【弁護士監修】不動産の相続に必要な手続きと書類の一覧のすべて

なんとなく分かっていても、突然やってくる相続。突然大切な人に旅立たれてしまったら、相続の手続きだけでなく、何も手をつけられないこともあるでしょう。しかし、葬儀や相続税の申告期限などは待ってくれません。

不動産の相続が決まったら何をしなくてはいけないのか、複数人で相続するにはどうすれば良いのかなどを解説します。

大切な人から受け継ぐ不動産、適当に相続して後々トラブルにならないようにしましょう。

梅澤 康二
監修者:梅澤 康二(うめざわ こうじ)
東京大学卒業後、法律事務所に入所。2014年8月からプラム綜合法律事務所を設立。労務、一般民事、債務整理や相続問題など様々な法律相談に対応している。

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不動産を相続する手続きと必要な書類

不動産相続に必要な手続き

被相続人(亡くなった方)から遺産を相続する際は、やらなくてはいけないことがいくつもあります。一般的には以下のような作業が必要となります。


  1. 遺言書の確認
  2. 遺産分割協議(遺言書がない場合)
  3. 相続登記(相続した財産の名義変更)

なお、上記のような相続の手続きとは別に、被相続人に関する以下の事務手続きも必要です。


  • 年金の受給を停止する手続き(受給していれば)
  • 診断書と検案書を取得し死亡届の提出
  • 世帯主の変更届を提出
  • 健康保険証の返却と資格喪失届の提出

もし何をどうすればよいかわからない場合には、葬儀業者や役所にわからないことを聞きながら進めていきましょう。

手続きに必要な書類

なお、上記のような相続に関する一連の手続きを進めていくに当たり、様々な書類が必要となります。例えば、想定される書類として以下のような書類が各種場面で必要となる可能性があります。

どのような場合に、どのような書類が必要となるかはケースバイケースですので、よくわからなければ弁護士や司法書士などの専門家のサポートを受けましょう。


  • 相続人全員の戸籍謄本(被相続人が亡くなって以降のもの)
  • 被相続人の戸籍謄本(出生時から死亡時まで全ての戸籍謄本)
  • 被相続人の住民票の除票(本籍が記載されたもの)
  • 不動産を相続する相続人の住民票
  • 不動産の登記事項証明書
  • 不動産の固定資産税評価証明書
  • 相続人全員の印鑑証明書
  • 遺産分割協議書
  • 相続手続きを代表で進める申出人の氏名・住所を確認する書類
  • 相続人全員の住民票の写し
  • 遺産分割協議書
  • 委任状
  • 被相続人の戸籍の附票(住民票の除票を取得できない場合)
  • 申出人と代理人の親族関係を証明する戸籍謄本(親族が代理をする場合)
  • 資格者や代理人の身分証明書の写しなど(弁護士など資格者・代理人が代理する場

不動産の中でも土地を相続する場合には、こちらの記事をご確認ください。

必要書類の郵送費用

相続登記を行う際に集める書類も発行する際に費用が発生します。価格は5000~2万円程度。遠方にある役所から書類を取り寄せる場合は1つの発行に対し500円前後の郵送料がかかります。

相続手続きを代行したら司法書士へ報酬

相続登記など相続に必要な手続きを司法書士などに代行をお願いした場合、報酬を支払います。

費用は5~8万円程度かかりますが、スムーズに相続を進めたい方は助かるでしょう。

遺言書の確認

相続の第一歩、まずは被相続人(亡くなった方)が遺言書を残していないか探しましょう。
法的に有効な遺言書がある場合、相続の処理は遺言書に従って行うことになります。遺言書のある・なしで相続の処理が全く異なりますので、遺言書の有無は優先して行いましょう。

遺言書は、一般的には公証役場で作成した公正証書遺言と、自分で全文を書き上げた自筆証書遺言の2つです。公正証書遺言は公証役場に問い合わせれば作成の有無を教えてくれます。自筆証書遺言は被相続人自身が管理していますので、自宅などを探す必要があります。

なお、自筆証書遺言については家庭裁判所による検認の手続きが必要となりますので、見つけた場合は家庭裁判所にどうすればよいか確認しておきましょう。なお、遺言書を勝手に破棄したり、改ざんしたりすると相続権を失うことになりますし、相続人間で深刻なトラブルとなる可能性もありますので注意しておきましょう。

