副業でのマンション経営は年末調整が必要?不動産収入の税務申告とは

副業でのマンション経営は年末調整が必要?不動産収入の税務申告とは

毎年11月頃になると行われる、年末調整関連書類の記入や必要書類の準備。ほとんどのサラリーマンは会社が年末調整を行っており、税金の申告を気にすることはないでしょう。

しかし、副業のマンション経営で不動産収入がある場合には、自分自身で確定申告を行う必要があります。この記事では、年末調整や確定申告の重要性・申告方法など、副業でマンション経営をする際の税務申告について解説します。

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マンションの経営の節税について詳しく知りたい方は、以下の記事も参考になります。

マンション経営はなぜ節税になる?節税の仕組みやリスクを解説

マンション経営で必要な年末調整とは

給与所得者は給与から天引きされる形で、毎月所得税を払っています。給与所得者が毎月払っている所得税はあくまでも概算であり、基礎控除や配偶者控除などのさまざまな所得控除分は、反映せれずに天引きされています。そのため年末調整によって、会社側が1年間に本来納めるべき税額に調整しているのです。

所得控除は毎年会社で申請しますが、中でも家族構成や保険加入の有無は、会社が把握していない情報です。そのため、従業員は毎年年末調整の時期に、下記申告書を提出することになっています。


  • 給与所得者の扶養控除(異動)申告書
  • 給与所得者の保険料控除申告書
  • 給与所得者の配偶者控除等申告書

年末調整が行われることで、給与所得者は確定申告が不要になります。しかし、副業で不動産収入を得ている場合年末調整とは別に自分自身で確定申告を行う必要があります。以下では、確定申告が必要な条件や、行わなかった場合の罰則を説明しましょう。

不動産収入が20万円以上を超えると確定申告が必要

副業である不動産収入が年間20万円以上になると、確定申告が必要です。不動産収入から必要経費を差し引いた不動産所得に対して、一定の税金を支払う必要が出てきます。もし確定申告を行わなかった場合、無申告加算税という税金が課せられるため、注意が必要です。

また申告期限を過ぎてしまった場合も、納付までの日数に応じた延滞税が発生します。確定申告の期間は、毎年2月16日~3月15日と決まっているため、忘れずに申告しましょう。

マンション経営者なら損益通算で節税対策に

損益通算とは、不動産所得で赤字の場合、黒字の給与所得と相殺できる仕組みです。つまり、給与所得が800万円、不動産所得が-200万円であれば、相殺して年間所得を600万円にできます。年間所得が少なくなれば、課税される所得税や住民税が少なくなり、節税となるのです。

しかし、不動産収入を得るためにマンション経営を行っているのに、赤字経営では意味がありません。そのため、設備機器などの減価償却費を経費計上することで、帳簿上の赤字を作っています。損益通算と減価償却を用いることで、賢く節税できるケースもあるのです。

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マンション経営で得た収入から不動産所得を計算する方法

ここまで、マンション経営者の年末調整・確定申告の必要性を説明しました。では実際に申告する必要があるのか、不動産所得を計算してみましょう。

不動産所得の算出方法

不動産所得は、下記のように算出します。


不動産所得=不動産収入(※)-必要経費


※不動産収入に該当するのは、家賃収入・駐車場代(家賃と別に賃料を徴収している場合)・管理費・共益費・礼金・更新料などです。

マンション経営で家賃収入を得るには、必要経費がかかります。収入を得るために投じた経費は、税務申告時に差し引いて計算します。では、マンション経営の必要経費にはどのようなものが該当するのでしょうか。

マンション経営の必要経費

マンション経営において、計上可能な経費のなかには、こまめに記録する必要があるものや、都度書類を保存しておくものがあります。経費として計上するため、面倒くさがらずに日々管理しておくことが重要です。

マンション経営で、必要経費として計上できるものとできないものは、以下の表をご覧ください。

計上できる経費計上できない経費
・固定資産税・都市計画税
・減価償却費
・管理費
・修繕積立費
・水道光熱費
・損害保険料
・消耗品費
・交通費
・通信費
・ローン返済金の利息
・税理士・司法書士への報酬
・青色事業専従者の給与
・災害により発生した損失
・未収分の家賃
・管理会社への集金手数料
・入居者募集の広告宣伝費用
・立退料
・ローン返済金の元本
・賃貸経営に関わらない費用
・所得税・住民税

経費として計上できるものは、マンション経営に直接関わる項目になります。ここでポイントとなるが減価償却費です。減価償却とは、時間の経過で価値が減少する「減価償却資産」において、減少した分の価値を経費として計上できる仕組みをいいます。マンションは減価償却資産に該当するため、経費として計上できるという点を押さえておきましょう。

なお、計上できないものは、マンション経営に直接関わりがない経費です。プライベートで使用した交通費などは計上できないため、誤りがないように注意しましょう。

マンション経営で得た収入を確定申告する手順とは

確定申告の期間は、毎年2月16日~3月15日と決まっています。期限内に申告・納付しなければ、追徴課税などのペナルティが課せられます。よって、確定申告の手順はあらかじめ知っておかなければなりません。

では、不動産収入の確定申告は、どのような手順で行えばよいのでしょうか。以下で説明します。

①申告書の提出方法や確定申告の種類

確定申告書の提出は、以下の3つの方法で行います。


  • 税務署に直接持参する
  • 税務署に郵送する
  • e-Taxで提出する

いずれも確定申告書の受付期間に行います。1つ目の直接持参する方法では、あらかじめ記入した確定申告書と必要書類を準備し、税務署に持参します。この方法なら税務署でアドバイスを受けながら、書類の作成も可能です。

