シングルマザーとして住宅ローンを組む際、収入面や審査基準で不安を感じる方も多いでしょう。しかし、適切な準備や公的支援制度の活用により、住宅購入は可能です。本記事では、シングルマザーが住宅ローンを組む際のポイントや注意点、審査を通過するための対策、そして利用可能な支援制度を詳しく解説し、安心して住まいを手に入れるための情報を提供します。
シングルマザーも住宅ローンを借りることができる
シングルマザーであるという理由だけで、住宅ローンの審査に落とされることはありません。
シングルマザーでも一定の年収があり、ある程度の自己資金が用意でき、雇用形態は正社員で勤続年数が1年以上あるなど、審査基準を満たしていれば原則住宅ローンの借り入れは可能です。
シングルマザーにおすすめの住宅ローン・銀行
シングルマザーでも、一定の年収と自己資金などがあればローンを組めることがわかりました。
以下からは、シングルマザーにおすすめのローンである「フラット35」と、りそな銀行の女性専用住宅ローン「凛next」について各特徴を紹介していきます。
フラット35
フラット35は、住宅金融支援機構が提供する全期間固定金利の商品です。変動金利タイプの商品は金利が上がればその分利息分の支払いが増えますが、フラット35は固定金利になっているため、仮に金利が上がったとしても、支払額は一定になります。
なお、フラット35に適用されるのは「住宅金融支援機構」が定めた技術水準を満たす住宅の購入・建設となっています。
戸建ての場合は70平方メートル以上、マンションは30平方メートル以上と定められているため、予め把握しておきましょう。りそな銀行「凛next」
りそな銀行では女性専用の住宅ローン「凛next」を用意しています。
「凛next」では病気やケガで働けないときなど、就業不能時になってしまった場合、最長12か月の補償をしてくれる保険がついています。
保険料は無料となっており、ローン返済額とほぼ同額の保険金が支払われるようになるため、万が一の場合でも安心です。
また毎年の金利に0.15%を上乗せすることで、3大疾病保障特約が選択可能になっています。万が一がんによって長期的な入院が必要になった場合、保険金によってローンが完済可能になります。
なお、凛nextでは繰り上げ返済手数料は無料となっています。一部繰り上げ返済は1万円から可能になっているため、ローン返済中に少しでも利息負担を少なくしたい人にもおすすめです。
下記の記事では、住宅ローン審査が甘くなりやすい金融機関の特徴について解説しています。こちらもぜひ参考にしてください。
住宅ローンの審査が甘い金融機関はある?審査に通るコツとは
年収と住宅ローン借入可能額のシミュレーション
住宅ローンの借入可能額は年収の7~10倍が目安となっています。以下は金利を固定金利で年1.3%、返済期間35年、返済負担率25%としたときの年収別の月々の返済額のシミュレーションになります。
年収 | 借入可能額 | 総返済額 | 月々の返済額 |
200万円 | 14,050,000円 | 17,495,232 | 41,655円 |
300万円 | 21,080,000円 | 26,249,126円 | 62,498円 |
400万円 | 28,100,000円 | 34,990,620円 | 83,311円 |
500万円 | 35,130,000円 | 43,744,525円 | 104,154円 |
600万円 | 42,160,000円 | 52,498,523円 | 124,996円 |
700万円 | 49,180,000円 | 61,240,034円 | 145,809円 |
800万円 | 56,210,000円 | 69,993,906円 | 166,652円 |
900万円 | 63,240,000円 | 78,747,815円 | 187,495円 |
1,000万円 | 70,260,000円 | 87,489,305円 | 208,308円 |
シングルマザーが住宅ローン審査を通過するポイント
住宅ローンの審査を通過するために重要視されるのは「収入」と「勤続年数」になります。
つまり、安定して収入が確保できているかどうかが見られます。以下ではシングルマザーが住宅ローンの審査を通過するために、把握しておくべきポイントについて解説します。
200万円以上の年収・収入が必要
「収入」部分に関しては、最低年収は200万円〜が必要となってきます。
