アパートローンも相続の対象になる?債務者が死亡した場合の対応も解説します

アパートローンも相続の対象になる?債務者が死亡した場合の対応も解説します

アパート経営をしているオーナーが亡くなったとき、オーナーはアパートを建てる際に組んだアパートローンが返済途中なのはよくあることです。

その場合、「被相続人の債務であるアパートローンは相続の対象になるのか」「対象になるのだとすれば誰が相続するのか」など、アパートローンに関して不安に思うことが多くあると思います。本記事ではアパートローンの返済が残っている物件の相続について実際の手続きも含めて解説しています。

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アパート建築費について詳しく知りたい場合はこちらの記事をご覧ください。

【3月更新】アパート建築費はいくら?坪単価相場や予算別・坪数別の実例を紹介

アパートローンは相続対象になる

本章では、アパートローンも相続する必要があるのかについて結論から詳しく解説しています。

アパートローンも相続対象

アパートローンが残っているアパートを相続する場合、アパートローンも相続する必要があります

相続対象の遺産は、各種ローンや未払い金といったマイナスの財産も相続対象となることに注意する必要があるでしょう。

また、こうしたマイナスの財産の相続人を決めるには借入先の承諾を得なければなりません。アパートローンの場合は、金融機関と相談し相続人を決めることになります。アパートローンの加入時に法定相続人のなかから連帯保証人を決めて入れば、基本的にはその方がアパートローンの債務者となります。

ただし、アパート経営を始めるときに団体信用生命保険に加入していれば、ローンが残っていても保険で返済できます。団体信用生命保険については次項で説明します。

団体信用生命保険について

団体信用生命保険(以下、団信)とは、アパートローンを借り入れた方が亡くなったり重度障害となった場合に保険金によってローンを完済できるという保険です。団信は、住宅ローンでも加入することができるため、聞き覚えある方もいらっしゃるのではないでしょうか。

アパート経営の相続を考えるときは、被相続人がこの団信に加入しているかどうか確認しておくとよいでしょう。加入していればアパートローンは完済されるため、アパート経営による利益により期待することができます。また、遺産分割協議の際トラブルに発展する可能性を減らすこともできるでしょう。

ただし、団信はアパートローンの返済途中で加入することはできませんので注意してください。

プラスの財産について

相続とは、亡くなった人が所有していた預金や住宅などの資産を引き継ぐことを指します。
具体的には、土地、借地権、建物、預貯金、有価証券、ゴルフ会員権、宝石、債権などの実際に金銭で見積もることのできる資産が含まれます。さらには死亡時に所有していない生命保険金、死亡退職金のほか、個人年金や借金の免除といった遺言によって得た利益なども「みなし相続財産」として相続されます。

マイナスの財産について

相続されるのは債権だけではなく、債務も受け継ぐことになります。被相続人が借金を負っていた場合、相続人はその借金を被相続人に代わって返済していく必要があります。そのため、ローンでアパートを建設した場合、そのローン残高も相続されます。

もし相続人が複数いる場合、各共同相続人に、それぞれの法定相続分に応じて債務を負担する義務が発生します。つまり、5人の共同相続人が5分の1ずつ相続する場合、被相続人が仮に100万円の借金を残しているとすれば、1人20万円の返済を肩代わりする義務があるということになります。

アパートローンは誰が相続する?

アパートローンは誰が相続する?

アパートローンが残っている場合、誰がその債務を継承することになるのでしょうか。

原則として連帯保証人が相続する

アパートローンは、アパートローンの連帯保証人となっている方が相続することが原則です。

さらに、アパート経営とアパートローンの相続する人は同じであることが求められます。つまり、連帯保証人はアパートローンとアパート経営を相続しなければなりません。これは、アパートローンの返済がアパート経営による家賃収入から返済されることを前提としているためです。

遺産分割協議を行う場合でローンが残ったアパートなど不動産がある場合は、連帯保証人がその相続をすることが確定します。

また、連帯保証人となっている方は相続放棄によってアパートローンの債務を免れることができないので注意が必要です。

金融機関によっては新たに連帯保証人を求められることも

アパートローンとアパート経営の相続をするのは、原則として連帯保証人であることを解説しました。

しかし、状況によっては追加で連帯保証人の設定を求められることがあります

追加で連帯保証人が求められるケースは、家賃収入が十分でなく連帯保証人の年収や資産状況も少ない場合です。このような場合は、アパートローンを完済するという見立てが立てづらいため、貸し倒れを防ぐために新たに連帯保証人を設定するよう求められるでしょう。

