40坪の土地を所有しているものの、その活用方法が分からないと悩んでいる人は多いのではないでしょうか。
40坪(約132.4平方メートル)といえば、畳の枚数で換算すると約80畳分、バスケットボールのコートなら約3分の1が広さのイメージです。
40坪の土地でも駐車場・駐輪場なし、エントランスのない木造6戸~8戸のアパートの建築が可能です。
【40坪で建てられるアパートの間取り】
本記事では40坪の土地でできる土地活用方法について詳しく説明します。
40坪あれば6~8戸の木造2階建てアパートが建てられる!
40坪あれば6戸ほどの鉄筋コンクリート造の3階建てマンションの建築も可能です。
【40坪でできる土地活用一覧】
初期費用 | 収益性 | 安定性 | 税金対策 | 難関度 | |
駐車場経営 | ○ | △ | × | × | 低 |
トランクルーム経営 | ○ | △ | × | × | 低 |
土地を貸す | ○ | × | ○ | △ | 低 |
テナント経営 | × | ○ | × | ○ | 高 |
マンション経営 | × | ○ | × | ○ | 高 |
アパート経営 | × | ○ | × | ○ | 高 |
バイク・駐輪場経営 | ○ | × | × | × | 低 |
戸建て賃貸経営 | × | △ | ○ | ○ | 高 |
賃貸併用住宅 | × | △ | × | ○ | 高 |
土地活用方法でお悩みの際は土地活用ランキングの記事もご覧ください。
【40坪】目的別!おすすめの土地活用方法
ここでは目的別に40坪の土地でおすすめの土地活用方法を紹介します。
初期費用を抑えられる土地活用方法
初期費用を比較的抑えたいという人におすすめの土地活用は以下の4つです。
- 駐車場経営
- トランクルーム経営
- バイク・駐輪場経営
- 土地を貸す
駐車場経営
駐車場経営は、アパート経営などの賃貸経営に比べて、初期費用を抑えることができる土地活用方法です。
駐車場経営は大きく分けて、月極駐車場とコインパーキングの2種類があります。月極駐車場は、最低限の舗装でできるため、費用をほとんどかけずに始めることができます。
コインパーキングの場合も、車止めや精算機など駐車場経営に必要な機械を買いそろえることで始めることができます。初期費用の目安は300万程度です。
経営方式にも自営と一括借り上げ方式があり、後者の場合、土地を業者に貸す形となるため、初期費用ゼロで駐車場経営を始めることができます。
トランクルーム経営
トランクルーム経営は、物置に利用する収納スペースを建設して、利用者にレンタルする土地活用法です。
トランクルーム経営は建物の建築とは異なり、コンテナを設置するだけなので、初期費用が安く、修繕費などのランニングコストも低く抑えることができます。初期費用200万円ほどで始めることができます。
加えて、アパートや戸建て賃貸のように、日当たりや騒音などの立地条件に左右されにくいため、立地の悪い土地でも有効活用が可能です。
バイク・駐車場経営
バイク・自転車置場は、住宅のように建物を建設しないため、災害や老朽化のリスクが低く修繕費もあまりかかりません。
バイク・駐車場経営にも月極、時間貸しの2種類があります。月極の場合、ほとんど費用をかけることなく始めることができます。
時間貸しの場合も、ロック板や精算機を設置すれば簡単に始められます。初期費用の目安は
土地を貸す
土地の上に建物を建てたり、整備したりしなくても、第三者に更地の状態で土地を貸すことで地代として収益を得る土地活用方法があります。
借地の場合、初期費用が必要ないためローンを借りる必要がありません。また、定期借地の場合、契約機関が終了すれば更地で土地が返還されるため、土地を手放したくない人や、アパート経営などを始める前の資金集めとして暫定利用も可能です。
収益性の高い土地活用方法
収益性が高いとされる土地活用方法は以下の3つです。
- アパート経営
- マンション経営
- テナント経営
アパート経営
アパート経営とは、アパートの一室を賃貸として貸し出し収益を得る土地活用方法です。
アパート経営は土地オーナーに広く知られる代表的な土地活用法で、40坪の土地でもアパート経営を行うことは十分に可能です。
