アパートローンを利用するなら、いくらまで借りられるのかを知っておくことが大切です。融資が可能な金額は、さまざまな条件によって異なります。
そのため、一概にいくらまでと決まっているわけではなく、人によって借入可能額は変動します。借入可能額がどのように決まるのか、審査の基準や金額の決まり方を知り、自分の場合はいくらまで借りられるのかを把握しておきましょう。
アパートローンの審査基準を知る必要がある
アパートローンを利用するには、審査があります。審査の基準として見られているのは、次の3つの項目です。
- アパートローンの利回り
- 個人属性
- アパート経営の実績
それぞれどのような点が見られるのか、詳細まで知っておきましょう。
アパートの利回り
アパートローンは事業用の投資ローンであるため、アパート経営をした場合の利回りが見られています。利回りはアパート経営によって得られる利率を表す指標であり、利回りが高いほど、収益性は高いと判断されます。
収益性の高い物件ほど、審査では高評価となるため、借入可能額は上がりやすいです。アパートの資産価値や立地条件、経営を始めるまでの初期費用などによって、利回りは変動します。
利回りを高くするには、建築費を抑えて、安く好立地の土地を購入することが大切です。収益性は審査の重要なポイントであり、新築であっても収益性が低いと判断されると、審査では不利になりやすいことは理解しておきましょう。
個人属性
アパートローンの審査では、契約者本人の個人属性も見られています。個人属性とは、次の通りです。
- 年収
- 職業
- 勤務先
- 勤続年数
- これまでのローンの返済状況
- 現在抱えているローンの本数
年収が高かったり、安定した職業に長く勤めていたりする人ほど、個人属性は高くなるため、審査では有利になります。また、過去にローンの滞納をしたことがないか、現在抱えているローンの本数が多くないかなども、審査の際にはチェックされています。
他にも家族構成も見られており、配偶者がいる場合はその人の年収や職業なども、個人属性に含まれると考えましょう。また、住宅事情も審査の際には考慮されることがあり、住んでいる家が持ち家か賃貸か、住宅ローンを利用しているかによっても審査の通りやすさは変わります。
基本的には持ち家で資産として家を所有しており、かつ住宅ローンを利用していない、あるいはローン残債が少ないほど、審査では有利になります。
アパート経営の実績
アパート経営の実績も、審査の基準となります。アパート経営の実績が豊富であり、過去にローンの滞納がないなど、順調に経営ができている人は審査で有利になりやすいです。
ただし、経営実績があっても、不良物件を抱えていたり、過去に経営に失敗していたりする人は、審査では不利になります。
もちろん、経営実績がない人でも、アパートの収益性や利回り、個人属性次第では、融資を受けることは可能です。
アパートローンの借入可能額は
アパートローンの借入可能額、つまりいくらまで借りられるのかを知るには、次のポイントを押さえておきましょう。
- 年収の10倍から30倍が目安
- 金融機関によって異なる
2つのポイントを押さえておくことで、自分の場合はいくらまで借りられるのか、おおよその目安を持つことができます。
年収の10倍から30倍が目安
基本的には、年収の10倍から30倍程度がアパートローンの借入可能額の目安です。年収が約500万円であれば4,000万から7,000万円、年収約1,000万円であれば8,000万から1億円となります。
ただし、これはあくまで目安であるため、実際の借入可能額はその他さまざまな要因によって変動します。
審査では年収だけではなく、その他の個人の属性やアパートの利回り、経営実績なども見られています。高年収の人ほど借入可能額が増えやすいですが、必ずしも「高年収=高額融資が可能」になるとは限らないことは理解しておきましょう。
金融機関によって異なる
実際の借入可能額は、金融機関によって異なることが多いです。金融機関によって詳細な審査の基準は異なるため、いくらまで借りられるかは事前に金融機関に確認しておきましょう。
もし少しでも借入可能額を増やしたいなら、年収に対してより多くの倍率で融資を行ってくれる金融機関を探すことがおすすめです。
ただし、契約する建築会社によっては借入先の金融機関が指定されている可能性もあるため注意が必要です。
