余った土地を所有しているものの、「活用するべきなのかわからない」「どう活用すればいいのかわからない」という方は多いのではないでしょうか。
余った土地でも、何も活用せず所有しているだけでは、税金や維持費がかかる負債であり、有効活用してこそ意味があります。そのため、余った土地をを収益化して、新たな収入源にできるよう運用方法を検討して、活用したいものです。
そこでこの記事では、田舎や狭い土地など、土地の条件ごとに余った土地の有効活用方法を11個紹介します。
余った土地の有効活用方法11選
- 重層長屋のアパート経営
- トランクルーム経営
- グループホーム経営
- 駐車場経営
- 自動販売機
- 移動販売車
- 看板を設置
- 営農型太陽光発電
- 土地を貸す
- アパート経営
- 売却
また、土地を放置することのリスクやその対策方法も解説していますので、活用方法やリスクを把握して土地活用を始めてみましょう。
土地活用方法でお悩みの際は土地活用ランキングの記事もご覧ください。
余った土地を放置するとどうなる?
ここでは、余った土地を放置するとどうなってしまうのか解説していきます。
固定資産税がかかり続ける
土地を更地のまま放置し続けていると、固定資産税がかかり続けます。固定資産税は、毎年1月1日時点に土地の所有者が支払う義務が生じます。
納付額は、時価の7~8割程度の評価額に1.4%の税率をかけた金額となり、数十万円ほどになることが多いです。
固定資産税を支払わないと、延滞金がかかり、最終的にはその土地が競売にかけられることもあります。
管理や手間に費用がかかる
土地を放置していると、次第に雑草が生え、荒れた状態になります。そのため、所有している土地には定期的に訪れ、手入れを行う必要があります。
土地の手入れには、水撒きや洗浄のための水道代や掃除機、草刈り機などの電気機器の利用に伴う電気代が発生します。
また、自分で管理を行わない場合、管理委託費がかかるため、土地を持っているだけで費用がかかってしまいます。
損害賠償のリスクがある
荒れた土地を放置し続けると、その土地を勝手に駐車場として使われてしまったり、処理に困った粗大ごみを不法投棄されてしまう可能性があります。
加えて、その土地が崖にあり、崖崩れが起こって損害が発生した場合、損害賠償責任を追わなければなりません。
また、空き家が建っている場合、その空き家が老朽化により倒壊し、通行人に怪我をさせてしまっても損害賠償責任があります。
余った土地をどうするべきか
前章で解説したように、土地は放置していると、税金や費用がかかるだけでなく、損害賠償のリスクがあります。そこでここでは、余った土地をどうするのが良いかを解説します。
土地活用を始めて収益化
余った土地では、土地活用を始めるという選択肢があります。土地活用とは、使っていない土地を有効活用して利益を得ることで、アパート経営や駐車場経営、太陽光発電などさまざまな活用法が存在します。
土地活用を始めることで、これまでかかっていた土地の固定資産税を軽減できたり、維持管理費がかからなくなります。
また、土地活用を始めると、常に人が出入りするようになるため、不法投棄や無断駐車のリスクを減らすことができます。
しかし、始める活用法によっては数千万円もの初期費用が必要になることもあるため、立地や需要を調査してから活用法を決める必要があります。
売却
土地活用を始める資金がなかったり、活用するつもりもない場合、土地を売却して現金に変換してしまうのもよいでしょう。
土地を売却してしまえば、これまでかかっていた税金や維持管理費が一切かからなくなります。また、管理や維持の手間もかからなくなります。
加えて、土地を売ると現金が手元に入ってくるため、そのお金を元手に新たな投資を始めることもできます。
ただ、田舎の土地や農地だと希望の価格で売れなかったり、なかなか買い手が見つからない可能性もあります。そのため、土地の売却を考えたら一度不動産会社に相談してみましょう。
第三者に譲渡
土地活用や土地の売却もできない土地なら、第三者に譲渡するという選択肢もあります。
特に狭い土地であれば、隣接地の所有者に交渉するのがよいでしょう。また、余った土地は自治体や法人に寄付することもできます。
法人であれば、一般企業よりも社団法人やNPO法人といった公益法人の方が寄付を受け付けていることが多いです。
