借地権って何? 土地に関わる借地権の基礎知識を分かりやすく解説

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こんにちはイエウール編集部です。土地を相続したので家を建てたいが、借地権があるので、自由に使えない。そんな事情を抱えている方もいるかも知れません。また借地権があることで、将来的にどんなリスクがあるのかなど、土地にまつわるトラブルはいろいろなものがあるだけに、心配な方もいるでしょう。
そこで借地権付きの土地で家を建てようとしている方のために、借地権とはどういった権利であり、借地権付きの土地にはどんな問題が潜んでいるのか、上手な活用法はあるのかをお伝えします。

先読み!この記事の結論
  • 借地権とは地主から土地を借りて建物を建てられる権利
  • 借地なら土地に関する税金を払う必要がないものの、用途が制限されるなどデメリットも

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借地権とは

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借地権とは、借地借家法(又は旧借地法)で認められた権利で、当該土地上に建物を所有する目的で設定された土地の賃借権及び地上権をいいます。
ここで注意を要するのは、あくまでも、建物所有を目的とするものであるという点です。従って、賃借権、地上権でも建物所有を目的としないものは借地権にはあたりません。
借地権には、土地上の建物の利用保護という観点から、民法上の賃借権等とは異なる強い効力が認められています。

例えば、その存続期間については最短期間が定められており、それよりも短い期間を定めても、自動的に法律が定める最短期間に延長されることになります(借地借家法第3条、旧借地法第2条)。

また、地上権や賃借権を第三者に対して主張するには登記をしなければならないのが原則ですが(民法第177条、第605条)、借地権については借地権自体を登記しなくても、借地上の建物を登記すれば借地権についても第三者に対抗できることとされています(借地借家法第10条)。

旧借地権

借地権については現在では借地借家法が定めています。従来は、借地法、借家法という2つの法律であったものを平成4年の法律改正によって借地借家法という一つの法律に統合されたものです。

その結果、借地権には、改正前の借地法(以下では「旧借地法」といいます。)の時代に設定された借地権(旧借地権)と、借地借家法になった後に設定された借地権(新借地権)の2種類が存在することとなりました。

そして、旧借地権については、引き続き旧借地法が適用されることになっています。旧借地権の契約期間が満了して旧借地権が更新された場合でも依然として旧借地法が適用されるのです。

新法借地権

一方で、借地借家法が施行された平成4年8月1日以降に設定された新借地権については、借地借家法が適用されます。

その結果、現在、存在している借地権についても、旧借地権と新借地権という二種類の借地権があることとなり、それぞれについて適用される法律が異なることとなります。
これによって、現在、借地権については、非常に権利関係が複雑となっており、分かりにくくなっています。

従って、借地権に関する権利や法律の適用を調べる際には、それがいつ設定された借地権で、旧借地法が適用されるのか、借地借家法が適用されるのかを正確に把握する必要があります。

旧借地権と新法借地権の違いとは

以下に、旧借地権と新法借地権がどのように違うのか主な点を見ていきます。

存続期間

旧借地権では非堅固な建物(いわゆる木造の建物など)の所有を目的とする借地権の存続期間は20年、堅固な建物(コンクリート造り等)の所有を目的とする借地権の存続期間は30年とされていました。存続期間を定めなかった場合は非堅固な建物の所有を目的とする場合は30年、堅固な建物の所有を目的とする場合は60年でした。また、期間の定めのある借地権が更新される場合も非堅固な建物の場合は20年、非堅固な建物の場合は30年とされていました。

これに対して、新借地法では、契約期間は非堅固・堅固・期間の定めのない場合もすべて一律30年とされました。一方、借地権が更新される場合の期間は、1回目の更新では20年、2回目以降の更新では10年とされ、期間が旧法借地権に比べて短縮されています。

更新を拒絶できる正当理由

期間満了時の更新拒絶についても、旧借地法では自らその土地を利用する必要性がある場合など、特別の「正当事由」がなければ更新拒絶はできないとされていました。
しかし、新借地権では立退き料等の支払いを地主が申し出た場合にはこれらを考慮して正当事由を判断することが条文上明記されました。この点でも、地主にとって更新を拒絶する正当事由が認められやすくなっていると言えます。

