アパートを建てるってどういうこと?アパートを建てる流れや費用を解説します

土地活用を考えている方へ
  • 「何から始めると良いかわからない…」そんな方はまずはチャットでご相談を
  • 複数の活用プランを比較することで、より収益性の高い活用をできる可能性が高まります

アパートを建てることは、使っていない土地を活用する手段としても節税対策としても有効です。

しかしアパート建築は決して安くはない投資ですし、ましてや人生でアパートを何回も建てたことがある方は少ないです。

アパートを建てることに興味はあるものの何から始めたらいいのかわからない、新築のアパート経営の基礎知識を知らない…といった方も多いでしょう。

この記事ではアパート建築の流れからかかる費用、アパートを建てる際の注意点まで詳しく解説します。

吉崎 誠二
監修者:吉崎 誠二(よしざき せいじ)
不動産エコノミスト
社団法人住宅・不動産総合研究所理事長
㈱船井総合研究所上席コンサルタント、Real Estate ビジネスチーム責任者、基礎研究チーム責任者、(株)ディーサイン取締役 不動産研究所所長を経て現職。不動産・住宅分野におけるデータ分析、市場予測、企業向けコンサルテーションなどを行うかたわら、全国新聞社、地方新聞社をはじめ主要メディアでの招聘講演は毎年年間30本を超える。
最適な土地活用のプランって?
STEP1
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アパートを建てることは賃貸経営をすること?

土地活用においてアパートを建てるということは、土地所有者が大家となって新築アパートを建設して賃貸経営をおこなうことです。入居者を募集し、入居が決まれば家賃収入によって収益を得ることができます。

アパートを建てるきっかけや理由は人それぞれです。一般的にイメージされるのは不動産投資の目的で建てられることかもしれませんが、相続税対策や固定資産税対策でアパート経営を始める方も少なくありません。

多額の費用が必要ですが、立地や経営方法次第では多くの収益を得ることもできます。

アパートを建てるメリット

アパートを建てるメリットは主に2つです。

安定した家賃収入を得ることができる

アパート経営は、収益の安定性が高いです。土地活用の方法として人気な駐車場経営やコインパーキング経営と比較してもその差は明らかです。

というのも、国内の景気変動に関わらず住居は一定の需要があるからです。当たり前のことかもしれませんが、アパートは年単位で居住する人が多いので一度決まれば常に空室だらけということも避けられます。

さらに、アパートは複数の戸数を所有できるため、空室が発生した場合でも収入へのダメージは大きくありません。同じ賃貸経営でも戸建賃貸経営では1戸しかないため、空室が発生したら収入は0になってしまいます。アパート経営は、土地活用のなかでも安定した収入を得ることができます。

相続税や固定資産税などの税金対策効果が高い

副次的に相続税や固定資産税などの税負担を減らすことができます

所有している土地にアパートを建てると、土地は「貸家建付地」として評価され相続税評価額が1~2割下がります。更に、小規模宅地等の特例による評価減によって、相続税を約8割ほど減額することができます。

相続税以外にも、アパートを建てることで固定資産税は最大1/6、都市計画税は最大2/3にまで減額することが可能です。

アパートを建てる流れと期間

アパートを建てる流れは、大きく分けて以下の6つのステップに分けられます。

アパート建築の流れ

  • 土地の現況を把握する
  • 土地活用プランを請求する
  • プランの検証をする
  • 建築会社を決める
  • 工事請負契約締結・着工
  • 竣工・引き渡し

アパートの建築期間は一般的に(階数×1ヶ月)+1ヶ月といわれています。

しかし、実際にはそれ以上の時間がかかることが多いです。

アパートを建てる前にやるべきことはたくさんありますが、入居率が高く収益性のあるアパートを建てるためには、複数の企業にプランを請求し比較・検証をおこなうことが必要です。

そのため、アパートが完成して経営を始めるまでには約10カ月~1年ほどの期間がかかります。具体的には、アパートを建てる会社を決めるまでに1ヶ月から半年ほどかかり、工事が始まってからは3ヶ月から4ヶ月ほどでアパートが完成します。

