【土地や建物の相続の手引き】遺産分割・相続放棄・遺言書の扱いについて解説

【土地や建物の相続の手引き】遺産分割・相続放棄・遺言書の扱いについて解説

土地や建物の相続は、遺産管理の中でも特に注意を要する領域です。

土地や建物の相続を検討していて、お困りの方の中には以下のような悩みを抱えているのではないでしょうか。

こんな悩みの人にピッタリ
  • 不動産を相続する流れってどうなっているんだろう?時間はどのくらいかかるのか?
  • そもそも遺産ってどのように分割するの?
  • 法定相続人は誰がるのか?ルールはあるのか?
  • 遺言書の取り扱いどうすればいい?
  • 相続放棄をするとどうなる?
土地と建物を相続を検討している際は、相続手続きは複雑になる場合もあるため、全体の流れやポイントを把握しておくことが大切です。また、土地や建物の相続には、費用がかかります。

この記事では、土地や建物の相続について全体像を把握するために不動産相続の基礎知識や法定相続人と相続分、遺言書の取り扱い、相続放棄、遺産分割方法について解説します。

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土地と建物を相続するときの流れ

土地と建物を相続するときの大まかな流れは、以上の通りです。
全体の流れを把握して、相続手続きとしてどのようなことを行うのかを知っておきましょう。

STEP1:遺言書の有無を確認する

資産の所有者が死亡したなら、死亡から7日以内に市区町村の役場に死亡届を提出します。

死亡届を速やかに提出した後は、遺言書の有無を確認しておきましょう。法的に認められる遺言書が残っている場合は、その内容に従って相続を行います。

遺言書がない場合は、法定相続人が相続を行います。遺言書の有無によって相続のやり方が異なるため、必ず確認しておくことが大切です。

STEP2:相続人を確定する

遺言書が残っていない場合は、法律の定めに従って相続人を確定します。相続人となるのは、被相続人の配偶者や子供、孫などです。

また、子供や孫の次の順位として父母や祖父母、さらに次の順位で兄弟姉妹や甥や姪などです。誰が遺産を相続できるかは、戸籍謄本を取り寄せて、故人との関係を確認しておきましょう。

第1順位直系卑属(子ども、孫など)
第2順位直系尊属(親、祖父母など)
第3順位兄弟姉妹

STEP3:遺産や債務を確認する

相続人を確定させたら、被相続人の財産を特定して財産目録を作成します。

正味の遺産には、土地や家屋のほか、現金、預貯金、有価証券、宝石、貸付金、特許権、著作権など、金銭に替えられるすべての財産が含まれます。

土地や建物といった不動産が相続財産にあるかどうかは、市区町村から届く固定資産税の納税通知書を確認しましょう。

また、被相続人に借金やローンといった負の遺産がある場合も相続財産になります。

STEP4:相続放棄・限定承認

相続人と財産が洗い出せたら、それらの財産を相続するのか、それとも放棄するのかを決定します。

相続放棄の期限が相続開始があったことを知った日から3ヶ月以内です。
もし相続放棄をするのであれば、その相続人は最初から相続人でなかったことになるため、次順位の相続人が出てくることもあります。

また、被相続人の負の財産が大きい場合、相続によって得た積極財産(プラスの財産)の範囲内でのみ被相続人の債務および遺贈を弁済するという留保付きで相続する限定承認をすることもできます。

STEP5:遺産分割協議を行う

相続をすることが決まり、相続人が確定したら、どのような方法で遺産を分配するのかを相続人全員で話し合う遺産分割協議を行います。

土地と建物で不動産がわかれているなら、土地を相続人Aが、建物を相続人Bが相続するといったように、相続人同士でわけることが可能です。

また、金銭が残っている場合は、誰にいくら分配するのか話し合って決める必要があります。
分配方法や内容は、遺産分割協議書を作成し、相続人全員が署名して決めましょう

もし遺産分割で揉める場合は、弁護士などの専門家に相談して、紛争を解決してもらいます。

STEP6:相続に必要な書類を集める

無事、遺産をどう分割するのか決まったら、相続登記をするために書類を集めていきます。

特に、戸籍謄本と印鑑登録証明書は相続人全員分が必要です。
また、被相続人の戸籍謄本は、本籍が記載されているものを用意しましょう。

各種書類は自身で取得するだけではなく、司法書士に依頼して集めてもらうことも可能です。
ただし、司法書士に書類の取得から相続登記の申請まで代行してもらうと、高額な報酬が発生することは覚えておきましょう。

