50平米のマンションの購入や賃貸を検討する際には、広さや間取りの特徴をよく理解することが大切です。50平米となると何人で住むのか適切なのか、単純な平米数ではあまりピンとこない人も多いでしょう。
また50平米と一口に言っても、物件によって間取りや全体の特徴は異なります。50平米のマンションを検討するときは、物件ごとにさまざまな選択肢を考えたいところです。
そこで今回は、50平米のマンションの特徴やよくある間取りを紹介していきます。あわせて50平米マンションの魅力や注意点についても解説していくため、後悔しない物件選びに活用してください。
50平米マンションは3人家族におすすめ
50平米のマンションは、一般的には3人家族におすすめの広さです。3人で快適に住めるマンションを探すなら、50平米くらいの物件を中心に探してみましょう。なお、国土交通省が定義している最低居住面積に照らし合わせれば、50平米のマンションには4人家族までは住めることになります。しかし50平米という広さは、意外と4人では手狭に感じられることも少なくありません。したがって、50平米マンションに推奨される家族構成は、3人が目安と考えられます。
50平米マンションは2LDKが多い
50平米のマンションには2LDKの間取りが多いです。ほかにもさまざまなタイプの間取りが見られますが、最も見つかりやすく主流なのは2LDKです。2LDKの間取りの場合、夫婦で1部屋、子供に1部屋をそれぞれ割り当てられます。そのため3人暮らしには非常に適しているレイアウトといえるでしょう。また、場合によっては夫婦2人暮らしで、それぞれ個室を持つ選択肢なども挙げられます。
2LDKのほかには、次に多い間取りとして3DKがあります。3DKはダイニング・キッチンにあわせて、3つの部屋がある構成になります。3DKなら、3つある部屋の1つをリビング代わりに活用したり、3人家族それぞれで個室を持ったりするなどの選択肢が検討できるでしょう。
1LDKの間取りの場合
50平米のマンションは、1LDKの間取りもそれなりに見られます。50平米で1LDKとなると、リビング・ダイニング・キッチンを合わせたスペースと、寝室ではそこそこ広さ的にゆとりを持って過ごせると考えられます。広々としたリビングには開放感があるため快適に過ごせますし、寝室は、40平米の部屋と比べると手狭な印象がなくなります。ベッド以外に本棚やチェストなどの家具を置いてもある程度はゆとりが出そうなイメージです。
2Kの間取りの場合
50平米のマンションには、そこまで数は多くないものの、2Kの間取りも見られます。2Kは、ダイニングスペースのないキッチンと、2つの部屋がある構成になります。
そのため2Kの部屋に家族で住む場合は、2つあるうちの1つの部屋をリビング代わりに活用するのが望ましいと考えられます。そしてもう1つの部屋を寝室にするイメージです。この場合、区切られた空間は2つしかないため、家族構成的に向いているのは1~2人といえるでしょう。
2DKの間取りの場合
2DKのマンションは、ダイニングのあるキッチンと、2つの部屋がある構成になります。50平米のマンションには、2DKの部屋もある程度多く見られます。
2DKの部屋は、リビングこそないものの、ダイニングスペースがあるため家族団らんの場所としてダイニングが活用できます。ほかには2Kの部屋と同様に、2つあるうちの1つの部屋をリビング代わりにすることもできます。ダイニングスペースがある分、2Kより部屋の活用法においてさまざまな選択肢が検討できるでしょう。
2LDKの間取りの場合
2LDKの間取りは、50平米のマンションにおいて最も多い間取りになります。2つの部屋と、リビング・ダイニング・キッチンで構成されているのが特徴です。
2つの部屋がある分、プライベートスペースを確保しやすい点が大きなポイントになります。そのため家族で暮らすという共同生活のなかでも、適度にプライベートを保つことができ、快適に暮らせます。一般的には、夫婦共同の寝室、子供部屋の割り当てが多いといえます。
50平米マンションに多い2LDKの特徴
50平米のマンションには、2LDKの間取りが多い傾向にあります。リビング・ダイニング・キッチンに加えて、2つの寝室が用意されています。そのため3人家族に適した間取りといえるでしょう。
なお、50平米のマンションで2LDKなら、40平米・2LDKのマンションよりも比較的収納や水回りなどスペースにもゆとりが生まれます。生活動線もしっかりと確保されるため、3人で暮らす際には、ストレスフリーな間取りと平米数のバランスといえます。
そんな2LDKのマンションでの暮らしを考えるなら、次のような2LDKのメリットとデメリットを前もってチェックしておきましょう。
2LDKのメリット