アパートを建築する可能性が出てきたら、複数の企業の建築費用の見積もりを比較しましょう。
アパートの建築費用は設計や工法によって大きく異なり、企業によって収益が1,000万円以上変わることもあります。
建築費がいくらなら収益性の高いアパート経営ができるのか、気になるところを建築会社に相談してみましょう。
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アパートローンの借入可能額を増やす方法
アパートローンの借入可能額は、方法次第で増やすことも可能です。
- 個人属性を上げる
- 資産を増やす
- 収益性と資産価値のバランスが取れたアパートを選ぶ
借入可能額を増やし、希望する金額で融資を受けましょう。
個人属性を上げる
アパートローンの審査では個人の属性が見られているため、個人属性を上げることによって、借入可能額も増えます。たとえばより条件のよい職業に転職したり、転職によって年収が上がったりするなら、借入可能額を増やすことは可能です。
また、アパート経営を急いでいないなら、少し待って勤続年数を伸ばしてからローンの申し込みをする方法もあります。ただし、転職によって個人属性を上げる場合は、転職時の年収が現職よりも下回ると、属性が下がって融資では不利になるため、この点には注意しましょう。
ローン返済額シミュレーター
試算条件(お借入金額、ボーナス返金元金、金利、返済期間)を入力していただくことで毎月のご返済額を概算します。
試算条件を入力し、「この条件でシュミレーションする」をクリックしてください。月額返済額が、画面下部に表示されます。
借入金額
万円
内ボーナス返済額
万円
借入れ金利
%
返済期間
年
ヶ月
※1年以上35年以内
想定年数経過後の借入残高
年後
※入力される年数経過後の借入残高を計算いたします。返済期間内でご希望の年数を入力ください。
[参考]アパートローン金利例
金融機関 | 固定金利 | 変動金利 |
---|---|---|
みずほ銀行 | 2.8~4.7% | 1~2.5% |
三井住友銀行 | 3.3~4.5% | 2.5~3% |
日本政策金融公庫 | 1.2~3% | なし |
毎月返済額
万円○○年後借入残高
万円※ローン返済額のシミュレーションは元利均等法に基づいて行われています。
※計算結果は簡易計算による概算金額です。
- 本当にシミュレーション通りの借入金額で大丈夫かな?
実際の建築費用の見積もりは坪数やアパートの材質だけでなく、建築会社の工法や設備のグレードによって大きく変動します。
建築費用が変動すると最初に必要となる借入金額も異なります。
建築費用の見積もりをとる際は、複数の建築会社で相見積もりをおこなって比較・検討をしましょう。
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資産を増やす
貯金をして自己資金を増やすことでも、アパートローンの借入可能額は上げられます。自己資金が多いと返済能力が高いとみなされるため、高額融資も受けやすいです。
また、自己資金に余裕があるなら、頭金を多く用意しやすくなります。頭金が増えるほど、融資の割合も減らすことができ、審査でも有利になりやすいです。
収益性と資産価値のバランスが取れたアパートを選ぶ
まだアパートを購入していないなら、収益性と資産価値のバランスを考えて、アパートを選びましょう。収益性と資産価値が高いなら、借入可能額は増えやすいです。
すでに土地を持っているなら、建築費を抑えることで、利回りは上げられます。収益性が高いと審査では有利になり、資産価値が高いと担保評価が上がるため、借入可能額が増えやすいと考えましょう。
アパートの収益性は、設計などにも大きく左右されます。
アパートローンの審査で個人属性が低い場合の対処法
個人属性が低い場合でも、対処法によっては借入は可能です。
- クレジットカードの限度額を下げる
- 他のローンを見直す
- 投資用不動産を保有する
さまざまな工夫をすることで、個人属性が低くても好条件でアパートローンを利用できる場合があります。
クレジットカードの限度額を下げる
クレジットカードの使用状況も、アパートローンには関係します。個人属性が低いなら、カードローンの限度額を下げておきましょう。限度額が高いと、さらに個人属性が下がって審査で不利になりやすいです。
