重視される項目とは?
シングルマザー・母子家庭でも住宅ローンを組むことはできます。住宅ローン審査について押さえておきたいポイントはこちらの2点です。
- 住宅ローン審査で「家族構成」は重視されない
- 住宅ローン審査で重視されるのは「年収」と「勤続年数」
それぞれ詳しく解説します。
住宅ローン審査で「家族構成」は重視されない
結論、シングルマザー・母子家庭であることが住宅ローン審査で不利に働くことはほとんどありません。
国土交通省により行われた、令和2年度民間住宅ローンの実態に関する調査結果報告書によると「家族構成」を住宅ローンの審査項目としているのは、調査に回答した約1,200の金融機関の内、23.7%にとどまっています。つまり70%以上の金融機関は「家族構成」を住宅ローン審査の対象外としているのです。
「家族構成」が住宅ローン審査の対象になっている金融機関があることも事実ですが、それを最重要視しているとは限りません。また、1つの金融機関で審査が通らなかったとしても、他の金融機関の審査にチャレンジすれば良いのです。
住宅ローン審査で重視されるのは「年収」と「勤続年数」
では、重視される住宅ローンの審査項目は何なのでしょうか。先にも示した国土交通省の調査によると調査対象の金融機関約1,200の内、90%以上の機関が審査対象としていた項目には以下のようなものがありました。
- 健康状態(98.6%)
- 借入時年齢(98.3%)
- 完済時年齢(97.7%)
- 勤続年数(95.7%)
- 年収(95.6%)
- 返済負担率(92.1%)
これらの項目は家族構成は関係ありません。借入時・完済時年齢など自分ではどうにもならない項目もありますが、シングルマザー・母子家庭であっても健康状態のよさや十分な年収・勤続年数をアピールすることができれば、住宅ローン審査に通ることは可能なことがわかります。
シングルマザーがマンションを購入するのに必要な年収は?
シングルマザー・母子家庭でも返済能力をアピールすることができればマンション購入は可能です。その返済能力と密接に関係しているのは「年収」ですが、どれほどの年収があればマンションを購入できるのでしょうか。
年収150万円以上が必須
結論、年収150万円以上であれば住宅ローン審査を通る可能性があります。ただし現実的には200万円~300万円の年収が必要です。
と言えます。
国土交通省が行った「令和2年度 民間住宅ローンの実態に関する調査」によると、年収を審査項目にしている金融機関では、以下の金額を審査水準としています。
- 100万以上(272)
- 150万以上(550)
- 200万円以上(97)
- 250万以上(18)
- その他(164)
もっとも多いのが150万円以上で、その次に多いのが100万円以上という結果でした。
厚生労働省が平成28年に行った調査では、シングルマザーの平均年収は243万円だということがわかっています。100~150万円からでも住宅ローンを組める金融機関があることから、シングルマザーが住宅ローンを組んでマンションを購入することは、決してハードルの高いことではないことがわかります。ただし、実際に年収100万円のシングルマザーが住宅ローンを返済することは、現実的に厳しいといえます。最低でも年収150万円、可能であれば年収200~300万円であれば余裕をもった計画的な返済を目指せます。
自分の年収でいくら借り入れられるか気になっている方は、マンション購入に適した年収は?購入価格の目安やローンについて徹底解説!をご覧ください。
年収に対する返済負担率が重要
住宅ローンの審査をするときは、年収に占める返済額を示す「返済負担率」が重視され、無理のない返済負担率に収めることが求められます。返済負担率は金融機関によって異なりますが、以下を目安にするといいでしょう。
年収 | 返済負担率 |
---|---|
100万円以上300万円未満 | 20% |
300万円以上450万円未満 | 30% |
450万円以上600万円未満 | 35% |
600万円以上 | 40% |
ただし、この年収負担率は金融機関が審査をするときの数字で、無理のない返済をするなら、これよりもやや高めの水準を目指す方がよいでしょう。
たとえば世帯年収300万円のシングルマザー・母子家庭の場合、審査に通る返済負担率は30%となり、年間90万円、月間7万5,000円程度の返済が必要になります。しかし、年収300万円の手取りは240万円程度で月収20万円となるため、住宅ローンの返済額を差し引くと12万5,000円しか生活費残りません。これでは貯蓄をすることが難しく、子どもやご自身に何かあったときに金銭的な余裕がなくなってしまうリスクがあるのです。
そのためシングルマザーがマンションを購入するときは、現実的に支払いを続けられる返済負担率に設定することが大切です。人によって異なりますが、返済負担率が手取りの20~25%ほどになるように借り入れをすると、万が一のために備えながら余裕を持った返済計画を立てられます。
シングルマザーがマンション購入をするメリット4選!
