マンション購入時に必ず加入しなければいけない団信(団体信用生命保険)ですが、団信の詳しい内容や種類が分からないといった方も多いのではないでしょうか。
また、通常の保険と団信で保障内容が重複しており、保険料で損となっているパターンもあります。
今回は団体信用生命保険の特徴や種類、メリット、デメリットを紹介したうえで、マンション購入時の生命保険見直しのポイントについても解説していきます。
マンション購入では生命保険(団体信用生命保険)の加入が必要
マンション購入時には多額の資金が必要となり、多くの人は金融機関から住宅ローンを利用して住宅を購入する方がほとんどです。そのため、資金を貸す側である金融機関は契約者が亡くなったり、高度障害になったりした場合に備えて保険をかけます。その保険が団体信用生命保険です。
マンション購入時に金融機関から資金を借りて住宅を建てる場合、団体信用生命保険は義務付けられています。そのため、発生する問題が自身が加入している保険との保障内容の重複です。保険料は長期間支払うため、重複した内容がある場合は保険の見直しをすることで、保険料の大幅な削減につながります。
団体信用生命保険(団信)とは
団体信用生命保険とは資金を貸している銀行側が債権者、保険契約者や保険金受取人が債務者、住宅ローンを利用している方が被保険者となる生命保険です。
もし被保険者が亡くなったり、高度障害になったりしたなど、債務者が住宅ローンを支払えない状況になった場合、保険会社から保険料が支払われる仕組みとなっています。
団体信用生命保険は加入が義務付けられているため、自身が加入している生命保険と保障内容が重複する恐れがあります。
団体信用生命保険の主な種類
団体信用生命保険の主な種類は以下の3つです。
- 通常の団体信用生命保険
- 三大疾病保障特約付団体信用生命保険
- 八大疾病保障付団体信用生命保険
自身がどの疾病を重視した団体信用生命保険を選択するかは重要となります。
通常の団体信用生命保険
最初に紹介するのは通常の団体信用生命保険です。通常の団体信用生命保険にて弁済される条件は以下の通りです。
- 両眼の視力を全く永久に失ったもの
- 言語またはそしゃくの機能を全く永久に失ったもの
- 中枢神経系または精神に著しい障害を残し、終身常に介護を要するもの
- 胸腹部臓器に著しい障害を残し、終身常に介護を要するもの
- 両上肢とも、手関節以上で失ったかまたはその用を全く永久に失ったもの
- 両下肢とも、足関節以上で失ったかまたはその用を全く永久に失ったもの
- 1上肢を手関節以上で失い、かつ、1下肢を足関節以上で失ったかまたはその用を全く永久に失ったもの
- 1上肢の用を全く永久に失い、かつ、1下肢を足関節以上で失ったもの
三大疾病保障特約付団体信用生命保険
通常の団体信用生命保険で保障している内容に加えて3大疾病について保障する団体信用生命保険が三大疾病保障特約付団体信用生命保険です。
3大疾病とはがん・急性心筋梗塞・脳卒中のことをいい、日本人の死因上位3位までの疾病のことをいいます。
また、三大疾病保障特約付団体信用生命保険の中の「特約」とは主な契約である主契約に任意で特別な契約を付け加える制度のことです。
八大疾病保障付団体信用生命保険
先ほど紹介した三大疾病保障特約付団体信用生命保険に加えて糖尿病、高血圧性疾患、慢性腎不全、肝疾患、慢性膵炎の5つの重度疾病を保障内容にいれたのが八大疾病保障付団体信用生命保険です。
銀行にもよるのですが、がんや脳卒中、急性心筋梗塞になってしまった場合、住宅ローンが0円になるといった保障を受けられる場合もあります。
団体信用生命保険のメリット
団体信用生命保険のメリットとして大きいのは、もし自分に高度な疾病が見つかったり、死亡にいたったりした場合には残された家族へ住宅ローンなどの返済義務が及ばないことです。
住宅ローンは数千万円単位の借入となりますので、突然家族に残債が引き継がれてしまったら大変です。そのような状況を回避することができる保険が団体信用生命保険となります。