アパートを建てたあとに、きちんと収益を得ることができるかどうかは、相性の良い会社を選べるかによって決まります。アパート建設会社選びは、必ず複数の会社を比較し慎重に決めましょう。イエウール土地活用なら、完全無料で最大10社からプランの提案を受けることができます。

アパートを建てるために必要な費用

アパートを建てるにはもちろんある程度の費用がかかります。建築費はアパートの構造によって異なり、頑丈で機能性の高いものほど建築費用は高くなります。

アパート建築費の相場

建築費の相場は、以下の表の通りです。

アパート建築費の相場
坪数 建築費用
木造 鉄骨造 RC造 SRC造
30坪 3,160~4,240万円 4,240~5,320万円 5,780~7,400万円 7,240~9,140万円
50坪 5,360~7,100万円 7,140~8,900万円 9,700~13,000万円 12,100~15,300万円
70坪 7,500~9,900万円 9,990~12,460万円 13,500~18,200万円 16,940~21,420万円
100坪 10,720~14,200万円 14,280~17,800万円 19,400~26,000万円 24,200~30,600万円

アパート建築費の妥当性は利回りで判断する

アパート建築費用を見積もる際は、想定利回りから逆算して建築費用を計算すると、おおよその目安を建てることができます。

通常、アパートを建築して経営する場合、表面利回りは約8%ほどを保てると、健全な財務状況だといえます。
そのため、この8%を基準に建築費用を見積もってみましょう。

ただ、賃料相場や建築費用は地域によって異なるため、地域ごとに適した利回りは異なります。
例えば、都心部でアパート経営をする場合はおおよそ5%ほど、地方や郊外でアパート経営をする場合は13%ほどを目指すとよいでしょう。

アパートの建築費についてもっと知りたい方やしっかり試算したい方はこちらの記事も参考にしてください。

自分でアパートを建てるときにすべき4つのこと

アパートを建てる際には、土地所有者の方がすべきこととアパート業者がやることがあります。アパートを建てるときに、土地所有者の方が行うことには以下の4つです。

  • アパートを建ててもいいか決める
  • どんなアパートを建てるか考える
  • どの会社にアパート建設を頼むか決める
  • 建てたアパートの管理方法を決める

ここからはそれぞれの内容について詳しく解説します。

アパートを建ててもいいか決める

土地活用としてアパートを建てる場合には、「そもそもアパートを建てても問題ないか決める」ことが必要です。アパートを建てることのメリットは多いですが、土地によっては必ずしも、アパートが適していない場合があります。

アパートを建てても問題ないか確認するためには、2つの視点で土地を確認することが重要です。

  • アパートを建てることができるか
  • アパートを建てて収益を得ることができるか

アパートを建てることができるか

まずは、自身の土地にアパートを建設することが、建築基準法と照らし合わせて問題がないか、以下の3点を確認する必要があります。

  • 接道義務
  • 建ぺい率
  • 容積率

建築基準法では、建築物の敷地が「幅員が4m以上の道路」に2m以上接していなければなりません。これを接道義務といいます。接道義務を満たせない土地の場合には、新たにアパートを建てることはできません。特に旗竿地などの不整形地に土地を持っている場合には、最初に確認すべきポイントといえます。

容積率や建ぺい率とは、土地あたりに建てることができる建物の大きさを定めた数字です。アパートの収益性は戸数によって変わります。戸数が多ければ、それだけ空室リスクを分散し、家賃収入を高めることができます。

しかし、容積率や建ぺい率の制限が厳しい場合には、建てられるアパートの大きさに限界があります。そのため、十分に収益性のあるアパートを建てることができません。場合によっては、アパート経営以外の土地活用方法を検討する必要があります。

収益性以前の問題ではありますが、時間を無駄にしないためにも、そもそもアパートを建てることができるかを事前に確認しておきましょう。

アパートを建てて収益を得ることができるか

アパート建設などに関する規制がなければ、「新築アパートを始めても問題がない土地か」を調査します。新築アパートを建てるには、大きな建築費が必要になります。問題がないかとは、ローンを返すことができるほどの収益力をもった土地かを調査することを指します。

