「マンション購入で失敗しないためには、どんな条件にこだわるべき?」
「資産価値の高いマンションの条件って具体的にどんなこと?」
こんな疑問をお持ちではないでしょうか?
マンション購入は人生でもトップクラスに大きな買い物ですから、できるだけ失敗はしたくないですよね。とはいえ、失敗しないマンションの条件といわれても具体的に挙げることは難しいのではないでしょうか。
そこでこの記事では、これからマンション購入を考えている人に向けて、マンション購入で失敗しないために絶対にこだわるべき2つの条件について、詳しく解説していきます。
記事の後半では後悔しがちなマンション購入の3つの条件についても解説していますので、ぜひ最後までご覧ください。
失敗しないマンション購入の条件は2つ
失敗しないマンション購入の条件は以下の2つです。
- 資産価値の高いマンションを選ぶ
- 住みやすいマンションを選ぶ
それぞれ詳しく解説していきます。
資産価値の高いマンションを選ぶ
失敗しないマンション購入をするためにこだわるべき1つ目の条件は「資産価値が高いマンションを選ぶ」です。
マンションを購入して一生そこに住み続けるのであれば資産価値を特に意識する必要はないかもしれません。しかし、家族構成やライフステージの変化など、将来なにが起きるかは誰も予想できません。急遽、何かしらの理由でマンションを売却する可能性もあります。そのため、購入するマンションは自分の資産になるという意識をもつことが大切です。
国土交通省が毎月公開している「住宅の不動産価格指数」によると緑の線で示されたマンションの不動産価格はここ数年間、右肩上がりで伸び続けていることがわかります。
この流れを活かすことができず後悔しないためにも、マンション購入の条件として「資産価値の高さ」を重視すべきだといえます。
マンションの資産価値についてもっと詳しく知りたい方はこちらの記事をご覧ください。
住みやすいマンションを選ぶ
駅から近い、学校やスーパー、職場が近い、駐車場を完備しているなどマンション自体やその地域に住み心地の良さを求めることは大切です。駅からの距離だけを重視していると、いざ生活してみると不便に感じる可能性も高いです。
また、昼間の内見では気にならなくても暗い時間帯は駅からの道が暗く治安が心配、深夜まで営業している飲食店が多く騒がしいなどの問題が見えてくる可能性もあります。その地域でに長く住み続けられるのかをよく考えてマンションを選ぶようにしましょう。
不動産会社で間取りや数字の情報だけを見るのではなく、実際にそのエリアやそのマンションに住んでいる人の意見を聞き入れることも大切です。
資産価値の高いマンションの条件6選
資産価値の高いマンションの条件は以下の6つです。
- 周辺施設が充実している
- 利便性が良い
- 人口が増える地域である
- 人気エリアである
- 築浅である
- 採光や眺望が良い
それぞれ詳しく解説していきます。
周辺施設が充実している
マンションの設備だけでなく、周辺施設が充実しているかどうかも資産価値を大きく左右するポイントです。たとえ人気のエリアのマンション、閑静な住宅街にあるマンションであっても、近くにスーパーやコンビニ、商店街などがないようであれば生活しにくく、資産価値は低くなります。
小さな子どもや高齢者がいる家庭であれば、学校や病院が近くにないのは不安要素です。仕事帰りや夜中でも気軽に買い物ができるなどの便利さも資産価値においては大きく影響します。
また、これらの生活に必要な基本的な施設だけでなく、大型の商業施設や観光地、遊園地などが近くにあると資産価値が高くなる傾向にあります。
利便性が良い
マンションの利便性が良ければ短期間で資産価値が下がることはそうそうありません。駅からマンションまでの距離が近いだけでなく、多くの路線が乗り入れている都心や職場、学校までの時間が短い、乗り換えの必要がないなど、交通アクセスのいいマンションは根強く人気です。
そのため、住みやすさを最優先し、交通アクセスのよいマンションは資産価値も非常に高くなります。
マンションの立地条件についてもっと詳しく知りたい方はこちらの記事をご覧ください。
