ロードサイドは文字通り道路沿いという意味です。つまりこの記事は道路沿いにある土地をどのように活用すればよいかを考えようという内容になります。ロードサイドには多くのメリットがありますが、逆にロードサイドだからこそ向かない土地活用もあります。
この記事ではロードサイドの土地活用の魅力とはじめるときの注意点について解説します。具体的な活用方法についても紹介しますので参考にしてください。
土地活用方法でお悩みの際は土地活用ランキングの記事もご覧ください。
ロードサイドの土地とは
まずはロードサイドの土地についてみていきましょう。その名のとおり道路沿いの土地ですが、土地活用では少し市街地から離れた道路沿いの土地を指すことが多くあります。道路沿いといわずにあえてロードサイドと呼ぶのはこの土地活用の方法がアメリカから輸入された方法だからです。
日本よりも早く車の利用が発展したアメリカでは市街地の広い土地を利用して大型商業施設を建築するという手法が取り入れられるようになりました。車に乗る人であれば駐車場さえ用意されていれば少し市街地から離れていても不便さは感じないだろうというところに目をつけたアメリカの経営方法です。
広めの駐車場があれば近くの店舗に行くよりも一度にすべての用事をすませることができる大型商業施設に足を運ぶ人のほうが多いでしょう。ただしあまり市街地から離れすぎるとやはり集客が難しくなるため商業施設などの建築には向かなくなります。
日本でもアメリカと同様のことがいえるため、市街地から程よく距離が離れていて広めの土地が確保できるのであれば大型商業施設などの経営に向いているといえるでしょう。もちろん幹線道路沿いなどであってもロードサイドの活用方法はたくさんあります。
いずれにしても道路沿いであることをうまく生かすことで経営を成功させることが、ロードサイドの土地をうまく活用するためのポイントです。
ロードサイドの土地を活用する場合、これから紹介する活用法以外にもさまざまな活用の仕方があります。所有する土地に適した土地活用方法をイエウール土地活用で見つけてみましょう。
\最適な土地活用プランって?/
ロードサイドでの土地活用の仕方
ロードサイドの土地を活用するには具体的にどのような方法があるのでしょうか。土地活用の種類を紹介する前に土地活用の方法について解説しておきます。活用方法は具体的に3種類です。自分にあった活用方法を選択したうえでなにを行うかを考えるとよいでしょう。
自ら起業し経営をおこなう
ロードサイドは集客しやすい条件がそろっていることが多いため自分で起業して経営を行うという人も少なくありません。たとえばアメリカでもロードサイドで自分の飲食店を経営している人は多くいます。
自分で起業するのは素人では難しいでしょう。もしも経営知識がない場合にはノウハウを教えてもらえて、ネームバリューを利用して宣伝することができるフランチャイズがおすすめです。
たとえばコンビニやファミレスなどはフランチャイズ展開している人も多いため事例も豊富です。ロードサイドに土地を所有している場合は起業という選択肢もあることを覚えておきましょう。
事業用定期借地方式
自分で起業しないでロードサイドに店舗を構える方法として事業用定期借地方式があります。事業用定期借地方式は、土地を出店企業に貸し出して地代を得る方法です。
業種に関しては地主である自分が好きなものを選択することができます。借地として借主を公募した場合、立地条件がよければ多くの応募があることがほとんどで、地主が企業を選ぶことが可能です。
ただし、建物の建設に関して地主が口を出すことはできません。その代わり建築費用も必要なく、運営などもすべて出展企業がおこなうため経営リスクがないのは大きな魅力です。事業用定期借地方式では建物が建っても、契約期間満了時には原則更地で戻ってくるため、解体費用の心配もない点もメリットとなります。
リースバック方式
リースバック方式は事業用定期借地方式とは異なり、建物を建築するのは地主である自分となります。建物と土地の両方を貸し出すというのが一般的なリースバック方式の特徴です。そうなると自己資金がなければこの方式を利用するのは難しいのではないかと感じる人もいるでしょう。
リースバック方式については出店企業から建設協力金を受け取ることが可能です。建設協力金はあくまでも借りるという形であり借金となります。とはいえ金融機関から融資を受ける場合よりも金利が安いという点がメリットです。場合によっては無金利で利用することもできます。
