木造二階建ての解体工事期間はどのくらい？長引かせない6つのコツも解説

木造二階建ての解体期間は、約10日が目安です。ただし、状況によっては工期が延びることがあります。特に土地の売却や新築建設で解体スケジュールに余裕がない場合は、工期が延びないよう、業者と事前によく打ち合わせを行いましょう。

▼家の解体費用についての基礎知識はこちら

木造二階建ての解体工事の期間はどのくらい？

冒頭で解説したとおり、木造二階建ての解体工事は約10日間が目安です。

施工期間は約10日間

一般的な30坪の木造二階建ての場合、解体工事の施工期間は約10日で、内訳は次のとおりです。

【足場や養生の設置】まず、施工期間は足場や養生の設置から始まります。かかる期間は約1日です。足場や養成の設置は近隣被害を最小におさえるために実施されます。

【内装材の撤去・建物の解体】次に、内装材の撤去と建物の解体を行います。期間は内装材の量や建物の大きさによって左右されますが、概ね約3日です。

【廃材の処分】建物の廃材処分も約5日かかります。廃材のリサイクルが義務付けられているため、資材を手で分別する必要があり、廃材の量が多いほど時間がかかります。

【整地と清掃】最後に約2日かけて土地を平らにならし、周辺の清掃を行います。土地を売り出したり建て替える際は使用できる状態にするために必要です。

木造の場合は比較的短い

木造住宅の場合、鉄骨造や鉄筋コンクリート造と比べて柔らかく分断しやすいため、施工期間も比較的短くすみます。

▼構造別の解体工事の施工期間（延べ床面積が50坪～100坪）

解体業者選びから施工完了までは約2月

木造家屋の解体工事にかかる期間は約10日ですが、業者選びを含むと約2カ月かかります。

▽解体業者選びから工事完了までの流れ別の期間（全体は約2カ月）

なお、各工程は以下の流れで進みます。

ステップ①業者選び（約1カ月）

施工を依頼する解体業者選びには、長めに見積もって約1カ月の期間を設けておきましょう。

見積もり取得や、複数の解体業者を比較して選ぶためには余裕をもったスケジュールが必要なためです。

見積もり取得時には、解体業者に現地調査（実際に家屋の状態を見てもらうこと）を依頼します。現地調査から見積もり提示までにかかる期間は約1週間前後です。解体費用の見積もり金額は業者によって異なるため、少なくとも2～3社の見積もりを比較して依頼することは解体費用の節約につながります。

よって、各社の見積もりが出そろってから業者を選ぶことを考慮すると、約1カ月かかることになります。

ステップ②ライフライン停止や近隣挨拶（約7日間）

ライフラインの停止や近隣挨拶にかかる期間は約7日間です。

ライフラインの停止は、解体工事前にガスや電気をとめる手続きを指します。工事前に各供給会社に連絡をして、着工日までに止めてもらうように手続きをしましょう。

ステップ③家の片づけ（約14日間）

解体工事が始まる前の家の片づけにかかる期間は約14日間をみておきましょう。

解体工事前にはできるだけ家屋内の家電や荷物を自分で片づけておくことがおススメです。残っているものが多いほど、解体工事で処分することになり、処分費用が追加で発生するためです。

ステップ④家の解体工事（約10日間）

家の解体工事の施工期間は、前述したとおり、約10日間です。足場や養生の設置から始まり、建物の解体、廃材の処分、整地と清掃によって工事は完了します。

木造二階建ての解体工事の期間が長びく9つの理由

解体工事の施工期間は約10日間ですが、建物や土地の状態によっては、それ以上の期間がかかるケースも珍しくありません。

本章では、木造二階建ての解体工事の期間が長引く9つの理由を解説します。

▼木造二階建ての解体工事の期間が長びく9つの理由

理由①手壊しが多くなる

理由②建物が広い

例えば、100坪の木造二階建ては30坪の木造二階建てよりも解体工事の期間が長くなります。解体を検討している建物が広い場合は、どれだけの工事期間がかかるのか、あらかじめ解体業者に相談しておくことがおススメです。