マンション選びは立地が大切!重視すべき3つのポイント
人口が増える地域である
マンションは人口が多いエリアほど需要が高くなり、その分資産価値も高くなります。購入時に人口が多いだけでなく、その後も人口があまり変わらない、または増えていくエリアのマンションを選ぶようにしましょう。
人口が多いエリアは周辺施設が充実している、都心に近い、都心へのアクセスが便利、住みやすい環境が整っているなどの理由から人気のエリアです。
人気のエリアである
多くの人が「住みたい」と思うエリアは人気があるため資産価値が高く、土地の価格も下がりにくい傾向にあります。例えば、横浜や恵比寿そして目黒といった街は根強く人気です。
人気の理由としては、商業施設などが施設が充実しているだけでなく、利便性もよいからです。資産価値を意識してマンション購入を検討する際はどのエリアが人気あるかを確認しておくのも1つの方法といえます。
築浅である
マンションの資産価値は築年数が経過するとともに下落していきます。マンションには国税庁が定めた法定耐用年数があります。マンションは法定耐用年数に近づくにつれて建物の経年劣化が進むので価値が下落するのが一般的です。
レインズマーケットインフォメーションのデータを見てみると、築年数が経過するにつれ価格が減少傾向にあることが分かります。
築年数 | 価格(万円) | 面積(㎡) | ㎡単価(万円) |
---|---|---|---|
築0~5年 | 5105 | 66.32 | 76.97 |
築6~10年 | 4486 | 68.46 | 65.53 |
築11~15年 | 4083 | 69.6 | 58.65 |
築16~20年 | 3411 | 68.66 | 49.67 |
築21~25年 | 2183 | 62.46 | 34.95 |
築26~30年 | 1686 | 57.16 | 29.49 |
築31年~ | 1759 | 56.4 | 31.19 |
マンションの築年数についてもっと詳しく知りたい方はこちらの記事をご覧ください。
中古マンションの築年数は何年が買い時?寿命や耐震性まで解説
採光や眺望が良い
日当たりのよい部屋、角部屋、南向きの部屋はそれだけで資産価値が高いです。高層階にあり眺望がいい、海や山などの自然の景色を楽しめる、東京タワーなどの有名スポットが見られるなど、眺望のよいエリアも資産価値に影響します。
しかし、マンションを売却するまでの期間にその採光や眺望を邪魔するマンションやビルが建設されてしまうと資産価値は低下します。そのため、資産性を考えるのであれば再開発中のエリアや近々新しい建物ができる計画がある場所のマンションを購入する際は十分に注意しましょう。
条例などによって、高層マンションや高層ビルを建設できないエリアは採光や眺望が長年守られますので、心配な方はこのようなエリアを選ぶのもおすすめです。
マンションの日当たりについてもっと詳しく知りたい方はこちらの記事をご覧ください。
マンションの日当たりに影響する方角に関する基礎知識
住みやすいマンションの条件3選
住みやすいマンションの条件は以下の3つです。
- 治安がよく暮らしやすい
- 間取りや水回りの利便性が高い
- 管理体制がしっかりしている
それぞれ詳しく解説していきます。
間取りや水回りの利便性が高い
マンション内部の間取りや水回りの利便性も生活を快適にするために大切です。駅から近い、商業施設が多い、治安がいいなどの好条件が揃っていても、部屋数が少ない、家族が団らんできるスペースが少ないなど間取りに問題があると生活しにくく感じてしまいます。
また、キッチンやトイレ、バスルームなどの水回りもチェックしておきましょう。きれいであることはもちろん、広さは十分か設備は最新か、スムーズな生活動線を確保できるかなどは生活のしやすさを大きく左右します。
とくにキッチンにはこだわる方は多いです。一般的な壁に向かって設置されているキッチン、リビングを見渡せるアイランドキッチンやカウンターキッチン、収納力の高いキッチンなど、自分にとって理想のキッチンかどうかも重視しましょう。
家族の人数ごとのおすすめの間取りについて詳しく知りたい方はこちらの記事をご覧ください。
