リゾートマンションとは、温泉地や海沿い、避暑地などのリゾート地に建てられたマンションで、高度経済成長期からバブル経済期頃にブームとなりました。温泉施設やプールなど、休暇を過ごすために適した施設が充実していることから、住宅としてではなく、別荘として利用されてきたマンションです。
最近では、テレワークが普及した影響もあり、ワーケーションや第二のオフィスとして、また、二地域居住用に利用するという方法も提案されています。
別荘や仕事部屋としてリゾートマンションを購入する際のメリット・デメリット、注意点について解説します。最後にはリゾートマンションに関するよくある質問もまとめているので、参考にしてみてください。
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リゾートマンションとは?
リゾートマンションは、一般的にリゾート地に位置するマンションであり、バケーションホームや別荘として利用されます。これらのマンションは、多くの場合、高級で快適な設備を備えており、海や山、湖などの美しい景色を望むことができます。
リゾートマンションには、一般的な住宅やアパートメントと同様に、1つ以上の寝室、バスルーム、キッチン、リビングルームなどが含まれています。しかし、より高級なものは、フルキッチン、プール、ジム、レストラン、サウナ、ヨガスタジオ、子供用プレイエリアなど、追加の設備を備えている場合があります。
リゾートマンション購入のメリット
リゾートマンションには様々なメリットがあります。ここでは、リゾートマンション購入のメリットをご紹介します。メリット1. 戸建ての別荘に比べ手間がかからない
リゾートマンションは、温泉、プールを含めたエントランスや廊下などの共有部分は、全て管理組合で維持・管理されます。そのため、マンションの所有者は、専有部分(居住場所)のみ管理をすればよいため、戸建ての別荘を持つよりも管理の手間がかかりません。久しぶりの滞在でも、共有部分の温泉などはすぐに利用できます。メリット2. 戸建ての別荘に比べ安価
同エリアで同じ間取りなら、別荘よりリゾートマンションの方が安く購入できます。庭付きや広い室内などのこだわりはなく、理想のエリアに別荘が欲しい場合は、リゾートマンションの方が実現しやすいといえるでしょう。メリット3. 共用施設が充実している
リゾートマンションでは温泉施設やスポーツジム、プールやラウンジなど、共有部分が充実している物件が多くあります。戸建ての別荘で温泉とプール付き物件を購入したいとなると、価格や立地など、理想の条件のものを探すのは難しいですが、リゾートマンションなら豊富な条件の中から選ぶことができるでしょう。メリット4. 高層階なら眺望が期待できる
リゾートマンションの高層階なら眺望も期待できます。リゾート地の多くは地方にあり、海や山に囲まれているため、都心では見ることのできない景色を一望できるでしょう。高層階から朝日の照らす大海原や、夜は満点の星空を眺めるのは、リゾートマンションならではの贅沢といえます。リゾートマンション購入のデメリット
一方で、リゾートマンションの購入にはデメリットもいくつかあります。メリットと比較検討して、自分に合ったものを選びましょう。
デメリット1. 管理・修繕費は一般的なマンションより高額
共有部分に温泉やプールなどが付属しているため、一般的なマンションに比べ、管理費や修繕費などが割高な傾向にあります。管理費用はマンションにより異なるため、一度確認すると良いでしょう。デメリット2. 間取りが限られている
リゾートマンションは1LDKや2LDKの間取りが多く、3LDK以上は少ない傾向にあります。居住ではなく、余暇を過ごすことを目的としているため、このような間取りが多いようです。そのため、子どもや祖父母連れなど、大家族で利用したいとなると、適した間取りが少ないといえます。デメリット3. 周辺環境の利便性が低い
リゾートマンションは、温泉地やビーチなど、市街地に建てられることが多いため、生活利便性は低い傾向にあります。特に、眺めの良さや静けさを重視して郊外に立っているなら、スーパーまで行くにも車を走らせる必要があります。デメリット4. 戸建ての別荘と比べてできることが限られる
戸建ての別荘の場合、庭などの広い土地があり、周囲との距離も離れているため、外でのBBQやペット連れでの利用、楽器の演奏など、ある程度の騒音も近隣の迷惑とはならないでしょう。しかしながら、リゾートマンションではペットや楽器などは事前に確認が必要です。戸建ての別荘と比べると、できることに多少の制限があるといえます。
リゾートマンション購入でよくある失敗と対策
現在販売されているリゾートマンションの多くは、中古物件です。破格なものも多く、値段に惹かれて購入を決めてしまうと、思わぬ失敗をしてしまうこともあるでしょう。リゾートマンション購入でよくある失敗と対策についてご紹介します移動距離が年々辛くなる