アパートを建てる際には、エリアの家賃相場から利回りを算出し、アパートを建てても収益を得ることができるか判断します。賃貸需要が存在していても家賃相場が低い場合には、アパートの建築費を含めて十分な利回りを出すことができません。

返済額も含めた返済後利回りをもとに、十分な収入が期待できる場合には、アパート経営に向いている土地といえます。アパート経営では、付加価値をつけても、エリアの賃貸相場以上の価格設定は難しいです。

賃貸需要だけではなく、ローン返済額も含めて利益がでるほどの家賃収入がでるのかは事前に試算を繰り返しておきましょう。

土地活用のおすすめ相談先

土地活用を始める際には、アパート経営以外にも適した活用方法も含めて客観的な視点で考えることが重要です。土地活用には様々な方法があり、活用方法ごとに多くの専門業者がいます。

例えば、土地活用の相談先には、ハウスメーカーや土地活用コンサルタント、地場の不動産会社など様々な選択肢があります。それぞれの会社に問い合わせをするのは手間がかかる上に、それぞれの意見を客観的に比較するのが困難です。

そこでおすすめなのが、土地活用比較サイトの活用です。土地活用比較サイトでは、自身の土地に合っている土地活用プランを複数の会社から一括資料請求することができます。よくある成功例だけではなく、それぞれの土地活用方法のリスクについても情報が乗っているため、慎重に土地活用を考えたいという方におすすめです。

土地活用方法に悩んでいるという方は、まずは土地活用比較サイトを利用して、どんな活用方法が考えられるか探してみましょう。

どんなアパートを建てるか考える

アパートを建ててもよさそうだと判断できたら、業者に相談するまえにある程度、どんなアパートを建てるか検討しておきます。この際に考えるべきは、以下の2点です。

  • アパートの間取りや設備
  • アパートの構造

構造や間取りというと、難しそうに感じるかもしれませんが、簡単に言えばアパートの部屋や入居者像をまとめておくということです。ここからは、それぞれのポイントについて簡単に解説します。

アパートをの間取りや設備

アパートには、大きく分けてワンルームタイプとファミリータイプの2種類の間取りがあります。

ワンルームは単身者向けの比較的安めの家賃設定が主になります。家賃設定を低くしていても、戸数を増やすことができるので、収益自体はそこまで低くなりにくいです。戸数が多いため、空室リスクは低いですが、集客の負担は高くなります。そのため、集客がしやすい立地であることが必要です。特に、単身者に人気の高い都市部や駅チカの物件である必要があります。

一方で、ファミリータイプは、広い間取りで複数人が入居する間取りです。ファミリータイプはワンルームよりも高い家賃設計をすることができますが、その分戸数が少ないです。さらに駐車場なども求められるケースも多く、ある程度の土地の広さが求められます。

空室リスクは高いですが、集客負担や入居者対応は少ないため一定以上の賃貸需要が存在していれば、ワンルームよりも経営しやすいといえます。

自身の土地の周りにどのタイプのアパートが多いか、賃貸需要が多いのはどんな層かなどを調査した上で、どんな間取りのアパートを建てるべきか決めましょう。

アパートの構造

アパートの構造とは、アパートを建てるために使う素材の種類のことを指します。アパートの構造は、木造、鉄骨造、鉄筋コンクリート造の3種類です。同じような建物を建てるとしても使う素材によって、機能性や建築費は大きく変わるため、なんとなくでもどんな素材を使うのかを考えておきましょう。

木造アパートのメリットは、建築費の安さと節税効果の高さです。他の構造で建てる場合よりも、3割ほど工事費用が低くなります。さらに、他の構造に比べて耐用年数が短く節税効果も高いです。
一方で、デメリットは建物性能が低い点です。木造アパートは、建物の気密性が低いため暖房冷房効率が下がるうえに、耐火性や遮音性能も他の構造に劣ります。

鉄骨造アパートのメリットは、建物性能の高さとコストのバランスが良い点です。遮音性や耐火性では木造アパートより優れており、工事費用では鉄筋コンクリート造よりも抑えることができます。
一方で、デメリットは、リノベーションが難しい点です。木造や鉄筋コンクリート造ではリノベーションが可能でも、鉄骨造では壁を抜いて間取りを変更したり、壁の移設などが一切できなくなる可能性が高いです。

