アパートローンを利用するには、担保となる不動産の設定が必要です。不動産によって担保の評価額は異なり、融資が可能な金額も変動します。
どれくらい融資を受けられるかを知るには、不動産の担保評価について理解しておくことが大切です。担保評価の決め方や計算方法を知り、アパートローンへの理解を深めていきましょう。
アパートローンの担保について
そもそもアパートローンにおける担保とはなにか、基本的な理解から深めておきましょう。担保について知る上で押さえておきたいのは、次の2つのポイントです。
- 貸し倒れを防ぐために設定する
- 時価のことではない
ポイントを把握しておくと、担保への理解もスムーズに深められます。
貸し倒れを防ぐために設定する
アパートローンで担保を設定するのは、契約者が返済できずに貸し倒れるリスクを回避するためです。アパートローンでは高額融資を組むことも多いため、金融機関は慎重に審査を行います。
不動産の担保を設定していると、万が一返済が滞った場合にも、不動産を競売にかけ、売却した金額でローンの回収が可能です。貸し倒れを防ぐという目的があるため、融資金額は担保として設定する不動産の評価額の範囲内で決まります。
時価のことではない
担保として設定する際に参考にされる評価額は、不動産の時価とは別物です。担保評価額は不動産の評価額に「担保掛目」をかけて計算します。
そのため、担保評価額は不動産時価よりも下がり、時価と同じ金額で融資が可能なわけではないことは理解しておきましょう。
担保評価額の算出方法
担保評価額の計算方法は、次の通りです。
- 不動産評価額×担保掛目=担保評価額
担保掛目は6割から8割で設定されることが多く、これが時価よりも担保評価額が下がる理由です。たとえば不動産評価額が1億円で、担保掛目が6割に設定される場合は、1億円の6割の6,000万円が担保評価額となります。
アパートを建築する可能性が出てきたら、複数の企業の建築費用の見積もりを比較しましょう。
アパートの建築費用は設計や工法によって大きく異なり、企業によって収益が1,000万円以上変わることもあります。
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担保評価と融資金額の関係について
アパートローンの融資金額は、不動産の担保評価額だけで決まるわけではありません。担保評価は重要な指標ですが、それ以外にもチェックされているポイントがあります。融資の際にはなにが見られているのか、詳細まで知っておきましょう。
融資金額は個人の属性と担保評価で決まる
アパートローンで融資を受けられる金額は、担保に設定する不動産の評価額だけではなく、個人の属性によっても決まります。そのため、個人の属性がよく、担保評価が高いほど、融資を受けやすくなると考えましょう。
また、担保評価は重要なポイントであるため、価値のある不動産を担保に設定するほど、審査に通りやすくなることも確かです。
個人の属性とは
アパートローンにおける個人の属性とは、次のものを指します。
- 年齢
- 職業
- 勤続年数
- 年収
- アパート経営の実績やノウハウの有無
基本的には安定した職業で長く勤めており、高年収であるほど審査では有利になります。また、アパートローンではローン契約者のアパート経営の実績やノウハウも見られており、実績が豊富でノウハウのある人は、審査に通りやすいです。個人の属性の評価によってどれくらいの融資をするのか、大枠が決まります。
アパートを建てようか考えたとき、どのようにアパートを設計すればいいのか見当がつかないのではないでしょうか。
例えば2階建てにするか3階建てにするか、間取りの設計をどうするかについては土地の条件やアパート経営の目的によって変わります。
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アパートローンの担保評価額の決まり方
アパートローンの担保評価額は、次のようにして決まります。
- 時価は不動産鑑定士が算出する
- 現地調査が行われる場合もある
- 土地と建物は別々に評価される
どのような点から担保評価額が決まるのか、詳細を知っておきましょう。
時価は不動産鑑定士が算出する
担保として設定される不動産の時価は、不動産鑑定士が算出します。不動産のプロによる鑑定により時価は定められますが、実際には鑑定結果だけではなく、複数の方法で価値を調べることが多いです。
- 路線価などの評価
- DCF法による投資目線での評価
- 不動産業者によるヒアリング
- 不動産のプロが使うツールで情報収集
さまざまな方法を組み合わせて、より詳細な時価を算出します。
現地調査が行われる場合もある
収集された情報だけで担保評価額を決めず、現地調査を行い、実際に不動産を確認して評価額が決まることもあります。
情報だけでは詳細な担保評価を決めることは難しいため、万全を期すためにも実物を確認すると考えましょう。現地調査が行われる場合でも、立ち会いの必要はありません。
土地と建物は別々に評価される
不動産の担保評価額を算出する方法は3つあり、そのうちの1つが原価法です。原価法で評価額を算出する場合は、土地と建物を別々に評価します。
担保評価額の算出方法はさまざまあり、やり方によって特徴やチェックするポイントが異なることは覚えておきましょう。
アパートローンの担保評価額を算出する3つの方法
アパートローンの融資を組む際に、担保評価額を算出する方法は大きく次の3つです。
- 積算価格(原価法)
- 比準価格(取引事例比較法)
- 収益価格(収益還元法)
それぞれどのように計算するのか、評価額の算出方法を把握しておきましょう。
積算価格(原価法)
積算価格で評価額を決める原価法は、土地と建物をわけて計算します。これは建物の計算に、再調達原価と経年劣化によって減少した評価額を含めて算出することが理由です。
対象となる不動産を現在の物価で取得し直した場合にかかる費用が、再調達原価です。建物は時間の経過によって資産価値が減少するため、その減額分も考慮して評価額を算出します。
