土地活用における利回りって?計算方法や種類など基礎を解説します

土地活用における利回りって?計算方法や種類など基礎を解説します

利回りについての知識は土地活用を成功させるために欠かせないものです。土地活用における利回りは、活用方法の収益性を表します。しかし、計算方法や業者によってその利回り数値は大きく異なります。

土地活用での大事な要素である収益性について正しく把握するには、利回りに対する理解が欠かせません。利回りの表記にはあいまいなところもあり、業者が提示している数値が正確なのかについては慎重に判断する必要があります。

本記事では、土地活用における利回りの種類やその計算方法、利回りで騙されないために必要なことについて詳しく解説していますので、土地活用を検討されている方の参考となれば幸いです。

先読み!この記事の結論
  • 利回りとは?
  • 土地活用における利回りとは?
  • 土地活用方法別の利回り相場

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土地の有無
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土地活用について詳しくは、以下の記事をご確認ください。

【2024年最新】27つの土地活用方法を一挙解説!あなたにぴったりの方法が見つかります

利回りとは?

利回りとは簡単に言うと、投資にかかった金額に対する利益の割合のことです。株式の配当や投資信託など、保有することで得られる利息のような利益だけではなく、売却時に得られる利益も含まれます

利回りは1年間の収益の割合で計算されることが一般的で、投資を検討しているならば、年間の利回りは投資先を選ぶ際にとても重要な判断材料となります。

計算方法

投資を考えている場合、利回りは自分で計算できるようにしておくべきです。利回りは以下の式によって算出することができます。

年利=(投資による儲け−支出)÷元金÷運用年数×100

投資による支出には購入手数料、投資信託であれば信託報酬などが該当します。利益からこれらのコストを差し引き、投資金と運用年数で割ることによって年間の利回りを求めることが可能です。

例えば、コストを差し引いた収益が600万円、投資元本が600万円(月5万円で運用年数が10年)の場合、利回りは以下のように計算できます。

年利=600万円÷600万円÷10年×100
  =10%

投資の利益には税金がかかるもので、課税方法は投資商品によって異なります。ただしiDeCoやつみたてNISAのように、一定金額内の投資で得た利益に対する課税を非課税にする制度もあります。投資の利益に対して課税がある場合、実質利回りの計算時に利益から税金を差し引くようにしましょう。

利率との違い

利回りとは投資金額に対する利息を含めた年間収益の割合のことで、利率とは債券の額面金額に対して毎年受け取る利息の割合のことです。

利回りは土地活用や不動産投資で多く使われ、高いほど投資資金を回収できるまでの期間が短くなるものです。例えば、利回りが10%の場合は1年間で1割の資金を回収できることになり、初期投資を回収するまでに10年かかる計算になります。

利率は債券や投資信託など金融商品で用いられる言葉で、金融商品の額面金額に対して利子が何%つくかという意味です。例えば、100万円で利率3%の商品を購入すると、1年後には103万円になります。

土地活用においての利回りとは

土地活用における利回りには2種類ある
土地活用における利回りとは、土地活用により将来的にどれほどの利益を得ることができるか、ということを表した利益の割合のことです。

土地活用を考えるとき、収益性を確認する上では利回りについての理解が欠かせません。そのため本章では、土地活用における利回りについて知っておくべき基礎知識を紹介しています。

利回りは立地によって決まる

土地活用の利回りは立地によって決まるといっても過言ではありません

どの土地活用を行うかによって適した立地は変わります。しかし、一般的には都心部や駅前など人や車通りの多い地域が有利であるケースが多いことは確かです。

例えば、アパート経営などの賃貸住宅経営は賃貸重要の強い駅前で行うことによって、より高い利回りを確保しやすくなります。土地活用の利回りについて理解すると同時に、利回りに大きな影響を与える立地についても確認しておくと安心です。

利回りは周辺ニーズ次第

当たり前ですが、大半の土地活用は利用者がいなければ収益を生み出すことができません。言い換えると、その地域にニーズがない土地活用は利回りを期待できないということになります。

例えば、都心部では車通りの割に駐車スペースが不足しているエリアが多くあります。このような地域で駐車場経営を始めれば、高い利回りを期待できます。このように、土地活用を検討する前には土地周辺にありそうなニーズの調査を行っておくとよいです。ニーズにあてた土地活用を行うことによって、より高利回りで経営を行うことも可能です。

ニーズ調査では、土地活用の相談先であるハウスメーカー工務店土地活用の専門会社などに相談すると、その地域に関する情報を共有することができます。

土地活用の相談はまず不動産会社にしよう!相談先を選ぶポイントも紹介!

