アパート経営に必要な許可とは。許可を得ていない場合のペナルティ

アパート経営に必要な許可とは。許可を得ていない場合のペナルティ

土地活用や資産運用のためにアパート経営を検討している人もいるでしょう。アパートを経営する場合、特別な許可は必要ありません。ただ、副業として行う場合には本職の勤め先に話をとおしておかなければ後からトラブルになる可能性がゼロでないことを理解しておきましょう。

自分が所有している土地に何を建てようが自由だと感じるかもしれません。ただ、そこに収益が発生する場合には事業所得として扱われるため税金の支払いが生じます。職業によっては副業を禁止しているケースもあるでしょう。

この記事では本職の職場に許可を得ずにアパート経営をした場合のデメリットについて解説します。ペナルティについても紹介しますので参考にしてください。

最適な土地活用のプランって?
STEP1
土地の有無
STEP2
都道府県
STEP3
市区町村

アパート経営自体に許可は不要

アパート経営を行う場合、飲食店のようにどこかに許可を取るという必要はありません。自分が所有している土地をどのように利用するかは個人の自由です。ただ、副業としてアパート経営を行う場合には注意が必要になります。

職業によっては収益が一定の基準を超えると副業扱いとされ、会社の許可を得る必要があると定めているケースもあるでしょう。

アパート経営ともなると戸数にもよりますが、年間の家賃収入はそれなりの額になる可能性が高くなります。そうなると会社に報告しておくほうが後々のトラブル回避のためにもよいと判断できるでしょう。

具体的にどのような職業で副業が禁止とされているのか、またなぜ禁止とされるのかについて次の項目で解説します。

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アパート経営が禁止される理由

職種によってアパート経営が禁止される理由は異なります。共通しているのは副業にあたるからという点でしょう。副業を禁止している職種や企業の場合はアパート経営を禁止される可能性は高くなります。会社員の場合と公務員の場合にわけて、アパート経営が禁止される理由について考えていきましょう。

会社員の場合

まずは会社員のケースからみていきましょう。さまざまな社会情勢の変改にともない、副業を解禁する企業が増えてきています。ただ、なかには副業を禁止としている企業もあるでしょう。副業については就業規則に記載されていますので確認してみてください。

アパート経営をすることが問題なのではなく、その行為が副業にあたるから禁止というケースが大半です。副業を禁止している理由としては。守秘義務や業務に支障をきたす可能性について言及している企業が多いでしょう。

アパート経営を副業として行う場合には、自分が勤務している企業の就業規則をしっかりと確認してから行うことが必要です。必要であれば事前に会社に相談するというのもひとつの方法になります。

公務員の場合

公務員については法律で副業が禁止されています。たとえば、地方公務員として勤務しながら他企業からも収入を得るということは法律に反するため禁止です。公務員は公務で知り得る情報が極秘であることも多いため倫理上の問題もあり副業が禁止されていると考えてもよいでしょう。

業務に支障が出るような副業であればなおさらです。ただし、頭ごなしにすべての副収入を得る行為を禁止しているわけではありません。

たとえば転売やアンケート回答、アフェリエイトなどは本業に支障をきたすほどになると問題ですが、基本的には副業に当たらないとする考えもあります。アパート経営に関しても条件を満たせば問題ないと判断されることもあります。

アパート経営については自分が所有している土地の活用という一面もあるため、実践する前に職場に確認をとって条件を確認してから行うことが必要となるでしょう。

秘密でアパート経営をしてバレてしまう理由

アパート経営の場合、自らが表立って働くということは少ないため黙っていればバレないのではないかと考える人も多くいます。ただ、これは安易な考えです。やはり隠し事は必ずバレてしまうと考えておいたほうがよいでしょう。

秘密にしていてもアパート経営をしていることがバレてしまう理由はいくつかあります。ここでは秘密がバレる理由について解説します。

会社員は住民税でバレる

会社勤めをしながらアパート経営をしている人の場合、自分が勤務している時間にアパート経営に携わる業務が発生することは少ないでしょう。管理を委託している場合はなおさらです。そのためつい秘密でアパート経営をスタートしてしまうというケースもあります。

ただし、このケースは必ずバレてしまう理由があるため要注意です。その理由が住民税になります。アパート経営は家賃収入が年間でかなりの金額になるでしょう。そのため確定申告が必要となります。

