【弁護士監修】土地相続の手続きと必要な書類、相続税など費用まとめ

親が亡くなったら話し合わなくてはいけない相続。

被相続人(亡くなった方)が遺言書を残してくれていれば何も問題はないのですが、準備されていない方や突然亡くなられる方もおり、遺言書がないことも多くあるでしょう。

相続で兄弟や親族が揉めて相続問題となるケースも多く、2018年度は全国で1万3040件もの遺産分割問題が家庭裁判所に持ち込まれました。家庭裁判所で決着をつけるとなると費用も時間もかかりますし、関係が悪化してしまうことも…。

失敗せずに無事相続を完了させるために、土地を相続した際の流れや分割方法、注意点について解説します。

梅澤 康二
監修者:梅澤 康二(うめざわ こうじ)
東京大学卒業後、法律事務所に入所。2014年8月からプラム綜合法律事務所を設立。労務、一般民事、債務整理や相続問題など様々な法律相談に対応している。
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「まずは土地売却の基礎知識を知りたい」という方は、土地売却の記事をご覧ください。

土地を相続する手続きと必要な書類

相続の場合には遺産分割協議を行うケースが多くありますが、土地を相続する場合はこの協議の中で土地の分配方法を決める必要があります。そしてこの協議を通じて分配方法が決定すれば、土地の名義を変更する手続きも必要でしょう。
なお、土地などのプラスの財産ではなく、借金などのマイナスの財産がある場合は相続の放棄についても検討する必要があります。

このような権利の分配の問題とは別に、相続が発生した場合、相続税を納付しなければならないケースもあります。納付の手続きは、相続税を正しく算定して申告して納付することになります。

一口に「相続」といっても、遺産分割協議、相続放棄、名義変更などの法務的な手続きや相続税の申告といった税務的な手続きが必要です。

遺言書がない場合、被相続人の財産をどのように分配するかは相続人が遺産分割協議を行って決定します。そして、遺産分割協議が調った場合は、その結果に従って財産を実際に分配していくことになります。

土地の相続手続きに必要な書類

なお、不動産については、通常、遺産分割協議の結果権利を取得するに至った場合には、権利移転について登記をすることになります。この登記に必要になる書類は一般的には以下の通りです。

書類名 取得できる場所
対象不動産の登記事項証明書(登記簿謄本) 法務局
被相続人の住民票の除票(本籍の記載があるもの) 市区町村の役所
被相続人の死亡時から出生時までの戸籍謄本 市区町村の役所
相続人全員の現在の戸籍謄本 市区町村の役所
対象不動産を取得する相続人の住民票 市区町村の役所
対象不動産の固定資産評価証明書 市区町村の役所
相続人全員の印鑑証明書 市区町村の役所
遺産分割協議書 自身で用意

戸籍謄本などは収集するのに時間がかかる可能性もあるため、できるだけ早めに取り寄せておくことをおすすめします。

登記事項証明書は1通480~600円(申請方法によって異なる)、亡くなった方の住民票の除票は1通300円、被相続人の死亡時から出生時までの戸籍謄本は1通450円と、一つ一つは大きな金額ではありませんが必要書類をすべて集めようとするとそれなりに費用がかかります。

また、遠方にある役所から書類を取り寄せる場合は1つの発行に対し500円前後の郵送料がかかるため注意しましょう。

遺産分割協議

遺言書がない場合には、相続について確定するには遺産分割協議が必要です。
遺産分割協議を行うためには、まずは相続人が誰かを確定し、また、被相続人の相続財産全体を把握する必要があります。

相続人については法定相続分の取り分が法律上定められていますが、遺産分割協議はこの法定相続分に当然には拘束されません。そのため、各相続人が同意する場合には、1人の相続人が財産全部を相続することも可能です。遺産分割協議が調った場合は、合意内容を証する書面(遺産分割協議書)を作成する必要があります。そして、その後の財産分配は遺産分割協議書によって行っていくことになります。

なお、法律上で有効な遺言書がある場合は、基本的に遺言書に従った財産分配を行うことになり、遺産分割協議は不要となります。もっとも、これにより遺留分を侵害される相続人は、侵害分について補償を求めることが可能です。

