親のアパートを相続する流れ!アパートを相続するメリットやデメリット

親のアパートを相続する流れ!アパートを相続するメリットやデメリット

親のアパートを相続することになった際、何をすればいいのでしょうか。

ここではアパートを相続する流れと共に、親のアパートを相続するメリットやデメリット、売却についても解説します。

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親のアパートを相続する流れ

STEP
  • ローンの残債を確認する

  • アパートの相続人・分割方法を決める

  • 準確定申告をおこなう

  • 相続登記をする

  • 相続税の納付

  • 入居者に連絡する

  • アパート経営を断続するか判断する

親のアパートを相続することになったらやるべきことは以上の7つです。順を追って説明していきます。

ローンの残債を確認する

相続したアパートに、ローンが残っていないか、また、いくら残っているかを確認します。

アパートを相続する際は、物件だけでなくローンを含めて相続することになります。相続人になった場合、ローンを被相続人に代わって返済する必要があります。

被相続人が団体信用生命保険に加入していた場合、保険金からローンは完済されます。この場合、ローンの返済負担がない状態でアパートを相続することができます。

アパートの相続人・分割方法を決める

遺産分割協議を開き、誰がアパートを相続するか、また分割方法を決めます。

遺産分割協議とは、相続人が複数いる場合「誰がどのぐらい遺産を相続するのか」を決める相続人同士の協議です。法律上有効な遺言書がない場合には、相続を確定するために、遺産分割協議が必要になります。

ちなみに、遺産として扱われるのは被相続人が亡くなった時点の財産なので、相続発生後の賃料は遺産とはなりません。

よって、相続発生後の賃料は法定相続分に従って分割する必要があります。

不動産は現金と違い分けるのが難しいです。不動産の分割方法としては「代償分割」「換価分割」「現物分割」の3つの方法があります。

  • 代償分割

相続人のうちの誰かが不動産をそのまま取得して、その対価として他の相続人にお金を払う分割方法。

  • 換価分割

不動産を売却して、売却代金を相続人同士で分ける分割方法。

  • 現物分割

例えば、一筆の土地を分けて、それぞれの土地を各相続人が取得する分割方法。

準確定申告をおこなう

準確定申告とは、1月1日から死亡した日までに確定した所得金額及び税額を計算して、相続の開始があったことを知った日の翌日から4か月以内に申告と納税を行うことです。

一般的な確定申告同様に、所得総額から控除額や経費を差し引いた課税所得分の所得税を支払う必要があります。相続人が2名以上いる場合には、連署で準確定申告を行うことが必要です。

相続登記をする

遺産分割協議によってアパートを相続する人が決まったら、相続登記をします。

相続登記とは、アパートの名義を被相続人から相続人に変更する手続きのことです。2024年(令和6年4月1日)から義務化が決まっています。

不動産の名義が、被相続人のままの場合は売却ができません。よって、売却を考えている場合でも相続登記を行う必要があります。

相続税の納付

相続発生から10ヶ月後には、相続税の支払いが必要です。

相続税の納税は、基本的には現金一括納付です。相続税の納付には、相続税の納付書を税理士が作成後、以下の決済手段があります。

  • 銀行
  • 郵便局
  • 税務署
  • インターネットからのクレジットカード決済

相続税の支払いが遅れると延滞税などが加算される可能性があります。しかし、相続税は小さい額になりずらく、現金を用意するというのは困難です。

そのため、現金での一括納付が難しい場合には、物納や延納といった納税方法もあります。

入居者に連絡する

アパートの入居者に、オーナーの変更を伝えます。相続が発生した段階で連絡し、遺産分割協議を行った後に、相続人が改めて挨拶するのが一般的です。

報告義務はありませんが、前オーナーである親の預金口座が凍結された場合、賃借人は家賃振り込みができません。

その代わりの振り込み先や、退去するなら誰に伝えればいいかなども合わせて連絡する必要があります。

アパート経営を断続するか判断する

親のアパートを相続する場合、必ずしも相続人がアパート経営を続ける必要はありません

アパート経営にはメリットはもちろんのこと、リスクもあります。アパート経営を続けるかどうかは慎重に判断しましょう。

また、売却を考える場合は売却時、相続登記をしている事が前提になるため、アパート経営を続ける続けない関係なく相続登記は必要です。

アパート相続時には、必要書類の取得含め、手続き等が複雑です。そのため、アパートの相続が発生したら、まずは専門家に相談することをおすすめです。

相続手続きに関する依頼は「司法書士」が専門になります。ですが、相続時のトラブルに関する相談は「弁護士」、相続税の申告に関する相談は「税理士」など、相談したい内容で依頼先が異なります。

