賃貸併用住宅と一戸建てで悩んだら|マイホームはこうやって選ぼう

賃貸併用住宅と一戸建てで悩んだら|マイホームはこうやって選ぼう

賃貸併用住宅と一戸建て、どちらにするかはそれぞれの特徴をしっかりと把握した上で選ぶことが大切です。人生最大の買い物といわれるマイホームでは、後悔しないようたくさんの情報を集めることも重要です。

そこで、本記事では賃貸併用住宅と一戸建ての向いている人をご紹介しつつ、マイホームを検討する上で重要なポイントごとに比較をしています。マイホームを検討するなかで、賃貸併用住宅と一戸建てどちらが良いか選ぶ際の参考となれば幸いです。

賃貸併用住宅とは?メリットデメリットから後悔しないためのコツまで解説します【専門家監修】

\建築費は?初期費用は?/

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賃貸併用住宅に向いている人

賃貸併用住宅に向いている人

以下に当てはまる人は賃貸併用住宅に向いているといえます。

  • 費用を抑えてマイホームを持ちたい人
  • 立地のよい賃貸併用住宅を持てる人
  • 将来的に二世帯住宅を考えている人
それぞれ詳しく解説していきます。

賃貸併用住宅は後悔ばかりじゃない!何に気を付ければよいかを把握しておこう

費用を抑えてマイホームを持ちたい人

賃貸併用住宅では、マイホームを建てることで家賃収入も得ることができます。毎月の家賃収入をマイホームの建築費用や購入費用(ローンの返済)に充てることができるので、費用を抑えてマイホームを持つことができます。

家賃収入は立地や間取りなど状況によって異なりますが、例えば家賃8万円をお部屋を2つ作れば、満室の場合は年間の家賃収入が192万円となります。月々16万円の収入となるので、このなかから住宅ローンの返済を行うことができるでしょう。住宅ローンであれば金利が1%以下であることも多く、家賃収入があれば余裕をもって返済することができます。

マイホームの建築費用や住宅ローンの返済について心配な方でも、家賃収入に期待できる賃貸併用住宅であれば検討しやすいでしょう。

賃貸併用住宅は住宅ローンをフルで組むのがおすすめ! 条件や注意点を解説

立地のよい賃貸併用住宅を持てる人

賃貸併用住宅を持つということは、賃貸経営を行うことと同義です。つまり、賃貸物件としてどうすれば家賃収入を安定的に得らえるかについても考える必要があります。ここで重要になるのが、立地です。

都市部や駅前、スーパーなどの賃貸需要が強いエリアであれば賃貸併用住宅に最適な立地といえます。特に、賃貸部分が1部屋しかない賃貸併用住宅は入居者がいなければ収益は0円です。このような空室リスクを抑えるためにも、立地のよい賃貸併用住宅を持つことが重要です。

一般的に相場に、立地のよい賃貸物件は相場よりも高額になりますので注意してください。

将来的に二世帯住宅を考えている人

賃貸併用住宅は、将来的に賃貸部分を子供の自宅とするなど、二世帯住宅として活用させることもできます。他にも、賃貸部分を子供部屋とするなど、自分の自宅部分を拡張させるという意味での活用も可能です。

普通の一戸建ては自宅部分のスペースが限られていますが、賃貸併用住宅なら、同居する家族の人数などによって柔軟に対応させることができます

一戸建てに向いている人

普通の一戸建てに向いている人

以下に当てはまる人は、普通の一戸建てが向いているといえます。

  • リスクを抑えたい人
  • 近隣トラブルを避けたい人
  • 将来的に自宅を売却する可能性がある人
それぞれ詳しく解説していきたいと思います。

リスクを抑えたい人

一戸建ては、自分や家族だけがその建物に住むことになるので賃貸経営について考える必要がありません。賃貸併用住宅はあくまでも賃貸物件ですので、収益がでなければ大きな損となってしまいます。
また、賃貸併用住宅は維持管理や空室リスクなど様々なことを考えなければならず、普通の一戸建てに比べてその維持に労力もかかります。

家賃収入が魅力的な賃貸併用住宅ですが、その分リスクがあります。マイホームを建てるのにリスクを負いたくない方は、普通の一戸建てを検討する方が安心といえるでしょう。

近隣トラブルを避けたい人

賃貸併用住宅では同じ建物内で他人が住むことなります。部屋は分かれているものの、入居者によっては騒音によってトラブルが発生する可能性が高いです。人によっては、プライバシーがないと感じるケースもありえます