アパートを建てる際は通常、アパートローンを借りて建築費を補います。建築費は構造ごとに異なり木造2階建て6戸であれば4000万円~建築が可能です。
【40坪で建てられるアパートの間取り】
【収益シミュレーション】
建築費:4000万円(木造2階建て6戸)
毎月の家賃収入:30万円(5万円×6戸)
毎月の必要経費:4.5万円(家賃収入×15%)
30万円(家賃収入)₋4.5万円(必要経費)=25.5万円
年間の収益:25.5万円×12=306万円
※ローンの返済金を含めない場合
40坪の土地でも駐車場・駐輪場なし、エントランスのない木造アパートであれば6戸~8戸のアパートの建築が可能です。
建築費は4000万円~と比較的初心者にも手が出しやすくなっています。経営のコツは1Kやワンルームタイプなど、なるべくシンプルな間取りを意識し、戸数を増やすことです。
活用事例:目黒の活用事例
エリア | 東京都 |
土地面積(㎡) | 140 |
延べ床面積(㎡) | 269 |
工法 | RC造+木造2×4工法 |
建築費用(円) | 10,000万 |
マンション経営
マンション経営とは、アパート経営と同じでマンションの一室を賃貸として貸し出し収益を得る土地活用方法です。
マンションとは一般的に鉄筋コンクリート造、鉄筋鉄骨コンクリート造などで造られた3階以上の共同住宅を指します。
収益性に関して、新築の場合、アパート経営と比べると大差はありませんが、木造アパートの場合は耐用年数が短く、劣化が早いことから、修繕リスクや家賃低下のリスクを踏まえ、長い目で見るとマンション経営のほうが収益性は良いといえます。
【40坪で建てられるマンションの間取り】
【収益シミュレーション】
建築費:7000万円(鉄筋コンクリート3階建て6戸)
毎月の家賃収入:36万円(6万円×6戸)
毎月の必要経費:5.4万円(家賃収入×15%)
36万円(家賃収入)-5.4万円(必要経費)=30.6万円
年間収益:30.6万円×12=367.2万円
※ローンの返済金を含めない場合
マンションの場合、玄関とは別にエントランスを作る必要があります、また、内廊下が主流になるため住居スペースの敷地面積が狭くなります。そのため、40坪の土地では1フロアに作れる部屋数は多くても2部屋ほどです。
ですが、マンションの場合、3階以上の建築が可能のため、階数を増やすことで部屋数も一緒に増やすことができます。
40坪という限られた土地でも、例えば1フロアに2部屋×3階では6戸のマンションを建てることができます。
テナント経営
テナント経営とは、土地に建物を建てて、その建物を貸し出す土地活用方法です。
法人を対象にして飲食店や薬局などの施設を建築すれば、賃料を高めに設定できるため収益性が期待できます。
【収益シミュレーション】
建築費:5000万円(鉄骨造2階建て・1、2階部分にテナント)
毎月の家賃収入:36万円(家賃収入18万×2テナント)
毎月の必要経費:5.4万円(家賃収入×15%)
36万円(家賃収入)-5.4万円(必要経費)=30.6万円
年間収益:30.6万円×12=367.2万円
※ローンの返済金を含めない場合
税金を抑えられる土地活用方法
税金対策ができる土地活用方法は以下の5つの賃貸経営です。
- アパート経営
- マンション経営
- テナント経営
- 戸建て賃貸経営
- 賃貸併用住宅
アパート経営などの賃貸経営は、相続税を抑えられる土地活用方法です。土地や建物を貸すことにより課税評価額が下がるめ、同価値のお金と不動産の相続税評価額は、不動産のほうが低くなります。
例えば、土地にアパートを建てることによって貸家建付地になり、評価額が約20%の軽減になります。
建物は固定資産税評価額として扱われることや借家権割合を差し引くことができるため、評価額の約60%の軽減になります。
また、固定資産税も安くなります。固定資産税は土地や家屋を所有している人が支払わなければならない市町村の地方税です。
理由は、住宅用地の特例と建物の軽減措置が適用されるためです。この制度によって、土地(住宅用地)と建物の両方の固定資産税を軽減することができます。
初心者でも始めやすい土地活用方法
初心者でも始めやすい土地活用方法は以下の4つです。
- 駐車場経営
- トランクルーム経営
- バイク・駐輪場経営