確定申告をすると増えた収入の分だけ住民税が上がります。住民税が上がると会社に納付書が送付されるため、いくら秘密にしていてもこのタイミングでバレてしまうというわけです。

会社としては給料が上がったわけではないのに住民税が上がるということはほかに収入があるのではないかと疑うようになります。そうなると本人に確認が入るでしょう。

なんとかうまくごまかしたとしてもアパートを経営し続けている以上、住民税は毎年ほぼ同額で課税されるため徐々にごまかしが効かなくなることは理解しておきましょう。

社員からバレる

「内緒なんだけど」「誰にもいわないでほしいんだけど」「ここだけの話」など、誰もがなんだろうとなんとなくドキドキするフレーズが冒頭につく話はどこからもれるかわからないと考えておいたほうがよいでしょう。

アパート経営がうまくいってもうかってくると誰かに話したくなるものです。仲のよい人ならとつい口を滑らせたことがいつの間にか社内のうわさになっている、ということは少なくありません。

SNSを利用している場合、誰もみていないだろう、アカウントを知られていないだろうとあからさまにアパート経営の話などをしていると意外なところから情報がもれることもあります。

また会社のパソコンで副業について調べたり、アパート経営について調べたりしていると履歴からうわさが広がることもあるでしょう。こうしたちょっとしたことからアパート経営の事実が明るみになってしまうこともあるため注意が必要です。

副業に該当しない範囲におさめるためのポイント

では会社員や公務員になるとアパート経営をすることはできないのでしょうか。必ずしもできないということはありません。あくまでも副業が禁止されているという点がポイントです。

実際、アパート経営は一定の条件を満たしていれば副業には該当しません。そのため副業に該当しない範囲であればアパートを経営していても問題はないということです。

そこで、ここでは副業に該当しない範囲におさめるためのポイントについて3点解説します。

家賃収入が年間500万円未満にする

公務員の場合、年間の家賃収入に着目しましょう。年間の家賃収入が500万円以上になるとアパート経営も副業とみなされます。そのため家賃を設定する場合にはよく計算してから決定することが重要です。

たとえば、1棟8室のアパートを2棟経営したとしましょう。1部屋の家賃が月額60,000円とします。この場合の年間家賃収入を計算してみましょう。部屋数は2棟で16室になるため60,000円が16室分となります。


60,000円×16室=960,000円


つまり月の家賃収入は960,000円です。これを年間で計算すると次のようになります。


960,000円×12ヶ月=11,520,000円


このように60,000円のアパートを16室で経営すると1,000万円以上の収入となるのです。こうなると500万円を超えてしまうため副業扱いになります。

たとえばこれが1棟で6室だった場合は、家賃が同じ60,000円でも月の家賃収入は36万円で、年間収入は432万円と500万円未満になります。500万円未満であれば不動産投資として認められ、公務員でも問題なく経営できます。

ここでポイントとなるのは、あくまでも家賃収入の額が副業の線引きに用いられるという点です。アパートローンの返済や修繕費などを差し引いたキャッシュフロー収益が500万円未満であったとしても家賃収入が500万円を超えた時点で副業とみなされるため注意が必要となります。

さらに公務員の場合には収入が500万円未満の場合も報告が義務付けられている点も覚えておきましょう。「人事院規則14-8」では公務員は毎年1月に自営兼業承認申請書を提出して報告する義務があります。つまりいずれにせよ公務員の場合はアパート経営をする場合、勤務先に報告しなければならないということです。

アパートが5棟10室未満におさえる

年間の家賃が500万円未満であったとしても、もうひとつ注意しておかなけれならない点があります。それがアパートの棟数と部屋数です。具体的にはアパートが5棟10室以上になると事業規模での経営とみなされ、副業扱いになります。

この5棟10室は次のように考えましょう。

1棟は1Kが6室のアパート、それと2DKが2室のアパートを3棟所有しているケースです。この場合、棟数は4棟であるため5棟以下であるため副業の規定に入らないと考えられます。ただし、部屋数は1Kが6室、2DKが室の合計12室となるため室数で事業規模とみなされるのです。

逆もあります。アパートだけでなく借家を所有しているとしましょう。

借家を3軒、2室のアパートを3棟経営している場合です。借家は1軒で1棟にカウントされます。アパートは2室が3棟で室数は6室です。この場合、室数は9室なので10室未満となります。ただし、棟数が借家3棟とアパート3棟の6棟になるため5棟以上となり事業規模とみなされることになるわけです。