普通の一戸建てであれば、隣の家とはある程度距離がありプライバシーも保たれていますので、近隣の方とトラブルになるケースは多くはないでしょう。

賃貸併用住宅の場合は、その構造上どうしても入居者との距離が近くなってしまいますので、その点を気にされる方であれば普通の一戸建ての方が安心できるかと思います。

将来的に自宅を売却する可能性がある人

将来的にマイホームの売却や引越しを検討されているのであれば、普通の一戸建ての方が良いです。賃貸併用住宅は、売却しづらい物件になります。

賃貸併用住宅は、マイホームが欲しい人からすると賃貸部分は必要なく、投資物件が欲しい人からすると自宅部分は必要ありません。つまり、賃貸併用住宅は売却する上で中途半端な物件となってしまうのです。

さらに、住宅ローンが残っている状態などで引越しを行うとローン規定違反となり、残額を一括返済しなくてはならないケースが考えられるので注意が必要です。

このように、長期的にみると普通の一戸建ての方が結果的にお得になるということもあります。


賃貸併用住宅と普通の一戸建てではマイホームという点では同じであっても、それ以外では大きな違いがあります。そのため、どちらが自分により合っているのかについて積極的な情報収集が大切です。
イエウール土地活用なら、複数の企業が作成したプランを比較することで、実際に賃貸併用住宅を建てたらどのような収支になるのかなどについて詳しく知ることができます。

\建築費は?初期費用は?/

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土地の有無
STEP2右矢印
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STEP4右矢印
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初期費用が安いのはどっち?

マイホームの購入にあたって、大きなネックとなるのは初期費用です。人生最大のお買い物といわれるマイホームでは、数千万円ほどかかることが一般的です。

ここでは、賃貸併用住宅と一戸建てそれぞれの初期費用について詳しく解説します。

賃貸併用住宅の初期費用

賃貸併用住宅にかかる初期費用は、一戸建てにかかる初期費用よりも高額になるケースが多いです。これは、賃貸併用住宅の間取りや設備投資によるものです。
以下は、賃貸併用住宅の建築にかかる1坪あたりの建築費用をまとめた表です。

構造建築費用(坪単価)
木造57万円~60万円
鉄骨造85万円~100万円
鉄筋コンクリート造86万円~107万円

例えば、60坪の土地に木造の賃貸併用住宅を建てると3420万円~3600万円が目安となります。また、土地も購入は建築費や本体価格にプラスして土地代がかかります。そのため、場合によっては7,000万円や8,000万円といった費用がかかることもあるでしょう。

ただし、賃貸併用住宅では家賃収入が得られるのでその分を住宅ローンの返済に充てることができます。続いて、賃貸併用住宅の収支例を一つご紹介します。

賃貸併用住宅の建築費はいくらかかる?相場や安く建てる方法を解説

賃貸併用住宅の収支例

賃貸併用住宅では建築費が高くても家賃収入でその分を相殺することができます。今回は、土地を買い賃貸併用住宅を建てることを想定した収支例をご紹介します。
以下は、前提条件です。

条件
建築費4,000万円
土地代3,000万円
賃貸部分・家賃2戸・1戸/8万円
諸経費率10%
自己資金200万円
住宅ローン借入期間35万円
住宅ローン金利1%

諸経費率とは、固定資産税や建物の維持管理費などの経費をまとめたものです。目安としては家賃収入の10%程度といわれています。
この条件をもとにした収支例は、以下のようになります。

シミュレーション結果
返済額(ひと月あたり)約19万2,000円
月額家賃収入16万円
収支-3万2,000円/月

つまり、7,000万円の初期費用で賃貸併用住宅を建てた場合は毎月約3万円の支払いでマイホームを購入できるということです。

特に、都市部でマイホームを購入するとローンの返済が重くなってしまうことも多いですが、賃貸併用住宅であれば家賃収入のおかげで実質的な負担は一戸建てよりも軽くなります

一戸建ての初期費用

一戸建ての初期費用についてみてみましょう。下記の図をご覧ください。
所用資金(注文住宅・土地付注文住宅)
出典 : [住宅金融支援機構]:[2019年度フラット35利用者調査]

注文住宅では、全国平均が3,454万円、土地付注文住宅では、全国平均が4,257万円となっています。また、首都圏に限ってみると約5,000万円かかることが分かります。

一戸建ての場合は家賃収入がありませんので、貯蓄や給与などから毎月ローンを支払うことになります。そのため、一戸建ては毎月の返済額が賃貸併用住宅に比べて高くなる傾向にあります。

実質的に賃貸併用住宅の方がお得!