- 土地を貸す
駐車場・バイク・駐輪場経営
初心者が陥りがちな土地活用における最大のリスクは「空室になるリスク」「修繕費が高額になるリスク」「ローンの返済が困難になるリスク」です。
駐車場、バイク、駐輪場経営などは初期費用が抑えられるため、ローンを組まずとも経営を始めることができます。また、修繕費などのランニングコストがあまりかからないため、初心者でも始めやすい土地活用方法の一つです。
空室になるリスクに関しては、立地条件さえクリアすれば問題ありません。駅近や繁華街の近く、オフィス街に土地があれば、自動車や自転車などの駐車場需要は高いといえます。
土地を貸す
土地を貸す土地活用に関しては、土地を貸すだけなので土地活用の知識がゼロでも始められます。
ですが、収益見込める土地でないと業者などの借り手が見つかりにくいです。収益がさほど見込めない土地であれば、個人に向けて土地を貸すこともできますが、土地のみの貸し出しなので収益性はあまり高くありません。
収入の安定性がある土地活用方法
収入に安定性のある土地活用方法は以下の2つです。
- 戸建て賃貸経営
- 土地を貸す
戸建て賃貸経営
戸建て賃貸経営とは、一軒家ををそのまま貸し出して家賃収入を得る土地活用方法です。
戸建て賃貸への入居者は、家族などのファミリー層も多く、入居期間も長い傾向にあります。よって、一度入居者が決まれば、長期間安定した収入が得られやすいです。
一方で、空室時は家賃収入がゼロになってしまいます。アパート経営などは、戸数の数だけリスク分散できますが、戸建て賃貸の場合、空室になった場合のリスクが非常に高いことがあげられます。
土地を貸す
土地を貸す、借地契約は土地を借りた人が土地の上に建物を建てることが多く、契約が長期に及びます。
また、借地には事業用定期借地と一般定期借地があります。事業用定期借地とは、事業の用途のみに限定した定期借地のことです。契約期間は10年以上50年未満で、契約期間満了時に土地を更地に戻して返還されます。
一般定期借地は50年以上の契約期間で借地契約を結ぶ必要があるものであり、居住用建物を建てることも可能です。契約の更新や延長、建物買取請求権はなく、契約終了時には土地を更地に戻したうえで返還されます。
土地活用に関わる規制
たとえ自分の土地であっても、土地の上に建物を建築する場合は様々な規制があります。
この章では土地活用に関わる規制について詳しく説明します。
用途地域
用途地域とは、その地域に建築できる建物の種類や、用途の制限を定めたルールです。用途地域は、都市計画をもとに各都道府県知事が指定するもので、計画的に街づくりを進める「都市計画区域」と、市街地化をしない「都市計画区域外」などの地域に分かれています。
また用途地域は、「住居系」「商業系」「工業系」の3つにカテゴライズされ、合計13種類あります。
住宅経営には、以下のような地域があります
- 第一種低層住居専用地域
- 第二種低層住居専用地域
- 第一種中高層住居専用地域
- 第二種中高層住居専用地域
- 第一種住居地域
- 第二種住居地域
- 準住居地域
- 田園住居地域
各地域によって規制の詳細は異なりますが、住居系は、住環境が優先される戸建の多い地域です。住居や学校、診療所、また店舗・事務所兼住宅などは建築可能ですが、工場や商業施設の建設には制限がかかります。
商業系地域には、以下のようなものがあります。
- 近隣商業地域
- 商業地域
商業系は、店舗やオフィス、またショッピングセンターやレジャー施設などの、大型商業施設が建設できる地域です。住居も建築可能ですが、賑やかな地域なので、住居系と比較すると住環境に懸念があるでしょう。
工業系地域には、以下のようなものがあります。
- 準工業地域
- 工業地域
- 工業専用地域
工業系は、工場や倉庫が立ち並ぶ地域です。準工業地帯と工業地帯は、住宅や店舗が混在していますが、工業地帯と工業専用地帯は、学校、病院、ホテルを建設することができません。
各市町村の用途地域はWebで観覧が可能です。「自治体名・都市計画図」と入力すると、各自治体の用途地域を調べることができます。
この他にも、土地にはいくつかの法規制があります。
建ぺい率