ただ、土地は譲渡するだけでも登記費用がかかったり、税金が発生する可能性があることに注意が必要です。
また、余った土地は、土地活用を始めて収益化することをおすすめします。イエウール土地活用では、所有する土地の情報を入力するだけで、最大10社からその土地に最適な土地活用プランを取り寄せることができるため、その中から自分の土地の活用法を決めることが可能となっています。
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変形地の余った土地でできる有効活用法
ここでは、旗竿地のような変形地でも始めることができる有効活用法を紹介します。
- 重層長屋の賃貸住宅経営
- トランクルーム経営
- グループホーム経営
また、土地活用では事前の情報収集が成功か失敗かを分けるカギとなります。土地活用を検討されている方は、失敗例についてもみておくとよいでしょう。
重層長屋のアパート経営
旗竿地のような変形地では、長屋を採用したアパート経営を始めることができます。
長屋は、複数の世帯が一つの建物に集まって住むものという点で共同住宅と違いはありませんが、共用部がないという特徴があります。そして、長屋では各戸が独立した玄関を持っており、この長屋が上下に重なった形状のものを重層長屋といいます。
また、重層長屋は、建築基準法で定められた特殊建築物に該当しないことから、建築に際して厳しい規制を受けません。そのため、変形地でも長屋の建築が容易となっています。
ただ、駅や大学などが近い賃貸需要のあるエリアでないと賃貸経営を始めることは難しくなります。
メリット
重層長屋のアパート経営を始めることで、固定資産税や相続税の節税になります。
固定資産税では、土地の固定資産税評価額が1/6まで軽減されます。また、相続税では、土地の相続税評価額が20%~30%ほど軽減され、条件を満たすと200㎡まで50%も減らすことができます。
デメリット
重曹長屋のアパート経営では、住民同士の騒音問題が発生しやすいというデメリットがあります。騒音問題を放置すると空室につながってしまうため、しっかりと対応していくことが必要です。
また、部屋同士が上下左右に連なっているため、火災発生時に燃え移りやすいというデメリットもあります。もしものときに備えて、火災保険に加入しておくことが大切です。
トランクルーム経営
変形地では、コンテナを建築し、その中のスペースを貸し出すトランクルーム経営も可能です。
トランクルーム経営には、大きく分けて屋外型と屋内型の2種類があり、変形地では屋外型の方がおすすめです。
また、土地の面積が狭い場合や日当たりの悪い土地、駅から離れた土地でも始めることが可能になっています。
メリット
トランクルーム経営は、初期費用が安く、転用しやすいことがメリットとして挙げられます。
荷物を収納するためのコンテナやトランクは、必要数用意しても数百万円以内になることが多く、少額の投資額で始めることができます。
また、トランクルームは解体が簡単であるため、他の活用法に移行しやすい活用法となっています。
デメリット
トランクルームは、借り手が見つかりづらいことがデメリットになります。
特に決まった集客方法がないため、開業してすぐ収益化ということが難しくなっています。
また、駅から離れた土地で始める場合、駐車スペースを設ける必要があることもデメリットになるでしょう。
グループホーム経営
変形地では、グループホーム経営も検討することができます。グループホーム経営とは、障害のある人や高齢者を入居対象とし、専門スタッフから援助を受け、共同生活するための介護施設です。
また、グループホームでは、家族や地域住民との交流が欠かせないことから、近隣に住宅が数軒以上ある土地などの条件が定められています。
メリット
グループホームは、高齢化社会の影響もあり、今後需要の高まる可能性がある活用法です。
そのため、安定した収入を見込めるほか、今後、大きな収益にも期待することができます。また、建築について補助金が使えることもメリットになるでしょう。
デメリット
グループホームの職員は、介護の資格を持っていることが条件になってしまうため、採用のコストが高くなってしまうデメリットがあります。
また、建物自体をバリアフリー対応に設計するため、他のテナントなどを誘致することが難しくなります。