定期借地制度の新設

更に最大の違いは、新借地権では定期借地権という制度が認められたことです。従来の借地権は、更新拒絶できる場合が非常に限定されていたこともあり、一度借地権を設定してしまえば、借地権者が更新を望む限り、半永久的に借地権が存続する可能性がありました。その結果、土地所有者が借地権の設定に躊躇するということが指摘されていました。
そこで借地借家法では、借地権設定者側の要望を受けて、存続期間が当初の契約で定めた期間に限定され、更新されない借地権を認めたのです。その結果、当初の存続期間経過後には確実に土地の返還を受理できることが保証されたのです。これによって、土地所有者にとっても、存続期間経過後には確実に土地の返還を受けることができるため、借地権設定についての抵抗感をなくし、土地の有効活用を促す事にもつながります。

このように、借地借家法は、それまで、借地権者の保護という観点が非常に強かった制度について、借地権設定者の利益も図るという観点からの調整したものと言えます。

旧借地権 新借地権
存続期間 非堅固な建物 20年 30年
期間の定めがないとき(非堅固建物) 30年
堅固な建物 30年
期間の定めのない契約(堅固建物) 60年
更新期間 非堅固な建物 20年 1回目の更新20年
2回目以降の更新10年
堅固な建物 30年

地上権

既に述べたとおり、借地権とは建物利用を目的とする「賃借権」および「地上権」をいいますが、現在、借地権の多くは賃借権となっています。
そこで、地上権と賃借権で何が違うのか確認しておきましょう。
まず、賃借権は賃借人が賃貸人に対して土地の利用を請求できる請求権、つまり「債権」です。これに対して、地上権は所有権などと同じく、その土地自体を利用することができる「物権」です。つまり、地上権は賃貸人に対する権利ではなく、目的となる土地を直接利用する事ができる権利なのです。
これによって具体的には以下のような違いが生じます。

地上権の登記を請求できる

地上権者は、当然地上権の登記を請求できます。
一方、土地賃借権も登記は可能ですが(民法第605条)、賃借人は当然には登記請求権を有しておらず、賃貸人との同意がある場合に限って登記できるに過ぎません。

地上権は譲渡できる

地上権は「物権」ですので、その権利を第三者に譲渡するなどの処分をすることができます。
これに対して、賃借権は原則として転貸や権利の譲渡は認められておらず、それらの処分をする場合には賃貸人の承諾を得る必要があります(民法第612条)。

地上権では地代の支払いが必ずしも必要ではない

賃借権では賃料の支払いが必要条件となっています(民法第601条)。これに対して、地上権は、設定契約次第ですが、地代の支払いは必須とはされておらず、当事者間で地代のない地上権とすることも可能です。

地上権自体に抵当権の設定が可能

賃借権は「債権」ですので、この権利に抵当権を設定することはできません。これに対して、「物権」である地上権については、抵当権を設定することが認められています(民法第369条第2項)。

借地権価格とは

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借地権割合とは

借地権は土地の所有権ではありませんが、土地を利用する事ができるという非常に価値のある権利であり、それ自体が経済的な価値を有しています。
そこで、その価値をどのように算定するかという問題が生じます。これは特に、借地権を譲渡する場合や、借地権者が亡くなって借地権が相続された場合に、贈与税や相続税を算出する場合に重要になってきます。その際の算定方法として重要なのが借地権割合です。
借地権割合の考え方は、借地権が設定されている土地には、借地権者が有している土地の利用権である借地権と、土地利用権を除いた所有権という2つの権利が併存していると考えます。そして、「借地権の価値」と「利用権を除いた所有権の価値」の合計が、本来のその土地の更地としての評価額と考えます。

つまり、

  • 当該土地の本来の価値=借地権評価額+利用権を除いた所有権評価額

と考えるわけです。
そして、借地権評価額が本来の土地の価値に対して占める割合を借地権割合といいます。借地権割合は、国税庁の発表している「財産評価基準(路線価図・評価倍率表)」に記載されていて、30%〜90%の間で設定されており、地価の高い地域ほどその割合も高くなる傾向です。東京の商業地などでは概ね80%〜90%、住宅地では60%〜70%の地区が多いと言われています。