そうなると初期費用の総額を抑えることができるため自己資金が不足していても土地活用に挑戦できるということです。返済については出店企業から支払われる毎月の賃料から差し引かれるためリスクも少なくなります。
自己資金が少ないけれど土地は所有しているという人にはリースバックの利用もおすすめです。
ロードサイドで土地活用をするメリット
ロードサイドで土地活用をする際のメリットについてみていきましょう。ロードサイドならではのメリットを生かして土地活用を行うことで長期的に安定した収入を得ることができるようになります。
集客しやすい
ロードサイドは車の交通量が多い点が特徴であり魅力でもあります。交通量の多さは消費者の多さに比例します。そのためロードサイドの土地は集客しやすくビジネスで成功しやすい土地であるといえるでしょう。
広い土地であれば駐車場もしっかりと確保できるため多くの利用者を獲得できる可能性が高くなります。多くのフランチャイズ店舗をみてみるとロードサイドの土地を獲得して店舗展開していることがわかるでしょう。それだけロードサイドは集客性の高い土地であるということです。
多くのフランチャイズ店舗がロードサイドを好むのは車移動をしている顧客を自然的に店舗に誘導できるという利点があるからです。幹線道路から外れた位置にある店舗の場合にはロードサイドに看板を立てるなどして顧客を誘導する必要があります。
それに対してロードサイドに店舗があればちょっと立ち寄ろうという気持ちで気軽に足を運びやすくなるでしょう。さらにはロードサイドにある店舗は位置を覚えてもらいやすく、あの道沿いにあったからあの店に行ってみようと人の記憶に残りやすい点も魅力のひとつです。
このようにロードサイドには集客性の高さという大きなメリットがあります。
管理業務の少ない土地活用を選べる
ロードサイドの土地には集客性だけでなく利用できる業務形態にもメリットがあります。ロードサイドで店舗経営をすることはメリットが大きいといえます。一方でアパートやマンション経営は向かないといえるでしょう。
幹線道路沿いにアパートやマンションを建築すると常に車が走る音がするため落ち着いて生活したい人にとっては好まれる物件にはならない可能性が高くなります。にぎやかな場所でも利便性が高く、交通の便がよい場所を好む人もいるため一概にアパート・マンション経営ができないと決めてしまうことはできません。
ただ、どちらかといえば店舗向きの土地であるということはいえるでしょう。こうした点から考えるとロードサイドの土地では業務管理が少ない土地活用の方法を選択できるということになります。
たとえばアパートやマンション経営の場合には業者に委託しない限りは住民同士のトラブルや日常的な清掃業務、家賃回収の管理など多くの業務を自分で行う必要が生じます。もしも副業で土地活用をする場合にはこうした業務が大きな負担になる可能性が高くなるでしょう。
ロードサイドで展開される可能性が高い店舗経営の場合にはこうした管理業務はほとんど必要ないため負担が少なくすむ点が魅力といえます。
ビジネスの拡大がしやすい
ロードサイドは市街地よりも土地が広く確保できるため、ビジネスの拡大を考えている人には魅力的な土地となるでしょう。駐車場が広く確保できるため集客を多く見込める点も魅力です。
店舗建設の場合、建築にかかる費用がマンションやアパートより少ないため、その分大きな利益を期待できるというメリットもあります。
もし所有するロードサイドの土地の活用を検討している方は、イエウール土地活用で複数企業から土地活用プランを取り寄せ、比較することが可能です。
\最適な土地活用プランって?/
活用事例:ファーストフードドライブスルー付飲食店舗
エリア | 愛知県 |
土地面積(㎡) | 791 |
延べ床面積(㎡) | 168 |
ロードサイドの土地活用のデメリット
ロードサイドの土地活用にはデメリットもあります。よい点には目が行きやすいものです。ただよい点だけをみて物事を決定すると判断を誤ることもあるでしょう。そのためここではロードサイドの土地活用のデメリットについて解説します。
土地活用の仕方によっては利益が少ない
ロードサイドは集客性が高く大きな利益を得ることができる可能性が高い点が特徴です。ただし事業用定期借地方式を利用して経営した場合には、収入は地代のみとなり路線価の6%であると考えておきましょう。
つまり土地活用の方法によっては賃貸料よりも安く、路線価が低いところでは利益が少なくなる点はデメリットといえるでしょう。
