中古マンションの購入を検討している方は築年数があまり経っていないマンションを希望する方が多いでしょう。しかし、築年数が20年経っているマンションにもメリットは多いです。
本記事で築20年マンションのメリットや選ぶうえでのポイントそして耐震性について詳しく解説します。ぜひ参考にしてみてください。
築20年のマンションは何年住める?
まず初めに、国土交通省の調査によると中古マンションの寿命は鉄筋コンクリート造のマンションの寿命は120年、定期的に修繕をしていれば150年以上になるとの試算があります。
日本において鉄筋コンクリート造のマンションが建てられ始めたのが1960年以降のため、現存する中古マンションは長くとも築年数65年程度で寿命を迎えるとされています。
また、マンションの寿命と勘違いされやすいものとして法定耐用年数があります。法定耐用年数はあくまでも会計上の概念でマンションの減価償却が47年で0円になるまでの年数です。つまり、法定耐用年数の47年が経ったからもう住めなくなるというわけではありません。
中古マンションの耐用年数について詳しくはこちらの記事もご覧ください。
中古マンションの耐用年数は何年?寿命が来たらどうなるかまで解説
築20年のマンションのメリットは4つ
築20年マンションには新築とは違う魅力やメリットが多くあります。築20年マンションのメリットは以下のとおりです。- 新耐震基準で建てられている
- 築浅物件より価格が安い
- 新築物件より立地条件の選択肢が多い
- マンションの管理状況を確認できる
新耐震基準で建てられている
築20年マンションは1981年6月に改定された新耐震基準で建てられていることがメリットです。耐震基準とは、建築基準法や建築基準法施工令などによって定められた、建築する建物が最低限満たすべき地震への耐性基準のことです。1981年5月以前の基準で設計された建物を旧耐震基準を呼び、 1981年以降に設計された建物は新耐震基準と呼びます。旧耐震基準では震度5の揺れ、新耐震基準では震度7の大きな地震でも全壊しないのを基準として設計されています。
実際に、2011年に発生した東北地方太平洋沖地震では、 1981年以降の新耐震基準で建設された建物に関して、地震による直接的な建物の被害は少ない状況です。
築20年マンションは新耐震基準で建てられているため、地震による倒壊のリスクを避けれる安心材料にもなります。
築浅物件より価格が安い
築20年マンションのメリットは、築浅のマンションに比べて物件価格が安いことです。東日本不動産流通機構の調査によると築20年のマンションは新築時の約5割程度の価格で購入できることがわかります。引用元:東日本不動産流通機構
築20年マンションを購入してリノベーションをしたとしても、新築を購入するより安く購入することが可能です。そのため、予算内でマンションを買いたいという方にとって、築20年マンションは希望条件に合えばよい選択肢になるのです。
新築物件より立地条件の選択肢が多い
中古マンションは新築マンションと比較すると物件数の違いの理由から物件の選択肢が多いです。中古マンションの建設は1960年代から始まっており、毎年建設され続けています。つまり、新築より中古マンションの方が物件数が多いため、希望とするエリアで物件を見つけられない可能性が高くなるのです。
立地のよさは利便性にも関係しますが、資産価値にも直結する重要な要素です。令和2年度の国土交通省の調査によると、徒歩10分以内のマンションは資産価値が高く保たれる傾向があります。
最寄駅からの距離 | 平均取引価格 | 延べ床面積 | 平均㎡単価 | 単価の比較 |
---|---|---|---|---|
1~5分 | 5250万円 | 96.6㎡ | 54.7万円 | 100% |
6~10分 | 5027万円 | 95.0㎡ | 52.7万円 | 96.30% |
11~15分 | 4475万円 | 94.5㎡ | 47.4万円 | 86.70% |
16分以上 | 3820万円 | 95.1㎡ | 40.4万円 | 73.90% |
引用元:国土交通省
マンションの管理状況を確認できる
中古マンションは内覧時、長期修繕計画や議事録などでマンションの管理状態が適正かどうか確認できることがメリットです。管理状況を確認しないで築20年マンションを購入してしまうと修繕積立金の臨時徴収や入居者同士のトラブルが発生する可能性があるため注意しましょう。中古マンションの選び方では「中古マンションは管理を買え」という言葉があります。これは共用部分はもちろん、管理状態がしっかり機能しているかどうかということです。
また、マンションには入居者で構成されるマンション管理組合があります。なかには、マンションの管理を管理会社に委託しているケースもありますが、マンション管理組合が機能していると入居者の管理に対する意識が高いことを意味します。
そのため、マンションの管理状態が適正かどうかも忘れずに確認しましょう。
中古マンションの買い時について詳しく知りたい方はこちらの記事もご覧ください。
中古マンションの築年数は何年が買い時?寿命や耐震性まで解説
築20年のマンションを選ぶ時のチェックポイント
築20年マンションの購入を検討している方は、物件選びの際に以下の点に注意しながら選んでいきましょう。- 長期修繕計画は適切であるか確認する
- 設備に不具合がないか確認する
- 建物構造を確認する
- 過去の取引事例を確認する
長期修繕計画は適切であるか確認する
築20年のマンション選びにおいて最も重要な要素は、中古マンションの修繕が適切な周期で実施されているかどうかです。マンションにおける定期的な修繕は、国土交通省のガイドラインによると12年に1度実施するべきとされています。そして、大規模修繕のための費用を徴収する修繕積立金の徴収状況や徴収額などを算出している長期修繕計画があるか確認しておきましょう。