シングルマザーがマンションを購入するメリットは、
- 子供に資産を残せる
- セキュリティがしっかりしている
- 団体信用生命保険に入れる
- リフォーム・リノベーションができる
の4点があります。
子供に資産を残せる
まず1つ目に、購入したマンションが自分と子供の資産になるというメリットがあります。住宅ローンを返済してしまえば、そのマンションは自分の所有物となります。将来子どもに相続させることも可能ですし、賃貸に出して不労所得を得ることもできるでしょう。
賃貸マンションの場合、いくら家賃を支払っても子どもに不動産を残すことはできません。せっかく住まいにお金を支払うのであれば、将来資産となるマンション購入にお金をかけた方がよいのではないでしょうか。
またマンションを所有していることは、銀行からの融資を受けやすくなるなど、社会的信用をアップさせるメリットもあります。変化の激しい時代において、将来何が起こるかは予測がつきません。老後の生活や子供のため、マンションという形で資産を残しておけることは安心材料になるでしょう。
セキュリティがしっかりしている
分譲マンションにはオートロックや監視カメラ完備の物件が多く、なかには管理人が常駐している物件もあります。お手頃価格の分譲マンションであってもセキュリティ対策が手厚い物件が多いため、シングルマザーや母子家庭でも安心して暮らせることがメリットです。
賃貸物件でもセキュリティ対策が手厚いマンションはありますが、その分家賃は高くなってしまいます。住民が長く住むことを想定している分譲マンションのほうが、手頃な管理費で手厚いセキュリティ対策の恩恵を受けることができます。
また万が一何かあっても管理会社や警備会社がすぐに対応してくれることも安心感を与えてくれます。
団体信用生命保険に入れる
住宅ローンを組むときは、「団体信用生命保険(団信)」に加入することになります。団体信用生命保険とは債務者が死亡したり高度障害状態になったりしたとき、保険金で住宅ローンの残債を返済できる保険です。
健康状態によっては加入できないこともありますが、団体信用生命保険に入ってマンションを購入すれば、万が一親が死亡したり障害状態になったりしたとき、住宅ローンの返済が不要となります。将来的に子供へ負担をかけるリスクを減らせる点も、マンション購入の大きなメリットです。
参考:住宅金融支援機構|機構団体信用生命保険特約制度のご案内
子供の成長に合わせてリフォーム・リノベーションができる
マンションを購入すれば、専有部分である室内を自由にリフォームできます。賃貸マンションやアパートでは好きなようにリフォームすることはできないため、この点は大きなメリットでしょう。
例えば、
- 料理中も子供を見守れるよう対面キッチンに
- 子供の成長に合わせて壁紙を張り替え
- 個室を減らして広々したLDKに
このようにマンションの管理規約で定められた範囲内にとどめる必要はありますが、子供の成長に合わせて室内をカスタマイズ可能です。暮らしに合わせてリフォーム・リノベーションを行えることはマンション購入の強みといえます。
シングルマザーのマンション購入を助ける手当や補助金は?
