実家で親の介護をしていても相続割合には関係しない!?遺産を多くもらえる方法は?

実家で親の介護をしていても相続割合には関係しない!?遺産を多くもらえる方法は?

実家で親の介護をしている人は、相続の際に他の相続人よりも遺産を多くもらいたいと思うでしょう。また、実際多くもらえると思っている人も多いでしょう。

本記事では、「介護が遺産の分配に考慮されるのか」「遺産を多く貰うにはどうしたらよいのか」などについて解説しています。

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不動産の相続について基礎的な知識を知りたい方はこちらの記事を参考にしてください。

不動産相続の手続きと流れ!相続登記の義務化についても解説します

相続の割合に介護していたかどうかは関係ない


実家で同居しながら親の介護をしている人の中には、「他の相続人よりも多く遺産をもらえるはず」「そのまま実家を引き継げるはず」といった考えを持っている人もいるかもしれません。しかし、残念ながらそれは大きな勘違いです。

遺言書がない場合、遺産相続の分け方は「法定相続分で分ける」か「遺産分割協議にて相続人全員が話し合って決める」の2つになります。
これらの方法で決まらない場合には、家庭裁判所に「遺産分割調停」を申し立てることができます。また遺産分割調整案への全員の同意が得られない場合には「遺産分割審判」へ移行されます。

法定相続分で分けるとなると子供の法定相続割合は皆同じと決まっているため、介護者の相続人が優遇されるわけではありません。

そして、遺産分割協議で決める場合は、相続人全員が合意した内容でなければ成立しません。つまり他の相続人が介護をしてきた相続人に対して、他より多く遺産を受け取ることに合意すれば問題はありませんが、それは自分たちがもらえる遺産の量が減るということなので必ずしも良しとはしないでしょう。

介護の大変さはそれを体験した人にしかわかりません。実家から離れて生活していた他の相続人には、その辛さを理解することは容易ではありません。そのため、遺産分割協議にて遺産を多く貰うというのは難しいことになります。介護をしてきた人にとっては受け入れ難いことだと思いますが、介護をしていたかどうかは相続の割合には関係ないのです。

実家での介護と寄与分の法律

実家で介護してきた分他の人よりも多く遺産がもらえるという考え方は、寄与分の制度に通じます。

(寄与分)
第九百四条の二 共同相続人中に、被相続人の事業に関する労務の提供又は財産上の給付、被相続人の療養看護その他の方法により被相続人の財産の維持又は増加について特別の寄与をした者があるときは、被相続人が相続開始の時において有した財産の価額から共同相続人の協議で定めたその者の寄与分を控除したものを相続財産とみなし、第九百条から第九百二条までの規定により算定した相続分に寄与分を加えた額をもってその者の相続分とする。
2 前項の協議が調わないとき、又は協議をすることができないときは、家庭裁判所は、同項に規定する寄与をした者の請求により、寄与の時期、方法及び程度、相続財産の額その他一切の事情を考慮して、寄与分を定める。
3 寄与分は、被相続人が相続開始の時において有した財産の価額から遺贈の価額を控除した残額を超えることができない。
4 第二項の請求は、第九百七条第二項の規定による請求があった場合又は第九百十条に規定する場合にすることができる。

参照:e-Gov法令検索

寄与分とは、被相続人の財産の維持又は増加について特別の貢献をした相続人に対して、他の相続人との不公平を解消するため法定相続分以上の財産を取得させる制度です。

特別の貢献とは具体的にいうと、寝たきり状態の親を介護したり、親が大きな病気になりその際にかかった手術代や入院費をを負担したりして、財産の減少を防ぐなどをすることです。

しかし、遺産分割協議にて他の相続人が寄与分を認めてくれなければ法定相続分以上の遺産を貰うことはできません。認めてもらえない場合は家庭裁判所に「遺産分割調停」を申し立てますが、それでもまとまらない場合は「遺産分割審判」を行うことになります。

