アパートの購入費用を捻出するためには、アパートローンは重要な存在です。
しかし、利用する金融機関を間違えてしまうと、不正融資や金銭トラブルなどに巻き込まれてしまうことがあります。
スルガ銀行では、かつてアパートローンについて問題が起きました。アパートローンで失敗しないためにも、スルガ銀行の問題や不正融資を回避する方法を知っておきましょう。
スルガ銀行のアパートローン問題とは?
アパートローンの利用で失敗しないためにも、どのような問題があったのかを知っておくことが大切です。不正融資などの問題に巻き込まれないためにも、過去の事例を知っておきましょう。
2つの不正
女性専用シェアハウス投資「かぼちゃの馬車」を運営していた不動産会社スマートデイズは物件を相場よりも高値で売却したことが発覚。
そこで、資金の貸し付けを行っていたスルガ銀行が融資できない物件の融資を行ったことが発覚しました。
この問題での被害総額は総額1兆円以上といわれています。
物件を相場よりも高値で売却した
スマートデイズは不動産投資家を対象に、相場よりも高値で物件を売却していました。相場の2倍程度で売却していることも多く、実際よりも高値で売ることによって、不正に利益を得ていたことが問題になっています。
融資できない物件の融資を行った
スルガ銀行が本来融資できない物件への融資を行ったことも大きな問題になっています。相場よりも高い物件に融資を行うために、スルガ銀行は源泉徴収票の改ざんや契約書の偽造を行っていました。
重要書類の改ざんや偽造は大きな問題であり、本来融資できない物件に融資を行うことで、経営に失敗した投資家も多いです。
自己破産した投資家が多数
この問題に巻き込まれて、自己破産した投資家も多いです。
家賃保証の契約であるにもかかわらず、管理会社のスマートデイズから家賃が振り込まれなくなり、収入が0になってローンを滞納した投資家は多数います。最終的には返済ができなくなり、自己破産を選択することになりました。
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スルガ銀行の問題が世間に与えた影響とその後
スルガ銀行による問題はスルガショックと呼ばれ、世間にさまざまな影響を与えています。
- スマートデイズは破産
- 投資家たちの借金は帳消しになった
- 金融機関が融資を引き締めた
問題によってどのような影響が起きたのか、その後の動きも含めて知っておきましょう。
スマートデイズは破産
不動産会社のスマートデイズは、2018年の5月に破産しています。破産する1ヶ月前に民事再生手続きを開始したものの、手続きは棄却され破産となりました。
投資家たちの借金は帳消しになった
不正融資によって多くの借金を抱えた投資家ですが、不動産の返却を条件に借金が帳消しになった人も多いです。問題発覚後、2018年の2月に投資家247名により委任された、被害弁護団が発足しました。
被害弁護団の活躍により、2020年の3月に土地や建物を返却することを条件に、借金が帳消しとなり、自己破産を免れた投資家もいます。
金融機関が融資を引き締めた
この事件以降、金融機関が融資を引き締めています。また同じような問題が起きないように、審査を厳しくした金融機関も多く、融資を受けるハードルが高くなっています。
初心者がなかなか融資を受けられなくなり、不動産投資に挑戦しづらくなったといえるでしょう。
不正融資を回避するための対策
アパートローンを利用するなら、不正融資を回避するための対策を考えておく必要があります。
- 信頼できる情報元か確認する
- 不動産投資に関する正しい知識を身につける
- 自身の属性と資金力を把握する
- 収支のシミュレーションを行う
4つの対策を頭に入れて、失敗のないようにアパートローンを利用しましょう。
信頼できる情報元か確認する
アパートローンの融資を受けるには、信頼できる情報元かどうかを確認しておくことが大切です。融資を受けられる、あるいは家賃保証があるからといって、必ずしも信用できるとは限りません。
本当に信頼してもよいか、情報元の信頼度を確認して、甘い話にだまされないように慎重にアパートローンを利用しましょう。
不動産投資に関する正しい知識を身につける
不正融資を回避するには、不動産投資に関する正しい知識を身につけておくことが大切です。市場の動きや投資にかかる費用、融資可能額の目安などを把握しておくことで、不正融資を回避しやすくなります。
不動産投資についてのセミナーは、自治体主催で行われていることもあります。賃貸経営者向けに無料で開催されているものもあるため、不動産投資を始める前に勉強として参加しておくことがおすすめです。
自身の属性と資金力を把握する
どれくらい融資を受けられるかを正しく判断するためには、自身の属性や資金力を正確に把握しておくことが大切です。アパートローンは自身の属性や資金力によって、融資可能額が決まります。
属性とは年収や勤続年数、現在借り入れているローンの数やこれまでの返済履歴などが関係します。自身の属性が低いと融資可能額が下がったり、審査に通らなかったりすることは覚えておきましょう。
属性や資金力を把握していると、どれくらいの融資が適正かが判断できるため、不正融資も回避しやすくなります。
収支のシミュレーションを行う
不動産投資で失敗しないためには、事前に収支のシミュレーションを行うことが大切です。アパート経営をするなら、近隣物件の家賃相場を調べたり、どれくらいの家賃だと入居者が確保できそうかなどを確認したりする必要があります。
情報は自身で調べるだけではなく、不動産会社に相談して教えてもらってもよいでしょう。収支のシミュレーションをしておくことで、どれくらいの融資があれば健全に経営できるかも判断しやすくなります。
ローン返済額シミュレーター
試算条件(お借入金額、ボーナス返金元金、金利、返済期間)を入力していただくことで毎月のご返済額を概算します。
試算条件を入力し、「この条件でシュミレーションする」をクリックしてください。月額返済額が、画面下部に表示されます。
借入金額
万円
内ボーナス返済額
万円
借入れ金利
%
返済期間
年
ヶ月
※1年以上35年以内
想定年数経過後の借入残高
年後
※入力される年数経過後の借入残高を計算いたします。返済期間内でご希望の年数を入力ください。
[参考]アパートローン金利例
金融機関 | 固定金利 | 変動金利 |
---|---|---|
みずほ銀行 | 2.8~4.7% | 1~2.5% |
三井住友銀行 | 3.3~4.5% | 2.5~3% |
日本政策金融公庫 | 1.2~3% | なし |
毎月返済額
万円○○年後借入残高
万円※ローン返済額のシミュレーションは元利均等法に基づいて行われています。
※計算結果は簡易計算による概算金額です。
- 本当にシミュレーション通りの借入金額で大丈夫かな?
