土地の売買契約書の注意点は?記載内容から納める印紙税まで

【更新日】

【投稿日】

土地の売却は大切な資産を譲渡する取引で、高額なお金が動きます。そこで、売主・買主の双方が安心して土地の取引を行えるよう、売買の際には契約書が作成されます。しかし、契約書にはさまざまなことが記載されており、最後まで読むだけでも時間がかかってしまいます。初めての方は、契約書のどこを重点的に確認したらよいのか迷うところもあるでしょう。
今回は土地の売却のときに確認しておきたい契約書について、その内容から納める印紙税までご紹介します。

先読み!この記事の結論
  • 売買契約書の内容を確認しよう
  • 売主には瑕疵担保責任という大きなリスクがある

「まずは不動産売却の基礎知識を知りたい」という方は下記記事がオススメです。


1. 土地の売買契約の流れ

使っていない土地を持っていても、固定資産税や管理費用がかさんでしまいます。所有している土地をこれからも使う予定がない場合には、早めに売却を検討するといいかもしれません。
不動産業者選びから契約書の作成、引き渡しまで、具体的な流れをイメージしてみましょう。

1.1. まずは不動産業者を選ぶ

不動産業者にはいろいろな営業形態があり、土地などの不動産の買い取りをしている店と、仲介をしている店があります。

1) 土地の買い取り

不動産業者自身が、土地を買い取ってくれます。買い取った土地は自分で利用したり、買値よりも高い価格で転売したりして利益を得ます。そのため、不動産業者が買い取る価格は市場価格より安くなる傾向にありますが、すぐに現金を手にできるというメリットがあります。

2) 土地の仲介

不動産業者に依頼して、買い手を探してもらいます。買い手を見つけてくれた不動産業者には、仲介手数料を払わなければなりませんが、自分が希望する価格で売却しやすくなります。その一方で、自分が希望する価格が市場価格よりも高いと売れ残ってしまうことや、買い手が見つかるまで時間がかかってしまうことがあります。

すぐ現金化したい場合は買い取りをしている不動産業者へ、時間がかかっても高く売りたいという方は仲介をしている不動産業者に依頼しましょう。また、インターネットの一括査定をするサイトを利用すれば、自分の土地がいくらで売れそうなのか事前にチェックできます。不動産業者に行く前に、利用してみるといいでしょう。
一括査定サイトは、イエウールがおススメです。イエウール(https://ieul.jp/)は全国1,600社以上の厳選された不動産会社から一括査定ができるWebサイトです。

1.2. 仲介を依頼、そして希望金額を提示

複数の不動産業者を訪ねるなどして気に入った不動産業者を見つけたら、いくらで売ってもらうのか不動産業者に希望を伝えます。しかし、一般の人が土地の価格がいくらなのか判断するのは難しいもの。そこで、不動産業者の意見を聞きながら、希望する売却価格を決めていきます。このとき、希望価格を高くすれば買い手はなかなか現れず、いつまでたっても売れない状況が続いてしまいます。一方、市場価格よりも安い金額にすれば早めに売却できますが、あとから「もっと高く売れたのに…」と後悔することもあります。不動産業者の中には、「最初はちょっと高めに売り出して、興味がある方がいたら値下げをしていきましょう」など、具体的な作戦を立てる方もいるので、担当の方と相談しながら買い手を探してもらいましょう。

1.3. 買主との交渉、そして契約成立

土地に興味を持つ人が現れると、不動産業者は価格や条件などの交渉をし、契約につながるよう努力してくれます。このとき、希望価格ですんなり売れれば問題ありませんが、買主が「1割値下げしてほしい」「土地に生えている草を刈ってほしい」など、さまざまな条件を出してくることがあります。不動産業者はこうした買い手の要望を連絡してくれるので、YESなのかNOなのか、自分の意思を伝えましょう。そして、お互いの条件が折り合えば、無事に契約が成立します。

1.4. 契約書の作成、署名捺印

売買契約が成立したら、不動産売買契約書の作成に入ります。売買契約書には売却金額や契約違反による解除など、さまざまな事項が記載されます。このとき、買主側は「ローンを利用するので、ローンが使えない場合には違約金なしで契約を解除したい」などの要望を、売主側では「2カ月以内にお金を準備してもらわないと契約はなかったことにしたい」などの要望を伝え、契約書に盛り込んでもらいます。また、この間に不動産業者は買主に「重要事項説明書」という書面を交付して、売買契約の条件や契約解除に関する条件などを説明します。売主にも同様の書類を渡してくれることが多いので、手元に届いたら一度目を通しておきましょう。
そして契約書が出来上がったところで売主・買主の双方がその内容を確認し、サインしたところで売買契約が成立します。