STEP7:法務局で相続登記の手続きを行う

必要書類を集めたなら、相続する不動産を管轄する法務局にて、相続登記の手続きを行います。
手続きを終え、後日完了通知が届いたなら、再度不動産の登記事項証明書を取得して、相続登記ができているかを確認しましょう。

相続登記の手続きは自分で行うだけではなく、司法書士に依頼して代行してもらうことも可能です。

STEP8:相続税を申告・納付する

相続する財産が確定したなら、相続した財産額に応じて相続税を支払います。
相続税は申告が必要であり、被相続人が死亡した翌日から10ヶ月以内に申告をしなければなりません。

申告期限を過ぎると、追徴課税の対象となるため、必ず期限内に手続きを行いましょう。
相続税の申告書の作成や申告は、税理士に依頼できます。申告後は課税額を金融機関や税務署、コンビニなどで納付します。

土地と建物を相続する際の法定相続人と相続分

遺言書がない場合、法律の定める法定相続人とそれに基づいた相続分で遺産を分割します。
ここでは、法定相続人の範囲と相続分について解説します。

法定相続人の範囲

亡くなった人の遺産を相続できる人は法律によって定められています。

民法によって定められた遺産を相続する権利を持つ人のことを法定相続人と言います。
法定相続人になれる人は、亡くなった人の配偶者と子供、両親、兄弟姉妹です。

第1順位直系卑属(子ども、孫など)
第2順位直系尊属(親、祖父母など)
第3順位兄弟姉妹

また、法定相続人の中でも順位が定められており、先の順位の人がいれば、後の順位の人は相続人になれません。

たとえば、亡くなった人に配偶者と子供がいる場合、その父母や兄弟姉妹は相続人になることはできません。

法定相続分

法定相続人と法定そ族分の関係は以下のようになっています。

法定相続人法定相続分
配偶者と子配偶者 1/2子1/2
配偶者と直系尊属配偶者 2/3直系尊属 1/3
配偶者と兄弟姉妹配偶者 3/4兄弟姉妹 1/4

また、相続順位や法定相続分を考慮すると、家族構成と配分との関係は以下のようになります。

家族構成配偶者直系尊属兄弟姉妹
配偶者だけ全て
子だけ全て
両親だけ全て
兄弟姉妹だけ全て
配偶者と子1/21/2
配偶者と被相続人の直系尊属2/31/3
配偶者と被相続人の兄弟姉妹3/41/4

もし、子供や兄弟姉妹に相続人が2人以上いる場合、その中で等分することになります。


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賃貸経営や駐車場経営など土地活用の方法について考え始めたら、早い段階で信頼できるパートナーを見つけることをお勧めします。

それはハウスメーカーの営業担当だったり、税理士だったりするでしょう。相続税対策として何が最適なのか、いろいろな立場の人から話を聞くことが重要です。

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土地の共有と代償分割

土地の分割が厳しい場合、複数の相続人が土地を共有する方法があります。この場合、各相続人は土地の所有権の一部を持ち、その割合は相続分に応じて決まります。

2つ目の方法に「代償分割」があります。代償分割とは、一部の相続人が土地を相続し、他の相続人にはその価値に相当する金銭や他の財産を分配する方法です。

相続における遺言書の扱い

土地や建物を相続する際には、遺言書を確認する必要があります。相続に有効な遺言書は以下の3つになります。

  • 自筆証書遺言
  • 公正証書遺言
  • 秘密証書遺言
それではひとつずつ確認していきましょう。

自筆証書遺言

自筆証書遺言は、遺言者が自ら作成する遺言書の形式です。

自分で作成するため、相続時に無効になる可能性があり、法務局にない場合は開封に検認が必要になります。

また、自筆証書遺言の保管は実家の書斎や貸金庫、弁護士に預けている方法でも、遺言書保管制度を利用して法務局に預けることもできます。

公正証書遺言

公正証書遺言は、公証人に依頼して公証役場で作成する遺言書の形式です。

公正証書遺言の作成には証人が2人必要となっています。公証役場で作成している遺言書のため、開封に検認は必要ありません。

また、公正証書遺言は公証役場で作成し、そのまま公証役場で保管されます。

秘密証書遺言

秘密証書遺言は、内容を誰にも知られたくないときに採用する遺言書の形式です。

公証役場に遺言書の存在のみを公証してもらいます。

ただ、秘密証書遺言を開封するために家庭裁判所に検認を依頼しなければなりません。

また、秘密証書遺言は実家の書斎や貸金庫等で保管します。

土地と建物の相続放棄

土地と建物を相続する場合、相続放棄という選択肢もあります。
ここでは、相続放棄ができるか条件と、相続放棄するメリット・デメリットについて解説します。

土地と建物は相続放棄できる?