親のアパートを相続するメリットとデメリット

アパート経営を相続した方が良いケース

アパートの入居率が高く、引き続き安定した経営をしていけそうであれば相続を考えていいかもしれません。

アパート経営の収益性を判断する上で、立地は非常に重要なポイントとなります。駅やスーパー、役所や病院などの施設が徒歩圏内であるか否かで入居率は大きく変わりますので、必ず確認しておきましょう。

さらに、過去に投資や不動産管理を行った経験があれば、アパート経営でも安定して収益を上げやすいです。ですが、アパート経営は放ったらかしで収益を得られるほど甘くありません。親のアパートを相続するのであればそれなりの覚悟が必要です。

以上のことをふまえ、親のアパートを相続する場合のメリットとデメリットを詳しく説明します。

親のアパートを相続するメリット

アパート経営を相続し引き継いでいくメリットには、様々なものがあります。

新たな収益源になる

アパート経営を相続すれば、毎月家賃収入を得ることができます。

アパート経営のみでの年収は部屋数や入居率によって異なりますが、少なくとも毎月10万円以上得られるケースが多いでしょう。

また、管理会社に建物の維持や入居者募集を任せれば、不労所得とすることもできます。

ただし、完全にアパート経営を放っておいても良いわけではありませんので注意してください。

年金対策になる

アパート経営を始めとした不動産投資は、老後の年金対策として注目されています。

例えば、老後2,000万円問題が話題となってように、定年後に十分なお金があるのかは多くの方が心配するところです。

アパート経営を相続し引き継げば、定年後でも毎月家賃収入が入ってきます。経営状況が良ければ、かなり生活に余裕が出るでしょう。

また、早いうちから経営を始めれば資産形成としても役立ちます。

景気に左右されない資産になる

アパートをはじめとした不動産は、現金のようにその価値が景気に左右されにくいというメリットがあります。

例えば、インフレのときは現金の価値は下がりますが不動産の価値が下がることはあまりありません。つまり、アパートは相対的に資産価値を高く保ちやすいということでもあるのです。

アパート経営では家賃収入も生まれるので、景気対策のみならず資産を守る方法の一つともいえるでしょう。

親のアパートを相続するデメリット

アパート経営を相続するメリットに続いて、デメリットもご紹介します。

年数が経つごとに収益性が落ちる

アパート経営の収益性は、常に一定ではありません。

特に、築年数が経つことによる家賃の低下は避けて通ることができません

そのため、将来的に現在の収益性よりも確実に低下すると考えておいた方がよいでしょう。

相続時点で既に築年数が経っている場合、今後も入居者が入ってくれるか慎重に判断することが大切です。

ローンが残っていると収支が圧迫される

アパートローンが残っている状態でアパート経営を相続するケースもあるでしょう。

アパートローンも相続対象のため、アパート経営と一緒に相続し返済していく必要があります。そのため、ローンの残額によっては毎月の返済が重くなってしまうことに注意してください。

通常、ローンはアパート経営による家賃収入から返済していくことになります。ただし、経営が不安定な場合は給与所得や預貯金から負担することになる可能性もあるでしょう。

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親のアパートを売却するメリットとデメリット

アパート経営を売却した方が良いケース

アパートの空室率が高い場合、今後安定したアパート経営は難しいかもしれません。

さらに、アパートの築年数が経っていると修繕箇所も多くなり、必然的に修繕費もかさみます。よって、ご自身の預貯金に余裕がない場合、安易にアパート経営を相続し引き継ぐことは危険です。