リゾートマンション購入のよくある失敗が、移動距離の誤算です。購入当時は気にならなかった自宅からマンションまでの距離も、年を追うごとに移動は辛くなります。さらに、マンション自体もバリアフリーに対応していないため、老後はリゾートマンションでゆっくりと余暇を過ごすという計画も無駄になってしまうこともあるでしょう。対策としては、購入前に自宅からリゾートマンションまで何度か行き来し、距離感を確かめるほか、10年後、20年後も移動距離・移動手段に耐えられるかも合わせて検討し、物件を選ぶようにしましょう。また、バリアフリー機能に関しては、室内であれば改修工事が可能なこともあるため、事前に管理者に確認しましょう。
管理・修繕費だけ確認し、税金を考慮していなかった
リゾートマンションは、共有部分に温泉やプールなど、豪華な施設を併設しているため、管理・修繕費は、通常のマンションよりも高額です。こちらについて確認はしていたが、税金面を見落とすと想定外の出費が必要になってしまいます。特に、固定資産税の税率は、基本的には全国一律で1.4%となります。ただし、市区町村の判断により、これを上回った税率を課すことができるため注意が必要です。[注1]また、マンション所有エリアによっては、都市計画税が課税される場合もあります。さらに、熱海市では別荘所有者に対し、1㎥につき650円の「別荘等所有税」が課税されます。これは、リゾートマンション所有者も支払わなければならない税金です。[注2]
このように、購入後にかかる費用が管理・修繕費だけだと思っていると、思わぬ失敗に繋がってしまいます。
対策としては、各自治体の担当窓口や管理会社に確認をする、インターネットで「市区町村名+別荘+税金」などで検索すると良いでしょう。
[注1]総務省自治税務局固定資産税課 「固定資産税について」[注2]熱海市 別荘等所有税とは管理組合が機能しておらず、修繕がおこなわれていない
リゾートマンションを購入したものの、修繕や管理が行き届いていないこともあります。マンションの管理組合は、区分所有者全員で構成されます。しかしながら、リゾートマンションでは定住者が少なく、管理組合が上手く機能していない場合があります。さらに、定住者がいたとしても、別荘利用者と、定住利用者で意見が食い違い、修繕内容がまとまらないケースもあります。そのため、修繕費用はあるものの、何にどれだけ使うかが決まらず、いつまでも老朽化した設備のままとなっている物件もあります。また、マンション全体の入居者が少ない場合は、そもそも修繕費用が集まらないとい事態にもなりかねません。
このような失敗を避けるためにも、購入候補のリゾートマンションは、居住区画だけでなく、共有部分もしっかり確認しましょう。また、管理会社にマンションの利用状況を確認するのも有効でしょう。
リゾートマンション購入時にチェックすること
リゾートマンションの購入目的が定住用でないなら、焦らずにしっかり時間をかけて検討することが成功の秘訣です。購入時のチェックポイントを解説します。リゾートマンション購入の目的を明確にする
まずは、購入目的を明確にしましょう。別荘として年に数回使うのか、仕事部屋として頻繁に利用したいのか、それとも老後の住居を兼ねているのか、これらの状況によって、選ぶ物件も変わってきます。またリゾートといっても、夏にビーチで泳ぎたいか、それとも温泉で癒されたいかによって、エリアも変わってきます。利用目的とどのようなリゾート地をイメージしているかを明確にし、候補地をいくつか選びましょう。
資料請求をする
目的と候補地が決まったら、現地に行く前に資料を請求しましょう。インターネットで確認しても問題ありませんが、電話で不動産会社に資料を請求する際は、予算や利用目的などを予め伝えておくと、同条件の物件も紹介してもらえるでしょう。現地で見学し管理状態を把握する
ある程度候補が決まったら、必ず現地まで見学に行きましょう。その際、自宅からリゾートマンションまでの実際の距離を確認し、毎回移動するのに不便がないかも合わせて確認しましょう。見学の際は、室内はもちろん、共有部分の確認、建物の管理状態や周辺事情もチェックしましょう。また、マンション全体の利用状況を確認するためにも、見学の後は、自分だけで夜間などに下見をすることも有効です。購入費用・維持費・税金の確認
物件の候補がある程度決まったら、購入や維持にかかる費用を確認しましょう。建物代金だけでなく、手付金や仲介手数料、リゾートマンションの維持にかかる管理費や修繕積立金も事前に確認しておきましょう。また、税金は固定資産税のほかにかかるものがないかも合わせて確認します。リゾートマンションを所有する際に人気のエリア