相続放棄とは、相続権を持つ法定相続人が、被相続人の残した財産の一切の相続を拒否することです。

「一切の相続を拒否する」ということは、相続財産のなかのプラスの財産とマイナスの財産の両方を一切受け取らないことを意味します。

そのため、遺言書に名前が記載されていたり、法定相続人に指定されていたとしても、相続放棄の申し立てを行うことで土地や建物を相続放棄することができます。

ただ、相続放棄にはメリットとデメリットがあるため、その両方をしっかりと確認しておく必要があります。

相続放棄するメリット

土地や建物を相続放棄すると、今後発生する固定資産税や維持費がかからないことがメリットです。

また、土地や建物以外にも巨額の借金などの財産があったときにも、その負債を背負う必要がなくなるため、相続人が不利益を被ることがなくなります。

加えて、相続放棄することで遺産分割などの相続人同士の争いに巻き込まれることがなくなることもメリットでしょう。

相続放棄するデメリット

相続放棄のデメリットは、財産調査を十分に行っていない段階で相続放棄すると損をしてしまう可能性があることです。

相続放棄手続きを申請し認められた場合、最初から相続人でなかったということになります。
そのため、相続したくない土地建物などの不動産だけでなく、その他預貯金等の財産についても相続することはできなくなります。

また、相続放棄をすることで相続人が変わってしまうこともあり、相続放棄によってマイナスの財産が移行するため、他の相続人にしわ寄せがいくこともあります。

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土地や建物を相続する方法

相続財産は必ずしも相続人で均等に分けられる訳ではありません。
ここでは、相続財産を分割する方法を4つ解説します。

  • 現物分割
  • 換価分割
  • 代償分割
  • 共有
それではひとつずつ確認していきましょう。

現物分割

現物分割とは不動産などの財産を「そのまま相続する」分け方です。

たとえば、長男が土地や建物の不動産を、次男が自動車や宝石を、長女が株式を相続するように財産をそのまま分ける方法になります。
土地が広い場合、分筆して法定相続人が取得するのも現物分割です。

現物分割は、基本的に「誰か1人が対象の遺産を引き継ぐだけ」なので手続きが簡単になります。
ただ、ひとつの対象を誰か1人が相続することから、相続人の間で不公平になりやすいです。

そのため、分割しにくい財産や不公平になりそうな場合は弁護士に相談するとよいでしょう。

換価分割

換価分割とは、不動産や土地などの現物として残された相続財産をお金に「換金」し、その「価値」に応じて、相続人の間で分割する方法のことです。

換価分割は、特に相続財産の中に、相続人の全員が取得を希望しない財産がある場合に採用されます。

不動産などの相続財産を一度現金化してしまうことから、相続人同士で明確に遺産分割をすることができます。
そのため、トラブルになりにくく、最初から現金化を考えている場合、手数料が省け、税金対策になります。

ただ、不動産や株式等を手放さなければならないことや、売却に手間や費用がかかることがデメリットになるでしょう。

代償分割

代償分割とは、遺産の分割に当たって共同相続人などのうちの1人または数人に相続財産を現物で取得させ、その現物を取得した人が他の共同相続人などに対して債務を負担する方法です。

代償分割は、実家などの不動産など現物で分割することが難しい相続財産や、特定の相続人に遺産を相続させる必要性がある場合に採用されます。

不動産などの分割が難しい財産を簡単に相続できるというメリットがある反面、相続人に代償金額を支払うだけの相応の資金力が必要になります。

詳しい計算方法は、国税庁のホームページをご覧ください。

共有

分割方法とは言い難いですが、分割を先送りにして相続財産を共有するという方法もあります。

共有で相続財産を保有するため、不公平さを無くすことができますが、財産分割の問題を抜本的に解決するものではありません。

後々のトラブルの原因ともなり得ますので極力、共有分割は避けた方がよいといえます。

「今持っている不動産を現金化したい」という方は、売却という形で手放すという選択肢もあります。一括査定サイト「イエウール」を使えば、無料で最大6社から査定を受けられるので高く売ってくれそうな会社が分かります。

土地や建物を相続する流れについて把握しておこう

土地や建物を相続する場合は、全体の流れを把握しておくことが大切です。相続のためにどのような準備、手続きがいるのかを理解しておくと、スムーズに相続を完了させられます。

相続時にはさまざまなシーンで費用がかかるため、資金を準備しておく必要があります。全体の流れと相続に必要な資金を用意して、滞りなく土地や建物の相続を終えましょう。

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