自身が連帯保証人となっている場合には、アパート経営の状況や自身の資産状況などを確認し、必要であればアパートローンを借りている金融機関に相談しておくと安心です。

アパートローンの名義変更を行う方法

実際にアパートローンが残っているアパートを相続することになった場合、どのようにローンの名義変更を行うのでしょうか。

アパートローンの名義変更を行うときは、以下の3つのステップがあります。それぞれ詳しく解説します。

  • アパートローンの連帯保証人は誰か確認する
  • 金融機関で審査を受け債務の引き継ぎを行う
  • 債務者変更登記申請を行う

アパートローンの連帯保証人は誰か確認する

アパートローンが残っているアパートの相続が発生したら、まずはローンの連帯保証人は誰かを確認しておきましょう。

原則として、連帯保証人がアパートローンとアパートを相続し経営を続けていくことになります。

遺産分割協議を行う際は、初めに連帯保証人の有無について確認しておくとスムーズです。

金融機関で審査を受け債務の引き継ぎを行う

アパートローン・アパートの相続人が決まったら、金融機関で審査を受け債務の引継ぎを行います。

このとき、既にご紹介したようにアパートの収益性や相続人に十分な収入や資産がない場合は、追加で連帯保証人を求められたり別の人を相続人に選ぶよう求められます。

金融機関は、アパート経営の収益性や連帯保証人の属性が審査しローンを完済してもらえるか判断します。

また、貸し倒れを防ぐため金融機関の同意がなければアパートローンの名義変更をすることができません

アパートの収益性や連帯保証人の収入なども確認しておき、必要であれば親族に連帯保証人を頼むことも検討する必要があります。

債務者変更登記申請を行う

金融機関からアパートローンの相続人についての審査が通れば、必要書類を受け取り登記申請を行います。

通常であれば、登記申請は金融機関が紹介する司法書士に任せるか、相続人側で司法書士に依頼するかの2ケースになります。

また、債務者変更登記の申請を行う前にアパートの相続登記を先に行っておく必要があるので注意が必要です。この時点でアパートの相続登記が済んでいない場合、債務者変更登記も一緒に司法書士に依頼しておくとスムーズです。

アパートローンの相続で事前にやっておくべきこと

アパートローンの相続は、金融機関の審査を経る必要があるためスムーズにいかない可能性があります。

そこで、アパートローンを含め不動産の相続を滞りなく進めるために事前にやっておくべき3つのことをご紹介します。

遺言状を作成してもらう

アパートの所有者(被相続人)や相続人と話し合い、誰がどの遺産を相続するのか取り決めた遺言状を作成しておくと相続がスムーズです。

アパートの収益性や連帯保証人の属性についても相談しておけば、アパートローンの名義変更ができないという事態も回避できます。

生前に相続について話合うことは気が引けることもあると思いますが、相続する段階で話がまとまらないとトラブルに発展する可能性が大きいです。そのため、相続について少しでも話し合っておくことと安心です。

家賃収入が入る口座とローン返済口座をまとめる

家賃収入が入る口座とローン返済口座が別々である場合、これらを一つにまとめておくと良いです。

アパートの所有者が亡くなった段階から、所有者が管理していた口座は全て凍結されます。そのため、入居者から家賃を振り込むことができずその入金もできなくなります。

つまり、口座が凍結されるとローン返済を家賃収入から充てることができず、相続人がその負担を行う必要性が出てくるのです。相続が発生する段階となっても、アパートローンの返済は猶予されません。

ただし、家賃の入金とその支払いのみに限り取引をできるよう口座凍結を解除することができます。目的を絞って口座凍結を解除するには、一つの口座で家賃が入る講座とローンの支払いを行えるようにする必要があるので、あらかじめ一つにまとめておくことがおすすめです。

あらかじめ金融機関に相談する

アパートローンの相続を考える段階になったら、余裕をもって金融機関に相談しておくと安心です。

現在のアパート経営の状況や連帯保証人の属性などについて相談することで、アパートローンの名義変更ができそうかどうかある程度分かるようになります。

アパートローンの名義変更を行う際も、事前に相談をしておけばその手続きについてスムーズにいくことも期待できます。


相続した土地に合った活用は何か、収益を上げることができるのか判断することは簡単ではありません。
そのため、相続によってアパートや土地を所有することになる予定の方は、一度その土地の活用方法について情報収集をしておくと良いでしょう。

イエウール土地活用なら、お持ちの土地所在地を入力するだけで複数の土地活用会社が作成した土地活用プランを取り寄せることができます

土地活用プランでは、活用方法はもちろんその収益性などについての情報も確認することができます。

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土地の有無
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活用事例:木造重層アパート「グレイスペア」

木造2階建て、1LDKと2LDKの混合タイプの重層アパートです。使い勝手の良い間取りと、充実の人気設備で完成前に満室となりました。
(川木建設株式会社の土地活用事例)

