プレハブの解体費用相場はどれくらい？解体を依頼する流れなども解説

「プレハブの解体費用はいくら？」

プレハブの解体費用は、1坪あたり約1.8万円～2万円が相場です。ただし、プレハブの大きさや材質、基礎の有無、作業スペース、周囲の建物との距離、重機の使用の有無によって変動します。これらの条件を考慮して、具体的な見積もりを取ると良いでしょう。

本記事では、プレハブの解体費用の相場や変動要因について解説します。

▼解体費用の基礎知識について知りたい方はこちらの記事をご確認ください。

プレハブの解体費用の相場はいくら？

冒頭で解説したとおり、プレハブの解体費用の相場は、木材系が2万円~4万円、鉄骨系は2.5万円～4万円、コンクリート系で3万円～6万円が坪単価となっています。

種類別プレハブの坪単価

プレハブには使用されている部材によって4つの種類があり、それぞれ特徴が異なります。また、種類によって解体費用の相場も次のように変わります。

▼種類別プレハブの坪単価

木材系

木材系のプレハブの解体費用の相場は、2万円~4万円/坪です。

壁や天井、床などに使用されており、パネル式・軸組方式・軸組パネル方式の3つに分けられますが、近年ではパネル式が主流です。一体構造で歪みや狂いが起きづらいため、震度3までの地震であれば耐えられますが、頑丈な分解体にやや時間がかかります。

鉄骨系

鉄骨系のプレハブの解体費用の相場は、2.5万円～4万円/坪です。

鉄骨系のなかでも、軽量の鉄骨部材が使われている場合は、重量の鉄骨部材よりも安く解体できます。

鉄筋コンクリート系

鉄筋コンクリート造のプレハブの解体費用の相場は、3万円～6万円/坪です。

ほかの構造と比べて、解体費用の坪単価は高く設定されています。耐火性・耐久性・遮音性に優れており、耐用年数が長い分、解体費用も高額となります。

ユニット系

ユニット系の場合、使われている材質によって、費用が大きく変動するため相場はありません。

電気の配線や水の配管は工場で行われるため、安定的な品質で提供されます。ユニット系はプレハブの中でも短期間に設置できるため、比較的多くのプレハブで採用されています。

「坪単価×延べ床面積」で計算できる

坪数は畳に換算すると約3坪で6畳なので、建物構造別の6畳（＝3坪）のプレハブ解体費用は以下で計算できます。

▼建物構造別の6畳プレハブの解体費用

プレハブの解体でかかる追加費用

プレハブの解体には、基本の解体費用以外にも追加費用が発生します。

実際に請求される費用は、以下の合計に解体業者の利益分が上乗せされた金額となります。

▼プレハブの解体でかかる追加費用

それぞれどのような作業に対して発生する費用なのか確認しましょう。

残置物の撤去費用

プレハブの中に残っているものが多いと、撤去作業に追加費用が発生します。

ただし、小さな残置物であれば追加費用なしで対応してくれます。しかし、大きな家具や家電があったり、たくさんの荷物を残したままにしていたりすると、追加費用として換算されてしまいます。

重機回送費用

工事で使われる重機はトラックで運ばないといけないため、回送費用が発生します。

重機回送費用には、一般的に以下が内訳として含まれます。

▽重機回送費用の内訳

廃材処分費用

一般的に、廃材処分費用は、見積もり取得時の内訳の中に含まれています。しかし、解体後に予想以上の廃材が出たときは追加で請求されるケースが珍しくありません。

プレハブの解体では木くずや鉄くずなどの廃材が出てしまうものです。大きなプレハブを解体する場合やプレハブの中の残置物の処分を依頼する場合は、追加の処分費用が発生します。

工事の長期化による費用

工事が想定よりも長期化した場合、時間と人手が余分にかかるため追加費用が発生します。

例えば、重機が入り込めなくて手壊しで解体しなければならない、悪天候などで作業効率が悪くなる、プレハブの造りが頑丈過ぎる等に該当する場合、追加費用が発生します。

プレハブを自分で解体する場合の費用と流れ

ただし、自分で解体する場合も費用が発生し、複数の手順を経ることになります。

プレハブを自分で解体する場合の費用

▼プレハブの解体を自分でする場合の費用

しかし、怪我や事故、元通りの土地に整備できない等のリスクがある点は留意しなければなりません。

以降の章では、リスクを承知のうえで自分で解体したい方向けに、自力で解体する手順を解説します。

プレハブを自分で解体する手順

プレハブを自分で解体する手順は次の7ステップです。

▼プレハブを自分で解体する手順

step①：事前調査をする

解体工事を始める前に、事前調査を必ず行いましょう。調査するポイントは2つあります。

【事前調査のポイント】

プレハブ面積が80平方メートル以上の場合、建設リサイクル法に基づいた届出が必要です。
また、アスベストが使われているプレハブの場合、特定の業者でなければ解体工事ができません。アスベスト除去工事をするための届出の提出も必要となり、勝手に工事を進めると罰せられる恐れもあります。