利回りは不変ではない

土地活用で示される利回りも、1年あたりの収支をもとに計算されます。しかし、土地活用では数十年単位で経営をしていくこともあり、最初の1年間の数字もとに収益性を判断することは危険です。常に初期の利回りを維持できることはないため、常に最新の利回りを確認するようにしておくことをおすすめします。

また、土地活用は環境の変化やオーナーの経済状況などで利回りが大きく左右されるため、収益性の判断にあたっては最低でも5年以上を想定し考えることが大切です。できれば、10年間の利回りを想定しておくと現実的な見通しができます。

アパート経営を例とすると、築年数や周辺の環境の変化などによって空室リスクが高くなります。空室リスクを回避するためには、修繕費や家賃の減額を検討する必要もありますが、こうしたことが利回りを低くする原因となってしまいます。加えて、変動金利でローンを組んでいると、場合によっては返済額が多くなり利回りに影響が出る可能性もあります。

高く見せている可能性がある

土地活用をする際に、紹介企業や不動産屋が利回りを計算して提示していると思いますが、この利回りを鵜呑みにすることは避けましょう。

投資物件を魅力的に見せるために、企業や会社が利回りが良くなるように計算している可能性もあります。また、実質利回りではなく表面利回りだけで利回りが良いと言っているケースもあります。

そのため、利回りを確認する際はその計算方法や含まれている条件について担当者に説明を求めるようにしておくと安心です。表面利回りはいくらになるか、初期費用や予想される収益から自分で計算することもおすすめです。

高利回りには注意が必要

高利回りの物件に出会ったら、どうして利回りが高くなるのか確認すべきです。不動産会社から提示される利回りはアパートやマンションの場合、満室時想定利回りであることが多いため、自分で現実的な入居率を考慮して計算することが大切です。

実際に土地活用を行ったとしても、想定通りの利回りになるとは限りません。ここでは、思いアパート経営などの賃貸住宅経営において、利回りが低くなる、また高くなる条件をご紹介します。

利回りが低くなる条件利回りが高くなる条件
エリア・立地都心部で駅から近い郊外で駅から遠い
用途商業ビル、オフィス住居、倉庫
シーズン低金利時・土地価格が高い時期高金利時・土地価格が安い時期
貸し方雑居ビル式(マルチテナント)一棟貸し
築年数新しい古い
建物構造鉄筋コンクリート造木造
所有形態単独所有共有

オートロックや新築、駅地下など理想的な設備や立地であればあるほど、建築費や設備費は上がり利回りは低くなります。設備投資等を節約して初期費用を抑え、利回りを高くする方法もあります。

しかし、ニーズに適した居住環境などでないと競争力の確保が難しくなり、空室リスクも高まります。そのため、継続的に利用者を見込めるような対策が必要でしょう。

また、通常利回りの高い物件は競争率が高くすぐに買い取られます。つまり、利回りが高いのにもかかわらずに売れ残っている物件はそれなりの理由があり、投資するにはリスクの高い物件である可能性があります。

予算も利回りに影響する

利回りは、用意する予算にも左右されます。通常、土地活用においてローンを組む際の自己資金比率は最低でも1割です。利回りを高めるには、3割以上は確保しておきたいところです。

ローンによる返済額が大きくなる分、利回りは悪化します。そのため、採算が合うかどうかについては、用意できる予算と照らし合わせることも大切です。

自己資金ゼロで土地活用を始めるフルローンも可能ですが、リスクが高いため自己資金は必ず用意してから始めることをおすすめします。


以下は、アパート経営をフルローンで始めるケースを解説した記事です。他の土地活用でも参考となりますので、フルローンを検討される方はぜひご覧ください。

フルローンのアパート経営って成功できるの?|メリット・デメリットやポイントを解説

土地活用における利回りは2種類ある。

土地活用における利回りには2種類あり、それぞれ異なる計算式をもとに計算されています。

表面利回り

表面利回りとは、かかった費用に対する1年間の収益の割合を示す利回りです。

表面利回りの計算式は以下の通りです。

表面利回り = 1年間の家賃収入 ÷ 不動産の購入価格 × 100

土地活用を相談する段階や具体的なプランの作成までは、この表面利回りをみてその活用法の収益性を確認することになります。

表面利回りは、計算に必要な数字が限られていることから土地活用を開始する前段階においてすぐに利回りを算出することができます。しかし、計算には維持管理費などの諸経費は考慮されずに計算されます。そのため、表面利回りは活用を行う前の目安として参考程度にとどめておく必要があります。