借地権価格

上記のように、借地権割合は借地権の課税標準額を算定するための考え方ですので、国税庁が公表する「財産評価基準(路線価図・評価倍率表)」に、路線価と共に記載されています。
そして、借地権価格は、路線価によって算定された土地評価額に借地権割合を乗じて算定します。
たとえば、土地の更地の評価額が1,000万円、借地権割合が60%の場合、借地権価格は

  • 1,000万円×60%=600万円

となります。
ここで注意しなければならないのは、借地権割合によって算出される借地権価格は、あくまでも相続税や贈与税等の課税に際して借地権の価値をどう評価するのかという点から定められているということです。従って、それは借地権を譲渡する場合の価格について、一応の参考にはなるかもしれませんが、それによって当然に借地権の譲渡価格が決定されることにはらないということは認識しておく必要があります。

路線価について

借地権価格を算定するには、当該土地の評価額を算出する必要があります。これは、一般的に路線価によって算出されます。従って、具体的に借地権価格を調べる場合には、まず、その土地の「路線価」を調べる必要があります。
路線価とは、土地の課税標準額を算定する際の基準となる価格のことで、具体的には、主要な道路に面した宅地の1平方メートルあたりの評価額をいいます。
路線価は、国税庁が、土地の公示価格、不動産鑑定士による鑑定評価額や売買実例の価格などを元に決定し、毎年8月頃に公表しています。
実際の路線価に基づく課税標準額の算定方法は、以下の通りとなります。

①道路に一面が接している通常の四角形の土地の場合

  • 当該土地が面している道路の路線価を「財産評価基準(路線価図・評価倍率表)」によって調べます。
  • この路線価に土地の面積を乗じて、基本となる金額を算出します。
  • この金額に対して、その土地の奥行に応じて当該土地の地区ごとに定められている奥行価格補正率を乗じて、課税標準額を算出します。

<奥行価格補正率>

奥行距離(m) 奥行価格補正率
(普通住宅地区の場合)
4m未満 0.9
4m〜6m未満 0.92
6m〜8m未満 0.95
8m〜10m未満 0.97
10m〜24m未満 1
24m〜28m未満 0.99
28m〜32m未満 0.98

※ 奥行価格補正率は、その土地の地区によって異なりますので、その土地の所在する地区に該当する補正率を見る必要があります。
上記は、普通住宅地区の補正率です。
つまり、

  • 路線価による評価額=路線価(1㎡)×土地面積×奥行価格補正率

となります。
例えば、
路線価200万円、面積50㎡、奥行き8mの普通住宅地区の土地の評価額は、

  • 200万円(路線価)×50㎡(面積)×0.97(奥行価格補正率)=9,700万円

となります。

②角地で2つの道路に面している土地の場合には、2面が道路に面している事による収載が必要

  • 2つの道路による路線価に奥行き補正率を乗じて、それぞれの路線価を算出します。
  • 各道路の路線価によって計算した評価額が大きい方を正面路線価、他方を側面路線価とします。
  • 正面路線価に、側面路線価に側方路線影響加算表に定める加算率を乗じた金額を加算し、当該土地の1㎡あたりの路線価を算出します。
  • 1㎡あたりの路線価=正面路線価+(側方路線価×側方路線価影響加算率)
  • この路線価に当該土地の面積を乗じて、その土地の評価額を算定します。

基本的な考え方は、①の場合と同じですが、路線価が2つあるため、どちらを基準に考えるかを比較することになります。
その上で、2つの道路に面している事により経済的な利便性が高いことから、「側方路線影響加算表」に定める一定額を評価額に加算することになるのです。

借地で戸建てをもつメリット

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借地権上に建物を所有する場合、土地自体を所有してその上に建物を所有する場合と比べて、どのようなメリット、デメリットがあるかについて見ていきます。
まず、メリットとしては次のことが考えられます。

土地についての固定資産税・都市計画税がかからない

土地についての税金は、土地所有者に課税されるため、借地権者はこれらの税金を負担する必要がありません。

借地権付建物については価格が安い

借地権付建物を購入する場合、土地所有権の代金が含まれないため、所有権付建物の場合に比べて購入価格が安く済む場合が多いと思われます。その結果、土地付建物ではとても購入できないような立地条件の物件が安価に取得できる場合が考えられます。