理由③残置物が多い

前述したとおり、家に残されている家具や家電が多いと、廃材処分に時間がかかります。廃材の処分は手作業で分別して実施される場合が多くなるので、廃材が多くなる程、処分に時間がかかり、解体工事の期間が長くなってしまうのです。

理由④建物の一部が鉄骨造

木造住宅の一部に鉄骨造や鉄筋コンクリート造の資材が組み込まれている場合、解体に時間がかかる頑丈な部分が増えるため解体費用は高くなります。

建物のなかには一見木造にみえても、耐久性を高めるために鉄骨造や鉄筋コンクリート造の資材が一部使用されているケースも珍しくありません。

理由⑤付帯物が多い

付帯物とは、外構や植栽（庭木や庭石）、駐車場やベランダ等の建物に付帯する設備や装飾物のことです。

付帯物は建物の解体工事前に手作業でひとつずつ撤去されます。

理由⑥アスベストが含まれている

アスベストが含まれている家屋の場合も、解体工事の期間が長くなります。

アスベストとは2006年に使用が全面禁止された建材の一種です。アスベストには発がん物質が含まれており、解体によって空気中に分散すると人体に悪影響を及ぼすことから工事前の除去が法律で義務付けられています。

理由⑦地中埋設物が見つかった

建物解体後に地中埋設物がみつかった場合も、解体工事の期間は長くなります。

地中埋設物とは地中に埋まっている木くずやコンクリート等のことです。建物解体後に除去することで、建て替え等をスムーズに行うことができます。

理由⑧悪天候で作業しづらい

雨や雪、台風などの悪天候も、解体工事期間が延びる原因になります。

天候が悪いと作業効率が下がり、場合によっては作業を中断せざるえなくなるためです。

理由⑨近隣からクレームをうけた

騒音や粉塵の発生によって近隣からクレームを受ける場合も、解体工事の期間は長くなります。近隣からクレームを受ける場合、現場監督がいったん、解体作業を中断して対応することになります。

騒音や粉塵の影響を小さくするために養生シートを設置しなおしたり、近隣に納得がいくように説明しなおしたりしていることは、工事が後ろ倒れる原因となります。

木造二階建ての解体工事期間を長引かせない6つのコツ

本章では木造二階建ての解体工事期間を長引かせない6つのコツを解説しています。

▼木造二階建ての解体工事期間を長引かせない6つのコツ

コツ①実績豊富で重機を多く保有している業者に依頼する

実績豊富で重機を多く保有している解体業者に依頼する場合、効率的な解体工事が可能になります。

解体業者の実績は業者のホームページ等で確認することができます。重機の保有状況は解体業者に直接聞いてみる必要があります。また、「施工期間はどれくらいか」の質問に、理由をあげつつわかりやすく回答できるかも見極めるポイントです。

コツ②梅雨や雪の時期の施工は避ける

天候によって工事が中断してしまうのを避けるために、梅雨や雪の時期の施工は避けましょう。具体的には、6月〜7月、12月〜2月に工事を行うことはおススメできません。

コツ③残置物は自分で処分しておく

相続した実家の場合は遺品処理業者等の業者に依頼することもひとつですし、自分で廃品回収や業者買取にだして処分することも可能です。

コツ④近隣への挨拶周りをしておく

解体工事中に近隣からクレームが発生するのを防ぐために、近隣への挨拶周りは工事前に必ず実施しましょう。

解体業者によっては挨拶周りを代行してもらえるケースもありますが、印象をよくするために、施主として同行するようにしましょう。

コツ⑤希望の完工日を伝える

解体業者に希望の完工日をしっかり伝えておくのも、解体工事を長引かせないためのコツです。

解体工事を依頼するタイミングで「〇〇日までに工事を終えたい」と営業担当者に伝えておきましょう。

コツ⑥工事中もいつ終わるか業者と連携をとる

解体工事中も順調に進んでいるか、いつ終わりそうか、現場の担当者とこまめに連携をとりましょう。

解体工事にかかる期間は、悪天候やアスベストや地中埋設物の発覚等、予想することが難しい原因によって長引いてしまうケースが珍しくありません。

木造二階ての解体工事期間を知っておこう

本記事では木造二階建ての解体工事にかかる期間について解説しました。

目安は木造30坪で約10日～2週間ですが、工事期間は様々な要因によって左右されます。