このように5棟10室の基準もよく考えてからアパート経営をスタートすることも重要になります。

管理業務は管理会社にまかせる

公務員の場合、さらに注意しなければならない点があります。それはアパートの管理業務についてです。公務員は「義務違反防止ハンドブック」において職務専念の義務「国公法第101条」が定められています。

これは本来の業務に支障が出ることをしてはならないということが記載されているものです。アパート経営が副業にならないという考えのベースには不動産投資でありあくまでも自分の労力をそこに使わないことがあります。

つまりアパートの管理業務をしてしまうとそこで働いて自分の労力を行使したことになるのです。これは職務専念の義務に反するため禁止行為に抵触したとみなされる可能性が高くなります。

アパート経営を行う場合には、管理を委託業者にまかせることで自分の労力を行使していないということにするようにしましょう。

許可なしにアパート経営をしたときのペナルティ

では、許可を得ずにアパート経営をした場合のペナルティはどのようになるのでしょうか。秘密でアパート経営をしていたけれどバレてしまうとどうなるのかを具体的にみていきましょう。

就業規則に記載されているとペナルティの対象となる

ペナルティを考えるうえで重要となるのが就業規則です。勤務している企業の就業規則に副業についてどのように記載されているかでペナルティの度合いが変わります。就業規則に副業禁止としっかりと記載されている場合には、懲戒処分の可能性が高くなるでしょう。

ただ、一般的に副業が法的な問題として扱われることは少ないともいえます。会社から解雇されるか減給、部署移動などのペナルティが科せられる以外に損害賠償を求められるなどの可能性は低いと考えてよいでしょう。とはいえ、会社にいづらくなる可能性は考えておく必要はあります。

ペナルティの程度は副業内容による

さらに副業の内容によっては法的な問題として扱われることもある点も理解しておきましょう。アパート経営で法的手段を取られることはほとんどないでしょう。副業扱いになる規模の経営を隠していた場合には懲戒解雇や減給、部署移動などのペナルティは覚悟しておく必要があります。

問題は法律に触れるような内容の副業や同業他社への情報漏洩で収入を得ていた場合です。このケースでは明らかに会社に損害を与えることになるため会社を解雇されるだけでなく、法的な裁きを受ける可能性が高くなります。

具体的なペナルティの内容

就業規則に違反した場合のペナルティは具体的に「戒告・けん責・減給・出勤停止・降格・諭旨解雇・懲戒解雇」などがあげられます。

戒告は、簡単にいえば厳重注意です。口頭や文書によって厳重な注意を行なって今後を戒める処分ということになります。ペナルティのなかでももっとも軽いものと考えてよいでしょう。

けん責とは、始末書を書かせて今後を戒めるという意味です。自分が行った違反を文章で書き起こして謝罪させる意味を持ちます。

減給は、文字通りに給料が減額されます。差し引かれる金額については労働基準法で定められています。「1回の減給額は平均賃金の1日分の半額を超え、総額が一賃金支払期における賃金の総額の10分の1を超えてはならない」、これが法的な基準です。

出勤停止は会社に出勤することを許さない処分です。期間は法的には決まっていません。出勤停止期間中は無給です。多くの場合は1週間から1ヶ月で解除されるとされています。

降格は、役職や職位を下げる処分です。基本的には就業規則にのっとった処分が行われます。降格で負うペナルティは役職給や職務手当の支給がなくなる点にあります。減給は1ヶ月など期間が限定的であるのに対して降格は役職が上がらない限り給料が減額されたままが続く点で減給よりも厳しいペナルティだといえるでしょう。

諭旨解雇では、退職届を一定期間内に提出するよう通達されます。期間内に自ら提出した場合には退職扱い、提出しなかった場合には懲戒解雇となります。

諭旨解雇が用いられるケースでは、懲戒処分相当の事案であるが叙情酌量の余地がある、本人が深く反省している、これらの場合が多くあります。

懲戒解雇は労働者を一方的に解約する処分のことです。つまり即解雇です。通常解雇の場合は会社側が30日前に解雇予告または30日以上の平均賃金を解雇予告手当として支払うことが労働基準法で定められています。

懲戒解雇の場合は、労働者側に問題があるため予告も予告手当も免除されます。解雇されたあとに再就職をする際も通常の解雇と懲戒解雇ではイメージがまったく異なるため、再就職のハードルがかなり高くなると考えておきましょう。