「リゾート購入意識者調査2002」によると各年代別の人気エリア上位3位までは下記の通りとなります。● 20代:軽井沢(47.9%)、伊豆(40.3%)、箱根(39.5%)
● 30代:軽井沢(37.0%)、伊豆(36.6%)、熱海・湯河原・真鶴(28.2%)
● 40代:軽井沢(37.0%)、伊豆(36.6%)、那須・鬼怒川・日光(30.8%)
● 50代:軽井沢(45.3%)、伊豆(40.6%)、熱海・湯河原・真鶴(39.1%)
どの年代においても、軽井沢、伊豆は別荘購入地としての人気が高いことがわかります。これらを踏まえて、各人気エリアの特徴をご紹介します。
[注3]「リゾート購入意識者調査2002」軽井沢
長野県の東端に位置する軽井沢は、東京から北陸新幹線で約1時間、明治19年から避暑地とし愛される別荘地の代名詞的存在です。大自然に囲まれ、温泉やウィンタースポーツが楽しめる好立地ながら、大型ショッピングモールなど利便性に優れるため、リゾートマンションを購入しても、娯楽面・生活面ともに不自由なく過ごせるでしょう。伊豆
静岡県東部の伊豆までは、東京から特急や普通列車を乗り継ぎ、約2時間半で到着です。温泉吐出量は全国第2位を誇り、伊東温泉や大川温泉、熱川温泉など種類も豊富なことから、古くは保養地としても親しまれてきました。海の幸、山の幸が豊富で気候も温暖でのどかな土地柄のため、老後の定住地候補としてリゾートマンションを選択するのも良いでしょう。熱海・湯河原・真鶴
静岡県と神奈川県にまたがる熱海・湯河原・真鶴エリアは、東京から約1時間弱の立地ながら、オーシャンビューと、豊富な温泉が楽しめます。海が近いため、釣りやクルーズなどのマリンレジャーが楽しめる点も魅力です。オーシャンビューでプール・温泉付きなど豪華なリゾートマンションも豊富に見つかります。那須・鬼怒川・日光
栃木県に位置する那須・鬼怒川・日光エリアは、東京から約2時間、山々に囲まれた豊富な自然を満喫できるエリアです。歴史的建造物が豊富で、四季折々の自然を楽しみながら、街歩きするのにも最適です。当然ながら、鬼怒川温泉や那須温泉と、温泉地も豊富です。リゾートマンションの共有部分では、温泉はもちろん、大浴場や露天風呂、サウナなど入浴施設が豊富な物件もみつかるでしょう。リゾートマンションはメリット・デメリットを理解して購入しよう
リゾートマンションは共有施設が充実し、戸建ての別荘よりも安価に購入できる点がメリットです。しかしながら、管理費・修繕費・税金など、出費が高額になりやすく、事前の確認が大切になります。リゾートマンションは、人気エリアでも別荘を所持しやすいため、メリット・デメリットを理解した上で購入を検討してみると良いかもしれません。また、マンションを購入しようと思っている方の中には、
- 物件が多すぎてどれを選んだらいいのかわからない
- 不動産会社に連絡したら電話営業されそうで嫌だ
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リゾートマンションに関するよくある質問
最後に、リゾートマンションに関するよくある質問に回答します。
- 一般のマンションの違いは?
- セカンドハウスや別荘との違いは?
- 住宅ローンでも買える?
それぞれ解説します。
一般のマンションの違いは?
リゾートマンションはバケーションホームや別荘のように短期滞在での利用を想定して作られているため、一般のマンションと比べてコンパクトな1LDKや2LDKなどの間取りが多く流通しています。
また、一般のマンションと比べて管理費や維持費が高くなりやすい傾向があるのも特徴です。
セカンドハウスや別荘との違いは?
セカンドハウスや別荘は戸建てのものも多いため、バーベキューなどのアウトドアを楽しんだり、ペットと一緒に休暇を過ごしたりするのには向いています。一方で、リゾートマンションはジムやプールなど共有部の施設が充実しているところがメリットです。高層階であれば窓からの眺望も楽しめるでしょう。
また、リゾートマンションはセカンドハウスや別荘と比べて管理に手間がかからない分、管理費や維持費が発生する違いもあります。
それぞれ特徴が異なるため、購入目的を明確にして自分にあった方を選ぶことをおすすめします。
住宅ローンでも買える?
リゾートマンションをはじめとするリゾート物件を購入する場合も、通常の物件購入と同様に住宅ローンの利用は可能です。
利用できる住宅ローンの種類は多岐にわたりますが、購入する物件に定住するか、あくまで短期滞在を目的に購入するかなどによって組めるローンの内容が異なります。住宅金融支援機構が提供する「フラット35」であれば短期滞在用でも利用できますが、物件の条件に制限があるため購入前に確認しておきましょう。
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