再建築不可物件を更地にするメリットは?活用方法や成功事例を紹介

再建築不可物件を更地にするメリットは?活用方法や成功事例を紹介

「再建築不可物件の建物って取り壊しても大丈夫なの?」

再建築不可物件とは、更地にしてしまうと新たに住居が建設できない土地のことです。扱いにくい土地ではありますが、活用方法はいくつかあります

うまくいけば収益化につながり、定期的な収入確保も可能です。とはいえ、「収益化できるのであれば…」と安易に建物を取り壊すのも大きなリスクがあります。

そこで本記事では、再建築不可物件を更地にするメリット・デメリット更地にした際の活用方法について解説していきます。

再建築不可物件の解体をご検討中の方は、解体する場合に費用がいくらかかるかを把握しておきましょう。以下のツールでは、お手持ちの建物の解体費用がいくらか自分でお見積りできます。ぜひご活用ください。

私の家の解体費用はいくら?

▼解体費用についての基礎知識を知りたい方は、以下の記事をご覧ください。

家の解体費用の相場はいくら?金額の決まり方まで解説

再建築不可物件とは?

再建築不可物件とは、既存の建物を取り壊してしまった場合、新たに建物を建造できない土地を指します。

▼再建築不可物件の基準

  • 幅員4m以上の道路に接道義務を果たしていない
  • 上記を満たしている場合でも間口が2m以上接していない

※再建築不可物件のイメージ※

再建築不可の物件の特徴

再建築不可の幅員や間口の基準は、消防車や救急車が災害時に被害者宅まで迅速に移動できるために設定されています。

制定されたのは1950年頃で、以前の建築基準法では上記の条件を満たさない場合でも適法とされていました。よって、1950年以前に建てられた、築年数の古い建物が多い傾向があります。新しく建物が建てられない土地の場合、更地にすることでその後の売却や土地活用に対して様々な影響がでてきます。

次章では、再建築不可物件を更地にする場合の影響について、メリットとデメリットにわけて解説しています。

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再建築不可物件を更地にするメリット

▼再建築不可物件を更地にするメリット

  1. 家の修繕維持費の負担がなくなる
  2. 家を定期的に清掃する負担がなくなる
  3. 更地を利用して収益化できる

メリット①家の修繕維持費の負担がなくなる

前述のとおり、再建築不可物件は基本的に築古の建物が多いため、居住する場合は多額の修繕維持費が必要となるケースが多いです。

設備が古いとどうしても故障、買い替えが必要になりますし、リフォームやリノベーション、耐震工事などの出費がかさんだりします。

メリット②家を定期的に清掃する負担がなくなる

再建築不可物件が空き家の場合、毎月1回定期的な清掃や換気、除草作業などが必要となり、時間的かつ体力的な負担が大きくなります。

特に遠方の場合は、移動が必要なため1回あたりの負担もより大きくなるでしょう。

あまりにも大変だと感じる場合は、更地にしたほうが楽になるかもしれません。

メリット②更地を利用して収益化できる

新しく建物を建てなくても、更地のまま活用して収益化できるケースがあります。

コインパーキングの経営などが例としてあげられますが、駅や繁華街の近辺に位置していたり、高低差が少ない土地の場合は、適している可能性があります。

更地にした後の活用方法については、本記事の以降の章で解説していますので、参考にしてください。

空きスペースの活用を検討している方は、解体費用がいくらかかるかと、活用方法によってどれくらい売り上げが見込めるかを試算しておきましょう。解体費用については、以下のツールから自分でシミュレーションできます。建物の解体を検討している方は、予算を把握するためにも、ぜひご活用ください。

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再建築不可物件を更地にするデメリット

▼再建築不可物件を更地にするデメリット

  1. 優遇制度がなくなり固定資産税が最大6倍になる
  2. 売却が難しくなる or 売却できても価格が安い

デメリット①優遇制度がなくなり固定資産税が最大6倍になる

建物を取り壊すと土地にかかる固定資産税の軽減税率が適用されなくなり、解体から翌年以降に最大1/6まで税額が上昇してしまう可能性があります。

建物が建っている土地には住宅用地の特例が適用されており、固定資産税の税率が最大1/6までおさえられているためです。

更地にした後も土地を保有し続ける予定の方は、上昇した固定資産税を払い続けることになる点に注意して下さい。

とはいえ、再建築不可物件はもともとの資産価値が低く見積もられるケースが多いです。上がったからといって、年間の出費が数百万円増える事態にはなり得ませんので、安心してください。

