賃貸併用住宅にはどんな種類がある?構造別の特徴について解説

賃貸併用住宅にはどんな種類がある?構造別の特徴について解説

オーナーと入居者が同じ建物に住む賃貸併用住宅には、さまざまな種類があります。種類によって住みやすさや収益性は異なるため、自分に合ったものを選ぶことが大切です。

種類ごとの特徴を知ることで、自分の希望をかなえられる賃貸併用住宅を建築しやすくなります。賃貸経営を成功させるポイントも知り、理想通りの賃貸併用住宅を作りましょう。

賃貸併用住宅とは?メリットデメリットから後悔しないためのコツまで解説します【専門家監修】

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賃貸併用住宅の構造別の種類

賃貸併用住宅の種類は、構造によってわけられます。


  • 一戸建てタイプ
  • 2~3階建てのアパートタイプ
  • 4~5階建てのマンションタイプ
  • シェアハウスタイプ
  • 5階建て以上のビルタイプ

構造ごとの特徴を知り、種類によってどのように違うのかを理解していきましょう。

賃貸併用住宅を建てることを検討している方は、以下の記事もあわせてご覧ください。

賃貸併用住宅の建築費はいくらかかる?相場や安く建てる方法を解説

賃貸併用住宅の新築価格は?実際に建てた方の実例もご紹介

一戸建てタイプ

一戸建てタイプは、一軒家に自宅と賃貸部分が併設した構造です。一戸建てタイプでは、1階部分を自宅、2階部分を賃貸のように、ワンフロアごとに居住スペースをわけられます。

また、オーナーと入居者のそれぞれが1~2階を使い、壁を隔てて住宅を縦に割ることでも居住スペースの配置が可能です。

2~3階建てのアパートタイプ

アパートタイプは2~3階建てを目安に建築します。アパートタイプは木造や鉄骨造での建築が多く、坪単価が安いため建築コストを抑えられる点が特徴です。

最上階を自宅にして、1~2階を賃貸部分にするなど、一戸建てよりも賃貸部分を増やせます。また、ライフスタイルに応じて賃貸部分と自宅部分の割合を変えられるため、自宅をより広くしたり、賃貸部分を広げて収益性を高めたりすることも可能です。

アパートタイプでも、自宅部分の床面積が全体の50%以上なら、住宅ローンを利用できます。事業用のアパートローンよりも、住宅ローンのほうが金利が低いため、ローン返済の負担を減らしたい人は自宅部分を広げて住宅ローンを利用するとよいでしょう。

4~5階建てのマンションタイプ

さらに規模を大きくするなら、4~5階建てのマンションタイプがおすすめです。マンションタイプは鉄筋コンクリート造になることが多く、坪単価が高いため、建築コストは高額になりやすいです。

また、階数が多くなるとエレベーターの設置を検討する必要があります。エレベーターをつける場合は、設置と維持管理に費用がかかるため、ランニングコストも高くなることは覚えておきましょう。

マンションタイプは自宅や賃貸部分を多く取れるだけではなく、店舗を入れることも可能です。賃貸経営に加えて、テナント経営もできるため、方法次第では高収益を目指せます。

シェアハウスタイプ

賃貸併用住宅は、シェアハウスタイプでの建築も可能です。シェアハウスタイプは階数によって間取りが異なりますが、例えば2階建てなら1階をシェアハウスにし、2階を自宅にできます。

シェアハウスは共同で使うスペースがあるため、各部屋の設備投資が安く済む点が魅力です。シェアハウスは近年人気が高く、年齢や職種を問わずさまざまな人が入居するため、空室リスクも下げやすいです。

5階建て以上のビルタイプ

大規模な賃貸併用住宅を建築したいなら、5階建て以上のビルタイプがおすすめです。ビルタイプでは賃貸部分だけではなく、店舗や事務所を入れることも可能です。

マンションタイプよりもテナント経営のスペースを広げられるため、借主を確保できるなら利益を拡大できるでしょう。ビルタイプは膨大な建築コストがかかりますが、都心部ではニーズが高いです。ハイリスクハイリターンにはなりますが、立地条件がよいなら成功を目指しやすいです。

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賃貸併用住宅の配置パターン

賃貸併用住宅で自宅と賃貸部分をどのように配置するかは、2つのパターンがあります。


  • 横割りタイプ
  • 縦割りタイプ

それぞれメリットとデメリットがあるため、詳細な特徴まで知っておきましょう。

横割りタイプ

横割りタイプは、建物を横で分割して、それぞれの部屋を配置することが特徴です。例えば2階建てなら1階が自宅、2階を賃貸のように、オーナーと入居者がワンフロアすべてを使えます。

また、3階建て以上なら、1階と2階の半分を賃貸部分にし、2階の半分と3階を自宅にするなど、一部フロアを共同で使うことも可能です。

横でわけるメリット・デメリット

横割りタイプのメリットとデメリットは、次の通りです。

メリットデメリット
  • 1階を自宅にすると階段の上り下りが不要
  • 1階が自宅なら庭を造れる場合もある
  • 2階が自宅なら日当たりがよい
  • 2階が自宅なら屋上スペースも使える
  • 1階が自宅だと入居者の生活音が気になる
  • 2階が自宅だと自身の生活音に気を遣う必要がある

1階と2階のどちらを自宅にするかによって、メリットとデメリットは異なります。横割りタイプにする場合は、自宅をどこに置いたほうが自身のメリットが大きくなるかで考えましょう。

