動物を飼っている人がマンションを購入するときは、大切な家族の一員であるペットと一緒に暮らせる物件を探すことになります。近年はペット可の物件が以前よりも増えてきたので、幅広い選択肢から自分にあった物件を探しやすくなっています。
しかし、「ペット可」は決して「ペット歓迎」という意味ではありません。ペット可のマンションを購入する歳はさまざまなポイントを踏まえて物件を選ぶことが大切です。
この記事では、マンションのペットに関する決まりや選び方を解説します。購入後の後悔やトラブルを防ぐためにも、基礎知識を押さえて物件購入を進めましょう。
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マンションの「ペット可」「ペット相談」の違い
ペットと暮らせるマンションを探しているときに、「ペット可」のほかに「ペット相談」という文言が書かれているのを目にしたことがある人は多いかもしれません。一見同じように見える2つの表記ですが、意味が全く違います。まずは、ペット可の定義について詳しく見ていきましょう。
「ペット可」と「ペット相談」の違い
マンションにおける「ペット可」とは、管理組合が定めているペットの種類や数といった条件を満たしていれば、ペットともに入居できるという意味です。マンションによって大きく異なりますが、「犬もしくは猫1匹まで可」「小型犬のみ可」など管理規約によって細かく条件が定められているケースが多い傾向にあります。他方で「ペット相談」とは、管理組合にペットと入居できるかどうかを相談し、許可を得られれば飼育できるという意味です。必ずしもペットとの入居を許可してもらえるというわけではなく、ペットの種類や数によっては許可がおりないケースもあります。
両者に明確な線引があるわけではありませんが、どちらかといえば「ペット相談」の物件のほうが条件は厳しいと考えておきましょう。また、ペットを歓迎していない住人が多いことも考えられるため、より周囲への配慮が必要になる可能性があります。
「ペット共生型物件」との違い
「ペット可」や「ペット相談」の物件とは別に、「ペット共生型物件」と呼ばれるマンションもあります。こういった物件は住人全員がペットを飼育することを前提に建てられており、ペットのための設備が整っているという特徴を持っています。ペット共生型物件には、足洗い場やキャットウォークなどがあらかじめ設置されていたり、壁や床に傷がつきにくくて汚れにくい素材が使用されていたりする物件も多いです。数は少ないですが、より安心してペットと暮らしたいのであれば、ペット共生型の分譲マンションも検討してみるとよいでしょう。
マンションで猫を飼おうと考えている方はこちらの記事もご覧ください。
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ペット可・ペット禁止マンションの許容範囲は？
たとえペット可のマンションであっても、集合住宅という性質上、どうしても飼育できるペットは限られてしまいます。また、ペット禁止のマンションであっても、小動物や金魚などを飼育することができるのかについて気になっている人もいるでしょう。「ペット可」「ペット禁止」といっても、どこまで許されるかの線引は非常に難しいものです。この章では、それぞれの許容範囲について紹介します。
ペット可のマンションの許容範囲
ペット可のマンションだからといって、どのようなペットを何匹飼ってもよいというわけではありません。飼育できるペットについては管理規約によって細かく規定されていますので、入居するときは必ず確認しておいてください。ペットの許容範囲は物件によって異なりますが、たとえば以下のような決まりがある物件が多い傾向にあります。
- 種類に関するルール：猫や犬はOK、うさぎや爬虫類は飼育禁止
- 大きさに関するルール：小型犬のみ2匹までOK、体重10kgまでOK
- 頭数に関するルール：犬もしくは猫1匹までOK
- その他のルール：必ず去勢・避妊手術を行う
こういったルールを確認ぜずに入居すると、あとからトラブルに発展してしまう可能性が高いです。物件ごとの許容範囲については、念入りにチェックしておきましょう。
ペット禁止マンションの許容範囲
ペット禁止マンションの許容範囲は物件によって大きく異なるため、一概に言うことはできません。物件によっては、ニオイや鳴き声が少なく、壁や床を傷つける恐れがないペットであれば許可されるケースがあります。たとえば、魚や亀、昆虫や小鳥、ハムスターなどが例として挙げられます。しかし、なかにはハムスターや鳥類の飼育を禁止している物件もあるため注意しましょう。
「このペットなら大丈夫だろう」と自己判断で飼育を始めると、最悪の場合ペットを手放したり強制退去を命じられてしまったりする可能性があります。小動物であっても、ペット禁止の物件で飼育を希望する場合は、あらかじめ管理組合などに許可を取っておくことをおすすめします。
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ペット可のマンション購入前にチェックすべきポイント
ペット可のマンションを購入すると決めたら、物件選びの際にいくつかのポイントをチェックしておかなければいけません。ここからは、ペット可のマンションを購入する前にチェックすべきポイントを3つ紹介します。
管理規約でどのようなルールが定められているのか
まずは、管理規約でどのようなルールが定められているのかについて確認してください。飼育できるペットの数や種類はもちろんのこと、生活するうえで気をつけたいルールについても目を通しておかなければいけません。たとえば「共用部分ではペットを抱きかかえなければいけない」というルールがある物件は、大型犬を飼育している人には暮らしにくいでしょう。反対にルールが寛容すぎる物件は、ほかの住人の飼育マナーがよくないことで、迷惑をかけられる危険性があります。
「飼育しているペットにあったルールか」「暮らしやすいルールか」について判断するためにも、管理規約は購入前にチェックしておきましょう。
以前からペット可なのかどうか