実際の建築費用の見積もりは坪数やアパートの材質だけでなく、建築会社の工法や設備のグレードによって大きく変動します。
建築費用が変動すると最初に必要となる借入金額も異なります。
建築費用の見積もりをとる際は、複数の建築会社で相見積もりをおこなって比較・検討をしましょう。
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収支のシミュレーションの前にアパート建築費のシミュレーションもしておくとスムーズに収支計算をすることができます。詳しくは以下の記事をご覧ください。
アパートを建築する可能性が出てきたら、複数の企業の建築費用の見積もりを比較しましょう。
アパートの建築費用は設計や工法によって大きく異なり、建築のプランによって将来の利回りも変わります。
建築費がいくらなら収益性の高いアパート経営ができるのか、気になるところを建築会社に相談してみましょう。
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活用事例:木造重層アパート「グレイスペア」
アパートの管理会社選びで失敗しないためには
アパート経営をするなら、管理会社選びが重要です。
- 対応力があるかをチェックする
- 家賃の値下げを勧めてくる会社は避ける
- 適正な管理委託費を設定している
- 物件情報を社内で共有している
管理会社選びで失敗しないためにも、選び方のポイントを把握しておきましょう。
対応力があるかをチェックする
不動産投資で失敗しないためには、対応力のある管理会社を選ぶことが大切です。対応力が高いと、入居者トラブルが起きた際にもスムーズに対応してくれるため、さまざまなリスクを回避できます。
また、対応力が高いとアパートの経営も素早く開始できるため、早い時期から収益を生みやすいです。対応力の有無は、管理会社の担当者のコミュニケーション能力からチェックしましょう。
質問に対してスムーズ、かつ的確に答えてくれたり、細かな疑問も丁寧に説明してくれたりする管理会社なら、対応力が高いといえます。
家賃の値下げを勧めてくる会社は避ける
管理会社の提案力も重要なポイントであり、経営戦略として家賃の値下げばかりを勧めてくる会社は、避けたほうが無難です。提案力のない管理会社だと、家賃の値下げによって入居者を集めようとします。
家賃を下げると入居者は確保しやすいですが、その分得られる利益は下がります。値下げはどうしようもない場合の最終手段であるため、値下げ以外の提案を積極的にしてくれる管理会社を選びましょう。
適正な管理委託費を設定している
管理会社に管理業務を委託する場合には、管理委託費がかかります。管理委託費が適正かどうかも、信頼度を判断する基準です。管理委託費の相場は管理会社によって異なりますが、家賃収入の3%から8%程度が一般的です。
そのため、相場以上に高額な管理委託費を設定している管理会社は、避けたほうがよいでしょう。管理委託費が高すぎると出費が増えて収入が下がり、アパート経営に失敗する可能性が上がります。管理委託費は複数社で比較して、適正がどれくらいなのかを判断してから決めることがおすすめです。
物件情報を社内で共有している
物件の情報を社内で共有していると、担当者以外に質問してもスムーズに答えてくれます。担当者だけが情報を知っている状態だと、担当替えになったり、担当者が異動でいなくなったりした際に困ることが多いです。
そのため、受けられるサービスの質を長期間落とさないためには、社内で物件情報を共有している管理会社を選ぶことが大切です。社内共有が円滑に行われている管理会社なら、安心して利用できるため、不動産投資の強い味方となってくれます。
アパート経営を始めるならスルガショックを把握しておこう
アパート経営を始めるなら、スルガショックを知り、どのようなトラブルが起きえるのかを想定しておくことが大切です。不正融資などのトラブルに巻き込まれると、不動産投資で失敗し、損をしたり、場合によっては破産したりすることもあります。
アパートローンで融資してもらえる金額は、個人の属性や担保にする不動産の評価によって異なります。相場以上に融資をしてくれる会社は危険であるため、どれくらいが適正なのかを理解して、アパートローンを上手に活用しましょう。