一般住宅の内装解体の坪単価は1.5万円~4.5万円が目安です。ただし、家具家電を搬出する経路が狭い家屋の場合、搬出に時間や手間がかかるため金額も高くなります。内装解体の工事は、床・壁・天井の仕上げ材・下地材などを指定の範囲で解体し、物品の搬出などを行う工事です。
本記事では、内装解体にかかる費用の相場や坪単価、高くなりやすいケースや業者選びの注意点を解説します。
私の家の解体費用はいくら?
内装解体にかかる解体費用の坪単価の相場
本章では、内装の解体費用がどれくらいかかるのか、坪単位の相場と建物種別で解説します。
ただし、現場によって坪単価が変動しやすいことも、内装工事の特徴です。あくまで、目安として考えておきましょう。
私の家の解体費用はいくら?
内装解体の坪単位の相場
まずは10坪から70坪以上の場所について、店舗などの指定なしで、坪単位での相場を見てみましょう。
▼内装解体の坪単位の相場
坪数 | 坪単価 | 価格幅 |
---|---|---|
10坪未満 | 3.9万円 | 1万〜9.8万円 |
10坪台 | 3.2万円 | 0.7万〜7.9万円 |
20坪台 | 2.8万円 | 0.5万〜6.3万円 |
30坪台 | 2.8万円 | 0.8万〜8.6万円 |
40坪台 | 5.8万円 | 2.1万〜12.4万円 |
50坪台 | 1.4万円 | 1.4万〜1.4万円 |
60坪台 | 1.6万円 | 0.8万〜2.3万円 |
70坪以上 | 2.8万円 | 1.5万〜4.9万円 |
内装の解体工事では、造りが頑丈で重機が入りにくい建物であるほど、解体に手間がかかるため坪単価は高くなりがちです。よって、上述した坪単価の相場よりも高くなる可能性がある点に注意してください。
私の家の解体費用はいくら?
建物別の解体費用の相場
一般住宅やマンション、アパート、居酒屋など、物件ごとの相場も気になるところでしょう。
以下の通り、坪単価1万円もしない場所もあれば、5万円ほどするケースもあります。
▼建物別の解体費用の相場
建物 | 坪単価の目安 |
---|---|
一般住宅 | 1.5万〜4.5万円 |
マンション・アパート | 1.3万〜4.0万円 |
居酒屋・スナック | 1.3万〜3.9万円 |
ショップ・店舗 | 1.1万〜4.0万円 |
オフィス | 1.2万〜3.6万円 |
このように、内容ごとに見てみるとおよそ3万円が坪単価の目安であることが分かります。ただし、広さや店舗に求められる工事内容、構造によっても違うほか、解体業者によっても金額は異なります。
内装解体で坪単価が高くなるケース
内装解体の坪単価が高くなるケースとして、主に次の4つがあります。
▼内装解体で坪単価が高くなるケース
- 厨房設備の撤去が多いケース
- 搬出経路が複雑で手間がかかるケース
- アスベストの除去が必要なケース
- 解体時の産業廃棄物が多いケース
厨房設備の撤去が多いケース
店舗内に厨房設備の撤去が多い場合、内装の解体費用は高額になります。厨房設備は大型の冷蔵庫やコンロ、配線や水道管など、撤去に手間がかかるものが多いためです。
内装解体では、解体工事前に付帯設備や装飾品などを手作業で撤去します。よって、撤去すべき数が多いほど工期が延びてしまい、解体費用が高くなってしまいます。
搬出経路が複雑で手間がかかるケース
搬出経路が複雑な場合、より多くの人手が必要となり、人件費がかさんで解体費用が高くなります。具体的には、テナントが上階にあり、さらにエレベーターがない場合は、解体したあとの廃材を人力などで運び出す必要があるためです。また、トラックを止めるスペースがない場合には、トラックを置ける場所まで、廃材を運ばなくてはなりません。
反対に、大型の重機が入りやすく、かつ廃材を運ぶトラックも入れるような立地条件であれば、安く済むこともあります。
アスベストの除去が必要なケース
アスベストの除去が必要な場合も解体費用は高くなります。
アスベストとは、天然の繊維状の物質です。保温断熱の目的でビルなどを建設する際に、吹き付けられることがありました。非常に細かく、空気中に飛散している状態で大量に吸引すると、肺がんを引き起こすことが知られています。
