過去の路線価は、不動産市場の歴史的な変化を理解し、将来の価値予測に繋げるための貴重な資料となるため、国税庁のホームページや国立国会図書館で管理されています。
この記事では、過去の路線価の見方や、いつの時代のものがどこで管理されているかなどの探し方を紹介します。
国税庁のホームページから路線価を探そう
路線価とは年に一度国税庁が発表する道路(路線)の価格の事で、各地の国税局や税務署で無料で調べることができます。
また国税庁のホームページでも閲覧可能になっています。最近では各地の主要図書館でも閲覧できるようになっていますので、比較的容易に調べることができるでしょう。
ホームページだと最新の数年分しか閲覧することができませんが、各地の図書館や国税局・税務署では、過去数十年分の路線価台帳を見ることができます(地域により保管している年度数が異なります。事前に電話などで調べたい年度の路線価台帳があるかどうか確認するといいでしょう)。
次に調べたい地域のページを開きます
地域は丁目単位で掲載されていますので、調べたい土地の住所を把握しておくようにしましょう。
路線価図を見る
実際に路線価図を見て行きます。
道路上に数値とアルファベットが記載されています。それが路線価となります。路線価は千円単位で表記されており、末尾のアルファベットは其の道路の借地権割合を表します。
例えば「300C」と記載されている場合は、その路線価が300千円で、借地権の割合が70%ほどということです。
※借地権とは、「建物の所有を目的とする地上権又は土地の賃借権を言います」と法律で決められています。
分かりやすく説明すると、あなたが土地を借りて、家を建てるとします。
その場合、建物はあなたの物ですが、土地は借り主のものです。しかし、もし土地を貸している人から「この土地から出て行ってほしい」と言われてしまえば、せっかく建てた家に住めなくなります。そのような状況にならないために、土地を借りているあなたの権利を国が保証している権利のことです。
借地権割合は、A〜Gまであり、Aが90%、Bが80%、Cが70%、Dが60%、Eが50%、Fが40%、Gが30%となっています。
線で囲まれているものが意味するものとは
路線価の中には丸や楕円、菱形などで囲まれているものもあります。これはその路線のに面する宅地がどのような利用状況にあるかを示しています。
- 横長の六角形は・・・ビル街地区
- 楕円形は・・・高度商業地区
- 通常の六角形は・・・繁華街地区
- 丸形は・・・普通商業、併用住宅地区
- 菱形は・・・中小工業地区
- 長方形は・・・大工場地区
- 何も囲まれていない場合は・・・普通住宅地区
と分類されています。
以上のことをふまえた上で路線図を見ると、読めるようになるでしょう。
国税庁のホームページにも路線図の読み方が記載されていますので、参考にしてください。
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国立国会図書館を利用しよう
国立国会図書館では、昭和28年(1953年)から平成7年(1995年)までの路線価や評価倍率表が所蔵されており、なんとそのデータがインターネット公開しています。
古い路線価は、現在の物よりも対応地域が少なく、倍率方式なども現在とは異なる形になっているので注意が必要です。
国立国会図書館のサイトでは、相続税路線価の調べ方がわかりやすく紹介されています。