1.5. 決済、引き渡しへ

売買契約が成立すると、買主側はローンの事前審査や物件の調査を行い、決済に向けて準備をします。一方、買主側も所有権が買主に滞りなく移るよう、所有権移転登記に必要な書類や事項を準備していきます。
そして決済当日、司法書士同席のもと、所有権移転登記に必要な書類を買主側に渡すと代金が支払われます。司法書士は決済が終了したのを確認し、法務局で所有権移転手続きを済ませ、取引が無事終了します。


2. 売買契約書の内容は?

売買契約について定めている民法では、「契約」について口頭による合意だけでも成立します。しかし、トラブルになった場合には「言った」「言わない」の争いになり、解決するのがとても困難です。特に不動産は高額なお金が動くため、後からもめごとにならないように、双方が合意した内容を売買契約書にまとめて契約を締結します。

不動産売買契約書の書式は基本的に自由ですが、実際には標準的な書式が広く使われていて、次のような事項が記載されています。契約にあたって特に要望した事項があれば「特約について」の部分に記載してもらい、要望が明確に伝わるようにしてもらいましょう。

契約書に記載されている事項
  • 売買物件の表示(土地の所在や面積など)
  • 売買代金や手付金・保証金の額
  • 売買物件の引き渡し条件
  • 危険負担(地震や火災などで物件の引き渡しができない場合の定め)
  • 瑕疵の修復(雨漏り、シロアリ被害などが生じた場合の定め)
  • 費用の負担(契約書に貼付する印紙税などの負担について)
  • 公租公課(税金)の精算基準(固定資産税などの負担に関する取り決め)
  • 契約違反による解除
  • 特約について

3. 契約書の中でも特に重要なのは次の3つ

3.1. ポイント1 手付金について確認しよう

土地の売却など不動産の取引では、買主から売主に手付金が支払われるのが一般的で、手付金には次の3つの意味・目的があります。

  • 証約手付…契約の成立を証明する目的で授受される
  • 解約手付…買主は手付金を放棄、売主は手付金の2倍の金額を買主に支払えば契約を解除できる
  • 違約手付… どちらかに債務不履行があった場合、手付金が違約金として、損害賠償とは別に相手方に没収される

手付金の金額に特に定めはありませんが、売買代金の5%~20%くらいの範囲で決められています。金額が多ければ解約したときの負担が大きくなり、少なすぎると買主が安易に手付解除をする可能性があるため、手付金の金額設定には注意が必要です。

また、手付解除できるのは「相手が契約の履行に着手」するまでです。例えば、買主が残りの代金を支払ったときや、売主が契約条件にあった土地の整地を始めたときなど、売買契約を成立させるために相手が必要な行動を起こしたときが「契約の履行に着手」と判断されます。ただ、実際には「〇月〇日まで」など、当事者の合意によって手付解除ができる期限を決め、売買契約書に明記するのが一般的です。

なお、「契約を解除した場合には、相手方に対して売買代金の20%を違約金として支払う」など、手付金ではなく違約金を定めることもあります。

3.2. ポイント2 契約解除の内容を確認しよう

土地の売却では、手付解除以外にも契約解除に至るケースがあります。その内容と条件について、契約書で確認をしておきましょう。

1) 危険負担による解除

台風や洪水、地震等の自然災害などで、対象の土地が取引できなくなった場合の契約解除が「危険負担による解除」です。「引渡し前に発生した場合、買主は無条件で解除でき、手付金は全額返金する」など、具体的に記載されています。

2) 瑕疵担保責任による解除

対象の土地に「崩落の危険がある」など、重大な欠陥(瑕疵)があった場合の契約解除が「瑕疵担保責任による解除」です。重大な瑕疵があると買主は無条件で契約を解除でき、その際の売主の対応などについても記載されています。

3) 契約違反による解除

手付金の支払期限を過ぎても支払わないなど、相手方が契約を履行しない場合の契約解除が「契約違反による解除」です。「相手方に催告のうえ、本契約を解除できる」など、具体的な対応方法についても記載されています。