遺産分割協議

遺言書がない場合や遺言書がすべての財産を網羅していない場合には、相続人が協議して相続財産の処理を決めていく必要があります。この協議を遺産分割協議といいます。

遺産分割協議は、以下の流れで進めるのが一般的です。


  1. 相続人の確定
  2. 遺産の確定
  3. 遺産分割協議協議
  4. 合意内容の文書化

相続人の確認

遺産分割協議は相続人全員で行う必要があり、一人でも欠けていれば協議は無効となります。そのため、遺産分割協議の前提として誰が相続人となるかの確定は不可欠です。

通常は、被相続人の戸籍謄本を確認し、相続人を確定していくことになります。

遺産の確定

遺産分割協議は相続人の財産を確定する手続ですので、遺産として何があるかを的確に把握する必要があります。
例えば、不動産であれば、被相続人の固定資産税の納付書等から不動産の所在を確認する方法、預貯金であれば通帳を確認する方法、投資信託等の金融資産は証券会社からの郵便物を確認する方法などで遺産を把握していくことになります。

協議

遺産分割協議は共同相続人が全員で話し合う方法で行います。
共同相続人には法律上の相続分(法定相続分)が一応定められていますので、これに即して分割方法を決めていくことが多いものですが、法定相続分に拘束されるわけではありません。
そのため、法定相続分とは異なる協議を行うことも可能です。

なお、遺産に土地や建物といった不動産が含まれる場合は、分割方法について工夫が必要です。すなわち、このような不動産の分割方法としては、通常、換価分割、代償分割、現物(共有)分割の3パターンがあります。協議の中ではいずれの方法で分割するのかなどを話し合うこととなります。

換価分割

不動産を売却処分して代金を分割する方法です。もっとも公平かつ適正価格で不動産を処理できるので、相続人間で不満が生じにくい方法と言えます。

代償分割

特定の相続人の他の相続人の持ち分を買い取って単独所有する方法です。代償分割の場合、代償金を決定するにあたり土地の価格を的確に把握する必要があります。複数の不動産会社に無料査定してもらう方法が多いと思われます。

現物(共有)分割

不動産を共同相続人で共有する方法です。これは分割方法が決まらない場合に問題を先送りする方法として活用されることが多くなります。

合意の書面化

遺産分割協議が調った場合、その結果に従って財産を分配していくことになりますが、そのためには合意内容が明確となっている必要があります。そのため、協議が調った場合には、合意内容を書面(遺産分割協議書)化することになります。

この書面化が完了した時点で遺産分割協議は終了です。

相続放棄

不動産の相続にかかる相続税など費用

相続はプラスの財産だけでなく、借金などマイナスの財産も承継しますので、相続財産がプラスよりマイナスが多い場合、相続人は損をしてしまいます。このような場合、相続の放棄を検討することになります。

相続を放棄した場合、その相続人は最初から相続人ではなかったことになり、相続の権利の一切を失います。そして、次順位の相続人候補者が代わりに相続人となることになります。なお、あまり利用されていませんが、相続人全員で行う場合に限り、プラスの財産の範囲でのみマイナスの財産を相続する限定承認という方法もあります。

このような相続放棄や限定承認は原則として相続開始を知ってから3ヶ月以内に家庭裁判所での手続が必要ですので、期限には注意しましょう。
もし分からないことがあれば、どこかの家庭裁判所に電話などでお問い合わせすることで確認できます。

空き家の相続放棄を検討しているのであれば以下の記事を、ご確認ください。

相続したら相続税の申告・納税

大切な方が亡くなって心身ともに忙しい時期ですが、被相続人が亡くなった翌日から10ヶ月以内に行わなくてはいけないのが相続税の申告です。

相続税は預貯金や不動産などそれぞれの遺産に課税されるのではなく、遺産の総額に課税されます。つまり、不動産だけに相続税はかかりません。
そして、相続税の支払いは1人に求められるのではなく、相続人1人1人に受け取った割合で支払いが求められます。

なお、相続税の処理は各相続人が独力で行うことも不可能では有りませんが、実際は素人には無理がありますので、相続に詳しい税理士に依頼して手続きするべきでしょう。

基礎控除額

相続税には誰でも受けられる基礎控除があり、多くの人は基礎控除額により相続税が免除されます。
基礎控除額は相続人の数によって異なります。

以下の計算式を使って、自身の基礎控除額はいくらになるのか算出してみましょう。

    相続税の基礎控除額 = 3000万円 + 600万円 × 法定相続人の数

例えば、妻と子ども2人を持つ父が被相続人の場合、基礎控除額は「3000万円 + 600万円 × 3人 = 4800万円」のように計算します。

相続税の計算方法

相続税を計算する際には、不動産や金的資産それぞれにかかる相続税を計算するのではなく、全体の相続税を計算して個人の相続税額を算出します。
支払う相続税額は、以下のように計算します。


