家を新築、または購入する上で、支払う固定資産税がいくらになるのか気になる方は多いのではないでしょうか。
本記事では家の固定資産税の目安や計算方法について、計算例と共に詳しく説明します。
固定資産税は「固定資産税評価額(課税標準額)×1.4%」で求めることができます。税率は一律1.4%です。
土地の評価額は、時価の約7割が目安。建物の評価額は、建築費用の約5~6割が目安になります。
一般的な一軒家の固定資産税は年間でおよそ18万円ほどです。
不動産にかかる固定資産税について基礎的な知識を知りたい方はこちらの記事を参考にしてください。
固定資産税はいくら?
一般的な新築戸建て住宅の固定資産税の目安は10~15万円、新築マンションの固定資産税の目安は10~30万円程度といわれています。
そもそも固定資産税は、自治体によって調査・評価された土地と家屋(建物部分)の「固定資産税評価額」に基づいて算出されます。
土地と家屋の評価額はそれぞれ異なる基準で決められているため、個別に計算した後に、合算することで支払う固定資産税の金額を求めます。
たとえば、土地の広さ115㎡・新築木造2階建ての土地代1,500万円、建築費4,000万円の一軒家の固定資産税は、年間でおよそ18万円ほどです。
なお、土地の固定資産税評価額は土地の地価や面積、建物固定資産税評価額は住宅の建材や構造、築年数によって大きく異なります。
現在居住中の家や、中古住宅の場合は固定資産税納税通知書を確認することで固定資産税の金額を確認できます。
しかしながら、新築の分譲戸建て・マンションや注文住宅の固定資産税の支払い額を見積もるためには、土地の価格や建築費から試算する必要があります。
次の章では、土地と建物の固定資産税評価額を概算して、固定資産税を計算する方法について解説します。
固定資産税の計算方法
家の固定資産税は、土地と建物部分の固定資産税を別々に計算し、合算した総額が支払い額となります。
それぞれの固定資産税は「固定資産税評価額(課税標準額)×1.4%」で求められます。
土地部分の固定資産税
土地の固定資産税評価額は土地の時価の約7割が目安です。
実際の評価額は、公示地価を参考にしながら、立地、面積、形状に基づいて各自治体が評価します。
なお、住居用の建物が建っている土地に対しては「住宅用地の特例」が適用されます。200㎡までの土地の固定資産税評価額が1/6、200㎡を超える部分の土地は固定資産税評価額が1/3に減額されて課税標準額が計算されます。詳しくは次の章にて解説します。
建物部分の固定資産税
建物の固定資産税評価額は、建物の構造によって変わりますが、建築費用の約5~6割が目安です。
2024年(令和6年)3月31日までに新築した戸建てにおいては、新築住宅に対する減税措置が適用され、3年間は本来の評価額から2分の1にまで減税されます。
固定資産税の計算例
以下の条件のもと、一軒家(新築)の固定資産税を計算してみましょう。
- 土地の評価額 1,500万円
- 建物の評価額 2,000万円
土地部分の固定資産税:(1,500万円×1/6(住宅用地の特例))×1.4%=3万5,000円
建物部分の定資産税:(2,000万円×1/2(新築住宅に対する減税))×1.4%=14万円
一軒家の固定資産税は、土地部分と建物部分、それぞれの固定資産税を合算した合計になるため、以上の条件の一軒家にたいする固定資産税は17万5,000円になります。
住宅にかかる固定資産税には軽減措置がある
固定資産税は所有している不動産に対して、毎年支払わなければならない税金です。
しかしながら、住宅に関しては、税金の負担を軽減してくれる特例措置が設けられています。
土地(住宅用地)に対する軽減措置
住宅の建っている土地に関しては、固定資産税が大幅に軽減される措置が設けられています。
土地の固定資産税評価額に対して、以下の軽減率が適用された金額が課税標準額となります。
土地の広さ | 固定資産税評価額の軽減率 |
---|---|
200㎡以下の部分 | 6分の1 |
200㎡超の部分 | 3分の1 |
敷地面積が200㎡を超える土地の場合は、200㎡までの評価額と200㎡を超える部分の評価額を分けて計算し、足し合わせたものが課税標準額になります。
【例】300㎡の住宅用地の課税標準額と固定資産税
(固定資産税評価額:6万円/㎡)
課税標準額=6万円/㎡×200㎡×1/6+6万円/㎡×(300㎡-200㎡)×1/3
=200万円+200万円
=400万円
固定資産税額=400万円×1.4%
=5.6万円
ただし、住宅を新築する予定の土地の場合、住宅が建てられる前に年を跨いでしまうと、住宅用地の特例が適用されないため注意しましょう。
新築戸建て購入・建築時の軽減措置
新築住宅を建築・購入する場合、戸建ての場合は3年間、マンションの場合は5年間、固定資産税額が1/2になる軽減措置を受けられます。
なお、新築住宅が長期優良住宅に認定される場合は、軽減措置がそれぞれ更に2年延長されます。(戸建ては5年間、マンションは7年間減税を受けられる)
ただし、軽減措置を受けるには以下の条件を満たす必要があります。
- 2024年3月31日までに新築された住宅である
- 住宅の床面積が50㎡~280㎡である
- 賃貸併用住宅の場合、居住部分が1/2以上を占めていること
新築住宅の固定資産税の軽減措置の適用を受けるためには自治体への申請が必要です。
申告期限は住宅購入の翌年1月末までなので、忘れずに申請しましょう。
固定資産税の支払い時期と方法
ここでは、固定資産税を支払うタイミングと支払い方法について説明します。
通常年4回に分けて納付する
固定資産税は、毎年1月1日時点の所有者に納税の義務が課せられます。
1月1日時点の固定資産税評価額に基づいて算出された固定資産税額を通知する「納税通知書」と振込用紙が、4~6月頃に市区町村から自宅に送付されます。
固定資産税は、通常4期に分けて納付します。納付期日は自治体によって異なるため、あらかじめ納税通知書や自治体HPなどでよく確認しておきましょう。
【例】東京都23区の納税スケジュール
- 6月:第1期分の納税
- 9月:第2期分の納税
- 12月:第3期分の納税
- 翌年2月:第4期分の納税
また、固定資産税は第1期にまとめて一括払いすることも可能です。ただし、一括で納付することによる税金の割引制度などはありません。
支払い方法
納付手続きは、振込用紙を手続きするを確認して、以下3つの手続き方法に従って納付します。
- 窓口で現金払い
- 口座振替やクレジット払い
- ペイジーで支払い
家購入時には固定資産税を精算して売主に支払う
先述の通り、固定資産税の納税義務は1月1日時点の所有者に課せられます。
つまり、1月2日以降に不動産を購入した場合、その年の固定資産税の納税義務は元の売主に残ります。そのため、未経過の固定資産税は物件の引き渡し時に日割りで精算して、購入代金と合わせて売主に支払うことになります。
なお、翌年からは、新しく所有者となった買主に納税手続きに関する書類が届くようになります。
注意が必要な場合は、土地を購入して新築の物件を建築する場合です。1月1日時点で建物が建っていなければ、その年の固定資産税は住宅用地の特例や新築住宅の特例を適用できず、土地として課税されます。
固定資産税を抑える方法
固定資産税は、土地などの固定資産を所有していると毎年必ず発生する固定支出になります。
そのため、土地を更地にしておくのは一番もったいありません。土地の上にアパートやマンション、戸建て賃貸住宅を建てることで固定資産税の減税措置が受けられるだけでなく、家賃収入を得ることもできます。
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