賃貸併用住宅と一戸建ての初期費用を比べると、家賃収入のある賃貸併用住宅の方が実質的により安い費用でマイホームを持てるということが分かりました。家賃収入や賃貸戸数によっては、費用を抑えつつ収支をプラスにすることもできます。

ただし、賃貸併用住宅では賃貸部分が空室になるリスクもあります。賃貸併用住宅のメリットを最大限活かすには、いかに長期間満室経営を行うかがポイントになるでしょう。賃貸併用住宅はあくまでも賃貸物件であるということを忘れないことが大切です。

住み心地がいいのはどっち?

マイホームを購入するにあたり、外せない検討要素の一つである住み心地。

ここでは、賃貸併用住宅と一戸建ての住み心地の特徴についてご紹介します。

賃貸併用住宅の住まい環境の特徴

賃貸併用住宅の住まい環境の特徴は、以下の通りです。

  • 自宅を何階にするかで大きく変わる
  • 入居者に気を遣う必要があるケースも多い
  • 趣味のスペースが作れない場合もある
まず、賃貸併用住宅の住み心地は、自宅を1階にするか、2階以上にするかで大きく変わります。防犯性やお部屋からの眺め、解放感に期待するなら2階以上を自宅にする方が良いでしょう。反対に、空室リスク対策や災害リスク対策としては1階を自宅とする方が良いです。そして、自宅が何階にあるか、は入居者との距離が近い賃貸併用住宅では住み心地を左右する大きなポイントです。

自宅と壁一枚隔てて賃貸部分が上下または左右にある賃貸併用住宅では、度々騒音トラブルが話題となります。このため、足音などの振動が近くの部屋に伝わりやすく、特に賃貸が1階・自宅が2階といったような間取りだと入居者へ気を使いながら生活をしなければならなくなることも考えられます。小さなお子さんなどがいらっしゃる場合には、この点について十分注意しておく必要があります。

さらに、賃貸併用住宅は賃貸スペースをとることからガレージやお庭といったスペースを確保することは難しいです。駐車所であれば確保できることも多いですが、設計や土地の広さによっては厳しい場合があります。

賃貸併用住宅の間取りの決め方は?狭小地での建て方や失敗のポイントを解説

一戸建ての住まい環境の特徴

一戸建ての住み心地の特徴は、以下の通りです。

  • 周囲を気にせず暮らせる
  • こだわりの空間で暮らせる
一戸建ては、他人との距離が近い賃貸併用住宅と違い、誰にも気を使うことなく悠々自適に暮らすことができるでしょう。家の中でお子さんを遊ばせることや、気兼ねなく庭でBBQをすることもできます。

また、一戸建ては自分のこだわりの設計で建てることも可能です。書斎や趣味スペースなどをつくることができます。賃貸併用住宅は建てることのできるハウスメーカーが限られており、かつラインナップされているなかから選ぶことになるので一戸建てほど設計の自由度はありません。憧れの住まい環境を実現させるなら、一戸建ての方がおすすめといえます。

住まい環境なら一戸建て!

住まい環境では、他人に気を遣わず自由な間取りで建てられる一戸建ての方が良いという結果になりました。

賃貸併用住宅では、同じ建物内で他人が暮らすことになりますので、一戸建てと同じような暮らしをするのは厳しい部分が多いです。特に、理想とするシチュエーションや生活スタイルがある場合は、一戸建てにする方が失敗ありません

そのため、賃貸併用住宅を検討する方は、土地の広さ建物の間取りなどから、自分が快適に暮らせる環境であるかどうかを慎重に検討する必要があります。

資産価値がいいのはどっち?