縦割りタイプ

自宅と賃貸が左右でわけられている配置パターンが、縦割りタイプです。縦割りタイプはそれぞれ1階と2階を利用でき、部屋数を多く取れることが特徴です。

また、設計次第では1階と2階をつなげてメゾネットタイプにもできます。賃貸部分は1階と2階のそれぞれを別の住戸にして、オーナーは1階と2階の両方を使い、入居者はどちらかの階にわけて住んでもらうことも可能です。

縦でわけるメリット・デメリット

縦割りタイプのメリットとデメリットは、次の通りです。

メリットデメリット
  • オーナーと入居者間の騒音問題が起きづらい
  • 1階と2階の両方を自宅として使える
室内に階段を設けるためスペースが狭くなる

縦割りタイプは階下への足音が気にならないため、騒音トラブルは起きづらいです。また、1階と2階の両方を自宅として使えることもメリットでしょう。

デメリットは室内に階段を設置する場合に、多少のスペースのロスが起きてしまうことです。土地が広いなら問題はありませんが、狭小地に賃貸併用住宅を建築する場合は、少しのロスで部屋が狭くなってしまいます。

賃貸併用住宅の間取りの決め方は?狭小地での建て方や失敗のポイントを解説

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賃貸併用住宅の登記の種類

不動産を取得した際には、名義を登録するために登記手続きが必要です。賃貸併用住宅の場合は、登記の種類が2つあります。


  • 単独登記
  • 区分登記

それぞれの特徴の違いや、メリットとデメリットを知って自分に合った方法で登記をしましょう。

単独登記

単独登記は自宅と賃貸部分をまとめて登記する方法です。基本的には一戸建てタイプで建築した場合に、行う登記手続きと考えましょう。

単独登記のメリット・デメリット

単独登記のメリットは、自宅と賃貸の両方をまとめて登記できる点にあります。手間が少ないため、スムーズに登記が完了します。

デメリットは自宅部分が51%以上ないと、住宅ローンを利用できないことです。住宅ローンを利用できないと事業用のアパートローンを使うことになり、金利が高くなってしまう点には注意しましょう。

賃貸併用住宅におけるデメリットについては、以下の記事をご覧ください。

賃貸併用住宅のデメリットには何がある?|向いている人は?

区分登記

2階建て以上の賃貸併用住宅で、賃貸部分だけではなく店舗や事務所、自宅などをわけて登記する方法が区分登記です。アパートやマンションタイプで用いられる登記方式であり、自宅と賃貸、店舗を別々に登記できます。

区分登記のメリット・デメリット

区分登記のメリットは、自宅部分の割合が少なくても、住宅ローンを利用できる点にあります。賃貸や店舗部分とは別で登記をするため、自宅部分が全体の50%以下でも、登記上は自宅部分が100%となるため、住宅ローンの利用が可能です。

デメリットは自宅以外の部分には住宅ローンが利用できず、アパートローンを組まなければならないことです。もし自宅以外の部分が多い場合は、アパートローンの割合が増えるため、ローン返済の負担が増えやすくなります。

また、区分登記だと賃貸部分に親族が住んでいる場合は、相続時に同居していたと認められません。そのため、相続時に同居が条件となる小規模宅地等の特例が適用できず、税金が高くなってしまう可能性があることも覚えておきましょう。

賃貸併用住宅を成功させるには

賃貸併用住宅の経営を成功させるには、押さえておきたいポイントが複数あります。


  • 賃貸管理はプロに任せる
  • 徹底的にエリアを分析する
  • 複数の建築プランを比較する

ポイントを把握して、失敗なく賃貸併用住宅の経営を行いましょう。

賃貸併用住宅でよくある失敗や後悔について詳しくは、以下の記事をご覧ください。

賃貸併用住宅の失敗例と対策方法を解説!10年後のことも考えよう

賃貸併用住宅は後悔ばかりじゃない!何に気を付ければよいかを把握しておこう

賃貸管理はプロに任せる

入居者との距離が近い賃貸併用住宅ですが、賃貸業務の管理はプロに任せることがおすすめです。自身で管理する場合は、入居者からのクレームもオーナーが対処しなければならず、手間がかかります。

管理会社に委託することで、問題が起きても素早く対処してくれるため、自身の手間は少なくなります。プロに任せたほうが適切な方法で管理をしてくれるため、トラブルが防いだり、問題が起きてもスムーズに対処したりしやすいでしょう。

徹底的にエリアを分析する

どのエリアに賃貸併用住宅を建築するかは、徹底的に分析しておくことが大切です。エリアによって、賃貸需要の数やどのような人がターゲットになるかは異なります。

そもそも賃貸需要のないエリアでは、入居者の確保が難しいため、需要の有無は必ず確認しておきましょう。また、ターゲット層によって、求められる条件や必要な間取りは異なります

ターゲットになるのがファミリー層なのか単身世帯なのかを分析して、ニーズを満たせる間取りや立地条件を選びましょう。

複数の建築プランを比較する

賃貸併用住宅を建築するなら、複数の建築会社から見積もりをもらい、それぞれの建築プランを比較しておきましょう。建築会社によって提示する建築プランは異なり、希望を実現してもらえるかどうかも変わります。

また、似たような間取りでも、建築会社ごとにコストが異なることも多いです。複数社の建築プランを比較しておくことで相場価格が判断しやすく、予算に合わせて賃貸併用住宅を建築できます。

自分の生活に適した賃貸併用住宅の種類を選択しよう

賃貸併用住宅にはさまざまな種類があるため、どれにするかは自身の生活に合わせて決めることが大切です。規模が同じでも、構造の種類によって暮らしやすさは異なります。

また、タイプごとにメリットとデメリットもあるため、その違いも把握しておくことが重要です。どの種類が自分にもっとも適しているかを考え、快適に暮らせる設計で賃貸併用住宅を建てましょう。

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