- 3人家族におすすめの間取りや部屋の広さを分かりやすく解説
- 4人家族にベストな間取りは?1LDKから4LDKまで最適な間取りを紹介
- 5人家族の間取りは3LDK?4LDK?子供が3人の子育て世帯の間取りを解説
治安がよく暮らしやすい
マンション周辺の施設だけでなく、治安も住みやすさを決めるポイントの一つです。小さな子ども、女性がいる家庭はとくに周辺の治安に注意する必要がありますし、そうでなくても治安が悪い地域だと空き巣やひったくりなどの犯罪に巻き込まれる可能性が高くなります。
また、警視庁ではエリアごとの犯罪発生率をチェックできるデータも公開していますので、そちらもぜひチェックしてみてください。
さらに、犯罪だけでなく天災ついても慎重になっている方は多いです。土砂崩れ、洪水などの自然災害が発生した際、マンションに影響が出ないかどうかはもちろん、近くに避難できる場所はあるか確認しておきましょう。
マンション周辺の治安の調べ方について詳しく知りたい方はこちらの記事をご覧ください。
マンション購入前に確認すべき治安など周辺環境の調べ方
管理体制がしっかりしている
マンションの管理状態が適正かどうかを判断しないで購入すると修繕積立金の臨時徴収や入居者同士のトラブルが発生する可能性があるため注意しましょう。
中古マンションの選び方では「中古マンションは管理を買え」という言葉があります。これは管理状態がしっかり機能しているかどうかを確認すべきだということです。
マンションの管理状態を見極める方法としては長期修繕計画や議事録を見せてもらうようにしましょう。
また、マンションには入居者で構成されるマンション管理組合があります。なかには、マンションの管理を管理会社に委託しているケースもありますが、マンション管理組合が機能していると入居者の管理に対する意識が高いことを意味します。
そのため、マンションの管理状態が適正かどうかも忘れずに確認しましょう。
後悔しがちなマンションの条件3選
購入したことを後悔してしまう可能性のあるマンションの条件は以下の3つです。
- 近くに嫌悪施設がある
- 住人のモラルが低い
- 管理が行き届いていない
それぞれ詳しく解説していきます。
近くに嫌悪施設がある
マンション購入で後悔しないためには、嫌悪施設と呼ばれるマイナスイメージのある施設が近くにないことを確かめておくことが重要です。
代表的な嫌悪施設には下水処理場や軍事基地、火葬場などが挙げられます。これらの施設はもちろん社会に必要不可欠な施設ですが、生活範囲にある施設としてはマイナス要因です。例えば、悪臭や騒音などに悩まされてしまう可能性があります。
また自分自身は気にしないという場合でも、多くの人はこれらの嫌悪施設にマイナスイメージを持つため、マンションの資産価値も低くなる傾向にあります。
その他に嫌悪施設になり得る施設は以下の通りです。
- パチンコ店
- 風俗店
- 墓地
- 工場
- ガスタンク
- 刑務所
- 小学校・保育園
1つ注意点として、工場や学校は休日は静かであっても平日の騒音がひどいというケースもあります。できれば平日休日それぞれの周辺環境を確認できると安心です。
マンション購入の失敗例についてもっと詳しく知りたい方はこちらの記事をご覧ください。
中古マンション購入で失敗して後悔しないために!14個の失敗例と対策
住人のモラルが低い
住人のモラルの低さが垣間見えるマンションも後悔する購入になりやすいです。住人のモラルが低いと住みやすさが低下することはもちろんですが、長期的にはマンションの資産価値をも低めてしまいます。
マンションの住人のモラルを見極めるためのチェックポイントは以下の3点です。
- ゴミの分別はしっかりされているかどうか
- 自転車置き場は整理されているかどうか
- ポストに手紙が溜まったまま放置されていないか
一概には言えませんが、これらをチェックすることである程度の住人のモラル感を測ることができるでしょう。
管理が行き届いていない
