「借地に建てた家の解体費用を払えない場合はどうする?」
借地にある家の解体費用が払えない場合、まず地主に相談することが重要です。地主が借地権の取り戻しに積極的な場合、家を買い取ってもらえる可能性があります。また、自治体によっては解体費用の補助が受けられることもあるので、確認してみると良いでしょう。
この記事では、借地に建つ家の解体費用が払えない場合に役立つ、4つの対応策について詳しく解説しています。
- 借地に建てた家の解体費用の支払いに不安がある
- 借地の解体費用を本当に自分が支払うべきか確認したい
- 借地の解体費用はいくらか知りたい
私の家の解体費用はいくら?
▼解体費用の基礎知識について知りたい方は以下の記事を参考にしてください。
借地に建てた家の解体費用を払えない場合の対応策4つ
本章では、「解体費用を支払わずに家を手放すための、対応策4つ」をご紹介します。
▼解体費用を支払わずに家を手放すための、対応策4つ(状況別)
状況 | 対応策 |
---|---|
地主が借地権の取り戻しに積極的な場合 | ①地主に買い取ってもらう |
地主も土地を手放そうと考えている場合 | ②底地とあわせて売却する |
地主が借地の買い取りを拒んだり、処分に消極的な場合 | ③借地権を第三者に売却する |
建物や借地権の売却が難しい場合 | ④賃貸として売却する |
対応策ごとにメリット・デメリットも解説していますので、お役立てください。
私の家の解体費用はいくら?
対応策①建物と借地権を地主に買い取ってもらう
地主が借地権の取り戻しに積極的な場合は、建物と借地権を地主に買い取ってもらえないか確認しましょう。
【メリット】には、譲渡承諾料がかからない点が挙げられます。本来、借地権を第三者に譲る場合には地主に「譲渡承諾料」を支払う必要がありますが、地主に売却する際は発生しないため、費用負担が軽減されます。また、地主に買取の意向がある場合は、第三者よりも高く売れる可能性があるのも利点です。
【デメリット】には、売買の条件について、地主と交渉する必要がある点です。借地権の買取価格には相場がないため、いくらで買い取ってもらうのかは交渉によって決まります。その他、土地と一緒に建物も買い取ってもらうのか、更地にして買い取ってもらうのか、どちらが解体費用を負担するのか、といった内容もトラブルを防ぐために話し合う必要があります。
対応策②底地とあわせて売却する
地主も土地を手放そうと考えている場合、借地と底地をあわせて売却する方法がおススメです。
対応策③借地権を第三者に売却する
地主が借地の買い取りを拒んだり、処分に消極的な場合は、建物とともに借地権を第三者に売却する選択肢も考えましょう。
【メリット】として、解体費用を負担せずに売却できる点が挙げられます。
【デメリット】には、地主に対する承諾料の支払いや、その他複雑な交渉が必要となる点が挙げられます。場合によっては、譲渡承諾料や建替承諾料が発生することも…。また、地主が正当な理由なく承諾を拒否した場合は、裁判所の許可が必要となることもあります。
対応策④賃貸として貸し出す
建物や借地権の売却が難しい場合は、借地上の家を第三者に貸し出す方法もあります。
【メリット】としては、借地権の賃貸は原則として地主の許可が不要である点です。また、賃貸用に軽微なリフォームを行う場合も、許可は不要となります。ただし、許可が不要だとしても連絡はいれておきましょう。後でトラブルとなるリスクを減らすことができます。
【デメリット】としては、賃貸の際に大規模なリフォームや増改築を行う際には、地主の許可が必要である点です。また、必要な許可基準が明確でないため、無断工事と誤解されやすく契約解除のリスクがあります。許可が必要かどうかは、借地を扱っていた、不動産会社に相談することで解決しましょう。
私の家の解体費用はいくら?
そもそも借地の解体費用は誰が負担する?
借主の都合で解体する場合:借主が支払う
▼借主の都合で解体するケース
- 借主の意思で契約更新しない、または契約解除する
- 借主の過失によって契約更新しない、または契約解除する
- 契約期間中や更新後に建物を建て直す
借主の意思で契約更新しない、または満期を待たず契約解除する場合、解体費用は借主の負担となります。
また、借主の過失によって契約終了となる場合も、借主負担で解体し、更地に戻して返還されます。例えば、借地権を無断譲渡したり、借地上の建物を無断で増築・改築したり、地代の支払いを怠った場合は借主の過失とされます。
その他、契約期間中に借地に建っている建物を解体して建て直す場合も、借主がすべて費用を負担します。
私の家の解体費用はいくら?
地主側の都合で解体する場合:地主が支払う
▼地主の都合で解体するケース
- 地主都合で契約更新に至らなかった場合
- 地主都合で契約満了を待たずに解除される場合
基本的に、地主都合で契約終了になる場合は、地主が解体費用を支払います。
借地権は原則借主側の権利が強く、契約も自動更新が一般的です。よって、地主都合で更新に至らなかった場合や、途中で解除される場合は、地主負担で解体し、更地に戻すことになります。
借地の建物を解体する費用の相場はいくら
解体費用は、建物の構造ごとの坪単価から概算できます。ただし、構造以外にも様々な要因によって金額は変動するため注意しましょう。
坪単価の相場はいくら
以下は、建物の構造別の坪単価の相場です。
建物の構造 | 坪単価 |
木造 | 3~4万円 |
鉄骨造 | 4~6万円 |
RC造 | 5~8万円 |
お手持ちの建物の解体費用は「坪単価×延べ床面積」で概算できます。延べ床面積とは建物の床面積の合計値で、解体費用を見積もる際に参考にされます。
私の家の解体費用はいくら?
坪単価が変動する要因
また、坪単価が変動する要因は次のとおりです。
▼坪単価が変動する要因
- 重機が入りやすい立地か
- 警備員の配置が必要な立地か
- アスベストの除去作業の有無
- 残置物の量が多い
現場への道路幅が狭いなど、重機が入りづらい立地の場合、手作業での解体が主になるため人件費が増え、解体費用が高額になります。
また、通学路に面している等、現場への立ち入り制限が必要な場合も金額は変動します。誘導や指示のために警備員を多く配置する必要がある場合、その分費用がかさむためです。
その他、建物にアスベストが使用されている場合、除去作業が追加で必要となります。アスベスト除去費用は作業の危険度によって異なりますが、場合によっては数百万ほどの金額が上乗せされるケースも珍しくありません。
最後に、建物内に家電や家具などの残置物が多く残されている場合も、解体費用は高額になります。
私の家の解体費用はいくら?