「家の解体費用にローンが使えるってほんと?」
地域によっては、解体費用でローンを組んで現金を借り入れることは可能です。
直近の空き家問題をうけて、地域金融機関は自治体と連携して解体ローンを商品として提供しています。空き家の除却は地域経済の保護につながり、長期的な意味で金融機関に大きなリターンをもたらすためです。
本記事では、解体ローンの利用を検討している方に向けて、解体ローンの種類と注意点を解説しています。
- 解体費用にローンが使えるか知りたい
- 解体費用にローンを使うか迷っている
- 解体費用にローンを使う際の注意点を知りたい
▼解体費用の基礎知識について知りたい方は以下の記事を参考にしてください。
家の解体費用をローンで支払うことは可能
家の解体費用をローンで支払うことは可能です。原則として、家の解体費用にローンを利用して現金を借り入れることができます。解体業者への支払いは多くの場合、現金で一括払いとなるため、クレジットカードや分割払いに対応している業者は少ないです。
このため、解体費用をローンで支払いたいというニーズが高く、各金融機関でも解体工事向けのさまざまなローンを取り扱っています。
私の家の解体費用はいくら?
解体ローンは空き家問題により通りやすい傾向
全国的に増え続ける空き家対策のため、解体工事向けのローンは審査が通りやすい傾向があります。
危険な空き家は補助金を利用できるケースも
長年放置された危険な空き家は、ローンに加えて、自治体の補助金を受けられるケースが多くなります。
空き家は犯罪の温床や異臭に発展するリスクがあるため、国や自治体は積極的に除却を促進ためです。
主な補助金の事例は後述しますが、解体工事を進める前に自治体の補助金情報を確認しておくことをおススメします。
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家の解体費用で使用できるローンの種類
家の解体費用の支払いで使用できるローンには、以下の4種類が挙げられます。
▼家の解体費用で使用できるローンの種類
- 住宅ローン
- 空き家解体ローン
- プロパーローン(無担保ローン)
- フリーローン(多目的ローン)
種類①住宅ローン
建て替えに伴う解体工事の場合に、利用することが可能です。一般的なローン商品に比べて金利が低く、返済負担を抑えながら解体費用を用意できるメリットがあります。
ただし、利用するにあたっては以下の点に注意してください。
【住宅ローンの注意点】
- 建て替え以外の解体工事に適用されない
- 解体と建て替えを別々の業者に依頼できない(=解体費用が割高になりやすい)
- 融資は新築住宅の完成時(=解体費用は自己資金で賄うか、業者に支払いを待ってもらう必要がある)
種類②空き家解体ローン
空き家解体ローンは、解体工事の目的に関わらず融資を受けられます。
メリットは、金利が低く、住宅ローンと異なり担保や保証人が不要な点です。
ただし、すべての金融機関で利用できるわけではなく、条件や金利はそれぞれ異なります。
種類③プロパーローン(無担保ローン)
プロパーローンは無担保ローンとも呼ばれる、銀行独自の多目的ローンです。
担保・保証人は不要で、保証会社ではなく金融機関の審査で融資が決まります。種類④フリーローン(多目的ローン)
フリーローンは、解体工事や結婚、出産、引越しなどの用途に利用できるローン商品です。
このローンは、担保や保証人が不要な場合が多く、各金融機関で取り扱われています。
ただし、住宅ローンと比べて借入上限が300万円から500万円と低く、金利も高いため返済負担に注意が必要です。
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家の解体費用をローンで支払う際の注意点
本章では解体費用をローンで支払う際の注意点について、以下の3点を解説します。
▼家の解体費用をローンで支払う際の注意点
- 審査や融資に時間がかかる
- 見積もり書を用意する必要がある
- 解体費用の支払いと融資受け取りの時期に注意
注意点①審査や融資に時間がかかる
住宅ローンや空き家解体ローンなど、いずれのローンを利用する場合にも審査・融資までに時間を要する点に注意してください。