特別寄与の制度

2019年の改正前の民法では、寄与分として認められるのは相続人のみでした。しかし、これは相続財産の分配が不公平ということで特別寄与の制度が創設されました。

例えば、長男の妻が義理の父親の介護などに貢献していたとしても、相続人ではないため寄与分が認められていなかったのが、法改正により「相続人ではない親族」が特別寄与者として認められるようになりました。この場合の親族とは6親等内の血族、配偶者、3親等内の姻族のことを指します。

特別寄与に関しても各相続人との話し合いで決まるため、話し合いがまとまらない場合は家庭裁判所に寄与料を決める申請をします。

第十章 特別の寄与
第千五十条 被相続人に対して無償で療養看護その他の労務の提供をしたことにより被相続人の財産の維持又は増加について特別の寄与をした被相続人の親族(相続人、相続の放棄をした者及び第八百九十一条の規定に該当し又は廃除によってその相続権を失った者を除く。以下この条において「特別寄与者」という。)は、相続の開始後、相続人に対し、特別寄与者の寄与に応じた額の金銭(以下この条において「特別寄与料」という。)の支払を請求することができる。
2 前項の規定による特別寄与料の支払について、当事者間に協議が調わないとき、又は協議をすることができないときは、特別寄与者は、家庭裁判所に対して協議に代わる処分を請求することができる。ただし、特別寄与者が相続の開始及び相続人を知った時から六箇月を経過したとき、又は相続開始の時から一年を経過したときは、この限りでない。
3 前項本文の場合には、家庭裁判所は、寄与の時期、方法及び程度、相続財産の額その他一切の事情を考慮して、特別寄与料の額を定める。
4 特別寄与料の額は、被相続人が相続開始の時において有した財産の価額から遺贈の価額を控除した残額を超えることができない。
5 相続人が数人ある場合には、各相続人は、特別寄与料の額に第九百条から第九百二条までの規定により算定した当該相続人の相続分を乗じた額を負担する。

参照:e-Gov法令検索

寄与分の実情

寄与分が認められるには、あくまで被相続人の財産の維持または増加が必要となります。単に療養看護をしていただけでは認められず、負担の軽い介護の場合は認められにくいのが実情です。

加えて、負担の大きい介護を長年してきたとしても、裁判の結果望む額よりはるかに低い寄与分になったという例もあります。

寄与分は認められないことが多く、仮に認められても思っている金額には程遠い少額しか認められないというのが実情なのです。

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介護した分多く相続財産を貰うための対策


ここまでの話で、「一生懸命介護をしたとしても報われることがないのか。」と思う人もいるでしょう。そんなことはありません。

それではどうすればよいのかというと、親の介護をした分多く遺産を受け取りたいのであれば、親が存命のうちに遺言書を書いてもらうか、負担付死因贈与契約を結ぶことです。

いざ相続が発生してしまうと、法定相続分を基準として話し合わなくてはならないため、被介護者である親の意識がしっかりしているうちに対策をしておきましょう。

遺言書を書いてもらう

親の介護をした分多くの遺産を貰いたいのであれば、生前に遺言書を書いてもらいましょう。

遺言書には被相続人本人が全文を書いた自筆証書遺言、公証人に作成してもらう公正証書遺言、被相続人自身が書き役場で手続きをする秘密証書遺言の3種類があります。後々のトラブル防止のために公正証書遺言で作ってもらうことが大事です。

しかし、被相続人の遺族の生活の保障のために、遺言によっても奪うことのできない最低限度の遺産取得割合があり、これを遺留分と言います。つまり遺言書を残したとしても、最低限は相続人に渡ってしまいますが、法定相続分ではなく遺言書を軸にして話し合いができることは大きな違いです。