マイホームは何十年と住み続けることも多く、その資産価値についても気になるところです。住宅は、後世に残したり有効活用して収益を生みだすといったこともできる資産です。

賃貸併用住宅と一戸建てでも、その資産価値は異なりますので、詳しく解説します。

賃貸併用住宅の資産価値

賃貸併用住宅でも一戸建てでも、不動産の資産価値は公示価格や基準地価、路線価などが目安となります。路線価などは立地によってその価格が左右されることが多いため、立地が良い土地にある建物の方が資産価値が高い傾向にあります。

しかし、賃貸併用住宅住宅の資産価値は、これらに加えて一戸建てとは異なる資産価値の評価方法がとられます。これは、賃貸併用住宅が家賃収入を生む不動産であるからです。不動産は、生み出す収入が多いほど資産価値が上がりやすいです。つまり、賃貸併用住宅は満室経営であり利回りが良いほど資産価値に期待できるでしょう。金融機関や不動産鑑定においては、その建物が生み出す収益から資産価値を決定することもあります。

資産価値が高い不動産は、建物を売却する際に有利です。賃貸併用住宅は、自宅部分と賃貸部分があることからマイホームとしては賃貸部分が、投資物件としては自宅部分がネックとなり購入者が限られます。そのため、賃貸併用住宅を少しでも買ってもらいやすくするためには、家賃収入を多く得られるようにする必要があります。

一戸建ての資産価値

一戸建ての資産価値は、築後20年を経過すると建物の資産価値はほぼゼロになると言われています。そのため、売却する際は売り出し価格が土地の価格と同じであることも多いようです。これは賃貸併用住宅についても同様のことがいえますが、多層階タイプの賃貸併用住宅であれば耐用年数や家賃収入から一戸建てよりも高い資産価値となる場合が多いでしょう。

ただし、一戸建ては賃貸併用住宅よりも需要があるので買い手は付きやすいです。土地代が高い場所であれば、空室リスクなどがあることを総合的に考慮すれば一戸建ての方が資産価値に期待できる場合が多いです。

資産価値はケースバイケース!

不動産の資産価値はあらゆる方法ではかられますが、一般的な方法である公示価格や路線価などを基準にすれば立地が良い方が資産価値が高いとなります。しかし、賃貸併用住宅は収益を生み出せること、一戸建ては売りやすいといった特徴があり、資産価値を1つの基準で決めることは危険です。

賃貸併用住宅と一戸建ての資産価値は、立地はもちろん期待できる収益や将来のことも視野にいれながら考える必要があります。自分にとってどちらが本当の意味で価値が高いのかを慎重に選ぶことがポイントです。


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【ケーススタディ】賃貸併用住宅と一戸建てで迷ったら

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これまで賃貸併用住宅と一戸建てをいくつかのポイントごとに比較してきました。しかし、マイホーム選びは人生に大きく関わってきます。費用もかかることから簡単に賃貸併用住宅か一戸建ては決められることはできません。

そこで、ここではいくつかのチェックポイントをご用意しました。ご自身と照らし合わせながら、当てはまる箇所にチェックを付けてみてください。


  • 立地の良い土地を持っている・買うことができる
  • 都心にマイホームを持ちたいが予算オーバーしそう
  • 近所付き合いは苦ではない
  • 2世帯で住むことも考えている
  • 賃貸経営や投資をやっている・やったことがある
  • 事務作業は苦ではない
  • 売却や引っ越しをする予定はない
  • 子供はいない
  • 庭やガレージに憧れはない
  • 実家の家を有効活用させたい


  • 周りの音や振動が気になる
  • 賃貸経営や投資をやったことがない
  • 理想とする生活スタイルがある
  • 家の間取りは自分で決めたい
  • 将来的に売却する予定がある
  • 子供とのびのび遊べる家がほしい
  • ペットを飼いたい・飼っている
  • 車を持っている・持ちたい
  • ガーデニングや車いじりが趣味
  • 事務作業は苦手

の方があてはまる項目が多かった方は、賃貸併用住宅に向いている可能性があります。の方が当てはまる項目が多かった方は、一戸建てに向いている可能性があります。

どちらも同じくらいであるならば、マイホームを購入する際の譲れないポイントをもとに決めていくと良いでしょう。

考えれば考えるほど、賃貸併用住宅と一戸建てどちらが良いか分からなくなってしまうことはあります。マイホームは大きな買い物ですので、時間をかけて焦らずゆっくりと選ぶようにしましょう。

賃貸併用住宅と普通の一戸建ての違いを把握しよう

賃貸併用住宅と普通の一戸建てでは、多くの違いがあります。どちらが自分に合っているのかについては、両者の違いをしっかりと把握する必要があるでしょう。

マイホームは長く付き合っていくものですので、納得のいく決断をするためには情報収集には妥協しないことが大切です。

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