対して土地は経年劣化がないため、建物のように年数に応じて評価額が下がることはありません。計算方法として経年劣化による減額分を含めるため、土地と建物は別で計算すると考えましょう。
土地の計算方法
原価法で土地の担保評価額を計算する方法は、次の通りです。
- 路線価×土地面積=担保評価額
路線価とは主要な道路に面する土地の、1㎡あたりの価額を示すものです。路線価は次の方法で調べられます。
- 路線価図にアクセスする
- 対象となるエリアを調べる
- 土地の路線価を確認する
国税庁の路線価図のページにアクセスし、対象となるエリアを検索して、路線価を調べましょう。
参考:路線価図
建物の計算方法
原価法で建物の担保評価額を計算する方法は、次の通りです。
- 建物総床面積×再調達価格×(耐用年数-築年数)÷耐用年数=担保評価額
耐用年数は、建物構造によって異なります。
建物の構造 | 法定耐用年数 |
---|---|
木造 | 22年 |
軽量鉄骨造(厚さ3mmから4mm) | 27年 |
重量鉄骨造(厚さ4mm超) | 34年 |
鉄筋コンクリート造 | 47年 |
構造ごとの耐用年数と再調達価格、総床面積と築年数の4つを用いて、建物の担保評価額を計算しましょう。
比準価格(取引事例比較法)
比準価格で評価額を決める取引事例比較法は、過去の取引事例を参考にして、担保評価額を計算します。似た条件の事例を複数集めて、当時との物価の差や供給状況を補正し、担保評価額は決まります。
取引事例が多いほど、より正確に担保評価額を算出できるため、都市部など人口の多い場所で用いられることが多いです。
収益価格(収益還元法)
収益価格で担保評価額を算出する収益還元法は、投資物件の収益性をもとに計算します。収益性は不動産の状態や条件によって異なるだけではなく、賃貸か売却かでも変わります。
賃貸の場合は想定賃料がどれくらいあるのか、売却なら何パーセントの利回りで売れるのかを計算して、担保評価額が決まると考えましょう。
アパートを建てるなら最初の情報収集が重要です。一括見積もり請求サービスイエウール土地活用なら、土地所在地を入力するだけで建築費の見積もりを取り寄せることができます。
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アパートローンの担保評価に関するQ&A
アパートローンを利用するなら、担保評価についての疑問を解消しておくことが大切です。
- 担保評価が低いと融資は不利になる?
- アパートローンと不動産担保ローンの違いは?
Q&Aを参考にしながら、細かな疑問を解消して、担保評価についての理解を深めましょう。
担保評価が低いと融資は不利になる?
基本的には担保評価が高いほど、有利な条件で融資が受けられます。ただし、担保評価が低いからといって、必ずしも融資で不利になるとは限りません。
担保評価額が低い場合でも、借入額が少ないなら、融資の条件に影響しないことも多いです。また、個人の属性がよいと判断されるなら、審査に通りやすいこともあります。
高額な融資を好条件で求める場合は担保評価が高くなければなりませんが、少額の借入ならほとんど影響しないことも多いです。
アパートローンの返済に不安な方は、事前にアパートローンシミュレーションを行っておくと安心です。
ローン返済額シミュレーター
試算条件(お借入金額、ボーナス返金元金、金利、返済期間)を入力していただくことで毎月のご返済額を概算します。
試算条件を入力し、「この条件でシュミレーションする」をクリックしてください。月額返済額が、画面下部に表示されます。
借入金額
万円
内ボーナス返済額
万円
借入れ金利
%
返済期間
年
ヶ月
※1年以上35年以内
想定年数経過後の借入残高
年後
※入力される年数経過後の借入残高を計算いたします。返済期間内でご希望の年数を入力ください。
[参考]アパートローン金利例
金融機関 | 固定金利 | 変動金利 |
---|---|---|
みずほ銀行 | 2.8~4.7% | 1~2.5% |
三井住友銀行 | 3.3~4.5% | 2.5~3% |
日本政策金融公庫 | 1.2~3% | なし |
毎月返済額
万円○○年後借入残高
万円※ローン返済額のシミュレーションは元利均等法に基づいて行われています。
※計算結果は簡易計算による概算金額です。
- 本当にシミュレーション通りの借入金額で大丈夫かな?
実際の建築費用の見積もりは坪数やアパートの材質だけでなく、建築会社の工法や設備のグレードによって大きく変動します。
建築費用が変動すると最初に必要となる借入金額も異なります。
建築費用の見積もりをとる際は、複数の建築会社で相見積もりをおこなって比較・検討をしましょう。
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アパートローンと不動産担保ローンの違いは?
アパートローンと不動産担保ローンの大きな違いは、担保となる不動産にあります。アパートローンは購入予定の投資用物件を担保として融資を受けられますが、不動産担保ローンの場合は、現在所有している不動産を担保にしなければなりません。
また、アパートローンは賃貸経営などの投資に使用しなければなりませんが、不動産担保ローンは融資の使い道が個人の自由であることも大きな違いです。
アパートローンの担保評価額の決まり方や算出方法を把握しておこう
アパートローンを利用するなら、担保となる不動産の評価額の決まり方や、簡単な計算方法を把握しておくことが大切です。評価額についての理解を深められていると、実際にどれくらい融資を受けられるのか、おおよその目安を持つことができます。
資金計画や返済計画を立てやすくなるため、担保評価額がどれくらいになるかは、事前にシミュレーションしておくことがおすすめです。担保評価額が融資にどのような影響を与えるかを正しく理解して、賢くアパートローンを利用しましょう。
活用事例:プリエシェノン
(川木建設株式会社の土地活用事例)