管理が行き届いていないマンションもおすすめできません。なぜなら管理状況の良し悪しはマンションの「住みやすさ」と「資産価値」の両方に大きく影響するからです。例えば、定期的なマンションの修繕が行われていないと、建物の劣化は早くなります。さらに管理組合のモチベーションが低ければ、住人のモラルも下がっていくでしょう。
マンションの管理状況の良し悪しを見極めるには以下の3点をチェックしましょう。
- 修繕積立金の額は適切か
- 植栽や外構の手入れがされているか
- 掲示板の更新は活発か
修繕積立金は高すぎると負担ですが、低すぎても適切な管理が行われていない可能性があります。適切な修繕積立金の目安は国土交通省の「マンションの修繕積立金に関するガイドライン」が参考になります。
地上階数/床面積 | 修繕積立金の平均額 | |
---|---|---|
20階未満 | 5,000㎡未満 | 235円~430円/㎡・月 |
5,000㎡以上~10,000㎡未満 | 170円~320円/㎡・月 | |
10,000㎡以上~20,000㎡未満 | 200円~330円/㎡・月 | |
20,000㎡以上 | 190円~325円/㎡・月 | |
20階以上 | 240円~410円/㎡・月 |
また掲示板の更新頻度がが多ければ、それだけ管理組合のモチベーションが高い証明です。修繕や管理状況について掲示板で知らせるなど、管理の透明性を重視しているかを測ることができます。
マンション管理会社・管理組合について詳しく知りたい方はこちらの記事をご覧ください。
マンション管理会社とは?管理組合との違いや業務内容についても解説
マンション選びのこだわり条件を決める方法
ここまでご紹介したようなマンション選びの条件ですが、すべての条件を満たすマンションは存在しないでしょう。以下の3つの方法を使って、マンションの特にこだわりたい条件を決めてみてください。
- マンションに求める条件をリストに書き出す
- マンション探しの条件に優先順位をつける
- 家族がいる場合は相談する
それぞれの方法について詳しく解説していきます。
マンションに求める条件をリストに書き出す
自分がマンションに何を求めているのかをリストに書き出してみましょう。利便性なら駅から何分以内が許容範囲なのか、勤務先まで何分で到着したいのかなど細かく決めていきます。
金額の上限もこの際にはっきり決めておくとよいでしょう。反対に強固なセキュリティは必要ない、新築にはこだわらないなど「必要のない条件」についてもまとめておくとより物件を探しやすくなります。
家族がいる場合は相談する
家族の意見を取り入れることも重要です。家事をメインで担当する家族はどんなキッチンを求めているのか、在宅の仕事をする家族がいる場合はどんなスペースを求めているのか、ペットが住みやすい物件か、高齢者が安全に暮らせるかなどです。
子どもが成長したあとマンションは子どもに譲るのか、売却するのかについても考えておく必要があります。今後数十年生活することになりますので、今だけでなく将来性がある物件かどうかも見極められるようにしておきましょう。
マンション探しの条件に優先順位をつける
条件をいくつか書き出したら、その条件に優先順位をつけていきます。駅からの距離を優先するのであれば価格が高くなることはやむをえません。
反対に価格を重視するなら利便性は諦めなければならない部分も増えるでしょう。どうしても難しい場合は駅徒歩の分数を少し増やす、徒歩ではなく自転車で通える範囲に商業施設があるエリアにするなど条件を緩めることもおすすめです。
優先順位を決めたら絶対に譲れない条件も決めておいてください。妥協点が多ければ多いほど選択肢が増えてしまい、かえって理想のマンションを見つけにくくなってしまいます。
条件を決めて失敗しないマンション購入を
失敗しないマンション購入をするための条件について解説してきましたが、いかがでしたでしょうか。
マンション購入後に後悔しないために、こだわるべき条件は以下の2つです。
- 資産価値の高いマンションを選ぶ
- 住みやすいマンションを選ぶ
最後に資産価値の高いマンションの条件、住みやすいマンションの条件のおさらい用チェックリストを用意していますので、マンション購入の際にはぜひご活用ください。
記事のおさらい