こういった状況であれば、親のアパートは売却してしまうのが無難でしょう。ここでは親のアパートを売却する場合のメリットやデメリットを紹介します。

親のアパートを売却するメリット

まずは、アパートを売却するメリットについてご紹介します。

アパートを現金化できる

アパートを売却することによる大きなメリットは、アパートを現金化できることです。

売却によって、一度に数百万円から数円万円の現金を手にすることができでしょう。

現金は生活費や貯蓄などに回したり、別の投資方法に資金を回すこともできます。

維持費を支払う必要がなくなる

アパート経営を相続することによって家賃収入が得られますが、維持管理費もかかります。

例えば、修繕費や、固定資産税都市計画税も維持費の一つです。

固定資産税や都市計画税はアパートの資産価値によって変わるため、かなりの額を納める必要もあるでしょう。加えて、アパートローンも残っていると年間の支出はさらにかさみます。

ローンが残っていれば完済できる

アパートローンが残っている場合、売却によって完済できる可能性があります。完済ができなくても、その負担を大きく減らすことができるでしょう。

現段階でアパート経営の収益性が良くない場合、将来的にローンを返済できなくなる可能性もあります。

売却すれば、ローンや維持管理費を支出することのリスクをなくすことができるでしょう。

親のアパートを売却するデメリット

続いて、アパートを売却するデメリットについて詳しく解説します。

家賃収入が得られなくなる

アパートを売却することで、得られるはずの家賃収入が得られなくなります。

一度売却したアパートを再度取得することは非常に難しいため、本当に手放して良いのか慎重に判断することが大切です。

アパート経営を相続する場合、土地も一緒に相続することが普通です。そのため、アパートを立て替える、もしくは別の土地活用を行うことでより収益性を高めることができるかもしれません。

アパートを担保にできなくなる

アパートを売却することで、アパートと土地を担保とすることができなくなります。

特に、土地は価値が安定しているため担保として設定しやすいという特徴があります。

そのため、今後金額の大きな買い物を行う予定がある方は、担保としてアパートや土地を持っておくという選択肢もあるでしょう。

時期によって売却額が変わる

アパートを売却する際は、その時期を見極める必要があります。不動産の売却価格は、売り時によってかなりの差が生まれるからです。

できるだけ早く売りたいと思っている場合でも、すぐに売りに出すことは避けて方が良いでしょう。

例えば、転居者が多く賃貸需要が高まる2月~3月は収益不動産が最も売れやすい時期です。

このように、アパートの売却は売りに出すタイミングを見極めることが大変になります。

親のアパートを売却するときの注意点

アパートを売却するときの注意点

アパート経営を相続し引き継がずに売却するときには、いくつかの注意点があります。

相続してすぐに売却しない

相続して期間が経たないうちに売却すると、租税回避行為とみなされる可能性があるので注意しましょう。

相続してから売却までの期間は、アパートの名義変更から2~3年程経ったときが安心です。

また、タイミングによっては相場よりも低い売却価格となる可能性もあります。そのため、売るタイミングを慎重に判断することが大切です。

築年数が古いアパートは売れない可能性もある

築40年以上といった、築年数が古いアパートは売りに売れないケースも珍しくありません。

また、利回りの低い物件や再建築不可物件なども売りにくいアパートとなります。

なかなか書い手がつかない場合は、半年をめどに価格を下げるなどを行うことをおすすめします。

複数の不動産会社で査定する

アパートや土地の査定価格には、決まったルールがありません。そのため、不動産会社によって査定額には大きな差があります

アパートを売却する際は、複数の不動産会社で査定依頼をすればより高い価格で売りに出すことができるでしょう。

親のアパートを相続するかは慎重に判断しよう

アパート経営を相続すれば、毎月家賃収入を得ることができます。

しかし、経営状況が安定していなければ、相続して経営を引き継いでだとしても逆に負債を抱えてしまうことにもなりかねません。

アパート経営の相続が発生したら、まずは経営状況を把握し「本当に引き継いでも大丈夫か」について慎重に検討しましょう

売却や相続放棄でアパートを手放してしまった方がよいケースもあります。

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