借地で戸建てをもつデメリット

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一方で、借地権による場合のデメリットとしては、以下のものが考えられます。

土地の利用について制限がある

借地権の場合、借地権の設定契約によって権利が設定されるため、その契約で定めた条件に従って土地を利用しなければなりません。
その結果、当該土地上に建築できる建物の種類、構造、規模、用途等について条件がある場合には、それと異なる建物を建築することはできません。
どうしてもという場合には、別途、借地権設定者の承諾を得なければなりません。
また、その承諾を得る際には「承諾料」等の支払いが必要となる場合も考えられます。

建物の建て替えの場合には、借地権設定者の承諾が必要な場合がある

借地上の建物が滅失等した場合における、建物の増改築や再築について、設定契約で制限を設けることも有効とされています。その結果、建物の増改築や改築を制限されている場合には、建物を建替える際に借地権設定者の承諾を得なければなりません。

地代の支払義務がある

借地権が地上権の場合には、地代支払いについての合意がない場合もありえますが、大部分の借地権においては、借地権者は借地権設定者に対して地代又は賃料の支払義務を負っており、その分の費用負担が生じます。

銀行等の融資を受けることが難しい場合がある

借地上に建物等を建てる場合、銀行などから融資を受ける場合があります。しかし、土地利用権が借地権の場合には、十分な融資を受けられない可能性があります。これは借地権というものが、借地人の債務不履行やその他の事由により消滅し、建物自体が存続できなくなる可能性があるため、銀行等としても土地所有権に比べて十分な担保価値を認めることができず、安心してお金を貸すことができないからです。

借地権にまつわる8つの疑問

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借地権の利用を考えている人がいだきがちな質問について、考えてみましょう。

借地権の評価ってどのように決まる?

借地権も経済的な価値を有する権利です。
その評価額は、当該土地の評価額(路線価による評価額)に対する借地権割合によって決定されます。
ただし、この方法によって算出された評価額は、あくまでも課税標準価格ですので、借地権譲渡の際の一つの参考にはなりますが、当然にこの金額で譲渡ができるというわけではありませんので、注意が必要です。

借地権の売買はできる?

借地権が地上権の場合には、物権なので自由に売買する事ができます。
これに対して、借地権が賃借権の場合は、その譲渡について賃貸人の承諾を得る必要があります(民法第612条)。

この際、賃貸借契約書において賃借権の譲渡の際には、承諾料等の支払い義務がある旨を定めている場合がありますので、事前に賃貸借契約書の中身をしっかり確認しておく必要があります。

ところで、この賃借権の譲渡についての賃貸人の承諾については、往々にしてトラブルとなる例が報告されています。

例えば、賃貸借契約書上は、譲渡について承諾料等の取り決めがなされていないにも関わらず、賃貸人が譲渡に際して承諾料の支払いを求めてきて、その支払いがなければ承諾しないと言ってくる場合などです。

この場合、法律的には承諾料等について合意していない以上、その支払義務を負うことはありません。ただ、ここでもめた場合、最終的に譲渡後の権利関係で不当な取扱を受ける可能性も否定できないため、できるだけ円満に解決することが好ましいでしょう。

ただ、承諾したとしても、賃貸人に特段の不利益がないにもかかわらず賃貸人が承諾をしない場合には、賃借人は承諾に代わる裁判所の許可を求めるという方法が最後の手段として残されています(借地法第9条の2、借地借家法第19条)。

住宅ローンが残っていても売却できる?

家を購入する際には、大半の人が住宅ローンによる借り入れをしているものです。そのような場合には、建物には金融機関を権利者とする抵当権が設定されている場合がほとんどです。
そのような建物を売却する場合には、この抵当権を抹消して、担保権のついていない状態にして買主に移転しなければなりません。

譲渡代金が残りのローン額を超える場合は、譲渡代金で住宅ローンを完済して、抵当権を抹消してもらった上で、家を譲受人に引き渡すことが可能

この場合には、住宅ローンの金融機関と事前に段取りや手続きを確認・調整して、譲渡代金による住宅ローンの弁済、それによる抵当権抹消の手続きが速やかに行われるようにする必要があります。この手続きに不備があったりすると、結局予定通り売買契約が締結されない危険を生じさせることになりかねません。