中古のペット可物件で気をつけたいのが、以前からペット可だったかどうかというポイントです。新築当初からペット可の物件であれば問題ないのですが、途中からペット可になった物件の場合、以下2つの問題が考えられます。- 人気のない物件だから途中からペット可にした
- もともとペット不可を前提で入居していた住人から歓迎されない
人気がなくてなかなか売れないマンションの場合、ペット可にすることで入居者を集める手法を取ることがあります。購入者が設備に納得していれば購入しても問題ありませんが、途中からペット可になった物件はペット用の設備が整っていない可能性があることを押さえておきましょう。
また、もともとペット不可という条件のもと入居した住人のなかには、動物が嫌いだったりアレルギーを持っていたりする人もいます。ペット可になったことに不満を抱き、ペットと共に入居することを歓迎されないことが原因でトラブルが発生するおそれもあります。
ペットを飼育しやすい環境かどうか
ペット可のマンションを選ぶときは、ペットを飼育しやすい環境かどうかについて確かめておきましょう。ペットを飼育しやすい環境は、飼育しているペットの種類や人によって異なりますが、以下のことを確認しておくと判断基準になるかもしれません。- 周辺に動物病院がある
- 周辺道路に車通りが少なく散歩しやすい
- 共用部分がペットの毛や糞尿で汚れていない
- ペットのためのリフォームがしやすい構造になっている
- ほかの住人もペットを飼っていて理解を得やすい
- ペットのための設備が整っている
ペットと暮らせるマンションを探すのであれば、より暮らしやすい物件を選べると後悔しにくいでしょう。ペット可という条件だけではなく、入居後の生活も見据えて物件を選んでみてください。
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ペット可マンションに生活するうえでの注意点
ペットが飼育できる物件といっても、すべての住人がペットを歓迎しているわけではありません。そのためペット可マンションには、入居後の生活でも気をつけなくてはいけないポイントが多く存在しています。最後に、ペット可のマンションで生活するうえで気をつけたいポイントを紹介します。
近隣住人へ必ず挨拶する
ペットと共にマンションに入居する際は、近隣住人へ挨拶しておきましょう。少なくとも、上下と左右の部屋には挨拶を済ませてから入居してください。ペット可物件であっても、ペットを飼っていない人やペットが苦手な人が住んでいる可能性はあります。あらかじめ挨拶をしてペットを飼っていることを伝えておくと、入居後トラブルに発展しにくくなります。
また近隣住人がペットを飼っている人であっても、いきなり住人が入居して鳴き声や足音に悩まされることになれば、よい気持ちはしないでしょう。あらかじめペットを飼っていることを伝えておけば、ある程度の理解を得やすくなります。
騒音トラブルに注意する
ペットを飼っていれば騒音が発生することは避けられませんが、できるだけ近所へ迷惑をかけないように配慮し、騒音トラブルを防ぐことが大切です。なかには防音対策が施されているマンションもありますが、そうでない物件も多いものです。可能な範囲で騒音トラブルを防ぐ工夫をしながら生活を送りましょう。
対策法としては、「床にクッションマットを敷く」「吠えないようにしつけする」などといった方法が一例として挙げられます。リフォームを行わなくても騒音対策をすることは可能なので、トラブルに発展する前の対策を心がけてください。
騒音対策について詳しく知りたい方はこちらの記事もご覧ください。
ニオイや傷の対策をする
賃貸マンションとは異なり、分譲マンションの場合は原状回復義務がありません。そのため、ペットが壁紙や床材を傷つけたり、室内にニオイがついてしまったりしても大きな問題になることはないでしょう。しかし、室内のニオイは近隣住人への迷惑となるおそれがあり、近所トラブルの原因となります。また、傷は物件の価値を下げる原因となってしまうため、将来物件を手放す予定がある場合は注意してください。。
こまめな掃除や念入りなしつけで、ニオイや傷がつかないように気をつけながら暮らすことをおすすめします。
共用スペースではとくにしつけに気をつける
マンションにはエントランスやエレベーターといった共用スペースが多く、さまざまな人が同じ設備を利用しています。ほかの住人へ迷惑をかけないためにも、共用スペースを利用するときはしつけに気をつけるようにしましょう。とくに共用スペースで糞尿をしてしまったり、興奮してほかの住人に飛びついてしまったりすると、近隣住人に大きな不快感を与えます。散歩などで室内にペットを出すときは、必ずマナーに配慮してください。
共用部分について詳しく知りたい方はこちらの記事もご覧ください。
正しくフンを処理する
マンションで暮らす際は、ペットのフンを処理する際のマナーにも気をつけなくてはいけません。フンの処理方法は、自治体や物件によって大きく異なります。ルールに沿って処理し、周囲に迷惑をかけないように注意しましょう。フンは燃えるゴミとして捨てることが一般的ですが、マンションによっては「袋を二重にする」「防臭袋に入れる」といったルールが定められていることがあります。またトイレにフンを流すと、配管が詰まってほかの住人にまで影響してしまう可能性があります。
フンの処理を間違えると周囲に不快感を与えたり迷惑をかけたりしてしまうため、必ずルールを確認のうえ、正しく処理してください。
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ペット可のマンションでも配慮しながら暮らすことが大切
ペットと一緒に暮らせるマンションは数多く存在していますが、物件によって飼育が可能なペットの種類や頭数、定められているルールは全く異なります。マンションを選ぶときは管理規約を確認し、自分やペットにとって暮らしやすい物件を選ぶことを心がけましょう。ペット可物件といっても、すべての住人が動物を好きなわけではありませんし、飼い主同士がお互いに配慮しないと暮らしにくい環境になってしまいます。ペットと一緒に入居する際は、物件選びはもちろんのこと、入居後の暮らし方にも十分注意しましょう。