解体時の産業廃棄物が多いケース
産業廃棄物とは、解体したことで出たゴミのことです。1万円〜5万円/坪のため、多ければ多いほど費用がかさみます。
産業廃棄物の金額をおさえたい場合は、建物内の残置物を自分で処分しておくことがおススメです。
室内に残された設備や家財などの残置物は、解体業者に処分を依頼する場合、自分で処分するよりも費用がより多くかかります。自分で廃品回収等で処分する場合、処分費用の一部について自治体から補助が受けられます。しかし、解体業者に依頼する場合、自治体から補助が受けられないため処分費用が全額請求されてしまいます。
内装解体で坪単価の安い業者を選ぶリスク
解体業者によっては、「一坪あたり〇万円」と安さを売りにしている業者もあります。
解体費用を安くおさえらるに越したことはありませんが、安さに注目しすぎると、思いもしない負担を抱えてしまう可能性があります。
▼内装解体で坪単価の安い業者を選ぶリスク
- 近隣住民とトラブルがおこる
- 内装解体のクオリティが低い
- 産業物の不法投棄が起きる
- 建設リサイクル法に反する
近隣住民とトラブルがおこる
内装解体で坪単価の安い解体業者を選ぶ場合、近隣住民とトラブルがおこるリスクがあります。
解体工事の際には、騒音や粉塵が起きることが予想されます。埃や塵が飛散すると、洗濯物や庭木、住居が汚染されてしまったり、持病が悪化するなど近隣住民へ被害が起きるかもしれません。
▼対処のポイント▼
騒音や粉塵を防ぐためには養生シートを建物を覆ったうえで工事を進めることが大切です。また、粉塵については工事中に水を撒く等して、近隣住民に被害が及ばない工夫をしてもらうように、解体業者にお願いしましょう。
内装解体のクオリティが低い
坪単価が安い業者の場合、解体工事のクオリティが下がってしまい、理想としていた結果にならないことも…。
というのも、人件費を削るためにアルバイトを雇っていたり、現場のトラブル対応に不慣れであったり、内装解体自体の経験が少ないリスクもあるためです。
もしも原状回復工事など、管理会社とのやり取りが必要な工事であれば、事前に不測の事態に対応できる解体業者かどうかを、しっかり確認しておきましょう。
▼対処のポイント▼
対策として、解体工事の資格をもった作業員が従事しているかを工事を依頼する前に確認しましょう。また、建物の倒壊や隣家の損傷等のトラブルが発生した場合の対処法についても、事前に確認しておくことが大切です。
産業物の不法投棄が起きる
産業物の不法投棄が起こるリスクもあります。
▼対処のポイント▼
解体業者がマニフェストを発行しているかを確認しましょう。マニフェストとは産業廃棄物管理票のことで、産業廃棄物の処理が適切にされていることを証明する書類のことです。マニフェストには、産業廃棄物がどのくらい、どこへ処分が委託されたのかなど、詳細な情報が記載されています。マニフェストは解体業者にお願いすれば見せてもらうことができます。
建設リサイクル法に反する
坪単価が安い解体業者の場合、建設リサイクル法で正式な許可を取得していなかったり、解体工事前に正式に届け出を提出しない悪徳業者であるケースも…。
延べ床面積が80㎡以上の建物の解体工事は、建設リサイクル法(建設工事に係る資材の再資源化等に関する法律)において、認可された業者のみ行えます。また請負金額が500万円を超えるようであれば、建設業の届け出業者でなければ工事はできません。(参考:建設工事に係る資材の再資源化等に関する法律)
もし既定の建設物であるにもかかわらず、認可されていない解体業者に依頼してしまったり、工事着工の7日前までに、届け出すべき書類が提出されていなかったりすると、罰則規定に当たります。未届けの業者に依頼してしまうことを避けるためにも、安いだけで業者を選ぶことはあまりおすすめできません。
解体業者が建設業許可を取得しているかどうかを調べるには、「建設業者検索システム」を利用する方法があります。「建設業者検索システム」は、国土交通省のウェブサイトで、このシステムを利用して、解体業者の許可状況を確認できます。
▼解体工事のよくあるトラブルと対処法についてはこちらの記事で詳しく解説しています。
内装解体の費用を安く抑えるには?