ローンを申し込むための書類の作成や必要書類の取得、店舗へ足を運ぶための時間も必要になり、想定よりも解体スケジュールが遅れるケースも少なくありません。
審査に要する時間として約2週間〜1ヶ月ほどかかる場合もあるため、解体を決めた後は速やかにローン相談を進めることが大切です。
注意点②見積もり書を用意する必要がある
ローンの審査を受ける際には、解体費用の見積もりを取得しておく必要があります。
解体費用の見積もりは、解体業者に現地調査を依頼することで作成してもらうことが可能です。
ただし1社のみの見積もりでは相場よりも割高な解体費用を請求されることがあるため、必ず複数の解体業者から相見積もりを取りましょう。
注意点③解体費用の支払いと融資入金の時期に注意
住宅ローンを利用する場合でも、解体費用を自己資金で一度支払う、もしくは解体業者と交渉して支払いタイミングを遅らせる必要があります。
一般的に解体費用の支払いのタイミングは工事完了時点で、着工前の手付金が必要となるケースもあります。
しかし、住宅ローンの融資を受ける場合、現金の入金は建て替え工事の完了後となることが少なくありません。
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家の解体費用で使える補助金の事例3つ
本章では、家の解体費用に使用できる補助金の事例について、「東京都台東区」、「大阪府大阪市」、「福岡県福岡市」の制度をご紹介します。
- 東京都台東区 | 老朽建築物等の除却工事費用の助成
- 大阪府大阪市 | 狭あい道路沿道老朽住宅除却促進制度
- 福岡県福岡市|木造戸建住宅の耐震建替費補助事業
東京都台東区|老朽建築物等の除却工事費用の助成
東京都台東区の「老朽建築物等の除却工事費用の助成」制度では、新耐震基準を満たさない昭和56年5月31日以前に建てられた家の解体費用の最大1/3、50万円を上限に補助金が受けられます。
補助金は耐震診断で倒壊の危険性が高いと判断されたケースのみ対象です。
不動産の販売や貸付、貸駐車場の事業用の解体工事は対象外なので、土地活用を考える方は事前に問い合わせておくと安心です。
引用元:東京都台東区「老朽建築物等の除却工事費用の助成」
大阪府大阪市|狭あい道路沿道老朽住宅除却促進制度
大阪府大阪市の「狭あい道路沿道老朽住宅除却促進制度」では、市内の指定された対策地区・重点対策地区での解体工事に対し、解体費用の最大1/2〜2/3、上限75万円〜100万円の補助金が支給されます。
対象は昭和25年以前、または昭和56年5月31日以前に建てられた木造住宅で、工事着手予定日より40日以上前に申請が必要です。
引用元:大阪市「狭あい道路沿道老朽住宅除却促進制度」
福岡県福岡市|木造戸建住宅の耐震建替費補助事業
福岡県福岡市の「木造戸建住宅の耐震建替費補助事業」では、昭和56年5月31日以前に建てられた2階建て以下の木造住宅を対象に、20万円〜30万円の補助金が支給されます。
補助金を受けるには解体後に新築を建てる必要があり、耐震診断で倒壊の危険性が高いと判断されることも条件です。
解体工事の約1ヶ月前には申請が必要で、予算にも上限があるため速やかな相談が推奨されます。引用元:福岡市「木造戸建住宅の耐震建替費補助事業」
以下のフォームからはエリアを選択することで、近隣の自治体が提供する補助金を利用した解体費用の見積りできます。ぜひご活用ください。
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家の解体費用が払えない場合はローン・補助金の利用を検討してみよう
家の解体費用が払えない場合は、ローンや補助金の利用を検討すると良いでしょう。住宅ローンや空き家解体ローン、プロパーローンを使って融資を受け、支払いが可能です。特に危険な空き家の解体は審査や補助金申請が通りやすく、安全性の面からも早めの工事計画をおススメします。
ただし、住宅ローンは建て替えが条件であるほか、審査や融資に時間がかかるため、事前確認をして進めると安心です。
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