鉄筋コンクリート造アパートのメリットは、建物性能の高さとデザイン性の高さです。遮音性や耐火性、断熱性、気密性などの、どの点においても鉄筋コンクリート造は他の構造と比べても優れています。
また、鉄骨造や木造では耐久性からデザインに限界がありますが、鉄筋コンクリート造アパートは耐久性が高いため、デザインの自由度も高いという特徴があります。
一方で、デメリットは、工事費用の高さと節税効果が低い点です。他の構造と比べても最も工事費用が高く、耐用年数は最も長いため節税効果も低くなります。

アパート建設にどのくらいの工事費用をかけられるのかや、どのぐらいのグレードのアパートがエリアで求められているかによって、選ぶべき構造は異なります。業者を選ぶ前に自身でも考えておくことで、よりよい選択をすることができます。

どの会社にアパート建設を頼むか決める

どんなアパートを建てるかなんとなくでもイメージできたら、どの業者にアパート建設を頼むか決定します。これからアパートを建てたいという方にとって最も重要なことは、「どの業者とパートナーを組むか決めること」といっても過言では無いほど、どの会社を選ぶかというのは重要です。

会社選びでは、建設会社の営業の方が簡単な収支シミュレーションをした経営プランをもとに、それぞれの工事費用や利回りなどを比較して建設会社を決める必要があります。業者選びにかける時間は人それぞれで、一ヶ月程度で決める人もいれば半年から1年ほどかける人もいます。

アパート建設会社には、ローコスト建築に強い会社や建物の機能性に強い会社など様々な建設会社があります。大きく分けるとアパート建設会社は、ハウスメーカーと工務店の2つに分けられます。

ここからは、それぞれの違いやどんな人がどちらを選ぶべきかを簡単に解説します。

広めの土地で安く建てるならハウスメーカ

ハウスメーカーは、基本的に建材などがすべて規格化され、原価が抑えられているため、建築コストを抑えることができます。さらに、多数の建築実績がある場合には、賃貸需要の調査や収益予測などを行ってもらうこともできます。

経営ノウハウや多くの事例を持っているため、知識面でもハウスメーカーは頼りになる存在といえます。大手のハウスメーカーは、金融機関とも連携していることも多く、ローンや資金計画の相談にも対応できます。

建設だけではなく、アパートの管理業務も任せることができる会社もあるため、ワンストップで対応可能な場合もあります。ハウスメーカーにもローコスト重視や品質重視など様々な特徴があります。そのため、複数の業者を比較することをおすすめします。

規格されているため、イレギュラーな土地に対応しようとすると工事費用が高くなる可能性があります。そのためある程度の広さの土地の場合には、ハウスメーカで建てたほうが機能面やコスト面でもメリットが大きいと考えられます。

狭小地や変形地に建てるなら工務店

工務店は、土地の状態などに合わせて1から設計施工をするため、土地の状態に応じた建築設計を行うことができます。そのため、土地の状態によっては、工務店に依頼したほうが建築コストが抑えられる可能性が高くなります。

例えば、狭小地や不整形地、旗竿地などに建てる際には、細かな調整が必要になるため、ハウスメーカーに頼むと建築コストが上がってしまう可能性があります。

工務店に依頼する場合には、自身のエリアや土地の状態について理解がある会社を選ぶことが重要です。そのため、工務店は、大手というよりもエリアでの実績が多い地場の工務店がおすすめです。

必ずしも、どちらが優れているわけではなく、所有する土地の状態や自己資金によって最適な建築会社は異なります。建築会社選びは、アパート経営を始めるにあたって非常に重要なポイントです。

アパートは一度建てたら、白紙に戻すことはできないため、建築会社選びは慎重に行いましょう。

建てたアパートの管理方法を決める

アパートの管理方法とは、自身がアパート経営にどのぐらい関わるかということです。アパート経営は建てたあとにも、入居者募集や内見案内、家賃集金管理、清掃、クレーム対応など様々な管理業務が発生します。