節税効果は期待できない
相続対策として土地活用を行う人も少なくありません。さらに節税対策も土地活用の理由のひとつとしてあげることができます。こうした点だけを考えるとロードサイドに向いている活用方法では節税効果が期待できないためデメリットといえるでしょう。
節税効果が高い土地活用の方法としてはアパート、マンション、保育園などがあげられます。ただこうした施設や住居は落ち着いた生活や安全性を求めることが多いためロードサイドでの経営には不向きです。つまりロードサイドで経営できるものに関しては節税効果を期待することはできないということになります。
場所によってはビジネスがしづらい
同じロードサイドでも走る車の種類や位置関係によってはビジネス展開が難しいケースも出てきます。たとえば曲がり角にある店舗は車での入店がしづらく、素通りされてしまう確率が高いため回転率をあげるのが難しいという課題もあるでしょう。
つまり、ロードサイドだからといって必ずビジネスが成功するとは限らないという点はよく理解しておく必要があるということです。どのような種類の車が多く走っているのかなども重要なポイントとなるため、ロードサイドでのビジネス展開でも事前のリサーチは重要になります。
トラックが多ければ駐車場が広めのコンビニや定食屋などの需要が高くなるでしょう。一般車両であれば大型量販店や家族向けの店舗などに人気が集まる可能性も高くなります。
このようにロードサイドの特徴をよく理解しておくこともビジネス成功の鍵となるということです。
ロードサイドの土地に向いた土地活用の種類
ロードサイドの特徴を理解したら、さらに具体的にどのような土地活用をしていけばよいかについて考えてみましょう。ここではロードサイドの土地に向いた土地活用の種類について解説します。
飲食店
ロードサイドに多くみられる店舗の種類としてあげられるのが飲食店です。フランチャイズ店舗であればネームバリューもあり経営ノウハウがなくてもイチからレクチャーしてもらえるため、はじめての経営でも比較的スタートしやすいといえるでしょう。
自分で経営することが難しい場合には事業用定期借地方式を利用して土地を貸し出すことで地代を得るという方法もあります。この方法を選択すれば自分は土地を貸すだけで経営を行う必要がないため負担が少なくてすむでしょう。
一般的に飲食店を経営するメリットは、一般的な賃貸住宅の家賃よりも高めの家賃を設定できることにあります。ただし注意したいのはロードサイドの場合は中心市街地よりは賃料が低くなる可能性が高いという点です。こうした点もよく理解しておくことは重要になります。
ドラッグストア
飲食店の次に人気が高いのがドラックストアです。新型コロナウイルスの影響で近年需要が急激に増え、業績をあげているドラックストアも多くあります。最近ではドラックストアで食料品の取り扱いが行われることも一般化しており、スーパー感覚で利用する消費者も増えています。
そのためロードサイドに展開しているドラックストアは単身者からファミリー層まで幅広い層のニーズに応える店舗として集客率も高くなる傾向にあるのが特徴です。広めの駐車場を用意しておくことで気軽に立ち寄れる店舗として展開することも可能でしょう。
ドラックストアも飲食店と同様にフランチャイズ展開されているところが多いため、経営が初心者でもフランチャイズでスタートする人は多くいます。
初期費用としては810万?2,960万円、運営資金として130万?260万円程度が必要となる点は理解しておきましょう。
コンビニエンスストア
フランチャイズ展開でもっとも多いといっても過言ではないのがコンビニエンスストアです。コンビニエンスストアの場合は、リースバック方式と事業定期借地方式のいずれかを選択することが可能です。契約期間は10~30年が一般的であるため長期的に収入が得られる点は大きなメリットとなるでしょう。
ただし、こちらの都合で途中解約した場合には違約金が発生する可能もあるので注意が必要です。ロードサイドのコンビニエンスストアは長距離トラックの運転手などが休憩がてらに利用することも多いため広めの駐車場を用意するなど店舗内だけでなく周辺環境も顧客ニーズに合わせて建築する必要があります。
ロードサイドだから放置していても顧客が集まるだろうとたかを括っていると痛い目をみることもあるため、経営する以上はしっかりと顧客層をリサーチするなどして工夫・改善を繰り返すことが大切です。
ガソリンスタンド