4) 特約による解除

買主がローンを受けられなかった場合に無条件で契約を解除できる「ローン特約」など、特約によって行う契約解除が「特約による解除」です。特約による解除の場合、手付金の返還についても具体的に記載されています。

3.3. ポイント3 自分の要望だけでなく、相手の要望も確認しよう

契約にあたり「12月にまとまったお金が必要なので、代金の受け渡しを11月の中旬までに終わらせたい」など、売主にもさまざまな事情があります。こうした要望が契約書に反映されているのか、決済日や支払方法など、契約内容を細かくチェックしていきましょう。

また、売買契約書には標準的な書式が広く使われていることが多く、文言は売主や買主に当り障りのない内容になっています。そのため、売主や買主から寄せられた要望は、「特約」や「その他」の欄に記載されています。契約書の内容を確認するときには「特約」の欄などを中心に、自分の要望が反映されているのか、また、相手方の要望がどのように記載されているのか、確認をしておきましょう。

確認するときのポイント
  • 自分が希望する条件は記載されているか
  • 相手方の要望に対応できるか
  • 無理な条件、一方的に不利な条件が記載されていないか
  • あいまいな条件で記載されていないか

4. 売主には瑕疵担保責任という大きなリスクがある

対象の土地に重大な欠陥(瑕疵)があると契約解除の要件になるだけでなく、引き渡しが終わってから瑕疵が発覚すると、買主から瑕疵担保責任といって損害賠償を請求されてしまう可能性があります。

例えば、「かつてその土地で陥没があり、現在は埋め戻してある」などのケースでは、「購入した土地の上に住宅を建てようとしたら、とても家を建てられる状況ではなかった」となる可能性があります。そうすると、買主は土地を購入した「目的=家を建てる」を達成できないため、売主に代金の返還と損害賠償を求めてくる可能性があります。そこで、知っている瑕疵がある場合には契約前にその事実を伝え、承知のうえで購入したことがわかるように、売買契約書に記載してもらうことが大切です。

また、瑕疵にはさまざまなケースがあります。売主はどのような瑕疵について責任を負うのか、責任を負う場合には引き渡しの日からいつまでなのか、売買契約書に反映されている内容も確認しておきましょう。

4.1. 想定される瑕疵の種類

1) 物理的瑕疵

建物の場合には雨漏りやシロアリ被害などが、土地の場合には土壌汚染や地下空洞、地中に埋設されている障害物があるケースなど、不動産に物理的な問題がある場合が該当します。契約書には「引渡しから2カ月以内に発見された雨漏りやシロアリ被害」など、具体的に記載されているので確認しておきましょう。

2) 心理的瑕疵

過去に殺人事件や自殺があった土地、かつて墓地だった土地など、心理的な面で住み心地の悪さを感じてしまう場合が該当します。

3) 環境瑕疵

近隣にある工場からの騒音や振動、異臭など、周辺の環境に問題がある場合が該当します。また、隣接する土地に高層マンションの計画があり、完成後の日照や眺望に問題が生じるケースも隠れた環境瑕疵に該当します。


5. 契約書と領収書に課税される印紙税について

5.1. 契約時に準備するもの

土地の売買契約は、売主と買主、仲介した不動産業者が揃い、契約内容を読み合せたうえで締結します。契約の締結時に準備するものは、仲介する不動産業者によって多少の違いがありますが、売主側が用意するものは、本人を確認する書類や実印、契約書に貼付する印紙代、物件の所有者であることを証明するために提示する登記済権利証・登記識別情報などです。

売買契約で売主が用意するもの
  • 運転免許証などの本人確認書類
  • 実印
  • 印鑑証明書
  • 印紙代
  • 登記済権利証または登記識別情報
  • 固定資産税納付書
  • 仲介手数料の半金

5.2. 契約書に課税される印紙税

土地の売買契約書には印紙税が課税され、売買契約書に印紙を貼り付けて消印をすることで納税します。課税の対象になるのは、記載金額が10万円を超える契約書で、平成32年3月31日までの間に作成されるものについては、税額が200円(契約金額10万円超~50万円以下)から48万円(契約金額50億円超)に軽減されています。また、同じ契約書を複数作成するときは、1通ごとに印紙を貼らなければなりません。