法律上、相続が認められる順位は下表のとおりです。

相続順位 血族の種類
常に相続人 配偶者
第1順位 被相続人の子、もしくは代襲相続人である孫
第2順位 両親である父母など直系尊属
第3順位 兄弟姉妹、もしくは代襲相続人である甥・姪

相続順位の高い人から法定相続人となり、法定相続人が亡くなっている、または相続放棄した場合には次の相続順位にあたる人が相続人となります。

相続順位の同じ人が複数人いる場合には、同じ相続順位の全員が法定相続人となります。

上位の相続人が生きている場合、それよりも低い順位では相続人にはなれないと覚えておきましょう。

相続放棄

相続人はプラスの財産だけでなく、マイナスの財産も相続することになりますので、もし被相続人の財産がマイナスの方が多い場合(債務超過の場合)、相続によって損をしてしまいます。そのような場合を想定して、相続人には相続の放棄が認められています。

具体的には、相続があったことを知ってから原則として3か月以内に家庭裁判所で手続きを行うことで、相続の権利そのものを放棄することができます。

土地を相続放棄する際の注意点について、詳しく知りたい方はこちらの記事をご覧ください。

土地の分割方法

金銭のような財産は分割が容易ですが、不動産のような財産は分割が難しい場合もあります。このような不動産の分割には以下のいずれかの方法で行います。いずれも一長一短ではありますので、相続人間で十分に協議し、不平不満の少ない方法を選択するべきでしょう。

現物分割(共有分割)

不動産を共同相続人で共有する方法です。これは分割方法が決まらない場合に問題を先送りする方法として活用されることが多くあります。

代償分割

特定の相続人が他の相続人の持ち分を買い取って単独所有する方法です。
例えば、3000万円の土地を兄と弟で相続する場合、兄が弟の取り分1500万円を支払って、これを単独所有する形になります。

代償分割の場合、代償金を決定するにあたり土地の価格を的確に把握する必要があります。
土地の価格を簡単に知りたいのであれば、不動産会社に無料で査定してもらう手もあります。カンタンな質問に答えていくだけで不動産会社に査定を依頼でき、取り寄せた複数の査定額を比較することで相場を把握できるでしょう。

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換価分割

不動産を売却処分して代金を分割する方法です。
もっとも公平かつ適正価格で不動産を処理できますので、相続人間で不満が生じにくい方法と言えます。

土地の相続税を申告・納税する手続き

相続税が発生する場合は、相続税の申告と納税の手続きが必要です。
相続税がかからず納税が必要でない場合も、特例や控除を適用していれば申告が必要となります。

土地にかかる相続税については、以下の記事もご確認ください。

土地を相続した場合の相続税について、計算方法や計算事例をご紹介します。

土地の相続税はいくらか計算

土地を相続することになった際、相続税がいくらかかるのか気になる方も多いのではないでしょうか。

相続税とは、相続する遺産の総額にかかるものです。
相続税額は以下の計算方法で計算します。


  • 相続税 = 課税対象の遺産総額 × 税率 – 控除額
  1. 課税対象の遺産総額 = 遺産総額 – 基礎控除額
  2. 課税対象の遺産総額を各法定相続人の相続分で按分
  3. 各法定相続人の算出税額 = 法定相続分 × 税率
  4. 各法定相続人の算出税額を合計して相続税の総額を算出
  5. 各法定相続人の相続税額 = 相続税の総額 × 各相続割合

相続税を計算する際の税率と控除額は以下のようになります。

課税対象の遺産総額 税率 控除額
1000万円以下 10%
3000万円以下 15% 50万円
5000万円以下 20% 200万円
1億円以下 30% 700万円
2億円以下 40% 1700万円
3億円以下 45% 2700万円
6億円以下 50% 4200万円
6億円超 55% 7200万円
基礎控除額