許可なしでアパート経営を行うデメリット

許可なしでアパート経営を行うことは可能です。ただ、これが副業になる範囲の規模になる場合にはデメリットについてもしっかり理解したうえで職場の理解を得る方向も考えておくことが重要となってきます。

ここでは許可なしでアパート経営を行うデメリットについて解説します。

会社での人間関係が悪化する可能性がある

アパート経営をしていることを誰にも話さず、秘密を守り続けたとしてもいずれどこかのタイミングでバレてしまうものだと考えておきましょう。アパート経営が悪いことというわけではありません。ただ、企業に雇われている以上は就業規則は守らなければなりません。

もしも就業規則に反して副業をしているということが公になればペナルティを受けることにもなるでしょう。ペナルティが戒告やけん責程度ですんだとしても、社内ではルールを守らずに注意を受けた人という印象が残ってしまいます。

職場では人間関係、信頼関係が重要です。ルールを守れない人とは信頼関係も築きにくくなるでしょう。こうなると仕事がしづらくなる可能性が高くなります。さらにこうしたうわさは広まるのが早く、社外の人にも伝わってしまう可能性も考えておきましょう。

営業職やサービス業など社外の人と接する機会の多い職業では社内だけでなく社外の人からの評価も落としかねません。

損害賠償を請求される可能性がある

アパート経営ではあまりないかもしれませんが、副業を行うにあたって勤めている会社の機密情報をもらしたり会社に損害を与えたりする行為を行った場合には、就業規則のペナルティ以外に損害賠償請求をされることもあります。

これは大きなデメリットとなるでしょう。経済的な問題だけでなく人としての信用問題にも関わります。アパート経営に限らず副業を行う場合には、できるだけ会社の理解を得てから行うことが重要です。

アパート建設に関わる許可について

アパート経営を行う場合、特別な許可は必要ないと解説しました。これは経営に関してという点に着目してください。アパートを建設する場合には、必ず取らなければならない許可があります。アパート経営を行うにはアパートを建築する必要があるでしょう。

そのため最後にアパート建設に関わる許可についても解説しておきます。こうした手続きを怠ることでトラブルになり会社に迷惑をかける可能性もゼロではありません。しっかり把握して健全なアパート経営を進めていきましょう。

都道府県が指定する都市計画法

土地を所有しているからといって自由になんでも建築してよいかというと実はそうではありません。土地には用途地域と呼ばれ、建築してもよい建物が制限されている区域があります。これは法律で定められていることであるためしっかり守る必要がある内容です。

アパート経営が行えるのは都市計画区域です。都道府県が指定する都市計画法で都市計画区域に指定されている用途地域であればアパートの建築が可能になります。そのためアパートを建築する前には必ず自分が所有している土地の用途地域を確認することが必要です。

もしも都市計画区域のなかにあっても、そこの用途地域が工業専用地域に設定されている場合にはアパートの経営は不可となります。

安全確保を目的とした建築基準法

アパートの建築に限らず建物を建てる場合には建築基準法にのっとって行う必要があります。アパートに関しては、敷地や建物の構造、設備等に関する最低限の基準が定められているためそれらを守りながら建築計画を立てる必要があります。

用途地域ごとに建ぺい率や容積率に制限がかけられている場合もあります。そのため広い土地でも建物を建てられる範囲や高さが制限される点もしておきましょう。さらには防火・準防火地域にある場合には構造の制限や道路の制限などが加えられる点も重要なポイントです。

アパートの建設と経営に必要な許可は必ず調べておく

土地活用を目的としてアパート経営を行うことは資産運用の面からも有要と考えられます。ただし、仕事をしながらアパート経営を行う場合には注意しなければならない点も多くあるため事前の準備が重要です。

アパート経営が副業とみなされると企業によってはペナルティを受けることもあります。企業によっては副業を解禁しているところもありますが、公務員に関しては副業禁止は法的に定められているためとくに注意が必要です。

それでも土地活用を検討している場合には諦めずに専門家の意見を聞きながら法的にも就業規則にも触れずに問題なくアパート経営を行う方法を考えてみましょう。

イエウールでは全国の優良な不動産会社とのみ提携しているため安心して相談先を探すことができます。もしもアパートを売却するとなった場合でも力になってくれる不動産業者とつながりを持っておくことは将来的にも安心できる要素となります。

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