「空き家の解体費用を払えない場合の方法は?」
空き家の解体費用を払えない場合、自治体の補助金や金融機関の解体ローンを利用したり、売却益で解体する方法があります。その他、空き家が利用できる場合は古家つき土地として解体せずに売る方法、スグに手放したい場合は不動産会社に直接売る方法があります。
▼空き家の解体費用が支払えない場合の方法
- 補助金を利用する
- 解体ローンを使う
- 売却益で解体する
- 古家付き土地として売る
- 不動産会社に売る
- 賃貸運用する
本記事では、空き家の解体費用が払えない場合の方法や、おススメできない方法について詳しく解説しています。
▼解体費用の基礎知識についてはこちらの記事で詳しく解説しています。
本当に支払えない?空き家の解体費用の相場
空き家の解体費用は、建物の構造と広さによって決まります。一般的な30坪の空き家の場合、木造なら90万円~150万円、鉄骨造なら150万円~210万円、鉄筋コンクリート造なら180万円~240万円が相場です。ただし、実際の費用は、立地や空き家の老朽化の度合い、残置物の量によって変動する点に注意しましょう。
▼建物の構造別の空き家の解体費用の相場
木造 | 鉄骨造 | 鉄筋・コンクリート造 | |
坪単価 | 3万円〜5万円 | 5万円〜7万円 | 6万円〜8万円 |
床面積 30坪 | 90万円〜150万円 | 150万円〜210万円 | 180万円〜240万円 |
床面積 40坪 | 120万円〜200万円 | 200万円〜280万円 | 240万円〜320万円 |
床面積 50坪 | 150万円〜250万円 | 250万円〜350万円 | 300万円〜400万円 |
私の家の解体費用はいくら?
空き家の解体費用が支払えない場合の6つの方法
解体費用は一括払いが一般的で、クレジットカードに対応していない解体業者も多いです。自己資金が不足している場合、やはり支払いが難しいといえます。
そこで本章では、支払えない場合の6つの方法を解説します。
▼解体費用が支払えない場合の6つの方法
- 補助金を利用する
- 解体ローンを使う
- 売却益で解体する
- 古家付き土地として売る
- 不動産会社に売る
- 賃貸運用する
方法①補助金を利用する
補助金は上限100万円が目安ですが、実際は自治体によって異なります。
以下は自治体別の補助金の目安と上限ですが、自治体によってバラつきがあることがわかります。
▼解体補助金の事例
市区町村 | 金額の目安 | 上限 |
大分県大分市 | 補助対象経費の5分の4以内または市の定める額のいずれか小さい方 | 160万円 |
群馬県高崎市 | 解体費用の5分の4 | 100万円 |
愛知県名古屋市 | 解体費用の2分の1 | 100万円 |
兵庫県神戸市 | 解体費用または補助対象標準額低い方の3分の1 | 60万円 |
東京都足立区 | 解体費用の2分の1 | 木造50万円、非木造100万円 |
北海道札幌市 | 解体費用の3分の1 | 50万円 |
埼玉県行田市 | 解体費用の2分の1 | 50万円 |
和歌山県和歌山市 | 解体費用の3分の2 | 50万円 |
佐賀県みやき町 | 補助対象経費の2分の1 | 50万円 |
※各自治体名から自治体ごとの公式ホームページに移動できます。
方法②解体ローンを使う
次に、空き家解体ローンの利用を検討しましょう。
空き家解体ローンとは、地方銀行が主に商品提供している、空き家解体で利用できるローンのことです。住宅ローンよりも審査に通りやすく、担保も保証人が不要な点が特徴です。
以下は空き家解体ローンの事例です。参考として確認してみましょう。
▼空き家解体ローンの事例
金融機関名 | 借入可能額 | 借入期間 | 年利(目安) |
JAバンク | 10万円〜300万円 | 5年以内 | 1.5% |
みちのく銀行 | 500万円以内 | 6ヶ月以上10年以内 | (個別相談) |
秋田銀行 | 10万円〜200万円 | 5年以内 | (個別相談) |
群馬銀行 | 10万円〜300万円 | 6ヶ月以上7年以内 | 2.1%〜3.6% |
東京ベイ信用金庫 | 1万円〜500万円 | 3ヶ月以上20年以内 | 2.275%〜3.775% |
中国銀行 | 10万円〜500万円 | 6ヶ月以上10年以内 | 2.875% |
十六銀行 | 10万円〜500万円 | 6ヶ月以上10年以内 | (個別相談) |
四国銀行 | 5万円〜1,000万円 | 6ヶ月以上10年以内 | 1.9%〜2.4% |
福岡銀行 | 10万円〜300万円 | 6ヶ月以上7年以内 | 2.9% |
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方法③売却益で解体する
売却益で解体するというのも選択肢のひとつです。
売ってから解体する方法は「更地渡し」と言われ、売却後に売主負担で解体することを買主に約束して売り出します。
資金を捻出してから解体できるため、支払いに不安を感じている方にはおススメのやり方です。
方法④古家つき土地として売る
建物つきのまま売却することも検討しましょう。
ただし、築20年超えの古家の場合、土地の価値のみが売却価格となる点に注意してください。また、田舎など購入希望者が少ないエリアでは、買い手がみつからないケースもあります。
方法⑤不動産会社に売る
業者買取も検討しましょう。
家つきのまま査定を依頼し、買取価格に合意できれば、最短即日~1週間で売却できます。解体費用を負担せずに売却できるので、費用が払えなくても手放せます。
ただし、買取価格は市場相場の約8割が一般的で、市場で売るより安くなってしまう点に注意しましょう。
方法⑥賃貸運用する
賃貸運用すれば、解体費用を支払わずにすむ他、定期的な収入を得ることも可能です。
築年数が古く田舎にある空き家は賃貸収入が0円近くなる場合もありますが、解体せずに維持管理も不要となるため、検討の余地はあるでしょう。
賃貸先を探す方法として、空き家バンクがおススメです。空き家を貸したい人と借りたい人を、賃貸や購入に繋げるサービスです。社会問題である空き家の解消のため、自治体が主体となって運営しています。
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相続放棄と自分で解体はおススメしない
解体費用が払えないからといって、次の2つの理由から、相続放棄と自分で解体することはおススメしません。
▼相続放棄と自分で解体はおススメしない理由
- 相続放棄しても解体費用の支払い義務は残る
- 自分で空き家を解体するとトラブルや事故が起こりやすい
相続放棄しても解体費用の支払い義務は残る
相続放棄しても、空き家の管理義務、つまり解体費用の支払い義務は残ります。
空き家の管理義務は、その空き家を実質使用または所有していた相続人が負うことが一般的です。
管理義務では、空き家を荒廃させないための維持管理が求められます。また、空き家を解体する場合、解体費用の支払いも義務付けられることになります。
自分で解体するとトラブルや事故が起こりやすい
費用をおさえるために空き家を自分で解体することは、基本的におススメはできません。
解体に必要な重機は、専門的な免許がなければ操作できません。また、作業中にアスベストの粉末を吸い込んでしまった場合、健康被害が生じる可能性もあります。
つまり、かなりの時間と労力がかかる他、近隣住民やご自身の健康に関するトラブルの原因となります。
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