狭小地の余った土地でできる有効活用法
ここでは、狭小地でも始められる土地の有効活用法を紹介します。
- 駐車場経営
- 自動販売機
- 移動販売車
- 看板を設置
駐車場経営
狭小地では、コインパーキングのような駐車場経営を始めることができます。
コインパーキング経営とは、更地にコインパーキングを作って経営し、そのコインパーキングの利用料金が自分の収益になるという活用法です。
駐車スペースに1台あたり2.5m×6.0mの広さを確保できれば経営を始めることができるため、狭い土地でも駐車場経営を始められます。
また、駐車場の需要が見込める地域であれば開業できることから、需要さえあれば田舎の土地でも始められるでしょう。
メリット
駐車場経営は、何といっても始めやすく、初期費用が少ないことがメリットでしょう。
コインパーキングであっても、設置する設備は少ないため、他の活用法に比べて、開業までの費用や期間が少なくなります。また、需要が見込める地域では、安定した収益を期待することができます。
デメリット
駐車場経営は、アパート経営とは違い、固定資産税の節税にはなりません。
これは、月極駐車場でもコインパーキングでも同じで、駐車場経営をしている土地は更地としてみなされてしまうことが原因です。
自動販売機
本当に狭い土地であれば、自動販売機を設置するという方法もあります。
自動販売機を設置する場合、土地を貸して始めるパターンと自動販売機を購入して設置するパターンがあります。
また、一般的な自動販売機のサイズは高さ180㎝、奥行きが90㎝となっているため、これを設置できない土地はどんな活用法も難しいでしょう。
メリット
自動販売機を設置すると、手間をかけず、収入を得ることができます。収益の計算やドリンクの補充は、業者に依頼することができるため、自分ではほとんど管理することはありません。
デメリット
自動販売機を設置するだけでは、税金対策にもならず、あまり収益に期待できないことがデメリットになります。
自動販売機の収益は、多くても数千円から数万円となっているため、あまり多くの利益を見込めません。また、月々の電気代もかかるため、収支がマイナスになってしまうこともあります。
移動販売車
最近では、移動販売車の出店スペースとして土地を貸し出すという方法もあります。
空いているスペースにキッチンカーなどを止め、そこで発生した収益の数パーセントをもらうという収益モデルになっています。
キッチンカーの種類によっては、電気や水道を引き込む必要があるものもあるため、注意が必要です。
この移動販売車に土地を貸し出すという方法は、栄えた都市のオフィス街でおすすめです。
メリット
移動販売車にスペースを提供する方法は、ただ土地を貸しているだけなので、初期費用が一切かかりません。他の活用法では、数百万円から数億円までかかるものもあるため、費用がかからないことはメリットになります。
デメリット
移動販売車にスペースを提供する方法は、短期間の契約になることが多いため、長期的に利益を見込めないことがデメリットになります。そのため、長期的に利益を得たいと考えている人にはあまりおすすめできない活用法となっています。
看板を設置
道路沿いの狭小地では、野立て看板を設置するという方法もあります。
この活用法は、企業に広告や看板を設置するためのスペースを貸し出すことで利益を生み出すという仕組みとなっています。
車通りの多い地域あれば、田舎の道路沿いであったとしても始めることができるため、狭い土地ではおすすめの活用法です。
メリット
企業と契約を結んで始めるため、安定した収益を見込めることがメリットになります。企業の売り上げに左右されることも少ないことから、一気に収益が減ることがありません。
デメリット
看板を設置するという活用法は、どうしても設置して放置されることが多いため、いたずらされたり、破壊されたりしてしまうこともあります。また、通行の妨害にならないように設置しないと、クレームの原因になってしまうことにも注意が必要です。
また、所有する土地でどのような土地活用種別が良いのか迷ったときは複数の土地活用プランを一括請求・比較できるサービスを使うことをお勧めします。イエウール土地活用なら、複数のプランを比較して収益性の高い土地活用方法を見つけることができます。