多くのマンションでは長期修繕計画は作成されていますが、5年に1度の定期的な見直しがされていなかったり議事録が適切に取られていないマンションも存在します。そのため、築20年マンションを購入する前には必ず不動産会社を通じて管理状況の確認を行うようにしましょう。
マンションの長期修繕計画について詳しく知りたい方はこちらの記事もご覧ください。
マンションの長期修繕計画とは?その目的や注意点などをわかりやすく解説
設備に不具合がないか確認する
エントランス・エレベーター、共用廊下などの共有スペースの清掃が行き届いているかどうかも大切なチェックポイントです。集合ポスト周りが砂ホコリで汚れてないか、照明の電球が切れた状態で放置されていないか、落書きが放置されていないかなど、共有スペースの状態でマンションの管理がきちんと行われているかどうかを判断します。
また、ゴミ置き場がきれいに清掃されているかほか、ゴミ置き場の中に分別されていないゴミが放置されていないかどうかを確認しましょう。ゴミの分別がきちんと行われているかどうかで、マンションの住民の意識の高さや低さがある程度見えてきます。
建物構造を確認する
マンションの外観についても忘れずに確認しておきましょう。外観に大きなヒビがあったりする物件は、修繕の予算が足りていなかったり管理がずさんだったりする可能性があります。外観のヒビの程度は遠目から見る感じでよいでしょう。また、配水管の状態を確認しておくことをお勧めします。築年数が経っている中古マンションは配水管がコンクリートに埋まっている構造であったり、下の階の天井裏を通っているケースも少なくありません。そのため、リフォームやリノベーションを検討している方は配水管の状態を確認しておくようにしましょう。
中古マンションの構造や配管チェック方法についてはこちらの記事もご覧ください。
中古マンションは配管チェック必須⁉配管チェックの具体的方法を解説
過去の取引事例を確認する
築20年マンションを選ぶ際には過去に取引が頻繁に実施されているか、空室率の高さの割合をチェックしておきましょう。空室率が高いマンションでは自然と管理費や修繕積立金の徴収額が少なくなってしまうため、住民が多いマンションに比べて劣化も早くなります。将来的な売却を見据えている場合や終の棲家としてマンションの購入を検討している方は現在の空室率や取引事例をチェックしておきましょう。
築20年のマンションは将来的に売れない?
将来、何かしらの理由で売却する可能性もあるかもしれません。そのような状況になった場合、資産価値が落ちにくいマンションを選んでおけば少しでも高い値段で売却することができます。マンションの資産価値は一般的に築年数が経つにつれて下がっていきます。下記の表は首都圏の築年数別の資産価値の推移を表したものです。
引用元::REINS TOPIC
上記の表でわかるように築25年までは資産価値が下がり続け、築25年以降は横ばい状態になっています。
また、築年数以外でもマンションの資産価値は変わってきます。資産価値が落ちにくいマンションの特徴は以下のとおりです。
- 人口が多い地域のマンション
- 立地条件がよいマンション
- 治安がよいマンション
- 将来性のあるマンション
中古マンションを選ぶうえで資産性を意識しないで購入すると将来、安価な価格でしか売却できない可能性があります。そのため、今現在の価値だけでなく築年数や周辺エリアの将来性を見極めることが大切です。
マンションの資産価値について詳しくはこちらの記事もご覧ください。
資産価値が高いマンションの重要性とは?新築と中古の価値の違いや計算方法を徹底解説!
築20年のマンションが将来建て替えになったら?
東京カンテイの調査によると、中古マンションの建て替えまでの年数は全国平均が33.4年、東京都は40.4年となっています。また、東京都が運営している「マンションポータルサイト」よると建て替え年数が築36~40年で30.2%となっており、全体を通じて築35年以上のマンションが建て替えられているとのことです。
また、マンションの建て替えにはいくつかの条件が必要です。たとえば、建て替えには所有者の5分の4以上の賛成が必要になることや、建て替え費用として1000~2000万円程度の必要になってくるなどが挙げられます。
国土交通省の調査によると、2020年7月時点で全国の建て替え件数は254件(1.9万戸)にとどまっており、全体の2%しかありません。つまり、マンションの建て替えは現実に行われているケースが少ないのです。
しかし、建て替えが決まった場合は以下3つの方法で実施されるのが一般的です。
- 居住者負担で建て替える
- 建物の容積率を上げて建て替える
- マンションの敷地売却制度を活用する
居住者負担で建て替えるにしても平均で1,000万~2,000万円必要となるため、建て替えになった場合は多額の費用が必要になることを覚えておきましょう。
マンション建て替えの気になる費用負担について詳しくはこちらの記事をご覧ください。
分譲マンションの建て替えは住民も負担?気になる費用・工程解説
築20年のマンションを選ぶ際は不動産会社選びが大事!
築年数が20年以上の中古マンションはすでに価格がある程度下げ止まっているため、築浅のマンションと比べて手が届きやすいのがメリットと言えますが、売却時に売れる物件、つまり資産価値の高い家を買うことも重要なポイントです。
というのも、資産価値の低いマンションには十分な価格がつかないため、ライフステージの変化などいざというときに住み替えができないこともあるものです。
資産価値と言えば駅からの距離や築年数などが思い浮かびますが、実際には再開発の予定や法律で定められた用途区域など様々な要因で資産価値は決まります。そのため、資産価値の高い家を買うなら、自分で選ぶのではなく実績ある不動産会社からの提案やアドバイスが必須です。
とはいえ、いきなり不動産会社に行くのは少し気が引けるというのもよくあること。そこで、資産価値の高いマンションを選ぶならHousii(ハウシー)がおすすめです。
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