負担付死因贈与契約を結ぶ

親が存命のうちにできる対策として、負担付死因贈与契約を結ぶという方法もあります。負担付死因贈与契約とは、贈与する側(被相続人側)が贈与を受ける方に何らかの負担や義務を強いることができる契約のことです。

例えば贈与する側の「自分が死ぬまで同居・介護をしてくれたら財産の〇割をあげる。」といった内容を贈与を受ける側が合意すれば契約は成立となります。負担付死因贈与契約を結ぶ際は、撤回されないために書面にしておくことが大切です。

また、この契約は贈与税の対象ではなく相続税の対象であることや、遺言書と同様に遺留分の制度が適用される可能性があることに注意が必要です。

遺言書との違い

遺言書によって行われる贈与である遺贈は、贈与する側が亡くなった際に効力を発揮する点では負担付死因贈与と同じですが、負担付死因贈与が両者の合意により契約が成立するのに対し、遺贈は贈与する側の一方的な意思であるため、別の法律行為になります。

また、遺贈に関して、遺産分割協議にて受遺者を含む相続人全員が遺言書の内容に反対したとすると遺言内容が実行されなくなってしまいます。それに対して、負担付死因贈与契約は書面が正しければ、お互い合意の上での契約であるため確実に贈与が実行されます。

つまり、遺言書による遺贈よりも負担付死因贈与契約の方が実効性があると言えるでしょう。

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介護費用や相続を考えて実家を売却


親が老人ホームに入所する場合の費用や、相続後に平等に遺産が分割されることを考えると、実家を売却することをおすすめします。

実家を売却した場合、そのお金で介護に必要な費用を親自身に払ってもらうことが可能になり、子供の負担が減ります。また、生前贈与という形で現金を貰うことも可能になります。

売却資金で高齢者施設に入れる

前述しましたが、実家を売却して得た資金で高齢者施設に入ることができます。それにより、子供に負担がかからずに、親は安心して生活することができます。

また、実家相続後の維持管理が難しく空き家になってしまうという問題が多くあるため、そういった意味でも相続前の売却は有効的です。

生前贈与が行える

相続後に子供たちで遺産を分けるとなると、介護人が他の相続人よりも多く遺産を貰うというのは難しくなり、トラブルも起こりやすくなってしまいます。

そこで、存命のうちに実家を売却し親が資金を得ることで、そのお金を贈与として受け取ることができます。贈与という形で現金を受け取ることで、結果的に他の相続人より得をすることが可能でしょう。
「今持っている不動産を現金化したい」という方は、売却という形で手放すという選択肢もあります。一括査定サイト「イエウール」を使えば、無料で最大6社から査定を受けられるので高く売ってくれそうな会社が分かります。

贈与税がかからない方法

生前贈与には贈与税という税金がかかりますが、これが控除されたり免除されたりする制度・特例が存在します。それを利用することで、贈与税を支払わずに生前贈与を受けることが可能となります。

基礎控除110万円以内で暦年贈与する

贈与税には基礎控除があり、贈与される側一人当たり、1年間で110万円までは課税されません。つまり、毎年110万円以内の金額で贈与し続ければ、多額の財産を贈与税なしに受け取ることができます。

注意点としては、税務署から連年贈与と判断されると、贈与総額分の贈与税を課せられたり相続時に贈与総額分の相続税を求められたりする点と、 贈与する側が亡くなってから3年以内に贈与した財産は相続財産とみなされ、相続税が課せられる点です。

連年贈与とは
  • 最初から多額の贈与をするつもりで小分けに贈与することです。連年贈与とみなされないようにするには、毎年贈与する時期や金額を変えると良いです。また受贈者の通帳を受贈者本人が管理することも重要です。

相続時精算課税制度を利用する

相続時精算課税制度とは、2,500万円までの生前贈与が特別控除となり、その分を相続時に相続税として支払うというものです。つまり、生前贈与の贈与税を相続時まで先送りにするという制度です。