相続税には基礎控除額というものが設定されており、遺産の総額が基礎控除額以下の場合は税金を払う必要はありません。

基礎控除額の求め方は以下の通りです。

基礎控除額 = 3000万円 + 600万円 × 想定相続人の数

相続人がふたりの場合は、「3000万円 + 600万円 × 2人 = 4200万円」です。基礎控除額を超えた分は金額に応じて相続税が課税されます。

相続税額を減額できる特例・控除など

相続税額は、特例や控除を適用することで減額が可能です。

配偶者控除

配偶者が相続する場合には、以下のどちらかまで相続税はかかりません。


  • 配偶者の法定相続分まで
  • 1億6千万円の相続財産まで

小規模宅地の特例

亡くなった人が居住していた土地を相続する場合、約80~50%の相続税が軽減できる特例です。

特例の対象となる広さは以下のとおりです。

対象地 減額割合 減額面積
居住用 80% 330㎡まで
事業用 80% 400㎡まで
貸付用 50% 200㎡まで

土地の相続税額を計算する事例

土地の相続税額は基礎控除額を指し引いた課税対象額に法定相続分で分けて、それぞれに相続税の税率をかけて相続税を算出します。

一度各自の相続税を算出したのち、それぞれを合算したものが相続税の総額となります。

たとえば1億円の課税遺産総額に対し、相続人が妻(配偶者)と子ども二人の三人の場合の相続税は以下のようになります。

妻 1億円 × 1/2 ×20%(税率) = 800万円
子どもA 1億円 × 1/4 × 15%(税率)= 325万円
子どもB 1億円 × 1/4 × 15%(税率)= 325万円

それぞれの相続税を合算すると1,450万円となるため、これが相続税の総額となります。

算出した相続税の総額を、改めて実際の相続割合で割った額が各自の納付税額となります。

相続割合は、妻が50%、子どもAが30%、子どもBが20%であった場合は、実際の相続税負担額は以下の通りになります。

妻 1,450万円 × 50% = 725万円
子どもA 1,450万円 × 30% =435万円
子どもA 1,450万円 × 20% =290万円

相続税の総額は変わりませんが、各自の納付額は相続割合によって算出されることを覚えておきましょう。

相続税について、詳しく知りたい方はこちらの記事もご覧ください。

土地を相続した後に課税される税金を減額する方法

土地を相続すると、次の年からは固定資産税が毎年かかってきます。

路線価が高く相続税評価額の高い土地は、相続税だけでなく固定資産税もそれなりの額となります。

住宅がない土地の場合には小規模宅地の特例も適用できず、固定資産税も住宅がある場合と比較して6倍の金額となります。
その場合には、売却することで適用できる特例により税額を抑えたり、活用することで収入を得ながら税金も経費としたりする方法もあります。

相続した空き家の譲渡所得3000万円控除

相続した空き家が、一定の要件を満たして売却した場合には、売却した譲渡所得にかかる税金を抑えることが可能です。

「被相続人の居住用財産(空き家)にかかる譲渡所得の特別控除の特例」の適用により、最大3000万円まで控除できます。

適用の対象は、以下の一定要件を満たしている場合です。


  • 1981年(昭和56年)5月31日以前に建築の住宅
  • 区分所有の建物登記をされていない建物
  • 相続の開始直前まで被相続人以外の居住者がいない

取得費加算の特例

相続から3年10か月以内に売却すると、「取得費加算の特例」が適用されます。取得費加算の特例とは、相続税額のうち一定金額を取得費として加算することで譲渡所得税を安くすることができるものです。
土地を売却して得た譲渡所得にかかる所得税を計算する際に、以下の計算式のように相続税額を差し引けます。

譲渡所得 = 売却益 – ( 土地の取得費 + 土地の譲渡費用 )

土地にかかる相続税を減らしたい場合には、売却も視野に入れておくと良いかもしれません。

相続税が発生する土地であることが前提ですが、節税対策として知っておいて損はない特例です。

取得費加算の特例が適用される条件は国税庁の解説ページをご覧ください。

相続財産を譲渡した場合の取得費の特例

土地活用をして固定資産税を経費として計上

土地を相続すると、土地には毎年固定資産税がかかってきます。

固定資産税は土地のまま所有すると、建物が建っている場合と比較すると6倍の固定資産税を納めることになります。

相続税の申告期限

相続税の申告・納付は、相続発生から10か月以内にする必要があります。

相続税の申告期限までに申告をしなかった、もしくは忘れてしまうと、脱税をしたとみなされ追徴課税として税金が課せられますので注意しておきましょう。

土地を相続して相続税を支払うことにマイナスを感じる方には、土地の活用をおすすめします。
土地を相続した場合には、土地を活用することで長期的に収益を得ることも可能です。土地で収益を上げられる活用方法は、土地によって異なってきます。