また、三大疾病保障特約付団体信用生命保険や八大疾病保障付団体信用生命保険など、主契約である団体信用生命保険に加えて特約を結ぶことにより、保障範囲を広げることも可能です。
両親に特定の疾病があるなど、自身のライフスタイルから特定の疾病になりやすいといった心配がある方は保障範囲を広げて、万が一に備えることができる点がメリットといえるでしょう。
また、次の項目では団体信用生命保険のデメリットを紹介しますので、合わせてご参考にしてください。
団体信用生命保険のデメリット
団体信用生命保険のデメリットとして一番最初に挙げられるのは民間の金融機関で住宅ローンを借りる場合、強制加入となってしまうことです。
そのため、別口で契約していた生命保険との保障内容が被ってしまう可能性があります。したがって、保障内容を見比べながら、団体信用生命保険以外の生命保険の契約内容を見直さなければ多額の生命保険料を支払うこととなります。
また、団体信用生命保険は他の生命保険よりも保障範囲が狭いといったこともあり、満足のいく生命保険にするには別口で特約をつける必要性がでてきます。
以上より、すでに加入している生命保険の見直しという手間や保障範囲の少なさが団体信用生命保険のデメリットといえるでしょう。
フラット35は団信の加入が任意
住宅ローンを借りる場合、最もポピュラーな制度がフラット35です。フラット35は借入時の金利が借入期間ずっと一定となる制度の住宅ローンです。
フラット35を利用した場合、団体信用生命保険は任意加入となるため、もし団体信用生命保険ではなく自分が選択した生命保険に加入したい場合はフラット35を検討してみましょう。マンション購入時の生命保険見直しのポイント
マンション購入時の生命保険見直しのポイントは以下の3つです。
- 重複する生命保険を整理する
- 必要保障額を把握する
- 団信だけでは不十分な時に便利な就業不能保険
重複する生命保険を整理する
団体信用生命保険は民間の金融機関から借り入れた場合、他で加入している生命保険の保障内容と重複してしまう可能性があります。重複した保障内容がある生命保険がある場合、保険の見直しや保障内容が異なる生命保険への加入といった見直しが有用です。
生命保険は長期間支払う保険料となってきますので、見直しをしないと、多額の保険料を支払うこととなります。保険の見直しは面倒ではありますが、マンション購入時に団体信用生命保険へ加入する場合は保険の見直しは必須項目といえるでしょう。
必要保障額を把握する
現在の生命保険や団体信用生命保険の保障内容で必要保障額が、必要な条件を満たせているかどうかを確認しておくことも重要です。
仮に自身が死亡した場合に残された家族はいくらもらえるのかといったシミュレーションをこちらのサイトで行えます。
必要保障額に満たしているのであれば、団体信用生命保険を選択、満たしていないのであれば、他の生命保険を選択できます。
団信だけでは不十分な時は
団体信用生命保険では収入保障がありません。そのため、万が一収入が得られない場合の保障がないため、こちらをカバーするには「就業不能保証付き」と呼ばれる特約を結ぶ必要があります。
しかし、「就業不能保証付き」の特約は定義が不十分で保障されないケースもあります。そのため、収入保障をしっかりつけたいのであれば一般の就業不能保険に加入するといった方法もありますので、自身に合った保険を選択しましょう。
まとめ
今回は団体信用生命保険の特徴や種類、メリット、デメリットを紹介、マンション購入時の生命保険見直しのポイントについても解説しました。
団体信用生命保険は民間の金融機関で借り入れる場合、強制となってしまうため、別で生命保険に加入している場合は保険の見直しが必須といえるでしょう。
団体信用生命保険に加入が任意のフラット35という制度もありますので、自分が欲しい保障額に見合った生命保険を考えながら、見直しをしましょう。