2つ目の郵送は、あらかじめ作成した確定申告書等を郵送する方法です。税務署に出向く必要がないというメリットがあり、確定申告に慣れている方にはおすすめです。なお、受付印が押された確定申告書の控えが欲しい場合は、切手を貼った返信用封筒を同封する必要があります。

3つ目のe-Taxは、作成したデータを税務署に送付できるシステムです。e-Taxを使う最大のメリットは、青色申告の特別控除が使える点で、最大65万円の所得控除額が受けられます。

②必要書類・情報の準備

マンション経営の確定申告には、収支を証明するためのさまざまな書類が必要です。主に、賃貸借契約書家賃送金証明書税金の納付書ローンの返済予定表損害保険の保険証券・マンション経営に関わる経費の領収書・源泉徴収票(本業の会社のもの)などがあります。

③申告書の入手と作成

確定申告書の様式は、国税庁のHPなどから簡単にダウンロードできます。確定申告書には、住所氏名・収入金額・所得控除など必要事項を記入し、記載漏れがないように注意しましょう。なお、記載方法については、WEB上にて詳しく説明があり誰でも簡単に行えます。

参考:確定申告用紙|国税庁

④税務署に申告書を提出

税務署への直接持参郵送e-Taxのいずれかで、税務署に申告書を提出します。なお、郵送の場合は確定申告の受付期間内に税務署で受付してもらう必要があるため、期日直前に郵送する場合は注意が必要です。

マンション経営で得た収入を確定申告する際のポイント

マンション経営で得た不動産収入を申告する際には、いくつか注意点があります。

不動産収入を確定申告する際は青色申告がおすすめ

確定申告を行う際、申告方法として青色申告と白色申告の2種類があります。青色申告には特別控除があるため、節税につなげることが可能です。

以下では簡単に青色申告と白色申告の違いについて説明した上で、具体的な節税額について解説します。

青色申告と白色申告の違い

青色申告をすると10万円・55万円・65万円の所得控除が可能になります。ただし、それぞれに条件が設けられており、条件のひとつにマンションの規模があります。55万円・65万円の特別控除を受けるには、アパート・マンションは10部屋以上戸建て賃貸なら5棟以上の規模であることが目安です。

また、複式簿記での記帳に加え、青色申告承認申請書の提出も条件のひとつです。さらに、65万円の特別控除を受けるには、e-Taxで申告する必要があります。

上記した規模に達しておらず、単式簿記を使用している場合には、10万円の特別控除が受けられます。

一方の白色申告は、単式簿記の帳簿づけと収支内訳書の記入のみで、簡単に申請できます。ただし、白色申告では特別控除を受けられないことに注意が必要です。

青色申告を行なった場合の具体的な金額

副業でマンション経営をしている場合、所有する物件は1戸~2戸程度がほとんどでしょう。よって、青色申告の特別控除枠は10万円となるのが一般的です。不動産収入700万円・必要経費200万円・各種控除100万円の例で、白色申告と青色申告のそれぞれ場合、所得税がいくらになるのか計算します。

白色申告の場合
700万円-200万円-100万円=400万円
400万円×20%(所得税率)-427,500円(所得税控除額)=372,500円(所得税額)

青色申告の場合
700万円-200万円-100万円-10万円=390万円
390万円×20%(所得税率)-427,500円(所得税控除額)=352,500円(所得税額)

上記のように、青色申告を行うと、年間2万円の節税になります。また、住民税の計算においても青色申告の特別控除が適用となるため、住民税の節税も可能です。したがって、税金を安くしたいのであれば、青色申告がおすすめとなります。

減価償却費の計算

確定申告の際に計上できる経費として、減価償却費を紹介しました。減価償却費の計算方法には定額法と定率法の2種類がありますが、2016年4月1日以降に購入したマンションは定額法で計算する必要があります。定額法では毎年同じ金額を計上するため、翌年以降は計算する必要がありません。減価償却費の計算式は以下の通りです。

減価償却費 = マンション取得費 × 償却率

償却率は耐用年数を元にした、1年間に減少する価値の割合のことで、国税庁のHPから確認できます。償却率を確認するためには、構造や用途から耐用年数を調べる必要がありますが、こちらも国税庁のHPから確認可能です。

参考:減価償却資産の償却率等表|国税庁
参考:主な減価償却資産の耐用年数表|国税庁

マンション経営では年末調整だけでなく確定申告を忘れずに

副業でマンション経営を行う場合、会社での年末調整に加えて確定申告も行う必要があります。申告せずにいると、無申告加算税や滞納税を課せられるため、確定申告は必ず行いましょう。

確定申告を行うことで節税もできるうえ、青色申告なら特別控除も受けられます。事前にしっかりと準備を行い、確定申告の時期に備えましょう。

なお、土地活用に関してお悩みなら、プロや専門家に相談するようにしましょう。「イエウール土地活用」なら、複数の土地活用プランや費用・利益の見積もりを無料で取り寄せできます。初めての相談でハードルが高いという方でも、インターネット上で簡単に手続きできるため安心です。

初心者でもわかる!
記事のおさらい

副業でマンション経営をしている場合、年末調整は必要ですか?
副業でマンション経営をしている場合、会社の給与は年末調整を行い、家賃収入は確定申告を行います。詳しくは、マンション経営で必要な年末調整とはをご覧ください。

マンション経営で得た家賃収入はどのように申告すればよいのでしょうか?
マンション経営で得た家賃収入は、必要書類を準備し、申告書を作成し、それらを提出することで確定申告が完了します。詳しくはマンション経営で得た収入を確定申告する手順とはをご覧ください。
マンション経営したら、収益いくら?