デメリット②売却が難しくなる or できても価格が安い

再建築不可物件を更地にしてしまった場合、売却が難しくなる可能性があります。

再建築不可物件は更地を前提として活用しなければならず、用途が制限されているため、資産価値はどうしても下がってしまいます。

仮に売却できたとしても、安値で取引される可能性が高いです。

目的なしで更地にするのは需要が下がってしまうため原則おススメできません。建物があればリフォームやリノベーションしての販売もできます。手を加えないまま販売し、購入者が自ら付加価値をつける方法もあるためです。本当に更地にしてよいかは、十分に検討して決めることが大切です。

再建築不可物件を更地にしたあとの活用方法6つ

目的なしの更地はおススメしませんが、更地にした後の活用方法には次の6種類があります。

▼再建築不可物件を更地にしたあとの活用方法6つ

  1. 有料駐車場として活用する
  2. 自動販売機ビジネスとして活用する
  3. コンテナハウス・プレハブを利用して収益化する
  4. 工場や工務店の資材置き場として貸し出す
  5. トレーラーハウスを設置する
  6. 家庭菜園用の土地に変える

方法①有料駐車場として活用する

敷地に入るまでの間口が2m以下の場合は、有料駐輪場として活用するのは1つの方法です。

自転車やバイクだと、間口が2m以下であっても敷地内に進入できます。

月極・コインパーキングなど、周辺環境によってサービス形態を決めるのがよいでしょう。こだわらなければ、簡単な工事のみで営業を開始できます。

都心部であればそれなりのニーズが見込まれるでしょう。

方法②自動販売機ビジネスとして活用する

自動販売機ビジネスには2つの方法があり、ライフスタイルによって運営方法を選択するのがよいでしょう。

▼自動販売機ビジネスの方法

方法の種類メリットデメリット
業者に土地を貸し出す自動販売機を管理する手間は不要マージン制となるため収益が少額になりやすい
自分で自動販売機を仕入れて設置受け取れる収益が比較的大きくなる自分で管理する手間がかかる

ただし、自動販売機ビジネス自体には、「ゴミの放置による害虫の発生」や「利用者がたむろして治安が悪くなる」等のリスクもあるので、並行して対策を講じることが大切です。

方法③コンテナハウス・プレハブを利用して収益化する

コンテナハウスやプレハブを設置し、倉庫やトランクルームとして貸し出す方法です。再建築不可物件であっても、以下の条件に該当する場合はコンテナハウスやプレハブの設置ができます。

  • 新築以外である
  • 防火地域・準防火地域ではない
  • 床面積が10㎡以下

上記以外の場合は建築物として扱われる可能性があるため、注意しましょう。

コンテナハウスは、購入する際の初期費用だけが発生し、ランニングコストがあまりかからないのが魅力です。うまくいけば高利回りも期待できます。撤去時の手間も少ないのが嬉しいポイントです。

方法④工場や工務店の資材置き場として貸し出す

近くに工場や工務店がある場合は、資材置き場として貸し出すのもよいでしょう。ただし、再建築不可物件は車の進入が難しい場合があります。

トラックなどが敷地内に入れないケースもあるでしょう。万能な活用方法ではありませんが、1つの選択肢として覚えておいてもよいでしょう。

方法⑤トレーラーハウスを設置する

トレーラーハウスとは、車に牽引(けんいん)されて移動する荷台車両です。車での旅行をイメージする方が多いかもしれませんが、収益物件としての活用も期待できます。

トレーラーハウスは生活に必要な設備が整っているにもかかわらず、一般の住宅よりも安価に取得が可能です。車両として扱われるので固定資産税がかからず、自走機能がないので自動車税もかかりません。

水道・電気・ガスなどのライフラインは、通常の住宅と同じように設備を引けます。設置や撤去が簡単ですので、手軽に始められるビジネスといえるでしょう。

ただし、サイズによっては車両として扱われてしまうため、車検が必要となってしまいます。その場合は各種税金も発生するため、注意しましょう。

方法⑥家庭菜園用の土地に変える

自分用の家庭菜園として活用するのもよいでしょう。近年はレンタル農園も流行っているため、収益化物件として畑をレンタルするのも1つの方法です。農園を運営するには、土地の整備や土の準備が必要ですが、収益化方法としては有効です。