アパート経営を相続するか迷ったら

アパート経営を相続するか迷ったら

アパート経営を相続することによって、毎月家賃収入を得ることができます。
しかし、アパート経営には多くの費用がかかるので安易に相続をすることは危険です。

まずは以下の3つの観点から相続すべきかを考えると良いでしょう。

  • 自身の運営力
  • 現在の空室率
  • 現在の築年数

それぞれ詳しく解説します。

自身の運営力

アパート経営は、何もしなくても収益が上がる訳ではありません。

どうすれば安定収益が入るのかを常に考えないと空室が目立つようになり、収支が苦しくなる可能性が高くなります。

特に、サラリーマンなどのかたわら兼業で行う予定の人は、情報収集や収支状況の把握などにかける時間と労力を捻出できるかを現実的に考える必要があります

予期しない修繕などによって大きな費用がかかることもありますので、自身の収入や資産状況についても確認しておきましょう。

ローン借り換えることでより金利を低くすることもできます。その場合、事前にアパートローンのシミュレーションを行っておくと良いでしょう。

ローン返済額シミュレーター

試算条件(お借入金額、ボーナス返金元金、金利、返済期間)を入力していただくことで毎月のご返済額を概算します。

試算条件を入力する

試算条件を入力し、「この条件でシュミレーションする」をクリックしてください。月額返済額が、画面下部に表示されます。

借入金額

万円

内ボーナス返済額

万円

借入れ金利

%

返済期間

ヶ月

※1年以上35年以内

想定年数経過後の借入残高

年後

※入力される年数経過後の借入残高を計算いたします。返済期間内でご希望の年数を入力ください。

[参考]アパートローン金利例

金融機関固定金利変動金利
みずほ銀行2.8~4.7%1~2.5%
三井住友銀行3.3~4.5%2.5~3%
日本政策金融公庫1.2~3%なし
試算結果

毎月返済額

万円

○○年後借入残高

万円

※ローン返済額のシミュレーションは元利均等法に基づいて行われています。

※計算結果は簡易計算による概算金額です。

  1. 本当にシミュレーション通りの借入金額で大丈夫かな?

実際の建築費用の見積もりは坪数やアパートの材質だけでなく、建築会社の工法や設備のグレードによって大きく変動します。
建築費用が変動すると最初に必要となる借入金額も異なります。
建築費用の見積もりをとる際は、複数の建築会社で相見積もりをおこなって比較・検討をしましょう。
イエウール土地活用なら、 最大で10社の建築費の見積もりを一括請求 することができます。

現在の空室率

アパートの総部屋数に対し、空室がどれくらいあるかを空室率といいます。空室が多ければ多いほど、それだけ家賃収入が減少することになります。

ローン返済や固定資産税、保険料や管理委託料などの支出は、空室であっても同様にかかるため、空室率が一定以上になれば利益がゼロやマイナスになりかねません

アパートの状態や築年数、ローンの返済状況によって、利益が出るか損失が出るかの損益分岐点となる空室率は変わってきます。相続することになるアパートの空室率と損益分岐点を把握しておくことが大切です。

現在の築年数

空室率は、一般的に築年数の古いアパートほど増える傾向にあります。入居者が集まりにくくなると家賃が下げる必要があるため、経営が苦しくなりがちです。

築年数が古くなるほど修繕やリフォームの回数も多くなり費用もかさんできます。1回の修繕で100万円以上かかることも珍しくありませんので、突発的に必要になる費用を貯めておける余裕があるかどうかは大切です。

また、新しいアパートでは減価償却費が大きく所得税を抑えることができますが、築年数が経つにつれ減価償却費が小さくなり所得税が多くかかってきます。

設備部分の減価償却費は、築15年ほどでほぼなくなりますので、築16年以上の物件の場合には注意が必要です。

アパートローンも相続対象になる

アパートローンは相続対象になることをご紹介しました。また、ローンなどマイナスの遺産の場合は現金や不動産の価値と相殺して相続税を計算することになります。

しかし、アパートローンの名義変更は状況によって難航する可能性もあるので注意が必要です。

アパートローンが残っている状態で相続が発生しそうな場合は、連帯保証人やアパート経営の状況について確認しておき、スムーズに相続できるよう準備しておきましょう。

初心者でもわかる!
記事のおさらい

アパート経営を相続することになりそうだけど、残っているアパートローンも相続しなきゃいけないの?
基本的に、アパートローンなどマイナスの遺産も相続対象となります。ただし、団体信用生命保険に加入している場合はローンは保険で完済されます。詳しくは、アパートローンは相続対象になるをご覧ください。

アパートローンは誰が相続することになるの?
原則として、アパートローンの連帯保証人がローンとアパートを相続することになります。詳しくは、アパートローンは誰が相続する?をご覧ください。
【完全無料】アパートの建築費、いくらかかる?