一般的に、派遣社員が住宅ローンを組むのは難しいと言われています。というのも、住宅ローンでは年収だけでなく、雇用形態を重視する銀行も多くあるからです。
しかし一方で、非正規雇用が増えている昨今、派遣社員でも住宅ローンを組めるケースや銀行もあります。
本記事では、派遣社員でも住宅ローンの審査が通るケースや注意点について詳しく解説していきます。現在派遣社員で、住宅ローンの利用を考えている方はぜひ参考にしてください。
下記の記事では、住宅ローン審査の基準や対策について解説しています。こちらもぜひお役立てください。
住宅ローン審査基準に通らない理由は?基本的な流れから審査項目や必要書類を解説!
住宅ローンが通る条件とは?
そもそも、住宅ローンが通る条件とはどのようなものなのでしょうか?住宅ローンの審査では、主に以下の条件が重要視されます。
- 年齢
- 雇用形態
- 勤務年数
- 年収
- 健康状態
- 借金の返済状況・過去の返済履歴
では、上記のそれぞれの属性は、審査にどのような影響を与えるのでしょうか。以下で、派遣社員の方が住宅ローン審査を受けることを軸にしたうえで、詳しく解説していきます。
年齢
住宅ローンで重要視されるポイントは安定した収入が確保できているかどうかです。
また金融機関ごとに規定は異なりますが、一般的に、借入時の年齢の下限は20歳以上、上限年齢は75歳未満が基準になっています。
そこで、ローン審査においてまず見られるのが「年齢」です。
例えば現在40歳の方が30年ローンを組むとしましょう。完済時の年齢は70歳で、この時には既に定年退職していることもあり、安定した収入は見込めなくなります。
また20代前半の場合は会社のポジションやキャリアが不安定と見なされて、審査に通らないこともあります。
雇用形態
住宅ローンは数千万円単位でお金を借り入れることになるため、長い期間で、返済能力があるのかどうかを見られます。
会社の業績が傾いた際、派遣社員はリストラの対象になりやすいです。そのため、銀行によっても異なりますが、住宅ローンの審査においてはアルバイトやパート、契約社員よりも正社員の方が有利となります。
勤続年数
勤続年数が長ければ長いほど、安定的な収入を得られていると判断され、ローン審査に有利に働く傾向にあります。
実際にほとんどの金融機関で、勤続年数1〜3年以上を融資の条件としているところが多くあります。
関連して、社員として働いていたとしても、転職履歴が多い場合は住宅ローンの審査に影響があることもあります。
年収
住宅ローンの審査では、年収もチェックされます。
派遣社員の場合であっても、住宅ローンを組むために十分な年収があれば、審査に通る場合もあります。なお、年収の目安としては最低300万円〜となっていますが、近年では年収200万円以上から借りられる住宅ローンもあります。
健康状態にも注意が必要
住宅ローンを借り入れる際には、原則として団信の加入が必須となります。
団信とは団体信用生命保険の略称で、返済者が死亡や高度障害状態になるなど、返済が不可能になった際、保険会社からローンの残債が支払われるようになっています。
団信の加入時には、現在の健康状態の告知を行わなければならず、直近で手術や大病を患った方など、告知内容によっては加入が不可となり、結果的に住宅ローンへの審査に落ちてしまうこともあります。
借金の返済状況・過去の返済履歴
金融機関は、住宅ローンを申し込んだ人物の過去の借入記録や、借入がある場合現在どのような状況なのか確認します。
そこで過去にショッピングローンを遅延していたり、ローン申し込み時に借金が残っていたりする場合には審査において不利になることもあります。
下記の記事では、年収から考える住宅ローンの適正借入額について解説しています。こちらもぜひ参考にしてください。
年収からみる住宅ローンの借入可能限度額の目安はいくら?審査基準のポイントも解説!