実質利回り

 
実質利回りとは、かかった費用に対する1年間の収益から、諸経費を引いた割合を示す利回りです。

実質利回りの計算式は以下の通りです。

実質利回り = (1年間の満室家賃収入 - 1年間の維持管理経費) ÷ (不動産の購入価格+不動産の購入にかかる諸経費) × 100

実質利回りは、表面利回りより現実に近い利回りを知ることができますが、活用にかかる維持管理費や諸経費の把握が難しく土地活用を始める前に確認することはできないといってもよいでしょう。

そのため、基本的に実質利回りは土地活用を始めた後で経営状況を把握するために求めることになります。

また、NOI利回りというものもあります。NOIはNet Operating Incomeの略であり、年間収益から経費を引いた値のことをいいます。そして、それを投資額で割った値のことをNOI利回りと言います。したがって、NOI利回りと実質利回りは同義です。

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土地活用を始めたいと思っても、どの方法が良いのかわからず悩んでしまう、ということもあるでしょう。この診断では3つの質問に答えるだけで、あなたの土地に合わせた活用方法をランキング形式で紹介します。

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土地活用の利回り相場

土地活用方法ごとの利回り相場
土地活用の利回り相場(平均)は、表面利回りが6%~7%で、実質利回りが4%~6%です。例えば、1億円の投資をした場合の年間収入は600万円~700万円となり、諸経費を差し引いて残る額は400万円~600万円となります。加えて、土地活用の実質利回りは10%を超えることが理想です。

ただし、所有する土地の地域特性や活用の方法によって大きな幅があることは頭に入れておきましょう。また、利回りを高く見せる業者がいる可能性もある、ということは既にご紹介した通りです。そのため、それぞれの土地活用の利回りが一般的にどのくらいとなるのかを知っておくことで、騙される不安もなくなります。

ここでは、6つの土地活用方法の表面利回りの相場や最低ラインなどをご紹介したいと思います。

アパート・マンション経営の利回り相場

アパートやマンション経営の表面利回り相場は6~8%ほどで、実質利回りは4%~7%が理想です。土地を所有している場合は土地代が必要ないことから高利回りを実現できる可能性が高いです。

家賃相場の高いエリアに所有する土地がある場合、より高い利回りを期待することができます。逆に家賃相場の低いエリアやニーズの低い場所では利回りはあまり期待できないでしょう。

例として以下の条件でアパート経営を始めた場合の利回りを求めてみます。

  • 建築費+諸経費:1億円
  • 家賃収入:10万円
  • 戸数:6個
  • 年間の諸経費:300万円
  • 入居率:95%
実質利回り=(10万円×6戸×12ヶ月×95%)÷1億円×100
     =6.84%

計算の結果実質利回りが6.84%となったため、上記の条件のアパート経営は土地活用方法として適していると言えます。

因みに、アパート経営・マンション経営における最低利回りラインは3%です。3%以下を下回る経営では、採算が合わない危険性があります。


アパート経営の利回りについて詳しく知りたい方は、以下の記事をご覧ください。

アパート経営の利回りを基礎から解説!理想や最低ラインの目安も紹介します

駐車場経営の利回り相場

駐車場経営は初期用を抑えて始めることができる土地活用方法として有名で、利用者と月単位の契約を結ぶ月極駐車場と、時間制のコインランドリー経営の2種類があります。

駐車場経営の表面利回り相場は、月極駐車場で5%~15%、コインパーキングで15%~30%ほどであることが多いです。特に、駅前や観光地など車の入れ替えが激しい場所でのコインパーキング経営は土地活用のなかでも高利回りを確保しやすいといえます。月極駐車場では、月単位の契約であることから利回りが安定しやすいです。