建ぺい率は、敷地面積に対して建築可能な面積を指します。つまり土地の面積に対する水平投影面積(建物を真上から見たときの面積)の割合のことです。
建ぺい率は、風通しを良くしたり火災を防いだりするために、ある程度ゆとりをもった建築を誘導する目的で設けられています。
用途地域によって幅はありますが、建物を建設できる範囲は土地面積に対して約30%から80%です。そのため、40坪の土地に40坪の家を建築することはできません。
40坪(約132平方メートル)の土地の場合、建てられる建築面積は12坪から32坪(約40平方メートル~106平方メートル)となります。
- 建ぺい率(%)=建築面積÷敷地面積×100
建ぺい率が50%の地域であれば、40坪の土地に20坪(約66平方メートル)までの建物を建てられる計算です。
容積率
容積率とは、敷地面積に対する建物の延床面積(各階の床面積の合計)の割合を指します。簡単に言えば、土地の面積に対してどの程度の空間が使えるかということです。
- 容積率(%)=延べ床面積÷敷地面積×100
こちらも用途地域ごとに制限が決められており、土地面積に対する容積率の範囲は50%から500%です。
建ぺい率50%、容積率が100%の場合を例に取ると、40坪の土地に建設可能な延床面積は、1階と2階を合わせて40坪となります。
とはいえ、建築面積を抑えるために、むやみに高層階の住宅を建築することはできません。高層住宅を2階建ての多い住宅分譲地などに建てると、近隣の日当たりや風通しなどを害する恐れもあるでしょう。
そのため、容積率のほかにも、低層住宅地の「絶対高さの制限」や日照確保のための「日影規制」など、生活環境に配慮した規制も定められています。
接道義務
接道義務とは、日常の交通や火災の避難経路などを確保するために、建物の敷地が道路に面していることを義務付ける制度です。
土地に建物を建てるためには、建物の敷地が幅4メートル以上の道路に2メートル、ないし3メートル以上接してい。
仮に、敷地に面する道路幅が4メートル未満で条件に満たない場合は、敷地の縁を道路の中心から2メートル後退させる「セットバック」が必要です。
また、地域によってはアパートやマンションなどの間口も、幅4メートル以上が必要な場合があるなど規定はさまざまです。
土地活用を始める際の注意点
土地活用を始めるにあたり、いくつかの注意点があります。
しっかりとした収支計画書の作成
土地活用を始める際は、入念に収支計画書を作成する必要があります。
例えば、アパート経営では家賃収入などの収入の他、ローンの返済や税金、修繕費などの支出も発生します。まずは、収入と支出をきちんと理解するようにしましょう。
また、ローンを借りる際はいくら借りるべきか、毎月のローン返済額を理解したうえで返済計画に無理のない範囲内で融資額を決定します。
目的の明確化
土地活用のファーストステップは、目的を明確にするとです。周辺ニーズや法規制などの縛りはありますが、目的をはっきりさせることで、自分に合った経営方法が見えてきます。
「毎月安定した収入を得たい」「税金対策をしたい」「まとまった資金が必要になった」など、アパート経営を始める目的は人によってさまざまでしょう。
例えば、節税が目的でアパート経営を始めたのであれば、小規模住宅用地の特例が適用されるため、固定資産税や都市計画税などの大幅な節税が期待できます。
目的を明確化しないうちから早々に活用法を決めると、本来の目的から逸脱して、投資額だけが膨らみ失敗するケースも少なくありません。
リスクへの理解と対策
土地活用を始める際は、メリットだけでなく、リスクに対しても理解を深める必要があります。。
例えば、アパート経営では、空室になるリスクや家賃低下のリスク、災害のリスクなど様々なリスクを伴います。
さらには、リスクへの理解と共に対策を考えていく必要があります。アパート経営などの土地活用は始めてからはもちろんのこと始める前が非常に重要になります。
自分の土地に合った土地活用を始めよう!
40坪の土地でも、アパート経営や一戸建て賃貸、駐車場、さらには貸店舗経営など、さまざまな活用方法があります。
どのように土地を活用をするかは、立地条件や土地オーナーの目的によって異なります。
不安や疑問点がある場合は、自分一人で判断する前に、その分野に明るい専門家に相談することをおすすめします。