また、クレジットカードは複数枚持っていると、それだけで審査で不利になることもあります。そのため、限度額を下げるだけではなく、不要なカードは解約して、最低限の枚数だけにしておくこともおすすめです。
他のローンを見直す
他にローンの借入をしている場合は、他社ローンの見直しも行いましょう。ローンの見直しとして行いたいのは、次の通りです。
- ローンの借り換えをして金利を下げる
- 一括繰り上げ返済でローンの残債を減らす
- ローンを完済する
借り換えによって金利が下がると、返済総額が下がります。ローンの負担が少ないと判断されやすくなるため、金利が下がると審査でも有利になりやすいです。
また、抱えているローンの本数や残債は少ないほうがよいため、繰り上げ返済で残債を減らしたり、自己資金に余裕があるなら完済したりしておきましょう。多数のローンを抱えながら新たにローンを組むことは難しいため、少しでも返済を進めておくことが大切です。
投資用不動産を保有する
経営したいアパートとは別に、マンションなどの投資用の不動産を所有することでも、審査で有利になる場合があります。投資用の不動産を別に持っていることで、キャッシュフローがよいと判断され、借入可能額が上がることもあります。
収益性の高い物件を保有しているなら、ローンがあっても属性は高くなりやすいです。ただし、別に保有する物件が不良物件だと、その分もマイナスと判断され、審査で不利になる点には注意しましょう。
アパートを建てようか考えたとき、どのようにアパートを設計すればいいのか見当がつかないのではないでしょうか。
例えば2階建てにするか3階建てにするか、間取りの設計をどうするかについては土地の条件やアパート経営の目的によって変わります。
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活用事例:スクエア型のモダンな外観デザインの2棟の戸建賃貸住宅
アパートローンに関する注意点
アパートローンを利用するなら、覚えておきたい注意点がいくつかあります。
- 住宅ローンを借りている場合は減る
- 諸経費は含めることができない
- 年収が低すぎる場合は借入すら難しい
注意点を把握して、失敗なくアパートローンを利用しましょう。
住宅ローンを借りている場合は減る
住宅ローンを借りていて、ローンの残債があると、アパートローンの借入可能額は減ります。ローン残債が多いほど、アパートローンの借入可能額は減るため、住宅ローンの返済途中の人は注意が必要です。
アパートローンを利用するなら、住宅ローンは事前に完済しておくか、繰り上げ返済によって少しでも残債を減らしておくことが大切です。
諸経費は含めることができない
アパート経営にはアパートの購入費用だけではなく、諸経費もかかります。諸経費はローンの借入額に含めることができないため、自己資金で用意しなければなりません。経営にかかる諸経費は、次の通りです。
- 水道分担金
- 所有権や抵当権などの登記費用
- 印紙税
- 不動産取得税
- アパートローン融資の事務手数料
諸経費は物件購入費の5%程度が相場です。諸経費を捻出するためにも、アパート経営をするなら事前にある程度の自己資金を用意しておく必要があります。
年収が低すぎる場合は借入すら難しい
審査は年収以外の条件も考慮されますが、年収が低すぎると借入自体が難しくなることもあります。アパートローンを利用するには、目安として500万円の年収が必要です。
年収が400万円だと、勤務先や勤続年数によって、融資が可能かどうかが変わります。年収が300万円の場合は、ローンの借入自体ができないことも多いです。
年収が低い場合は自己資金を多く用意して頭金を増やすか、アパートローン以外の不動産投資ローンを利用しなければならないこともあります。
アパートローンがいくらまで借りられるのかを把握しておこう
アパートローンを利用したいなら、自分の場合はいくらまで借りられるのかを把握しておくことが大切です。アパートの利回りや個人の属性、経営実績などによって、借入可能額は変動します。
個人の属性は審査の際の大きな基準になりますが、方法次第では個人属性を高めたり、属性が低くても借入が可能になることもあります。いくらまで借りられるのかを知り、借入可能額から逆算して、自己資金がいくら必要かを把握して、アパートローンを利用しましょう。