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農地の余った土地でできる有効活用法
ここでは、農地でも始められる土地の有効活用法を紹介します。
- 営農型太陽光発電
- 土地を貸す
営農型太陽光発電
営農型太陽光発電は、太陽光発電をしながら、発電した電気をそのまま農業に活かすという方法です。
最近では、農作業を手助けしてくれるような機械も発明されているため、この電気を利用して農業を続けるという方法もおすすめです。また、余剰に発電した電気は電力会社に買い取ってもらうことも可能となっています。
メリット
営農型太陽光発電をすることで、電気代の節約になります。農業をするのにも多くの電気が必要なため、自分で電気を発電することができれば、作物の販売収入も増加させられます。
デメリット
営農型太陽光発電のために、多くの設備が必要になるため、導入に多くの費用が必要になります。また、日当たりの悪い土地だと発電自体が困難になるため、立地に注意が必要です。
土地を貸す
農地を有効活用する方法の中には、農業を始めたい人や企業に土地を貸すという方法もあります。
農地を貸したい場合、農地収益バンクを利用することで、農地を借りたい人や企業とマッチングすることができます。
農地を貸す場合でも、借地事業となるため、毎月安定した収入を得ることが可能になります。
メリット
農地を貸し出すと安定した収益をることができるため、固定資産税の支払いに充てることができます。休耕地や耕作放棄地として固定資産税がひたすらかかるだけの農地とするより、収益性は低いものの、貸し出して収益化してしまう方がよいでしょう。
また、土地さえあれば費用をかけずに土地活用できることもメリットです。
デメリット
農地を貸し出すとはいっても、借り手が見つからなければ収益を得ることができません。また、農地を貸し出す場合は、農業委員会に申請をして許可をもらう必要があることに注意が必要です。
車の入れない余った土地でできる有効活用法
ここでは、車の入れないでも始められる土地の有効活用法を紹介します。
- アパート経営
- 売却
アパート経営
車の通れないような土地ではセットバックをすることでアパート経営を始めることができます。
セットバックとは、道路と土地の境界線から間口を後退させることで、土地が幅員4m未満の道路に接している場合、道路の中心から2m離れた位置を間口とすることによりアパートを建てられるようになります。
賃貸需要がある土地なのに、接道条件でアパート経営を始められない場合、はセットバックを検討しましょう。
また、他にも土地には様々な規制があるので注意しましょう。
メリット
アパート経営では、1章でも解説した通り、固定資産税や相続税の節税になります。加えて、アパート経営には高い収益性を期待することもできます。
デメリット
アパート経営では、多くの初期費用がかかるほか、セットバックをすることで、規模の小さい建物しか建築できなくなってしまいます。また、セットバックで確保した部分は公共道路として扱われるため、自由に活用できないことがデメリットになります。
売却
建築や解体のための車が通れないような土地では、売却も視野に入れてもよいでしょう。ただ、周辺環境やその土地の特徴によって、土地の値段は変わってくるため、事前に希望の価格で売れるのか確認しておきましょう。
メリット
土地を売却することで、現金に換金することができることがメリットになります。また、土地の管理や手間がなくなることもメリットでしょう。
デメリット
土地の売却には、仲介手数料や譲渡所得税といった費用がかかります。そのため、売却金額がすべて手元に届くわけではないことに注意が必要です。
余った土地を有効活用するならプロのアドバイスを
本記事でご紹介した通り、余った土地はさまざまな方法で有効活用することができます。
どのような活用方法でも、その土地に見合った活用を行わなければ、収益が発生しないどころか、投資額を回収できない事態にもなりかねません。
そのため、まず土地の周辺環境や用途地域の確認、土地面積からさまざまな要素を分析することが重要です。
もし、余った土地の活用方法に悩まれているのであれば、イエウール土地活用から、大手ハウスメーカーや建設会社に聞いてみることをお勧めします。土地活用のプロからアドバイスをもらい、余った土地の有効活用を成功させましょう。
記事のおさらい