相続した土地でどんな活用ができるかは、企業からプランを取り寄せて確認してみましょう。
契約するまでは無料でプランを取り寄せて土地活用のプロに相談できますので、複数の企業からプランを取り寄せて比較してみることをおすすめします。

まずは、カンタンな入力を済ませて複数の企業から無料でプランを取り寄せましょう。

相続した土地の名義変更(相続登記)

土地の名義変更に必要な書類を集めたら、土地の名義変更である相続登記の手続きを行います。

相続登記の申請書類を作成

相続した土地の名義変更である相続登記をする際には、まず相続登記の申請書類を作成します。

法務局では、書類の様式と記載例を公開していますので、確認して作成すると良いでしょう。

相続登記の申請書

参照:法務局:不動産登記の申請書様式について

法務局で相続登記の手続きをする

作成した相続登記の申請書類を、他の書類とまとめて法務局に提出すると申請は完了です。

登記申請書を含めた必要書類と、名義変更の際に支払う登録免許税分の費用を持参し、登録免許税は窓口で収入印紙を購入することで納付します。

土地の名義変更は司法書士に相談

司法書士に依頼する場合は法務局に出向く必要はなく、必要書類や費用を支払うだけで大丈夫です。
名義変更は早い場合は数日、混みあっている場合は一か月近くかかることもありますが、登記完了証・登記識別情報通知書を受け取れば完了です。

法務局は平日の夕方までしか営業していないため、相続する土地が遠方の場合や平日仕事の方はスケジュールの調整が必要であると覚えておきましょう。
法務局:登記が完了するまでの流れ

名義変更について詳しく知りたい方は、こちらの記事もご覧ください。

土地の名義変更にかかる費用

土地の相続登記を行う際には、税金をはじめとした費用が発生します。代表的な費用を見ていきましょう。

費用の内訳 金額
書類にかかる費用 5000円~1万円
登録免許税 登録免許税 = 土地評価額 × 0.4%(100円未満は切り捨て)
必要書類の郵送方法 郵送方法による
司法書士(依頼したら)への報酬 5~8万円程度

相続登記の期限

相続登記はいつまでに行わないといけないなど期限が決まっているわけではありませんが、登記をしておかないと相続した土地を勝手に売却されたりするリスクもありますので、相続が確定したらできるだけ早めに行うようにしましょう。

相続税の申告・納税を10ヶ月以内に行う必要があるため、その申告作業と併せて行うことをおすすめします。

 

 

土地の売却を少しでも検討しているのであれば、「自分の土地がいくらで売却出来そうか」を把握しておきましょう。

そのためには、不動産会社から査定を受ける必要があります。「イエウール」なら不動産会社に行かずとも自宅で24時間申し込みが可能です。自分の土地に適した不動産会社を紹介してくれるので、膨大な不動産会社の中から選ぶ手間も省くことができます。

まずは、自分の物件種別を選択してから査定依頼をスタートしてみましょう!査定依頼に必要な情報入力はわずか60秒で完了します。

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まとめ

土地を相続する際は、必要な書類を集めて漏れなく手続きすることが重要です。

相続手続きには、土地の名義変更である相続登記や相続税の申告など、複雑な手続きが多くあります。必要な書類を集める際にも、被相続人のこれまでの戸籍謄本を取り寄せたり、相続人全員の戸籍や印鑑証明書を集めたり、大変な作業が多くあるでしょう。

土地の相続が発覚したタイミングで、すぐに必要な資料を集め始めて、速やかに手続きを進めていくことをおすすめします。

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記事のおさらい

土地の相続手続きに必要な書類は?
相続の手続きには、遺産分割協議書や固定資産評価の証明書、登記簿謄本などがあります。詳しくは、こちらでまとめていますのでご確認ください。

土地の相続でしなければいけない手続きは?
遺産分割協議で分割方法を決め、相続登記をする必要があります。また、相続税の申告や納税も必要となりますので、詳しくはこちらで詳細をご確認ください。

相続した土地の名義変更はどうする?
相続登記をする際には、登記の申請書を作成し、法務局に提出して手続きを進めます。費用や期限については、こちらでご紹介していますのでご覧ください。

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