住宅の購入にあたって住宅ローンを組む際、利息以外にも、融資手数料や事務手数料と多く諸経費がかかることはご存知でしょうか。
そして住宅ローンの保証料もそのひとつです。保証料とは、金融機関などに保証人のような形を取ってもらう制度で万一支払いが滞ったときなどのために支払う費用になります。
本記事では、保証料の払い方の種類や負担を減らすための得策について触れていきます。
住宅ローンを組む際にはこちらの記事も参考にしてください。
住宅ローン返済が大変になる6つの失敗例とは?体験談も紹介
住宅ローンでの保証料とは?
住宅ローンにおける保証料とは、住宅ローンの返済を保証する、保証会社に支払う金額のことです。保証会社に保証料を支払うことで、万が一自分が住宅ローンを払えなかった際、保証会社が住宅ローンの支払いを行うことになります。
ただし、支払い義務が無くなるわけではありません。保証会社によって代位弁済が行われますが、保証会社へと返済する義務があります。
なお、保証会社への返済もされない・できなくなった場合は、裁判所により抵当権を設定した不動産の競売の申し立てが行われ、債権の回収という流れになります。
保証契約をすることで、審査が緩くなる
住宅ローンを組む際には、「保証会社との契約」を条件としている金融機関が多くあります。当然ですが、契約後は保証料を支払う必要があります。
保証会社と契約するメリットとしては、住宅ローンを組む審査が緩くなる傾向にあることです。
住宅を売る側からしても、保証会社との契約さえしていれば住宅ローンの取り立てや、払えなかった場合の共倒れのリスクを回避できるので、厳しく審査をする必要がなくなることが理由として挙げられます。
保証会社は基本選択が不可
基本的に、保証会社をこちら側から指定することはできません。各メガバンクには提携しているグループ会社の保証会社があり、それらの保証会社と契約することになります。
保証人が必要なケースについて詳しく知りたい方は、こちらの記事を参考にしてください。
マンション購入で保証人が必要な3つのケースや対応方法とは?
住宅ローンの保証料の相場
住宅ローンの保証料は厳密には各諸条件によって異なりますが、一般的にはローンの借入金額に「保証料率」をかけて算出されます。
保証料目安としては、おおよそ0%〜2%程度が相場であるといわれており、借入額や金利によっては数十万〜百万単位になることもあるため注意が必要です。
一部のローンでは保証料が0円となっているケースもありますが、そのような場合は代わりに手数料や金利などが上乗せされることが多いです。
また、ローンの借入金額自体は同じであっても、返済期間によっても保証料率は変わってきます。返済期間が長いほど保証料率は低くなり、短いほど高くなるように設定されていることが一般的です。
住宅ローンの保証料が不要なケース
以下からは「フラット35」「融資手数料型」などの住宅ローンの保証料が必要ではないケースについて、詳細を解説します。
保証料を選択した方が安く済む場合もあるため、事前に把握しておきましょう。
フラット35でローンを組んだ場合
フラット35は独立行政法人機関 住宅金融支援機構(旧住宅金融公庫)と提携している金融機関で取り扱いが行われている、全期間固定金利型住宅ローンのことです。
全期間において、固定金利となっているため、金利が上がるリスクがないなどの特徴を持っています。
フラット35は債券化した上で資金調達を行う仕組みになっているため、基本的に保証人の他、保証料も不要となっています。
融資手数料型が用意されている場合
ネット銀行などでは保証料なしでローンを組める場合もあります。ただし、保証料が無くなったからといって、支払い総額が安くなる、というわけではありません。
通常の融資手数料よりも金額が高めに設定された融資手数料型のプランが用意されているケースがほとんどです。融資を受ける銀行を検討する際は、実際に支払いをシミュレーションして、詳細の金額を把握しておく必要があります。
住宅ローンにおける保証料以外の諸経費
住宅ローンでは、保証料の他にも様々な諸経費が必要になります。
代表的なものとして以下のものが挙げられます。
- 融資手数料
- 事務手数料(司法書士への報酬などを含む)
- 仲介手数料
- 火災保険料
- 団体信用生命保険
など
基本的に住宅ローンにおける諸経費は、保証料も含めると、最低でも借入額の約3%ほどの金額がかかります。
例えば2,000万円の借入を行なった際には、別途60万円の費用が必要となる計算です。
住宅購入時にかかる諸費用についてさらに詳しく知りたい場合は、こちらの記事を参考にしてください。
住宅購入にかかる諸費用や費用を抑えるポイントを解説!