この200万円という金額は、主要なネット銀行が住宅ローンの貸し出し基準として、前年度の年収が200万円以上を設定していることから来ています。
大手の銀行の中には、100万円以上に設定している銀行もありますが、いずれにしても毎年安定した収入が見込まれることが条件になります。
勤続年数は1年以上になるように
またローンの審査は原則、昨年度の年収をベースにするため、勤続は1年以上必要とされています(1年分の収入証明書がない場合は、給与明細等で年収換算して審査できることもあります)。
そしてローン審査時は勤務先の経営状態等もポイントになるため、設立から数年しか経っていないような会社や赤字が続いている会社の場合、審査に通らないこともあります。
健康状態にも注意が必要
住宅ローン借り入れ時は、団信の加入が原則必須となります。
団信とは団体信用生命保険の略称で、返済者が死亡または高度障害状態になるなど、返済が不可能になった際、保険会社からローンの残債が支払われるようになっています。
団信の加入時には、現在の健康状態の告知を行わなければいけません。そのため、直近で手術や大病を患った方など、告知内容によっては加入が不可となり、結果的に住宅ローンでの審査に落ちることもあります。
頭金を多めに設定する
頭金とは、契約時に最初に支払う金額のことを指します。
物件の費用は、頭金+住宅ローンで支払っていくことになるので、頭金を多めに設定することができれば、当然審査に通りやすくなります。
手元の現金に余裕がある場合は、頭金をなるべく多く設定しましょう。
既存の借り入れなどを返済しておく
ローン審査時には個人信用情報の照会があるため、返済比率に影響するような過去の借り入れは返済しておきましょう。
既存の借り入れがあると、住宅ローンの借入可能額が減額されてしまいます。月々の支払い能力の審査にも影響を与えるため、単純に借入額分が差し引かれるだけではありません。
借入額以上に減額されたり、審査に通らなかったりする可能性もあるので、既存の借り入れは返しておくことをおすすめします。
クレジットヒストリー(履歴)に傷がある場合は時間を置く
もし、クレジットヒストリー(過去の支払いの延滞や自己破産歴)に問題がある場合は、ある一定期間置いてから、住宅ローン審査をしなくては通りません。
信用保証期間にもよりますが、カードの支払延滞や自己破産歴は5〜10年残ると言われているため、自己破産してしまった後は、5〜10年ほど期間を置く必要があります。
下記の記事では、住宅ローンの審査基準や対策について解説しています。こちらもぜひお役立てください。
住宅ローン審査基準に通らない理由は?基本的な流れから審査項目や必要書類を解説!
住宅ローンの審査からローン実行までの流れ
住宅ローンで審査されるポイント、年収による借入金額について紹介してきました。以下からは住宅ローンの審査から引き渡しまでのフローを紹介します。
また、各手続きでの注意点も記載していきます。
ローン相談
まずは、各金融機関の窓口へローンの相談を行いましょう。なお、相談時は昨年の年収証明書、返済明細書(他のローンなどの借り入れがある場合)を持参すると、より具体的に相談することができるようになります。
仮審査
金融機関やローン内容が把握できた後、仮審査が行われます。仮審査では、主に下記書類を用意します。
- 昨年度の源泉徴収票もしくは直近3期分の確定申告書
- 身分証明書(運転免許証かパスポートなど)
- 健康保険証
- 認印か実印
※他、借り入れがあれば返済明細書などが必要となります。
なお、仮審査は一週間程度で結果が出るのが一般的です。
本審査
仮審査に通過した後は、本審査へと移ります。本審査時には、主に下記書類が必要となります。
- 昨年度の源泉徴収票若しくは直近3期分の確定申告書の原本
- 身分証明書
- 健康保険証
- 住民票
- 印鑑証明書
- 直近1年分の住民税決定通知書若しくは課税証明書
なお、本審査に要する期間は10日~2週間程度となっています。
住宅ローンの契約
無事本審査に通過した後には金融機関と契約を結びます。
金利や返済期間は、この契約時時点での内容が反映されます。そのため、事前シミュレーションなどとは金額が変わってくることに注意が必要です。
なお、ローン契約は、原則平日に金融機関に出向いて行うことが殆どですが、最近はネット完結型のローンもあり、仮審査からローン契約までの手続きが全てネット上で済む金融機関(住信SBIネット銀行など)もあります。
ローン実行