アパートの管理には、全ての管理業務を業者に委託する方法や一部を任せる方法、全て自身で行う方法の3つがあります。

ここからは、それぞれの管理方法のメリット、デメリットやどんな人におすすめなのかを簡単に解説します。

自主管理

自主管理とは、アパート管理に関わる業務を全て自分で行うことを指します。自主管理では、業者への管理委託費用を支払う必要がないため、家賃収入を全て受け取ることができます。

一方で、初めてアパート経営をする場合には、ノウハウがない状態から全て自分で管理業務を行わなければいけないため、失敗リスクが高いです。

アパートが自宅近くにある場合や、すでに入居者がいるアパートを相続した場合には、おすすめの管理方法です。

管理委託

管理委託とは、アパート管理会社に管理業務を一部委託するという管理方法です。クレーム対応や清掃業務、家賃の集金などをアパート管理会社に委託することができます。

管理委託にかかる費用の相場は家賃収入の5%程度です。空室が発生しても管理会社の責任ではないため、空室リスクはオーナーが背負います。

管理委託によるアパート管理は、プロの知見を活かしながらアパート経営を行うことができるため、比較的バランスの取れた管理方法といえます。

サブリース管理

サブリース管理とは、アパート管理会社に一括で全室を借り上げてもらい、毎月固定の家賃収入を得る管理方法を指します。アパートの入居状況に関わらず、毎月固定の賃料を得ることができるため、低リスクのアパート管理方法と言えます。

物件オーナーは、満室時の家賃収入のおよそ15%を差し引いた賃料を家賃収入として得ることができます。入居管理や清掃、クレーム対応などは全て任せることができるため、オーナーはほとんどすることがありません。

サブリース管理の契約内容によっては、借り上げ賃料の引き下げや修繕費はオーナー負担になっているなど、一定のリスクもあります。空室リスクをへらすことができる代わりに、収入源を管理会社に依存してしまうリスクを踏まえてサブリース管理は選択しましょう。

アパートを建てる前に抑えるべき7つのポイント

シミュレーション

アパート経営は、流れ通りに進めても成功するものではありません。それそれのポイントでよりよい選択をする必要があります。ここからは、以下の6つについてポイントを解説していきます。

  • そもそも立地に問題はないか
  • 入居者像の市場調査は十分か
  • 提示される数字が本当に現実的か
  • 適正な建築費用で建ててるのか
  • 返済比率は問題ないか
  • デッドクロスは計算されているか
  • 管理会社は慎重に選ぶ

それぞれで最適な選択できるように、1つずつポイントを確認しておきましょう。

そもそも立地に問題はないか

アパートを建てる前には「そもそもアパートを建てても大丈夫か」という視点から土地のあるエリアの状態について調べます。日本のほとんどのエリアでは、人口が減少しています。

最も簡単なアパート需要の調べ方は、周辺のマンションやアパートの状態を確認することです。アパートの数がある程度存在している場合には、それだけアパート需要が多いと考えられるからです。

例えば、都心部の人が多い土地にあるアパートと、田舎の田んぼの中にぽつんと一軒だけ建っているアパートでは、都心部のほうが入居者を集めることが簡単そうなのは想像しやすいでしょう。

さらに、周辺アパートの稼働率や家賃相場まで分かれば、自身がアパートを建てた際の経営状態についても予測することができます。まずは、周辺のアパートを確認し、アパート需要が本当にあるか調べてみましょう。

入居者像の市場調査は十分か

アパート経営で失敗してしまう方の多くは、「アパートが建てば、入居者は自然と集まる」と考えてしまいます。しかし、どんな人が入居者になるのかを知らないと、全く入居者が集まりません。アパートを建てる前には、駅からの距離や周囲の施設などから、「どんな人向けの物件が求められているのか」「入居者はどんな内装を求めているのか」など調べます。

エリアに住む人のニーズを正確に捉えることができないと、入居者がつきにくく空室リスクが上がってしまいます。

どんな人が入居者になるかは、主に以下の2点を確認しましょう。

  • 周辺の施設や、生活の拠点となっている場所を調べる

  • 人口動態などでどの層が変化しているか調べる

どんな人に入居者になるかは周辺の施設を確認することである程度予測することができます。例えば、大学などの教育施設があれば学生が、大きな工場などがあれば作業員がターゲットになりやすいです。