住宅ローン保証料の支払い方法・タイプ
保証料の支払い方法には、「一括前払い型」と「金利上乗せ型」の2種類があります。
それぞれどのような支払いの形態か、詳しく解説します。
タイプによって、メリットやデメリット、保証料も変わってくるため、しっかりと参考にしておきましょう。
一括前払い型(外枠方式)
一括で住宅ローンの保証料を支払うタイプです。ローンの支払いに関与しないことから「外枠方式」とも言われます。
保証料を一括で支払うので、後述する金利上乗せ型で分割して払うより返済金が抑えられます。しかし、保証料をまとめて払うことになるので初期費用がかかり、購入者の負担になるというデメリットもあります。
住宅を一括で買えるほどではないが、ある程度資金に余裕がある人におすすめの支払い方法になります。金利上乗せ型(内枠方式)
金利上乗せ型は、住宅ローンの金利に上乗せする形で、保証料を分割で支払う方式のことをいいます。ローンの支払い枠内で支払うため、「内枠方式」とも言われます。
ほとんどの場合で、一括前払い型と比較すると、最終的に支払う保証料の金額は高くなります。
一方、購入時の負担が減ることがメリットとして挙げられます。資金の元手が少なく、初期費用の負担を軽減したい人におすすめの支払い方法です。
住宅ローン保証料の支払い方法を選ぶ際のポイント
住宅ローン保証料の支払方法を選ぶ際に重要なことは、ライフプランを事前に考えておくことです。一括前払いの場合は、毎月の返済額が少額で済むため、貯蓄や資金の積み立てが容易になります。
金利上乗せ型の場合は準備資金が減るため、住宅ローンの借り入れを開始した直後に急な出費が発生しても対応できます。
ライフプランを考え、自分の生活や状況にあった、適切な支払い方式を選びましょう。
特徴 | メリット | デメリット | |
一括前払い型 | 保証金を一括で支払う | 中長期的に資金を貯めやすい | 支払い直後の選択肢が狭まる |
金利上乗せ型 | 保証金を分割で金利に上乗せして支払う | 手元に資金を置ける | 中長期的には負担になる |
タイプによって異なるため注意!保証料の相場は?
住宅ローンの保証料は
- 借入額・借入期間
- ローンの審査
- 一括払い型・金利上乗せ型
- 金融機関
によって変わります。上記で説明した通り、一括前払いか、金利上乗せにするかの決済方法で保証料が変わることが多く、
保証料率の相場は
- 一括前払い型:約2%(平均)
- 金利上乗せ型:金利に約0.2%(平均)を加算
となっており、借入額に各割合を掛けることで求めることができます。
また住宅ローンの返済には
- 元金均等返済方式
- 元利均等返済方式
の2つが存在し、この返済方式によってもそれぞれ保証料は変わります。
このように、様々な要素に応じて保証量は変わってくるため、各銀行などのHPに掲載されている、住宅ローンシミュレーションなどを使用して細かい金額まで把握しておく必要があります。
住宅ローン保証料を安く抑える方法
住宅ローンの保証料はメガバンクなどの銀行では交渉次第で安くなることがあります。他の銀行に比べて保証料が高い場合は交渉に応じてくれる可能性も高いでしょう。
ただし保証料を安くする場合は、再審査が行われ、その銀行との取引実績や預金状況、返済歴はもちろん、収入状況(年収が高く、安定した大企業に一定期間勤めている場合など)などが上がっているなどの条件が必要になります。また頭金などを多く用意しておくことでより交渉は有利になる可能性もあります。
ただし、保証料を安くした分、場合によっては融資手数料が多く見積もられる可能性もあることに注意が必要です。結果的に安くするように交渉しても、諸費用を合計すると変わらない場合もあるのです。
住宅ローンについてプロに相談を検討する際には、こちらの記事を参考にしてください。
住宅ローンの相談は誰にすべき?窓口の種類やタイミングを解説
ケースや条件に応じて保証料は返金されることも
住宅ローンは状況に応じて、返金される場合もあります。以下では返金されるのはどのような時か、また返金される条件や注意点について説明します。
2つの保証料が返金されるケース
住宅ローンの保証料が返金されるケースは以下の2つです。
- 保証料を一括前払い型で支払い、かつ全額繰り上げ返済を行った場合
- 保証料を一括前払い型で支払い、かつ借り換えを行った場合
借り換えとは、今ある住宅ローンから別の住宅ローンに移し替えることです。ただし保証料なしのローンに借り換えたい場合、再度保証料を支払う必要があります。
各金融機関によって条件は変わる
保証料の返金を受けるためには、金融機関によっては各条件を達成する必要がある場合もあります。たとえば埼玉りそな銀行は、
- 借入額1,000万円以上
- 借入期間30年以上
- 経過期間10年以上
- 元利均等返済・一括返済
などといった厳しい条件が設定されており、払い戻される金額も5万円~10万円前後と制限されています。
そのため、住宅ローンを決める際は、保証料が返還されるかも把握しておくと良いでしょう。
また、借り換え返済を行うことも選択肢に入れてローンを組むと、長期的な返済の場合、負担が軽減されることもあります。
最新の住宅ローン金利状況については、こちらの記事も参考にしてください。
【2022最新】住宅ローンの金利相場や金利推移を徹底解説!計算方法もわかりやすく紹介!
住宅ローンの保証料はライフプランとあわせて考える
住宅ローンの保証金は、連帯保証人の代わりになっている保証会社に支払う料金のことです。保証料は金融機関や決済方法によって変わります。
住宅ローンを組む際には保証料の他にも各種保険や融資手数料、仲介手数料などの諸経費もかかってきます。
数十万単位でのお金が必要になるため、ローンを組む際には諸経費も踏まえた資金計画を立てておく必要があります。
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