契約が無事締結された後、金融機関から資金が融資されます。返済については融資実行後の翌月または翌々月からスタートとなるのが一般的です。
下記の記事では、住宅購入の全体の流れについて解説しています。こちらもぜひ参考にしてください。
中古住宅購入の流れは3段階!期間とやることリストを把握しよう
シングルマザーが住宅ローンを組む際の注意点
シングルマザーが住宅ローンや購入予定の不動産で失敗しないために、以下の4つの注意点に気をつけましょう。
- 無理のない返済計画を組む
- 物件購入時にかかる金額をしっかりと把握しておく
- ライフスタイル・プランを踏まえた物件を選ぶ
- 売却しやすい物件を選ぶ
各項目について詳しく解説していきます。
無理のない返済計画を組む
現在、住宅ローンの金利は歴史的な低金利状態が続いていますが、今後金利が上がる可能性がないとは言い切れません。また子供の成長に合わせて、必要になる金額も変わってきます。
そのため、年収に見合わない物件の検討や、返済比率ぎりぎりでローンを組むなど、無理な資金計画は避けるようにしましょう。
シミュレーションをした結果、毎月の返済額が生活を圧迫するような場合、購入・建設する住宅の再検討も必要です。
物件購入時にかかる金額をしっかりと把握しておく
当然ですが、借入額が大きければ大きいほど、毎月の返済額は増えていきます。よって、ある程度の自己資金を用意し、毎月の返済額を減らすことも考慮に入れておきましょう。
自己資金は物件価格に対し、10%程度用意できることが理想とされています。また不動産購入時には、ローン以外に掛かる諸経費も自己資金で賄わなければならないため、事前に合計いくらかかるのかを把握しておきましょう。ライフスタイル・プランを踏まえた物件を選ぶ
仕事、子供の送り迎え、家事など、シングルマザーの1日のスケジュールはとても過密です。そのため、ご自身の職場や保育園や学校など、立地選びも重要になってきます。加えて、キッチンや浴室などの設備を整えることで、家事などを時短できるようになるでしょう。
なお、あまりにも広い家だと、子供が独立した後、部屋を持て余すことにもなります。そこで、事前にある程度のライフスタイルやプランを計画・想定した上で物件選びを行いましょう。
売却しやすい物件を選ぶ
今後再婚などによって家を手放すことも考えられます。そこで物件を選ぶ際には、売却時に高く売れる物件を選んでおくのがおすすめです。
例えば一戸建ての注文住宅は20年を目安に資産価値は無くなっていきますが、立地や諸条件の整ったマンションは価値が落ちづらく、購入価格と同程度の金額で売却することができることもあります。
万が一のことも踏まえ、戸建てやマンションにするのかについても、しっかりと検討しておくことが必要です。
下記の記事では、資産価値の落ちにくいマンションの特徴について解説しています。売却も想定したマンション購入を検討している方は、ぜひご活用ください。
資産価値の落ちないマンションの特徴ベスト3!20年後どうなる?
シングルマザーの住宅ローンに関するよくある質問
最後に、シングルマザーの住宅ローンに関するよくある質問に回答します。
住宅ローンが児童扶養手当(母子手当)に影響することはある?
手当を受けていることで住宅ローンが不利になったり、不動産を保有することで手当が受けられなくなったりすることはありません。
妊娠中は住宅ローンを組みにくい?可能?
妊娠中も住宅ローンを組むことは不可能ではありません。
ただ、妊娠中は団体信用生命保険(団信)に加入できないケースが多いです。団体信用生命保険に入れないと住宅ローンが組めないことになります。
住宅ローン審査でよくある失敗は?
少しでも審査を有利に進めようと、金融機関や審査機関には絶対に嘘をついてしまうことが最もよくある失敗です。嘘をついたことは、審査のなかでほぼ必ずバレるので、嘘はつかないようにしましょう。
シングルマザーでも住宅ローンは組める!しっかりとした資金計画を
本記事でご紹介してきた通り、住宅ローンの審査では「収入」「勤続年数」、そして健康状態などを見られるため、シングルマザーを理由に、住宅ローンの審査に落とされることはありません。
ただしライフスタイルやライフプランを踏まえた物件選びをしつつ、限度額ギリギリまで借りるのではなく、事前に資金計画を建てた上でローンを組みましょう。
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