「解体工事で補助金50万円が利用できる?」
私の家の解体費用はいくら?
▼解体費用の基礎知識について知りたい方はこちらの記事で詳しく解説しています
解体工事で補助金50万円を利用できる自治体もある
冒頭で解説したとおり、自治体によっては、解体費用の補助金で上限額が50万円となっているケースがあります。
以下は上限額50万円を設けている自治体の補助金制度の事例です。
自治体名 | 補助金 | 上限額 |
秋田県秋田市 | 解体費用の1/2 | 50万円 |
石川県白山市 | 解体費用の1/2 | 50万円 |
大阪府東大阪市 | 解体費用の4/5 | 50万円 |
山口県山口市 | 解体費用の1/3 | 50万円 |
福岡県北九州市 | 解体費用の1/3 | 50万円 |
※自治体名から各自治体の補助金制度の公式ページを閲覧できます。
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解体工事で補助金50万円が受給できる4つの条件
そもそも、解体工事で補助金を利用するにはどんな条件があるのでしょうか?
以下の条件を解説しています。
▼解体工事で補助金が利用できる4つの条件
- 補助金制度が自治体にある
- 補助金の上限額が50万円以上
- 受付件数を超えていない
- 支給条件を満たしている
以降で詳細を解説しています。
条件①補助金制度が自治体にある
前提として、補助金制度が自治体にあることが条件のひとつにあります。解体費用の補助金制度は、自治体の予算に応じて設けられています。
補助金制度を設けている自治体は、空き家再生等推進事業をかかげる国土交通省から資金援助をうけることができます。よって、特に空き家解体補助金制度の場合は積極的に導入している自治体が多いです。
しかし、自治体によっては国土交通省から援助をうけられても、予算の関係で補助金制度を設けることができない場合もあります。
すべての自治体で解体費用の補助金制度が設けられていないという点には、注意してください。
条件②補助金の上限額が50万円以上
自治体に補助金制度があった場合でも、上限額が50万円を超えていなければ補助金制度を利用することができません。
補助金制度の上限額は自治体によって異なり、自治体間で20万円~100万円とバラつきがあります。
以下は、自治体における補助金制度の上限額の事例です。上限額が50万円を超えている自治体のみ、50万円の給付をうけられる可能性があります。
▼自治体別の解体工事の補助金と上限額の事例
自治体 | 補助金 | 上限額 |
福島県福島市 | 解体費用の4/5 | 20万円 |
北海道小樽市 | 解体費用の1/3 | 30万円 |
神奈川県横浜市 | 解体費用の1/3 | 40万円 |
愛知県名古屋市 | 解体費用の1/3 | 40万円 |
鳥取県鳥取市 | 解体費用の1/2 | 60万円 |
大阪府大阪市 | 解体費用の1/2 | 75万円 |
青森県青森市 | 解体費用1/2 | 100万円 |
神奈川県川崎市 | 解体費用の1/2 | 100万円 |
※自治体名から各自治体の補助金制度の公式ページを閲覧できます。
なお、お近くの自治体の補助金制度の上限額が知りたい場合は、自治体の公式ホームページから閲覧できます。
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条件③受付件数を超えてない
補助金は予算が決まっていて、受給できる件数に限りがあります。
仮に申請条件を満たしていたとしても、申請時に予算が残っていない場合は補助金がうけられないので注意しましょう。
一般的に、補助金は年度初めに申請が始まり、支給対象は先着順で決まります。
よって、年度末に申請した場合は、予算が残っておらず、以下で解説する支給条件を満たしていても補助金制度を利用できない可能性もあるため注意しましょう。
条件④支給条件を満たしている
解体費用でよくある支給条件は次のとおりです。
▼解体工事でよくある支給条件
- 個人が所有している空き家である
- 新耐震基準を満たしている
- 老朽破損の度合いが自治体の基準を超えていない
- 税金を滞納している
- 自治体が定めた所得水準を超えている
個人が所有している空き家である
補助金や助成金が受けられる主な前提として、空き家であることが挙げられます。
特に住むことが困難で周囲に悪影響を及ぼす危険性のある「特定空き家」に認定された場合は受給対象となる可能性が高いと言えます。
新耐震基準を満たしている
補助金や助成金の対象家屋の築年数を設定している自治体は多く、特に1981年より前に建築された、いわゆる「旧耐震基準建物」に関しては耐震性が極めて乏しく、解体費用の補助対象になりやすい傾向があります。
旧耐震基準建物は震度5までの地震に耐えるように設計されていますが、当時は建物竣工時の行政検査が行われていないものも多く、地震による倒壊の危険性が高いため、解体工事や補強工事を促進すべきとの考えがあるのです。
老朽破損が自治体の基準を超えている
解体予定の建物の老朽破損状況が一定の基準を超える場合には、補助金や助成金の対象となりますが、その判定基準は各自治体が定める「住宅の不良度判定」によります。
この判定基準は、国土交通省が公開しているガイドラインに基づき各自治体が定めるものです。