2LDKの間取りの物件では、主に次のメリットが望めます。
- 比較的新しい物件が多い
- 3LDKの部屋よりも低予算で済む
- 部屋の使い方に選択肢が生まれる
まず2LDKの物件は比較的新しい物件が多い傾向にあります。そのためきれいで新しい内装と設備に期待ができ、より快適に住める可能性があるといえます。また2LDKの間取りなら、3LDKよりも費用負担は比較的抑えられます。
3LDKなら50平米よりも平米数が大きくなることが多いため、そうなれば費用負担がかさみます。また同じ50平米のマンションでも、2LDKよりも3LDKのほうが部屋数が多い分、購入・賃貸の費用は高くなる傾向にあります。
そして2LDKの間取りなら、部屋が2つある分、さまざまな部屋の割り当ての選択肢が健闘できます。例えば1LDKと比較すれば、ライフスタイルや家族構成にあわせて柔軟に部屋を活用できるでしょう。
2LDKのデメリット
2LDKには多くのメリットがありますが、残念ながらデメリットもあります。特に次のようなデメリットには注意が必要です。
- 物件数が少ない
- ライフステージの変化に対応しづらい側面もある
2LDKの間取りのマンションは、全体で見るとそこまで物件数が多いわけではありません。特に都市部は、2LDK以上の広いマンションは見つけにくく、空きが出てもすぐに埋まってしまうことが多いです。そのため物件探しは、意外と難航する可能性もあります。
また2LDKのマンションは、ライフステージの変化に対応しづらい側面もあります。1LDKと比べれば、2LDKの間取りは確かにさまざまな部屋の割り当てを検討できますが、特に子供が増えたときには注意が必要です。子供1人から2人、3人と家族が増えれば、2LDKの部屋では手狭になる可能性があります。したがってライフステージの変化に伴って物件を選ぶときには、十分に検討を重ねましょう。
50平米マンションに多い3DKの特徴
50平米のマンションには、ほかに3DKの間取りの物件が多く存在します。3人暮らしには2LDKの物件が最も望ましいと考えられますが、3DKの物件もあわせて検討したいところです。
3DKのマンションには、3つの部屋に加えて、ダイニングスペースのあるキッチンが付いています。リビングがないのは難点ですが、3DKの部屋なら、ダイニングや1つの部屋をリビング代わりに活用できるでしょう。特にダイニングと部屋の1つが引き戸で仕切られているタイプの間取りなら、引き戸を常に開けておくことで、実質的に2LDKの部屋として使うことができるでしょう。
そんな3DKの間取りのマンションを検討する際には、以下のメリットとデメリットを見ておきましょう。
3DKのメリット
3DKのマンションには、以下のメリットがあります。
- 2LDKよりも部屋を多く確保できる
- 2LDKよりも家賃・購入価格が格安
3DKの間取りなら、リビングこそないものの、2LDKと比べると1つ部屋を多く確保できます。そのため共有スペースとは別で3つの部屋が欲しいときには、3DKの間取りを選択肢に入れるのもありといえるでしょう。
また3DKの間取りは、2LDKよりもコストパフォーマンスに優れています。例えば同じ50平米のマンションなら、主流である2LDKのほうが人気が高いため、家賃や購入価格は高くなります。一方で3DKは、リビングがない分、2LDKよりは人気が落ちる傾向にあります。しかしその分、3DKなら低予算で住むことが狙えるのも事実です。
そのため少しでも費用を抑えて50平米のマンションを探すなら、2LDKではなく3DKの間取りのマンションも視野に入れていくのがおすすめになります。
3DKのデメリット
3DKのマンションにも多くのメリットがありますが、反対にデメリットも伴うため、以下の点には注意が必要です。
- リビングがない
- 2LDKと比べると物件数が少ない
3DKのマンションには、リビングがないという大きなデメリットが伴います。ダイニングや部屋の1つをリビング代わりにすることもできますが、部屋の割り当て次第では、家族団らんのスペースが確保できないこともあるため注意しましょう。
また3DKの間取りは、同じ50平米のマンションでも、2LDKと比べると物件数が少ないです。最初から3DKを希望する場合は、2LDKと比べるとさまざまな選択肢を模索できない可能性があるため、注意が必要です。
50平米マンションの広さは約30畳
ここで、50平米のマンションの広さは何畳の広さになるのか、具体的に計算してみましょう。
「不動産の表示に関する公正競争規約施行規則」に基づいて計算すると、まず1畳あたりの平米数は1.62平米になります。したがって50平米のマンションは50÷1.62=約30.8畳と計算できるため、30畳程度の物件ということがわかるでしょう。例えばよくある6畳の部屋で考えると、おおよそ5部屋分の広さになります。