契約金額 本則税率 軽減税率(平成32年3月31日まで)
10万円を超え50万円以下のもの 400円 200円
50万円を超え100万円以下のもの 1千円 500円
100万円を超え500万円以下のもの 2千円 1千円
500万円を超え1千万円以下のもの 1万円 5千円
1千万円を超え5千万円以下のもの 2万円 1万円
5千万円を超え1億円以下のもの 6万円 3万円
1億円を超え5億円以下のもの 10万円 6万円
5億円を超え10億円以下のもの 20万円 16万円
10億円を超え50億円以下のもの 40万円 32万円
50億円を超えるもの 60万円 48万円

出典:不動産売買契約書の印紙税の軽減措置
https://www.nta.go.jp/law/shitsugi/inshi/08/10.htm

5.3. 土地の手付金・売却代金の領収書に課税される印紙税

領収書には、記載された金額に応じて印紙税が課税されます。しかし、個人の方が土地を売却する行為は営業行為に該当しないため、売却代金や手付金を受け取ったときに発行する領収書に印紙税は課税されません。

ただし、個人の方でも営業目的で繰り返し土地を売却しているケースや、不動産賃貸業を営む個人が事業用に所有していた土地を売却した場合には、売却代金や手付金を受け取った時に発行する領収書に印紙税が課税される可能性があります。

No.7125 営業に関しない受取書
https://www.nta.go.jp/m/taxanswer/7125.htm


6. まとめ

土地の売却のときに作成する契約書や、契約のときに必要な印紙税など、契約にまつわる疑問は解決されたでしょうか。土地の売買契約書にサインしてしまえば、その内容にしたがって契約を履行しなければなりません。さらに、土地を引き渡したあとも、土地に問題があれば契約解除や損害賠償請求される可能性もあります。売主が履行しなければならない内容や、解約解除に関する事項など、契約書には重要なことがたくさん記載されています。契約後に後悔しないためにも、契約書は作成段階からチェックしていきましょう。また、土地の売却を検討している方の中には、不動産業者に要望がなかなか伝わらないという方もいるのではないでしょうか。そんなときは、一括査定をするサイトを利用して、違う不動産業者の意見を聞いてみるといいかもしれません。

【60秒】イエウールで最大6社の無料査定 → https://ieul.jp/https://ieul.jp/

関連記事

土地の名義変更 手順・必要書類・税金 完全ガイド!

土地の名義変更をきちんと行わないと、いざという時に大変な事態になる事があります。手続きは面倒なもので、司法書士などにお願いするのが良いです。ただ覚えると自分でもできるので、土地の価値を調べて挑戦してみてはいかがでしょうか。

借地権とはどんな権利なのか解説|トラブル事例や売却の方法まで

マイホームを建てるには土地が必要で、土地を買うには莫大な資金がかかります。そこで注目したいのが、借地権であり、これは簡単に言えば土地の使用権です。借地権は不動産売買において重要な権利であるため、細部まで理解を深めておきましょう。

借地権の登記をするメリットは?かかる費用と必要書類

借地権の中でも賃借権は登記がされないことが一般的で、その代わりに建物が登記されていれば第三者に賃借権を対抗できるなどの救済策があります。今回は、こうした借地権に関する知識や、登記のメリット、登記にかかる費用や必要書類についてお伝えします。

土地の契約書に記載する内容とは。土地売買契約と土地賃貸借契約の注意点

土地の契約をするにあたって主に2種類の契約書があります。その違いは土地を売買するか賃貸するかになりますが、どのような違いがあるのでしょうか。 今回は土地の契約書の記載事項や注意点についてご紹介します。

土地の図面を適切に用意して売却を順調に進めてみよう

土地の売却を考えた時、不動産業者がチラシに乗せているような図面、どのように用意しているか分かりますか?土地の図面の種類にはいろいろあり、それぞれに役目が存在します。不動産を抜かりなく売却する為の必要書類について知りましょう。

あなた不動産の売却価格をチェック

所在地と種別を選択して、大手から地場で実績豊富な会社まで最大6社の査定額を比較しましょう

step1
step2
step3
step4

提携数は全国1800社以上

  • 住友林業ホームサービス
  • スターツピタットハウス
  • 三井住友トラスト不動産
  • 近鉄不動産
  • みずほ信不動産
  • 大京穴吹不動産
  • 大成有楽不動産販売
あなたの不動産いくらで売れる? 最大6社の大手不動産会社の査定価格をまとめて取り寄せ!
ページトップへ