国土交通省の測定基準では、構造部分・防火性能・インフラ・衛生に関して問題があれば数値を加算し、合計評点が100以上となった場合は不良住宅と判定することとなっています。
税金を滞納していない
補助金や助成金は、国民全体から徴収した税金や国の借金で賄われているため、補助を受けようとする個人に税金支払いの滞納がある場合には原則として補助金や助成金の受給はできません。
自治体が定めた所得水準を超えていない
自治体によっては、補助を受ける個人の所得制限を採用しているケースがあります。
そもそも補助金や助成金は、解体工事の金銭的負担が難しい低所得層を支援する制度であり、お金に余裕のある個人には支給しなくてもよいという考えによるものです。
基準としては、前年の所得が1,000万円以下である場合としている自治体が多く、1,000万円を超える所得があった個人には補助金や助成金が支給されない可能性があります。
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解体工事で補助金を利用する際の注意点
お近くの自治体で50万円の補助金を利用できたとしても、
解体工事で補助金を利用する際の注意点を解説します。
▼解体工事で補助金を利用する際の注意点
- 補助金の申請は工事着工前
- 審査には1カ月程度かかる
- 補助金が受けられるのは工事終了後
以降で詳細を解説します。
補助金の申請は工事着工前
空き家解体費用の補助金申請は、原則として解体工事の前に行います。
これは、まず行政の職員に空き家の状態をチェックしてもらい、老朽化のため倒壊の恐れありとの判断を得てからでないと、行政内での給付手続きに入れないからです。
この順序を間違えて申請前に着工してしまうと、建物の状態が把握できないまま解体されることになってしまい、行政による建物状態確認ができず自動的に補助金給付対象からは除外されます。
審査には1カ月程度かかる
解体費用の補助金や助成金を申請をした後の行政側のフローとしては、まず申請書類を確認し、次に職員が実際に現地の状況を確認に行きます。その後、行政の稟議や会議を経て申請認可といった流れになります。
一般的には申請から認可まで数週間はかかる上、申請件数が多い時期と重なってしまうと、認可まで1ヶ月以上かかることもあるため注意が必要です。認可までの間は解体工事に取り掛かれないので、計画的な申請と工事の段取りが重要となります。
補助金が受けられるのは工事終了後
補助金や助成金の認可が得られても注意しなければならないのは、補助金や助成金を実際に受け取れるのは工事完了後であり、解体費用は一旦全額自己負担する必要があるという点です。
補助金や助成金は、解体工事が終わって、解体証明書や費用領収書を行政が確認できて初めて給付されます。
そのため、最終的には補助金や助成金で解体費用の一部を賄うことができますが、最初は全額自分で支払う必要があることを念頭に置いて資金繰りを行うことが重要です。
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解体工事で補助金が利用できない場合の4つの対処法
お近くの自治体の補助金制度を調べても、そもそも補助金制度がなかったり、上限額が50万円未満の場合も多いでしょう。
そこで本章では解体工事で補助金が利用できない場合の、4つの対処法を解説しています。
▼解体工事で補助金が利用できない場合の4つの対処法
- 複数の会社から見積もりを取る
- 家財道具や植物を処分する
- 繁忙期を避ける
- 自分で建物滅失登記を行う
それぞれ詳しくご紹介しましょう。
複数の会社から見積もりを取る
解体費用の見積もりを取る際には、1社ではなく、複数の会社に依頼することが大切です。
1社の見積もりだけで解体工事を進めてしまうと、相場よりも割高な費用を支払ってしまう可能性が高くなります。
また、複数の会社に見積もりを依頼することで、相場観がわかり、価格交渉の際の判断材料となるメリットもあります。
金額だけで解体業者を選ぶのではなく、問い合わせへの対応や見積もりのわかりやすさなどを考慮して決めると安心です。
家財道具や植物を処分する
解体する木造二階建ての家の中に不用品が残っている場合、事前に処分しておくことで費用削減につながります。
解体工事に伴う廃棄物は「産業廃棄物」として扱われ、家庭ごみや粗大ごみよりも高額な処分費用が必要となります。
そのため解体する家は可能な限り空にしておき、庭木なども撤去しておくことで解体費用を安く抑えることが可能です。
繁忙期を避ける
年末・年度末の繁忙期は解体費用が割高になる傾向にあります。
一方で、5月〜10月ごろの閑散期は、解体費用の見積もりが割安になりやすい時期です。
スケジュールに余裕がある場合には、これらの時期に解体工事を進めることをお勧めします。
自分で建物滅失登記を行う
家の解体が完了すると、法務局で「建物滅失登記」を行う必要があります。
建物滅失登記は土地家屋調査士などの専門家に依頼することも可能ですが、手数料として約5万円の費用がかかります。
一方でご自身で行う場合、書類の取得費用の約1,000円で手続きができるため、費用削減のためにはご自身で建物滅失登記を行うと良いでしょう。
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