  • 相続税 = 課税対象の遺産総額 × 税率 – 控除額
  1. 課税対象の遺産総額 = 遺産総額 – 基礎控除額
  2. 課税対象の遺産総額を各法定相続人の相続分で按分
  3. 各法定相続人の算出税額 = 法定相続分 × 税率
  4. 各法定相続人の算出税額を合計して相続税の総額を算出
  5. 各法定相続人の相続税額 = 相続税の総額 × 各相続割合

相続税を計算する際の税率と控除額は以下のようになります。

課税対象の遺産総額 税率 控除額
1000万円以下 10%
3000万円以下 15% 50万円
5000万円以下 20% 200万円
1億円以下 30% 700万円
2億円以下 40% 1700万円
3億円以下 45% 2700万円
6億円以下 50% 4200万円
6億円超 55% 7200万円

土地にかかる相続税については、以下の記事をご確認ください。

小規模宅地の特例

不動産は高価な資産となりやすく、不動産評価額によっては基礎控除額を上回り相続税額を高くする要因 となります。

相続の遺産に不動産が含まれている場合は、小規模宅地等の特例を利用して、土地の評価額を下げられないか確認しましょう。

対象地 減額割合 減額面積
居住用 80% 330㎡まで
事業用 80% 400㎡まで
貸付用 50% 200㎡まで

各土地の説明と特例を受けられる相続人の条件は以下になります。

居住用
被相続人(亡くなった方)が住んでいた家 が対象です。被相続人の配偶者なら無条件で相続でき、同居していた親族なら相続開始時から相続税の申告期限までその家に住み、引き続き所有して住むのが条件。

事業用
被相続人が事業用に利用していた土地 のこと。事業を受け継ぐ親族が対象です。事業を受け継ぐ親族が相続し、相続税の申告期限まで土地を所有し事業を継続していることが条件です。

貸付用
貸付用は被相続人が所有していたマンションや駐車場などです。親族が相続し、 相続税の申告期限まで所有しており、貸付事業を継続しているのが条件です。

配偶者居住権

被相続人にまだ存命の配偶者がいた場合、配偶者居住権を利用できます。配偶者居住権とは2020年4月1日から施行された新しい法律で、相続が発生する前から配偶者が自宅に住んでいた場合、家の所有権を相続しなくてもそのまま住み続けていい権利です。

配偶者居住権は住む権利であって、家の所有権は誰か別の相続人が持つことになり、不動産を所有できる権利ではありません

自身が被相続人の配偶者であれば居住権を利用するか否か、自身は被相続人の子どもであり配偶者が存命の場合は居住権を主張したいかどうか確認しましょう。

家の所有権を移す相続登記をする際に合わせて配偶者居住権の登記も行っておくことをおすすめします。配偶者居住権は登記を行わないと第三者に家を売られてしまう恐れがあるため注意が必要です。

贈与を受けたら贈与税

贈与税は、相続が発生する前に110万円を超える財産の贈与を受けた場合に課税されます。


  • 贈与税 = 課税対象の遺産額 × 税率 – 控除額
  • 課税対象の遺産総額 = 遺産総額 – 110万円

贈与税を計算する際の税率と控除額は以下のようになります。

基礎控除後の課税価格 税率 控除額
200万円以下 10%
300万円以下 15% 10万円
400万円以下 20% 25万円
600万円以下 30% 65万円
1000万円以下 40% 125万円
1500万円以下 45% 175万円
3000万円以下 50% 250万円
3000万円超 55% 400万円

贈与税の配偶者控除(おしどり贈与)

おしどり贈与とも言われる贈与税の配偶者控除は、贈与財産の2000万円までについて贈与税が非課税となる制度です。

結婚20年以上の夫婦において、自宅など居住用の不動産や不動産を購入するための金銭を贈与した場合に、適用することが可能となります。

相続登記(相続した財産の名義変更)