また、店舗が出店する場合にはエリアについて詳細に分析し、出店計画を立てています。そのため、出店している店舗の客層などを確認すれば、どのような層がエリアに存在しているか予測できます。

また、実際にどんな層が増えていて、どの層が減少しているかは、人口動態統計を確認することで把握できます。実際に周辺施設を見て入居者の層を確認する場合に比べて、よりマクロな視点で、人口の変化を掴むことができます。

付近の施設の状態などの観察では、偏った判断になりやすいです。人口動態を確認することで、中長期的にアパートの入居者になりうる層について知ることができます。

適正な建築費用で建てているのか

エリアや構造など様々な要素によってアパートの建築費は変わります。一概に相場を見つけることは難しいですが、自身の土地にアパートを建てる際の適正な建築費用は実質利回りによって算出することができます。

実質利回りは、「( 年間家賃収入 – 年間経費 ) ÷ ( 建築費 + 取得時諸経費 ) × 100(%)」で計算することができます。

エリアの利回り相場に近い利回りが出ていれば、自身の土地に建てるアパートの建築費としては、問題ないでしょう。

また、ローン返済額は経費に含まれないため、建築費の借り入れを行う場合には、それを差し引いても収支がプラスになっていることが大前提になります。

不動産投資ではなく、土地活用の一環でアパート経営を行う場合でも、利回りは必ず抑えるべき数字です。経営プランや建築費が適正か判断する際には、利回りから逆算し、その前提となっている家賃収入や空室率が適正か否かを確認しましょう。

また、利回りから逆算する以外にも、収益還元法や積算法、取引事例比較法など収益不動産には様々な試算方法があります。自身の物件が適切な建築コストなのかは必ず複数の方法で確認し、余分な返済リスクは抑えるようにしましょう。

提示される数字が本当に現実的か

相談した会社すべてからアパート建築プランが揃ったら、次にそのプランの妥当性をチェックします。その際、以下のような点を念入りにチェックするとよいでしょう。

  • 家賃設定はどのくらいか
  • 空室率をどのくらいで設定しているか
  • 家賃収入はどのくらいを見込んでいるか
  • 家賃の低下率を見込んでいるのか、いないのかそしてそれはなぜか
  • ランニングコスト(管理費など)は何にどのくらいかけることを想定しているか
  • 大規模な修繕費用を見込んでいるか

これらのチェックをする際は、単純に数字を確認するだけでなく、その数字が現実的なものなのかを確認するようにしましょう。現実的なものなのかどうかを確認するためには、近くの物件の家賃の価格や築年数、入居率などをネットを活用して確認することをお勧めします。

そうすることで、アパートを建てようと考えている地域でそのプランが妥当なのかをチェックします。この際、不安点や不明点があれば、そのプランを提示した会社に相談するようにしましょう。

アパートが建った後に赤字経営になり、うまくいかなかったとしてもパートナー企業は責任を取ってくれるわけではない場合がほとんどです。そのため、しっかり自分の目でプランの妥当性を確認するようにしましょう。

返済比率は問題ないか

返済比率とは、「年間収入に占める年間返済額の割合」のことを指します。返済比率を50%に抑えるということは、例えば年間収入400万円の場合には、年間のローン返済額を200万円以下に抑えるということです。返済比率が重要と言われる理由は、返済比率がアパート経営の健全性を表しているからです。

アパート経営では、年間収入のうち15%~30%程を経費として使用します。残りの85%をローンの返済額や修繕積立金、手取り収益にあてます。

収入の中で経費を20%、返済比率を50%とすると、残りの30%から修繕積立金と手取り収益を捻出しなければなりません。この場合、もし空室率が30%の場合には、アパート経営の儲けは0になってしまいます。

返済比率が大きいと、儲けがないだけではなく、修繕積立金なども貯めることができないため、健全なアパート経営が困難になります。ローンの返済額はなかなか簡単に減らすことができません。そのため、計画段階では、空室率も見越して返済比率を多くとも50%以下に抑えるようにしましょう。