step②：建設リサイクル法に基づいた届出を出す

プレハブ面積が80平方メートル以上である場合、建設リサイクル法に基づいた届出が必要です。

建設リサイクル法は、工事で出る廃材を資材ごとに分別・リサイクルを義務付けるために制定された法律です。違反すると、以下のような罰則が適用されます。

【建設リサイクル法に違反した場合の罰則】

着工7日前には届出を提出しなければならないため、注意しましょう。

step③：必要な工具を揃える

自分でプレハブを解体する場合、さまざまな工具が必要です。具体的に、以下の工具を準備しましょう。

【必要な工具の種類】

また、解体する際、脚立やハシゴを支えてもらったり、廃材を一緒に運んだりするために人手が必要です。最低でも2人以上で作業できるように、家族や知人に声をかけておきましょう。

step④：解体を始める

プレハブの中の残留物を運び出し、準備が整ったら解体を始めましょう。解体の手順は、以下の通りです。

【プレハブ解体の手順】

プレハブは、骨組みにパネルがはめ込まれて組まれています。プレハブの上部から順番にパネルを1つずつ取り外していきましょう。屋根や壁の撤去の際、脚立やハシゴに登らなければ撤去できません。しっかりと足元を支えてもらい、事故が起きないよう注意しましょう。

また、業者であれば1日程度で終わりますが、素人が解体する場合だと作業人数や手際のよさによって作業時間は大きく変わります。慌てると事故や怪我の原因になるため、時間に余裕を持って作業を進めましょう。

step⑤：廃棄物を適切に処分する

解体工事で出た廃材は勝手に捨てられません。
以下のいずれかの方法で適切に処分しましょう。

【廃棄物の処理方法】

業者に処分依頼をすると、当然費用がかかります。せっかく自力で解体したにもかかわらず、業者に支払う費用が発生するため注意しましょう。もちろん、埋めたり捨てたりすると、不法投棄で罰せられます。必ず合法的な手順で処分しましょう。

step⑥：整地する

プレハブの解体後、土地を平らにするための整地作業が必要です。整地の手順は、以下の通りです。

【整地の手順】

見た目にこだわるのであれば、業者に依頼する方がきれいに整地してもらえます。

step⑦：建物滅失登記をする

プレハブが登記されている場合、解体から1ヶ月以内に建物滅失登記をしなければなりません。建物滅失登記とは、火災や解体によって建物がなくなった事実を記録するための登記です。

建物滅失登記は、プレハブのある地域を管轄する法務局で申請します。登記完了証を受け取ったら登記は完了です。自分で手続きできない場合、土地家屋調査士に依頼しましょう。

プレハブの解体を業者に依頼する流れ

解体業者にプレハブ解体を依頼すると、半日から数日間で撤去が完了します。

本章では、プレハブの解体を業者に依頼する流れについて解説しています。

▼プレハブの解体を業者に依頼する流れ

一般的な家屋の解体と流れは同じです。詳しく確認していきましょう。

【step①】プレハブ解体業者の選定

まずは、解体業者を選定しましょう。

解体業者によっては電話やメールで見積もってくれる場合があります。しかし、正式な依頼をする前に現地調査をしてもらい、確かな費用を算出してもらいましょう。現地を見てみないと「重機が入るかどうか」「工程にどれくらいかかるか」が正確にわかりません。

見積もりは2社以上から取得して比較しましょう。信頼できる業者のポイントは以下の通りです。

【業者選びのポイント】

安過ぎる業者は、解体後に追加費用を請求されるなど悪徳業者の可能性があるため要注意です。

【step②】事前準備

業者への依頼ができたら、解体前に事前準備をしましょう。

【解体前の事前準備】

配管配線の撤去は電気会社や回線業者に依頼しなければなりません。

【step③】解体工事開始

工程が決定したら解体工事が始まります。

解体によってほこりやゴミが飛散しないよう養生したり、作業をスムーズに行うために足場を組んだりしていきます。すべて解体・撤去されたあと、地中に廃材が残っていないか確認して終了です。

プレハブは簡易的に作られているため、解体にほとんど時間がかかりません。通常であれば1日で完了します。もちろん、周囲の環境やプレハブの強度によって期間は異なります。現地見積もりの際に、十分確認しておきましょう。

【step④】整地と後処理

最後に廃材を片付け、プレハブのあった土地の整地作業を行います。

解体で出たがれきやゴミなどの廃材の処分は業者に任せましょう。廃材や荷物をどけたら、ローラーで土地を平らにしてくれます。

もし、プレハブ撤去後の土地の活用方法が決まっているのであれば、整地方法を指定できます。ただし、追加料金が発生する可能性があるため、見積もりに含んでもらうよう依頼しておきましょう。

プレハブ解体は業者に任せるのがおススメ

普段からDIYに慣れていないのであれば、多少費用はかかってもすべて任せられる解体業者への依頼がおススメです。

プレハブ解体を依頼する場合、6畳（3坪）であれば木材系だと6〜12万円、鉄骨系だと7.5〜12万円、コンクリート系だと9〜18万円と考えておきましょう。

中途半端に解体を始めてから業者に依頼すると、かえって費用がかかるケースもあります。