解体業者を選ぶ際に、解体工事費用や坪単価を抑えるためには、どうすればよいのでしょうか。
▼内装解体の費用を安く抑えるには?
- 中間マージンをなくすために直接解体業者に依頼する
- 余裕をもって解体工事のスケジュールを組む
- 処分できるものは自分で処分しておく
- 適正な見積価格を知るために複数業者に査定を依頼する
以降で詳細を解説します。
中間マージンをなくすために直接解体業者に依頼する
内装解体の費用を安く抑えるには、中間マージンをなくすために直接解体業者に依頼しましょう。
店舗やオフィスなどの内装解体の場合、ビルを管理する不動産業者が解体業者を紹介してくれる、あるいは指定されることがあります。しかし、この紹介で依頼を行うと、場合によっては中間マージンが発生し、割高になってしまう可能性が考えられます。
この可能性を消すためにも、直接自分で解体業者に依頼をすることをおすすめします。ただし、中間マージンの発生を気にしない、あるいは次の店舗設営のために時間を割きたいという場合には、やり取りが一括化できる方法として、紹介してくれた業者を利用することも一つの方法です。
解体工事業者に価格の交渉を行う
指定されている業者を変えることができなくても、価格交渉は可能です。
▼解体工事業者に価格交渉を行うステップ
- 指定業者に相見積もりの了承を得る
- 複数の解体業者に見積もりを依頼する
- 指定業者の見積内容と比較
- 工数の違いや不要な工事項目で減額交渉をする
交渉のコツとしては、適切な代替案を示して、少しでも安く抑えることがポイントです。指定された解体業者以外にも、必ず見積もりを取得しましょう。また、見積もり依頼時は、解体業者により適切な金額を提示させるために、賃貸契約時の書類や、内装工事の図面、原状回復仕様書、規則に関する書類などを準備しておくことがおススメです。家屋の条件をより正確に知ることができるので、妥当な金額が提示されやすくなります。
処分するものは自分で処分しておく
建物内の物品は自分でできる限り処分しておきましょう。内装解体では不要なものを処分したり、リサイクルしたりする費用も含まれるため、その処分量が少なければ、費用を減らすことができます。
できれば、見積もり前には掃除できているとベストです。ただし店舗の場合は難しいことも多いので、見積もりの際に「ここまでは自分で片づけます」と伝えてみましょう。どのくらい費用を削減できるかを確認することで、処分する範囲を決めるのも良いでしょう。
適正な見積価格を知るために複数業者に査定を依頼する
解体業者を、最初から自分で探す場合には、まずは複数業者に見積もりを依頼することが大切です。
複数業者に見積もりを依頼することで、業者によって人件費やノウハウの蓄積に違いがあり、時には数十万円単位で価格が異なることがあるためです。
私の家の解体費用はいくら?
内装の解体は信頼できる優良な業者に任せよう
内装解体は、近隣店舗や住宅の設備など、傷つけてはいけない個所も多く、トラブルの起きやすい解体工事です。適切な見積もりを出してもらい、スピーディーに工事を的確に進めてもらうためにも、信頼できる優良な業者を見つけることが、とても重要になります。
内装解体の専門業者探しは一括見積りサイトのイエウールで
専門技術と確かな経験を持つ業者を探すなら、一括見積りサイトのイエウールをおススメします。ご自宅のエリアで実績豊富な解体業者のご提案だけなく、アスベスト処分費用や補助金に関するご相談も無料で承っております。解体工事を具体的にご検討中の方は、ぜひご活用ください。
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