デッドクロスは計算されているか

減価償却とは、アパートなどの固定資産を使用可能期間にしたがって、少しずつ費用を計上することです。減価償却費は経費として計上することができ、課税対象の利益を圧縮してくれます。

例えば、4000万円の木造アパートを建設した場合には、初年度に4,000万円の費用として計上するのではなく、250万円ずつに分けて22年で費用として計上します。そして22年間は、毎年250万円分を経費として計上することができ、その分課税対象額を少なくすることができます。

この減価償却費が大きさこそが、アパート経営が所得税の節税になる仕組みなのです。減価償却期間中の所得税負担が少ないうちにローンを返済しきることで、償却期間後に課税対象額が増えても、対応することができます。

減価償却費は、減価償却期間中に均等な減価償却率ではなく徐々に小さくなります。そのため、所得納税額は徐々に大きくなってしまいます。一方でローンの返済額は、元本比率が年々上がるため、額そのものは、あまり変わりません。ローン返済期間を長く設定すると、税負担が増えたタイミングでも、ローンを返済しなくてはいけません。

一方で、ローン返済期間を減価償却期間に合わせて短くした場合、借入額が大きいため月々の返済負担は多くなります。フルローンのアパート経営では、ローン返済期間を長くしても、短くしても返済負担が大きくなってしまいます。借入額が大きく、減価償却期間とローン返済期間のバランスを取るのが難しいことは、フルローンのアパート経営が現実的ではないと言われる理由です。

管理会社の対応品質に問題はないか

アパートを管理してくれる会社を選びます。アパート管理を進めていく際には、共用部の清掃や入居者の募集・審査、家賃の支払いチェック、破損個所の修繕など、ちょっとした業務が多々発生します。

専業でアパート経営をする人の中には自分で管理する方もいらっしゃいますが、副業でアパート経営をする場合は管理会社に委託して、これらの管理業務を請け負ってもらうのが一般的です。

アパート経営では、入居者や近隣トラブルが起こるリスクも大きいです。入居者間や近隣とのトラブルは、当事者だけではなく他の入居者の退去につながることがあります。

日本では借り主の権利が強いため、アパート経営に悪影響があっても、トラブルの原因となる入居者を簡単に退去させることも難しいのです。

トラブル対応で最も重要なことは、スピードです。管理会社に管理を委託している場合、まず管理会社に、入居者から連絡が入ります。その後管理会社が大家に連絡し、どのように対応するか決定します。

管理会社との連携がうまく取れている場合には、大家への連絡も早く、不満が大きくないうちに対応することができます。しかし、連携がうまく取れないと、トラブル発生から対応するまでが遅くなり、不満が大きくなってしまいます。

管理会社との契約時には、トラブル対応の範囲や対応方法などは確認しておきましょう。

アパートを建てることを考えたらプランを比較する


アパート経営を始めるにあたって、「複数社に連絡とるのが面倒くさい」「どの不動産会社に連絡すればいいかわからない」と感じている方は、プラン比較サイトの利用がおすすめです。

活用プランの一括比較サイトは、チャットでカンタンな情報を入力するだけで、おすすめの不動産会社にまとめて相談することが可能です。時間を効率化しつつより良いプランでアパート経営を始めたい方は、まずは複数の企業から無料でプランを取り寄せてみましょう。

初心者でもわかる!
記事のおさらい
アパートを建てる流れは?
アパートを建てる際は、まず相談し、プランを取り決めてから実際に着工が始まります。それぞれのステップですべきことや注意点を知りたい方はこちらをご確認ください。
アパートを建てる際にかかる費用は?
アパートの平均建築費は、構造によって異なります。木造だと2,000万円~、RC造だと31,000万円~ほどを想定しておきましょう。さらに詳しい費用の内訳は、こちらでご説明しています。
アパートの建築会社はどこがいいの?
紹介してもらえる建築会社がいいとは限りません。自分で建築会社を探し、より良い条件で、よりよい関係でアパートを建てられるような建築会社を探すことが大切です。詳しくは建築会社の選び方をご覧ください。
【完全無料】アパートの建築費、いくらかかる?