50平米のマンションを検討するときは、畳でいうと何畳になるのかもチェックしておきましょう。
50平米マンションの実際の居住スペースは約32平米
とはいえ、50平米のマンションに住んだ場合、50平米のすべてが居住スペースになるわけではありません。
トイレやバスルーム、廊下などのスペースを除けば、50平米のマンションはおおよそ20畳=32.4平米程度が居住スペースと考えられます。6畳の部屋で換算すると、約4部屋分です。50平米のマンションに住むときは、居住スペースの広さについて目安を考えておくことも大事です。
50平米マンションの魅力
50平米のマンションには、次のような魅力があります。
- 3人家族にとって物件価格が安い
- 寝室を作れる
- 子どもとの距離が近くなる
いずれも快適な暮らしには重要なメリットです。では、詳細をチェックしてみましょう。
3人家族にとって物件価格が安い
3人家族向けの物件を探すうえで、50平米のマンションは比較的安価といえます。より快適でゆとりのある部屋を探すなら、60平米や70平米の広さが望ましいですが、物件価格は平米数が大きくなればなるほど高くなります。
そのため少しでも住居費用の負担を抑えるなら、50平米のマンションは3人家族にとっておすすめの物件といえます。
寝室を作れる
50平米のマンションには、一般的に2LDKや3DKのように複数の部屋が存在する間取りが多いです。そのため50平米のマンションに住めば、多くの場合、問題なく寝室が確保できます。
2LDKの間取りなら、子供部屋や仕事部屋を作ったとしても、もう1つの部屋を寝室にできるでしょう。しっかりと寝室を区切って確保したいときには、50平米のマンションはおすすめです。
子どもとの距離が近くなる
50平米のマンションは、3人家族にとってそこまで広い物件ではありません。しかしその分、子供との距離が近くなるというメリットが生まれます。
50平米のマンションの場合、部屋と部屋の間に廊下がなく、リビングや隣の部屋にすぐ移動できる間取りが多くを占めます。子供と別々の時間を過ごすことが少なくなるため、家族同士のコミュニケーションを特に重視している場合には、50平米のマンションは適度な広さといえるでしょう。
50平米マンションの注意点
50平米のマンションには、魅力もあるものの、以下のような注意点もあります。
- 掃除がめんどう
- 家族が増えると部屋が足りなくなる
- 収納スペースが足りない場合がある
では、それぞれの注意点を詳しく見ていきましょう。
掃除が面倒
50平米のマンションは、家族で住むにはそこまで広くないにしても、30畳分の面積はあります。そのため意外と掃除が面倒に感じられることも多いです。
2LDKや3DKの間取りだと部屋数も多いため、掃除には手間がかかります。掃除を含めた家事の負担が増える可能性があるため、住む際には、掃除時短の工夫をさまざま凝らす必要があります。
家族が増えると部屋が足りなくなる
50平米のマンションは、家族が増えると部屋の数が足りず困る可能性も出てきます。例えば2LDKの間取りの場合、子供が1人増えれば、子供それぞれに個室を与えることは難しくなるでしょう。
また2LDKのマンションで1つを夫婦の寝室、もう1つの部屋を仕事部屋に使っていた場合は、子供が産まれれば仕事部屋は寝室とまとめなければならないかもしれません。50平米のマンションで3LDK以上を望むのは正直難しいため、家族が増える予定があるときは、その予定も見越したうえで平米数や間取りを考える必要があります。
収納スペースが足りない場合がある
50平米のマンションに住むと、場合によっては収納スペースが足りなくなるケースも考えられます。
仮に2LDKの間取りだとすると、50平米ほどの広さではスペースのほとんどが部屋で埋まってしまいます。もし収納スペースが1つしかなければ、2~3人の家族では、十分に荷物をしまえない可能性があります。
荷物や家具が多いときは、50平米のマンションで問題ないのか、収納スペースの広さも含めてよく検討しましょう。
まとめ
50平米のマンションは、3人家族に主に適した広さになります。間取りは2LDKが最も多く一般的で、そのほかには3DKの間取りもある程度多く見られるのが特徴です。そのため3人で住むマンションを探す際には、50平米の物件も、候補に入れておきましょう。特に費用を抑えてファミリー向けのマンションを契約したいときには、50平米のマンションは向いている可能性が高いです。
また、50平米の広さならではの魅力や注意点についても、ある程度目を向けておく必要があります。広さや間取りについては事前に理解を深めたうえで、自分たちに最適となる広さ・間取りのマンションを見つけてみてください。