不動産の相続については、不動産の名義を被相続人から相続人に変更する手続きを行うのが一般的です。具体的には、不動産について相続登記の手続きを取ることになります。

なお、相続登記については特に期限はありませんし、手続きをしないことでペナルティもありません。
しかし、不動産について名義変更をしておかなければ、不動産を売却処分できなくなったり数次相続が発生した場合に権利者が誰かわからなくなってしまったりと、大きな問題となることもあります。そのため、相続処理が完了した場合は速やかに名義変更の処理を行いましょう。

相続登記の手続きは法務局へ

相続登記の申請は法務局で行います。書類を集めたら法務局を訪れましょう。訪れる法務局は相続する不動産が所在する地域を担当している 法務局になります。また、法務局の営業時間は平日8時30分~17時15分までになり、土日は営業していません。

相続する不動産が遠方にある、平日は仕事や育児でなかなか行けないといった場合は郵送という方法もあります。ただし、郵送にしてしまうとその場で法務局に書類を確認してもらえないので、完璧に仕上げた書類である必要があります。郵送料も相続登記の費用とは別途必要になるので、可能ならば法務局へ行き申請を行った方が良いでしょう。

このような登記手続は独力でも当然行うことができますが、不慣れであることから無用の時間と労力がかかることも想定されます。そのため、スムーズに登記処理を行いたいのであれば、多少費用はかかりますが、司法書士などプロに依頼するべきでしょう。

相続登記をしたら登録免許税

相続した不動産の名義変更をする際にも、登録免許税という税金の支払いが必要です。

土地と家(建物)を相続した場合は、それぞれの名義変更が必要になります。
税額は、以下のような計算式で算出することが可能です。

    登録免許税 =(土地 + 建物の固定資産税評価額)× 0.4%

登録免許税は100未満は切り捨て。登録免許税は収入印紙または金融機関で現金納付になります。

所有したら固定資産税

不動産を相続すると、固定資産税を毎年納付する義務が発生します。

固定資産税額は、固定資産税評価額を元に算出されます。この固定資産税評価額は、登記をした際に不動産にどのくらいの価格があるのか調査に基づき確定されます。

固定資産税評価額については、こちらの記事もご確認ください。

固定資産税は土地活用で節税できる

不動産にかかる固定資産税は、活用することで所得に対しての経費として計上することが可能です。

不動産の活用を考えたら、どのような活用ができるのか企業からプランを取り寄せることをおすすめします。
企業からプランを取り寄せる際には、無料で複数の企業から一括でプランを取り寄せられる、土地活用比較サイトの利用がおすすめです。
簡単な情報を入力するだけで、複数の企業から土地に合ったプランを取り寄せられます。

売却したら譲渡所得税

相続した不動産を売却した場合には、売却した譲渡益に譲渡所得税が課税されます。

譲渡所得税額は以下で計算することが可能です。

譲渡所得 = 売却代金 -(土地の取得費 + 土地の譲渡費用)

譲渡所得税は、売却した翌年度にかかってくるため、売却する際に納税額を用意しておくことをおすすめします。

相続した空き家の譲渡所得3000万円特別控除

相続した空き家を売却して一定の要件に当てはまっている場合には、売却した際に課税される税額を抑えられる可能性があります。

「被相続人の居住用財産(空き家)にかかる譲渡所得の特別控除の特例」といって、売却した際の譲渡所得額から最大3000万円まで控除が可能です。

対象となる場合は、以下の一定要件を満たしている場合となります。


  • 1981年(昭和56年)5月31日以前に建築された住宅
  • 区分所有の建物登記がされていない建物
  • 相続の開始直前まで被相続人以外の居住者がいない

取得費加算の特例

相続した不動産を3年以内に売却する予定であれば、特例を利用することで税額を控除できます。取得加算の特例といい、取得費に相続税額(一定額)を加算できるものです。

この特例を利用する場合は、被相続人の死亡日から3年10ヶ月以内に売却することや、相続税を支払っていることが条件となります。

取得費として計上できる相続税額は以下の計算式で算出することが可能です。

    取得費加算する相続税額 = 相続税額 ×{相続税の課税価格の計算のもと算出された財産の価額÷(相続税の課税価格+債務控除額)}

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まとめ

大切な人が亡くなってしまってすぐは悲しみが押し寄せる辛い時期ですが、相続の処理は避けて通れない途です。
本記事を参考にしながら、着実に処理を行うことをおすすめします。

地域に密着した不動産の売却情報あなたの地域に合った売却情報をチェックできます。各地域ごとの地価変動や、実際の売却事例を見てみましょう。

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