ただし、農園は雑草の繁殖や害虫発生のリスクが伴います。近隣住民とトラブルになる可能性もあるため、こまめな手入れが必要です。

再建築不可物件を売却する方法

再建築不可物件は、売却が難しいといわれています。しかし、まったく売却できないとは限りません。ここでは再建築不可物件を売却する方法を紹介します。

訳あり物件専門業者に売却する

訳あり物件の買い取り業者とは、他社がしぶる物件を専門に取り扱う業者のことです。他社では買い取ってもらえなかった土地でも、買い取ってもらえる場合があります。

買い取った土地を独自の販売ルートを確保しているケースが多く、より適正価格に近い値段での売却が期待できます。

隣人に売却する

再建築不可物件であっても隣人には一定の需要があります。「4m以上の道路に敷地が面している」「敷地内に入る間口が2m以上確保できている」を満たせば再建築が可能なわけですから、隣の土地を買い取り土地を合併させることで以上の条件を満たせることがあります。

売買交渉が成立すれば当事者同士で値段交渉できるのもメリットです。

ただし、相場よりも大きな額で売却した場合は「贈与」とみなされる可能性があるので注意しましょう。

建築審査会の許可を得て売却

原則として再建築不可ですが、建築審査会の許可を受けること等により建築を認められることがある道のことを「43条但し書き」や「43条2項2号」と呼びます。

自分の土地が「43条但し書き」や「43条2項2号」に接しているかどうが、条件をクリアし建設審査会の許可を得ることができれば再建築が可能になります。再建築が可能になれば土地の売却もしやすくなります。

再建築不可物件を上手に活用した例

ここでは再建築不可物件を上手に活用した例を紹介します。

セットバックを行い高い価格で売却が成功した例

Aさんは査定価格2,00万円前後の再建築不可物件を相続しましたが、セットバックを行うことにより相場に近い4,000万円で売却に成功。セットバックの費用は60万円ほど。工事費用を考えても当初の査定金額よりも高い価格での売却に成功しました。

セットバックとは、自分の土地を後退させることで、前面の道路幅(幅員)を4m以上にする方法です。セットバックを行うことにより自由に使える敷地面積は狭くなりますが、再建築が可能になります。

再建築可能になれば、一般物件と同じように売り出せるので査定価格よりも高い価格で売却が可能です。

リノベーションし賃貸として貸し出し成功した例

Bさんは再建築不可物件に建つ建物の処分を考えていたが、解体する費用や固定資産税が上がるリスクを考えリノベーションを決意。リノベーションすることで古民カフェとして生まれ変わり家賃収入を得られるようになった。

再建築不可物件に建つ建物は解体してしまえば、再建築不可ですが、建っている建物をリノベーションして再利用することも可能です。

再建築不可物件を更地にしても活用方法はある

再建築不可物件とは、現行の建築基準法が制定される前に建築された建物の土地を指します。

そのため、建物を取り壊して更地にしてしまうと建築基準法の関係で新たに建物を建築できません。再建築できない土地は、資産価値が低い傾向があります。

しかし、まったく活用方法がないとも言い切れません。レンタル駐車場や自動販売機ビジネスとしての活用も可能です。工夫すれば固定資産税の支払額を上回る収益も期待できます。本記事を参考に、再建築不可物件を上手に活用しましょう。

初心者でもわかる!
記事のおさらい

再建築不可物件は更地にしても問題ないですか?
更地にした場合、新たに建築物を建造できなくなります。また、固定資産税が高くなる可能性もあるため注意してください。ただし、既存の建物を維持するために多額の費用がかかっている場合は検討してもよいでしょう。詳しくは、再建築不可物件を更地にするデメリットの章を参考にしてください。

再建築不可物件を更地にした場合の活用方法は?
有料駐車場や自動販売機ビジネスとしての活用方法があります。他にも、周辺地域のニーズに合わせて工務店の資材置き場やレンタル菜園などを運営してもよいでしょう。詳しくは更地にしたあとの活用方法6つをご覧ください。

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