現在、シングルマザー・母子家庭向けのマンション購入に使える全国一律の制度はありません。各自治体で提供している場合もありますので、住み替えを検討している自治体にお問い合わせください。マンション購入支援の制度ではありませんが、シングルマザーのマンション購入を助ける補助金制度や手当として、
- 児童手当
- 児童扶養手当
- 母子父子寡婦福祉資金貸付金制度
が挙げられます。
児童手当
児童手当制度とは0歳から中学校卒業までの子供を育てている人に手当が支給される制度です。支給金額は以下の通りです。
児童の年齢 | 児童手当の額(一人あたり月額) |
---|---|
3歳未満 | 一律15,000円 |
3歳以上~小学校修了前 | 10,000円(第3子以降は15,000円) |
中学生 | 一律10,000円 |
子育てをしている人なら申請さえ行えば手当を受けられます。必須で活用しましょう。
児童扶養手当
「児童扶養手当」は先に紹介した「児童手当」と名前が似ていますが、これらは別々の制度です。児童扶養手当制度はひとり親家庭を対象としており、18歳までの子供を育てているシングルマザー・母子家庭であれば、年6回手当の支給を受けることができます。児童手当と児童扶養手当の両方の受給も可能です。
支給額は以下の通りです(支給額は所得に応じて決定されます)。
全部支給 | 一部支給 | |
---|---|---|
子供が1人の場合 | 42,330円 | 42,320円~9,990円 |
子供が2人目の加算額 | 10,000円 | 9,990円~5,000円 |
子供が3人目の加算額 | 6,000円 | 5,990円~3,000円 |
母子父子寡婦福祉資金貸付金制度
母子父子寡婦福祉資金貸付金制度とは、20歳未満の子供を育てている母子家庭に対して、厚生労働省が低金利で貸し付けを行う制度です。借りられる資金の1つに住宅資金があります。保証人がいれば150万円までを限度に住宅購入資金を無利子で借りることができます。
他に借りられる資金の種類は以下のようなものがあります。
- 修学資金
- 技能習得資金(パソコン、栄養士など)
- 就職支度資金
- 医療介護資金
住宅資金は自分で用意し、子供の学費をこちらで調達することもできますし、パソコンや栄養士、介護士といった技能を身に着け、今よりも収入を増やすことも視野に入るでしょう。
参考:母子父子寡婦福祉資金貸付金制度 | 内閣府男女共同参画局
シングルマザーがマンション購入をするときのチェックポイント
シングルマザーがマンションを購入する際に考慮すべきチェックポイントは以下の通りです。
- ライフステージに対応できるか
- 管理費・修繕積立金は考慮しているか
- 子育てしやすい周辺環境であるか
詳しく解説していきます。
ライフステージに対応できるか
長い人生のライフステージに対応できるマンションであるかを考えておく必要があります。
例えば子供が大きくなれば結婚をして家を出るかもしれませんし、2世帯一緒に住むかもしれません。また将来あなた自身の再婚の可能性もあるでしょう。家族が増えた場合にはリノベーションをしてもいいですし、1人で住むには広すぎるとなれば売却や賃貸に出してもよいでしょう。ライフステージが変化した際に後悔しないか、といった視点でマンション選びをすることも大切です。
管理費・修繕積立金は考慮しているか
マンションを購入したあとは、月々のローン返済以外に固定資産税や管理費、修繕積立金の支払いが必要となることを理解しておきましょう。たとえローンの返済が終わっても、こういった費用はかかり続けます。
ローンの返済額だけを想定してマンションを購入してしまうと、思わぬ出費で生活費が圧迫されてしまう恐れがあります。必ず「年間でトータルいくら必要なのか」を計算のうえ、マンションを購入してください。
子育てしやすい周辺環境であるか
マンション周辺に子育てをしやすい環境が整っているかも必須のチェックポイントです。なぜならマンションを購入すれば、気楽には住み替えができないからです。そのため長く住み続けることを前提に、周辺環境もしっかりとチェックしましょう。
- 保育園や学校が近くにあるか
- 職場は遠くなりすぎないか
- 病院や役所は近くにあるか
- 治安が悪くないか
仕事と子育てを両立して日常生活を送りやすいマンションを選ぶことが大切です。
シングルマザーでもマンション購入はできる
シングルマザーのマンション購入について解説しましたがいかがでしたでしょうか。
マンション購入をする際の住宅ローン審査において、シングルマザー・母子家庭であることが問題になることはありません。住宅ローン審査で重視されるのは「健康状態」や「年収」「勤続年数」であり、返済能力をアピールすることができればマンション購入は十分に可能です。
シングルマザーのマンションを購入にはたくさんのメリットがあります。
- 自分と子供の資産になる
- セキュリティがしっかりしている
- 団体信用生命保険に入れるので、もしもの時も安心
- リフォーム・リノベーションができる
もし資金面で不安がある場合には、
- 児童手当
- 児童扶養手当
- 母子父子寡婦福祉資金貸付金制度
といったシングルマザーのマンション購入を助ける補助金制度や手当を最大限に活用しましょう。
ただし、注意点として住宅購入のためには登記費用や司法書士費用、また手付金などの購入にかかる諸費用が別途現金でかかってくるほか、住宅ローン控除などの専門的な知識をベースに資金計画を立てないと損をする可能性があります。
そのため、住宅ローンを組む際は住宅購入のプロに相談しながら資金計画を立てることが必要不可欠です。住宅ローン控除やすまい給付金など、知らなきゃ損をする控除制度についての情報収集も大切。
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