一般的な土地活用の方法ではあまり目にすることがないジャンルですが、ロードサイド特有のジャンルとしてガソリンスタンドの建設もひとつの選択肢とすることができます。ガソリンは生活に必要不可欠なものであるため、安定した収入を得ることが期待できるでしょう。
ただし危険物を取り扱う業種であるという点にはしっかりとした理解が求められます。素人が簡単にはじめられる職種ではないため有資格者がいることや危険物の取り扱いができる人がいることなど経営条件のハードルが高くなるでしょう。
さらにもしもガソリンスタンドを撤退するとなった場合には撤退費用が高額になりやすいという点も理解しておく必要があります。土地を汚染させるリスクがある業種でもあるため、高額な収入を得られる反面でリスクも高い点を理解したうえでスタートすることが重要です。
また、所有するロードサイドの土地でどのような土地活用種別が良いのか迷ったときは複数の土地活用プランを一括請求・比較できるサービスを使うことをお勧めします。イエウール土地活用なら、複数のプランを比較して収益性の高い土地活用方法を見つけることができます。
\最適な土地活用プランって?/
ロードサイドで土地活用をするときの注意点
ロードサイドで土地活用をする際のメリット・デメリットについてみてきました。ここからはさらに具体的にロードサイドで土地活用をする場合に注意しておきたい点について解説します。よく理解して土地活用を成功に導きましょう。
場所によっては希望の土地活用ができないこともある
ロードサイドであるないにかかわらず、土地活用を行う場合には用途地域に注意する必要があります。用途地域はその土地を利用できる条件をエリアごとに設定したものであり、条件にあわない建物はどのような事情があっても建築することができません。
具体的には土地は「市街化区域」と「市街化調整区域」、「非線引区域」に区分されています。この3つの区分ごとに建設する建物に規制や制約があるということです。そのためロードサイドの場合も土地活用を計画する前に建築できる建物を役所などで確認しておくことをお勧めします。
その地域に合った業種を選ぶ
ロードサイドで土地活用をする場合は、周辺環境がとても重要になります。周辺の住民の人口が増えたり、近くに商業施設が建設されたりすれば人通りが多くなり業績アップも見込めるでしょう。
反対に、高齢者が多く過疎化が進む地域ではビジネスが難しいということも考える必要があります。つまり、その地域にあった業種を選ぶことが土地活用をスムーズに行うためには重要であるということです。
その地域の特性については、専門業者に土地診断を依頼することで調べることも可能です。費用はかかりますが建物を建ててしまってから気がついても遅いため多少費用をかけたとしても事前に調べておくのもひとつの方法と考えてみましょう。
事業用定期借地方式ではペナルティを設定しておく
ロードサイドの土地では事業用定期借地方式を利用することも多くあります。事業用定期借地方式の契約期間は通常10~50年未満とされています。事業用定期借地方式では契約満了時に再契約も可能ですが、撤退する可能性も高いと考えておきましょう。
基本的には撤退する場合は更地の状態で返還されるため次の土地活用に着手しやすい状態になっています。とはいえ、事業は常にリスクについて考えておく必要があります。もしも事業者が途中解約を希望してきた場合のこともしっかり考えておきましょう。契約の段階で途中解約のペナルティを設定しておくと安心です。
ロードサイドの土地活用は慎重に検討する
ロードサイドの土地活用は一見すると集客性が高く収益についても希望が持てると考えられます。ただし、リスクもあるため事前にしっかりとした計画を立てておくという点では通常の土地活用と同様です。ここまでみてきたようにロードサイドの土地活用にはメリット・デメリットの両方があります。
それぞれをしっかりと理解してどのような活用方法を選択することが最善の方法であるのかをしっかりと検討しましょう。もしも土地活用の経験がなくはじめて土地活用をするのであれば専門家のアドバイスを受けるというのもひとつです。
イエウールの土地活用サイトでは土地活用に関する情報が豊富に掲載されており、基本的な知識を身につけることができます。さらに専門的な知識を持っているスタッフや有資格者とのつながりがある優良な建築会社をみつけることもできます。
はじめての土地活用ではイエウールの土地活用サイトをぜひ利用してみてください。