住宅ローンの残額が譲渡代金よりも多い場合

土地利用権が借地権の場合には、建物を売却する場合でも売却金額が所有権付建物に比べて安くなってしまう傾向があります。その結果、譲渡代金が住宅ローンの残額よりも低くなってしまい、譲渡代金だけでは住宅ローンを完済できず、抵当権を抹消できないということが生じる可能性があります。
この場合、抵当権を抹消するには不足額をどこからか調達する必要があります。
もし、どうしても差額を調達できない場合には、最後の手段として、「任意売却」という方法があります。これは、金融機関と相談して、たとえ残債務全額の弁済がない場合でも、譲渡代金全額を返済する事によって抵当権の抹消に応じてもらう方法です。
本来であれば銀行は全額の返済を受けない以上抵当権の抹消には応じないのが原則です。ただ、最悪、債務者が返済に窮した場合、破産や物件の競売等の手続きを取ったとしても、任意売却する場合よりも少ない金額しか回収できないと思われる場合には、少しでも多く回収するために、任意売却に応じてくれる場合があります。
ただ、これも金融機関との協議・交渉を上手に行う必要があります。また、この場合でも、抵当権の抹消には応じてもらえたとしても、債務自体が当然に免除されるわけではありませんので、それについては別途分割返済の合意をするなどの対応が必要となります。

借地権を売却した際にかかる税金や費用など

借地権はそれ自体財産的価値を有する権利ですので、借地権を譲渡した場合には譲渡価格に対して譲渡所得税がかかってきます。
譲渡所得税の計算方法は

  • 譲渡所得税額=(売却価格−(当該財産取得の際の費用+譲渡に要した費用)×税率

となります。
つまり譲渡代金から、当初借地権を取得した際に要した費用と、今回の譲渡に要した費用を引いた額に対して、一定の税率を乗じた金額が譲渡所得税として課税されることになります。
ここでの取得の際の費用としては、借地権を設定する際に払った権利金、借地権購入費用、土地の改良等に要した費用、仲介手数料等、契約更新の際に支払った更新料などが含まれます。
また、譲渡に要した費用としては、仲介手数料、賃貸人に支払った名義書換料(承諾料)などが含まれます。
この場合の税率は、保有期間が5年以下の場合は39%、保有期間が5年を超える場合は20%となります。

借地権を相続させることはできるか

借地権もれっきとした財産権ですので、借地人が亡くなった場合には被相続人の財産として、相続人に承継されることになります。
この場合の移転は、法律による包括承継ですので、通常の譲渡の場合とは異なり、それが賃借権の場合でも賃貸人の承諾は必要ありません。
相続人が一人の場合には唯一の相続人が借地権を相続することになります。相続人が複数いる場合には、遺産分割協議によってその借地権を誰が相続するかを決定する必要があります。

また、これに伴って、借地上の建物の所有権登記についても、相続による所有権移転登記をする必要があります。これを行わないと、借地権自体の対抗要件の問題が生じる可能性がありますので、注意が必要です。
借地権者が亡くなった場合の具体的な手続きとしては以下のとおりとなります。

①借地権者が亡くなったことを借地権設定者にお知らせする。
②その上で、具体的に誰が借地権を相続するのかを決定し(相続人が一人の場合には当然その人が相続しますが、複数の相続人がいる場合には遺産分割協議によって具体的に借地権を相続する人を決定することになります)、それを借地権設定者にお知らせすることになります。これは、具体的に誰が借地権を確定的に承継し、以後の賃料等を支払うのかを明確にするためです。

時々借地権設定者から、借地権者が亡くなったのだから土地を返してほしいとか、相続による名義書換について名義書換料等の請求を受けることがあるかもしれません。しかし、これらは法律上全く必要ありません。相続の場合には借地権は法律上の制度として相続人に承継されるので、借地権が消滅することもなく、また、通常の譲渡とも異なるので承諾料の支払義務も生じません。