派遣社員でも大丈夫!住宅ローン審査に通るためにやるべきこと
住宅ローンの条件を見て、派遣社員が住宅ローンを組むのは難しいと感じた方も多いのではないでしょうか。
しかし、派遣社員の方でも、住宅ローンを組むことを諦める必要はありません。以下では、実際に派遣社員の方が住宅ローンの審査に通るためにやるべきことについて解説します。
頭金を用意し、住宅ローンの借り入れ金額を減らす
住宅ローン審査に通りやすくなる方法の1つ目は、頭金を多く入れることで金利の負担額と借入額を下げる方法です。借入の金額が大きくなればなるほど、審査は厳しくなります。
そこで、そもそもの借り入れ金額を減らすためにも、住宅ローンの申し込み時に頭金を用意する、という方法です。
ただし、住宅の購入時には家具や工事費など、住宅の購入以外にも諸費用がかかるため、それらの費用も想定したうえで頭金を用意する必要があります。
借金を返済しておく
住宅ローンの審査に申し込む前に、クレジットカードやキャッシング、その他ローン・借金に分類されるものは返済し、精算しておきましょう。
借金はローン審査において大きく影響する項目の1つです。借金を残したままだと、ローンの審査の際に落ちる恐れがあります。
過去にクレジットカードやキャッシング、返済の遅延をした場合、それらの情報は信用情報へと保存されています。この信用情報は基本的に5年で消えるため、遅延から5年が経過するのを待ち、ローン審査に申し込むことをおすすめします。
自分の信用情報を知りたい方は、以下の信用機関で問い合わせが可能です。
- 全国銀行個人信用情報センター(KSC)
- 株式会社シー・アイ・シー(CIC)
- 株式会社日本信用情報機構(JICC)
申し込み先の銀行口座を作る
金融機関によって影響度合いは異なりますが、ローンを組む銀行と同じ銀行に口座を持ち、取引実績がある場合はローン審査に好影響を与えることがあります。
申し込み先の銀行口座をつくるか、自分がすでに使用している銀行での住宅ローンの利用を検討するとよいでしょう。
下記の記事では、頭金の目安や頭金なしのメリット・デメリットについて解説しています。こちらもぜひご活用ください。
家を買う頭金はいくら?頭金なしでも家を買える3つの理由
派遣社員でも住宅ローンが借りられる、おすすめの銀行は?
派遣社員の方が住宅ローンの審査を通るために「やるべきこと」をお伝えしましたが、一部の金融機関では派遣社員の方の住宅ローン審査はNGという場合もあります。
以下では、派遣社員の方でも住宅ローンが借りられるおすすめの銀行をご紹介します。
派遣社員でも住宅ローンが借りやすい、おすすめの銀行一覧
まず、派遣社員の方が住宅ローンが借りやすい、おすすめの銀行としては以下のような銀行があります。
銀行名 | 勤続年数などの条件 |
りそな銀行 | 同じ派遣先に1年以上勤務している場合に住宅ローンが認められます。 |
三菱UFJ銀行 | 同じ派遣先に3年以上勤務している場合に住宅ローンが認められます。 |
中央労働金庫 | |
住信SBIネット銀行 | 勤続年数での基準設定は無し。 |
auじぶん銀行 | |
楽天銀行 | |
イオン銀行 | 健康保険・厚生年金保険の被保険者の場合に住宅ローンの利用が可能です。 |
フラット35もおすすめ
上述した通り、派遣社員でも住宅ローンを組めるところは多くあります。
加えて、フラット35という住宅ローンもおすすめです。フラット35は独立行政法人である住宅金融支援機構と民間金融機関が提携して行っている住宅ローンです。
全期間固定金利となっているため、返済額が一定となり、資金計画も立てやすいです。なお、返済期間は15年〜、100万円以上から利用可能、限度額は8,000万円となっています。下記の記事では、2022年最新版の住宅ローン金利相場について解説しています。こちらもぜひお役立てください。
【2022最新】住宅ローンの金利相場や金利推移を徹底解説!計算方法もわかりやすく紹介!
住宅ローンを考える前に、派遣社員が気をつけておくべきこと
これまで、住宅ローンの審査基準、そして派遣社員におすすめの住宅ローンをご紹介してきました。仮に借りられる可能性があったとしても、住宅ローンを組む前に気をつけておくべきポイントがいくつかあります。
- 無理のない返済計画
- 派遣社員として継続して働けるかどうかを調べておく
それぞれについて、具体的に解説します。
事前のシミュレーションで、無理のない返済計画を立てる
派遣社員に限った話ではありませんが、住宅ローンを申し込む際には無理のない返済計画を立てるようにしましょう。
借入限度額ギリギリまで借りてしまうことで、日々の生活に大きな負担となってしまう可能性もあります。
そのため、住宅ローンのような大きなローンを組む際には返済能力の分析が必要です。銀行のWebサイトではローンのシミュレーションが用意されていることがあるので、借入金額や返済期間、金利などの情報を入力し、月々の返済金額を把握しておきましょう。
派遣社員として継続して働けるかを考えておく
上記の返済期間に関連して、派遣社員として継続して働けるのか、今の業種や会社についても調べておきましょう。
会社の業績が良くない、もしくは契約の満了が近いなど、派遣社員として継続した勤務が難しい場合、ローンの返済が可能かどうか、転職などもしやすいのかも検討しておく必要があります。
下記の記事では、データやライフイベントから考える家を買うべきタイミングについて解説しています。こちらもぜひ参考にしてください。
家を買うタイミングはいつ?今が買い時か判断しよう【2022年版】
派遣社員でも住宅ローンは組める!
住宅ローンの審査では安定した収入が長く確保できるかどうかがポイントになります。そこで、年齢や形態、勤続年数、健康状態などは特に重要視されやすい箇所です。
派遣社員の場合、住宅ローンを借りられる金融機関が限られてくることもありますが、一定の勤続年数があり、他の返済履歴なども滞ってなければ借入が可能な場合もあります。
しかし借りられるとは言っても今後のライフプランや返済能力を把握した上で、無理のないローンを組むことが重要です。
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