駐車場経営で高利回りを狙える理由は、初期費用の低さが挙げられます。駐車場経営にかかる費用としては、土地の造成費用やコインパーキングの機会の導入費用ぐらいでしょう。下記の条件の場合の駐車場経営の利回りについて求めます。

  • 月極駐車場
  • 月額賃料:4万円
  • 駐車スペース:8台
  • 空室率20%
  • ランニングコスト:30万円
  • 初期費用合計:900万円
実質利回り=(4万円×8台×12ヶ月×80%)÷(900万円+30万円)×100
     =33%

上記の条件の場合の実質利回りは33%ですが、駐車スペースなどの立地条件が利回りに大きく影響することはわかると思います。所有する土地が駐車場経営に向いているのか、需要があるのかといったことを見極めることが大切です。

因みに、駐車場経営における利回りの最低ラインは、月極・コインパーキング問わず5%です。


駐車場経営の利回りについて詳しく知りたい方は、以下の記事をご覧ください。

駐車場経営の気になる疑問に答えます!基礎知識から高収入のコツまで紹介

戸建て賃貸経営の利回り相場

戸建て賃貸経営の表面利回り相場は、一般的に5~6%であることが多いです。利回りの最低ラインでいえば、戸建て賃貸経営も、アパート・マンション経営と同じく3%です。

戸建ての場合は建築費や維持管理費においてアパート・マンション経営よりも安くすることができるため、利回りを向上させやすいという特徴があります。新築の戸建ての場合では10%が理想といえるでしょう。

ただし、戸建て賃貸経営の場合は戸数が1しかないため空室が出ている限り収益は得られません。入居希望者にはファミリー層が多いことから長期契約となりやすいですが、空室となった途端に利回りが急激に少なくなりますので、空室になっている期間を最小限にとどめておく必要があります。


戸建て賃貸経営の利回りについて詳しく知りたい方は、以下の記事をご覧ください。

戸建賃貸経営は儲からない?借り手がつかない物件の特徴についても紹介します

トランクルーム経営の利回り相場

トランクルーム経営とは、屋内外に設置したコンテナやスペースを貸し出しその賃料で収益を得る土地活用です。トランクルーム経営の表面利回り相場は、およそ15~25%ほどです。

土地活用のなかでも比較的高利回りを目指しやすいトランクルーム経営ですが、収益性に関しては1基あたり月に数千円程度が相場です。そのため、ローリスク・ローリターンの土地活用方法といえます。

トランクルーム経営における利回りの最低ラインは10%です。


トランクルーム経営について詳しくは、以下の記事をご覧ください。

トランクルーム経営で失敗しないためには?対策方法は簡単です

太陽光発電の利回り相場

太陽光発電は、太陽光パネルで発電した電力を電力会社へ売ることで収益を得る土地活用です。太陽光発電の利回り相場は、平均して10%前後です。

土地活用として行う太陽光発電経営では100坪以上の土地が望ましく、また高収益を狙うことができます。また、一日を通して太陽光の陰りが少ない土地が適しているため、田舎での土地活用として検討する方が多くいます

太陽光発電における利回りの最低ラインは5%です。


太陽光発電について詳しく知りたい方は、以下の記事をご覧ください。

太陽光発電は田舎の土地活用に最適?|2つの経営方式も解説

土地活用は利回りについて理解してから始めよう

土地活用の利回り

利回りを正しく理解すれば、土地活用方法を選ぶときだけでなく、その後の経営や不動産売却時も有利に進められます。土地活用ごとの利回りの平均や相場感を把握しておくことも、今後の投資活動には欠かせません。また、利回りを過信せず、その背景にある事情を十分吟味することも必要です。正しい知識をもとに理想の土地活用選びができれば、その後の経営はもちろん、売却活動でも確かな成果を上げられるでしょう。

また、利回りに振り回されないだけの知識や情報力、経験もまた必要不可欠です。特に土地活用を始めて行う方や知識不足が不安な方は、その道のプロである不動産会社に相談するのも賢いやり方でしょう。なかでも、イエウール土地活用なら、土地活用をした場合の費用や収益、利回りを見積もることができます。

始めて土地活用をする人でも、そもそも土地活用を始める前の準備として何をするべきか、どういう指標を見ておくべきかといった相談をすることが可能です。以下のバナーから無料で相談することができます。

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