相続税にも「3,000万円+600万円×法定相続人の数」の基礎控除があるため、相続財産が多くない場合は贈与税も相続税もかからずに生前贈与が行えます。

日常で必要な生活費や教育費として贈与する

日常で必要な生活費や教育費として贈与することで、非課税で生前贈与することができます。そもそも親には扶養の義務があり生活費や教育費を出すのは当然であるため、それを利用した贈与になります。

しかし、過度な金額を贈与した際は日常の扶養範囲を超えていると判断され、贈与税の対象となってしまうため注意が必要です。

最適な土地活用方法は土地の立地や広さ、周辺の需要によって変わります。土地活用を検討しているなら日本最大級の比較サイトイエウール土地活用で複数企業から土地活用プランを取り寄せましょう。将来の収益性の高い土地活用方法を見つけることができます。

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相続発生後に実家を売却したほうが良いこともある

親が存命のうちに実家を売却する場合についての説明をしてきましたが、逆に相続発生後に実家を売却したほうが良いケースもあるため注意しましょう。

相続税対策に有利

相続税対策の観点からすると、現金で相続するよりも不動産で相続したほうが有利なケースが多いです。

なぜなら、現金を相続した場合に課せられる税率と不動産を相続した場合に課せられる税率が大きく異なり、不動産を相続したほうが安くなるからです。小規模宅地等の特例の適用により、相続税評価額を最大80%減額することができます。

実家を引き継ぐ人が決まっている場合

長男が実家を引き継ぐという伝統は今はなくなりつつありますが、いまだにその考えは根強く残っています。また、親が既に実家を渡す人を決めていたり、先祖代々からの不動産を売却するつもりがそもそもなかったりといったケースもあります。

その場合は親を無理に説得しようとしてトラブルになることは避けたいため、実家の売却を検討するのは相続後になるでしょう。

相続トラブルをさけるために専門家に相談しよう

いくら遺産を多く貰いたいとは言え、家族と揉めることは避けたいという人がほとんどでしょう。相続トラブルを避けるには、専門家に相談することをおすすめします。

弁護士に相談しよう

遺言書を残す際は、公正証書遺言の作成を弁護士へ相談しましょう。弁護士に依頼することで、法的に有効でトラブルを回避できる遺言書を作成してもらえたり、作成に必要な手続きを一任したりできます。

また、弁護士に相談することで、承認されることが難しい特別寄与の証明や、争族が長引くことによる相続人間の信頼関係の喪失の回避が可能になります。

:司法書士に相談しよう

負担付死因贈与契約の際に注意が必要なのは、契約内容の実行に疑問が生じたり、相続人間でトラブルになったりしがちという点です。

そのため、贈与の対象遺産と負担内容を明確に記載しておくことが重要です。契約書に公正証書を利用したり、契約の執行を確実にしたりするために司法書士に相談することをおすすめします。

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「争族」にならないために

これまで一生懸命介護をしてきたのに、もらえる遺産が離れたところに住んでいる他の相続人と同じだと考えると複雑な心境になるでしょう。

しかし相続が原因で家族の関係に亀裂が入ってしまうのは悲しいことです。そのような事態にならないために、親が生前のうちに対策をしたり、専門家に相談したりしましょう。

初心者でもわかる!
記事のおさらい

親の介護してきた分遺産を多くもらえる?
介護をしていたかどうかは相続の割合には関係ありません。詳しくは、相続の割合に介護していたかどうかは関係ないをご覧ください。

介護してきた分多く遺産をもらえる方法はないの?
親の生前に対策をとることができます。詳しくは、介護した分多く相続財産を貰うための対策をご覧ください。
加陽 麻里布
監修者:加陽 麻里布(かよう まりの)
上場会社からベンチャー企業の法務手続を幅広く扱っています。
上場準備、ファンド組成、ストックオプションの設計から発行まで、ワンストップで行うことが可能です。
監修日:2023年1月24日

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