一方で、注意が必要なのは、遺言等により借地権を法定相続人以外の者に遺贈する場合です。この場合は、借地権の譲渡と同じことになるため、借地権設定者の承諾が必要となったり(借地権が賃借権の場合)、名義書換料の支払義務が生じる場合があります。
また、借地権が相続された場合、賃料等の支払義務も当然に相続されるため、賃料等の支払いが定められている場合には、その支払を行う必要があります。これを怠ると、賃料の支払義務の不履行として、借地権の解除事由とされる可能性があります。

借地権付きの土地で建て替え、リフォームをしたい

借地権設定契約において建物の増改築等を制限する旨の規定が設けられている場合には、建物を建て替えたり、増改築(リフォーム)の際、借地権設定者の承諾を得る必要があります。

ただ、場合によっては、借地権設定者がこの承諾をしてくれない場合や、承諾するに際して不当な条件を要求されるなどして、協議が成立しない場合もあります。このような場合、借地権者は、裁判所に対して、借地権設定者の承諾に代わる許可を求める申し立てをすることができます(借地借家法第17条第2項)。この許可を得ることができれば、借地権設定者が承諾したのと同じ法的効力が認められるため、借地権者は建物の再築、増改築等を行うことができるようになります。

この場合、裁判所によって公平な視点で借地条件の変更や、一定の金銭の支払い等を明示されることがあります。

借地権の契約の更新はできる?

借地権は、定期借地権を除いて、期間満了に際して更新することができます。
更新期間は、旧借地権では、非堅固の建物の場合には20年間、堅固の建物の場合には30年間とされます(旧借地法第5条)。
新借地権では、初回の更新における期間は20年間、2回目以降の更新の場合は10年間とされます(借地借家法第4条)。
期間満了に際して、借地権者から更新の請求があった場合には、建物がある限り、借地権設定者は正当理由がある場合を除き更新を拒絶することはできません(旧借地法第6条、借地借家法第5条)。
一方で、借地権の設定契約において更新料等の定めがある場合には、借地権者はその支払義務を負うことになります。この支払いを行わない場合には、いわゆる賃料の不払い等と同じで、借地権者の債務不履行となり、場合によっては借地権設定契約の解除等が認められる場合もありますので注意が必要です。

一方、借地借家法で新たに認められた定期借地権においては、契約の更新は認められていません。従って、契約期間の満了により当然に終了することになります。但し、建物譲渡特約付借地権を除いては、借地権の期間満了による終了後に、新たな借地権設定契約を締結することは可能です。

地主とのトラブルが起きたらどうすれば?

借地権に関しては、トラブルが思いの外多いということも事実です。
その原因は、借地権に関する法律が複雑であるということが関係しています。つまり、借地借家法や借地法について、借地権設定者や、借地権者も十分に理解しておらず、その結果、思い込みや法律解釈の誤りによってトラブルに発展させていることが多いように思われます。また、中には、相手方の無知につけ込んで、本来、請求できないことを請求してくるという例もあるかもしれません。

借地権設定者との間で、疑問に思われることがあったら、まず、賃貸借契約書等の契約書をしっかり確認することです。
それでも分からなければ、相手の言うことを鵜呑みにするのではなく、信頼できる専門家である不動産屋や弁護士を始めとする法律専門家に相談することをおすすめします。

まとめ

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  • 借地権には新旧2つの権利がある
  • 借地権価格について知ろう
  • 借地で戸建てを持つメリット・デメリット

借地権付の建物は、安価で取得できたり、税金の負担が少ないなど、それなりに大きなメリットがあります。特に旧借地権の場合には、その権利は強力であり、適切な対応をすれば半永久的に土地を利用することができます。
ただ、一方では、既に述べたとおり、借地権には一定の制限があることも事実です。従って、場合によっては借地権付建物の処分を検討することが必要となる場合もあるかもしれません。
ただ、その場合、どうしても問題となるのは、借地権の譲渡についての借地権設定者の承諾を得ることであったり、承諾料や名義書換料といった名目で請求される金銭の問題です。

また、借地権付物権について、買い手がつくかという根本的な問題や、譲渡価格の問題があることも否定できません。
そのような点も含めて、現在の借地権がどの程度の金額で売却できるのか、また、それらについてどのように手続きを進めていったらいいのかといった専門的なことについても、相談できる信頼できる不動産屋さんを見つけることが必須と言えるでしょう。そのための手段として、一括査定サイトの利用も検討してみてはいかがでしょうか。

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