アパート経営を始める際には、どのような間取りが適しているのかを考え、購入するアパートを決めたり、設計したりすることが重要です。同じ立地や広さでも、間取りによって入居者を獲得できるかどうかが変わることは多いです。
アパート経営で失敗しないためにも、どのような間取りが適しているのかを知り、入居者のニーズを満たす物件を取得しましょう。
アパート経営の初期費用や維持費用については、以下の記事をご覧ください。
アパート経営における間取りの種類と表記の意味
経営するアパートの間取りを決めるには、間取りの種類や物件情報に記載されている表記の意味を理解しておく必要があります。代表的な間取りの種類や表記は、次のものがあげられます。
- ワンルーム
- 1K・1DK・1LDK
- S/SRなどの略語
それぞれどのような間取りなのか、正しく把握しておきましょう。
ワンルーム
ワンルームは部屋数が1つであり、キッチンと部屋が一体化したものです。コンパクトな部屋であり、必要最低限の設備のみを導入した間取りであるといえます。
1K・1DK・1LDK
1Kや1DK、1LDKなどに付属する数字は、それぞれ部屋数を示しています。そのため、1Kなら部屋が1つ、2Kなら部屋数が2つとなります。
また、アルファベットにも意味があり、Kはキッチン、Dはダイニング、Lはリビングです。1Kなら部屋が1つにキッチンがついたもの、1DKはダイニングとキッチンにプラスして、部屋が1つ、1LDKならリビングとダイニングとキッチンに加えて、部屋が1つついたものとなります。
S/SRなどの略語
間取り図では、S/SRなどの略語が記載されていることもあり、これにはそれぞれ意味があります。
略語 | 意味 |
---|---|
S/SR | サービスルーム(納戸) |
DEN | 書斎 |
R | 冷蔵庫置き場 |
W | 洗濯機置き場 |
CL | クローゼット |
WIC | ウォークインクローゼット |
SIC | シューズインクローゼット |
MB | メーターボックス |
PS | パイプスペース |
略語がどのような意味なのか知っておくことで、より間取りへの理解を深められます。
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アパート経営で間取りが重要な理由
アパート経営をするにあたって、間取りが重要な理由は次の2つがあげられます。
- 空室率の上昇に繋がるから
- 賃料単価に直結するから
なぜ間取りが重要なのか、理由を詳しく知っていきましょう。
空室率の上昇に繋がるから
間取りによっては入居者が不便に感じてしまい、使い勝手の悪さが空室率の上昇に繋がる可能性があります。空室率が高くなると、得られる収益が減ってしまい、場合によっては損失が出てしまうこともあります。
空室率を下げるには入居者にとって使いやすい間取りを設定する必要があり、暮らしやすさを考えずに間取りを決めると、損失発生の原因になってしまうことは覚えておきましょう。
賃料単価に直結するから
間取りによって部屋の広さが決まり、1部屋あたりの広さは賃料単価に直結します。賃料単価を上げるには、小さな間取りで部屋数を多く取ることがおすすめです。
間取りの選び方によって、賃料単価が変わり、経営における投資効率を左右することも理解しておきましょう。
アパート経営を始めようか考えたとき、どのようにアパートを設計すればいいのか見当がつかないのではないでしょうか。
例えば2階建てにするか3階建てにするか、間取りの設計をどうするかについては土地の条件やアパート経営の目的によって変わります。
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アパート経営で間取りを考えるときのポイント
経営するアパートの間取りを考える際には、次の4つのポイントを頭に入れておきましょう。
- 入居者のターゲットに合わせる
- 立地条件に合わせる
- 収納スペースを多くする
- 生活の動線を考える
4つのポイントを意識することで、入居者にとって暮らしやすい間取りを選べます。
入居者に合わせる
どのような間取りを選ぶかは、入居者によって異なります。どのような人が住むのか、何人で暮らすかによって、適切な間取りは変わってきます。
1世帯の人数が少ないならコンパクトな間取りを、大人数を対象とするなら部屋数の多い広めの間取りを設定するとよいでしょう。
立地条件に合わせる
アパートを建築する立地の条件によっても、適した間取りは異なります。郊外の住宅地であれば、広い環境を生かしてゆったりした間取りを選ぶとよいでしょう。
駅の近くなど、交通アクセスのよい場所なら、通勤や通学などを目的とした単身者が多い傾向にあるため、コンパクトな間取りがおすすめです。立地条件から入居者のニーズを見極め、求められる間取りを考えて設定することが重要です。
収納スペースを多くする
快適に暮らすためには、収納スペースの充実は大切なポイントです。収納スペースが狭い、あるいはないと生活空間が狭くなってしまい、入居者は不便を感じやすくなります。
収納スペースが充実していると、物が増えても生活空間を圧迫せずに済むため、長く暮らしやすくなり、入居者も獲得しやすいです。
生活の動線を考える
入居者の暮らしやすさを重視するうえでは、生活の動線が効率的であるかを考えることも大切です。室内を動きやすいことはもちろん、洗濯や炊事、掃除などが効率的にしやすいかなども重要なポイントです。
例えば洗濯機のすぐそばに洗濯物を干せるスペースがあるなど、効率的な動線があると暮らしやすく、入居者からの需要も獲得しやすくなります。
入居者のターゲットごとにおすすめの間取り
入居者のターゲットによって、どのような間取りが適しているかは異なります。
- ファミリー向けなら3LDK以上
- 2人暮らしなら1LDK以上
- 若者や単身者ならワンルーム
ターゲットごとの適した間取りを把握して、入居者のニーズを満たしてアパート経営を行いましょう。
ファミリー向けなら3LDK以上
夫婦と子どもで3人以上など、ファミリー向けのアパートを経営するなら3LDK以上の間取りがおすすめです。世帯人数が多いと、部屋数や広さが物件を選ぶポイントとなります。
夫婦と子どもが一緒に生活するなら3部屋以上あったほうが快適に過ごせるため、3LDK以上がファミリー向けの基本的な間取りになると考えましょう。
2人暮らしなら1LDK以上
2人暮らしを想定するなら、1LDK以上の間取りがおすすめです。カップルで同棲する場合は、寝室が同じでも問題ないケースも多く、1LDKでも十分です。
暮らす人次第では寝室を別にしたり、書斎などの自室を必要とすることもあるため、2LDK程度の間取りも検討しておくとよいでしょう。
若者や単身者ならワンルーム
学生やサラリーマンの単身者など、通勤通学に重きを置く人をターゲットにするなら、ワンルームや1Kの間取りがおすすめです。若者や単身者の場合は、広い部屋に住むよりも、駅へのアクセスのよさを重視することが多く、部屋数は少なくても問題ありません。
近隣に大学があったり、ビジネス街が近いエリアの場合は単身者需要が増えやすいため、コンパクトな間取りで戸数を多く取るとよいでしょう。
アパート経営は、今回ご紹介したようにターゲットから決める方法が一番確実です。
しかし、ターゲットから間取りを考えるためにはまず立地調査をする必要があります。立地調査は自分でもできますが、プロの力を借りたほうが労力も少なくおすすめです。
イエウール土地活用なら、土地所在地などの情報をもとに建築会社が作成したピッタリのプランを一括請求することができます。プランには、最適と考えられる間取りも確認することができますので、間取りについて悩まれている方は利用してみることをおすすめします。
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アパート経営で間取りを決めるときの注意点
円滑にアパート経営をするには、間取りを決める際に注意しておきたいポイントがいくつかあります。
- 間取りだけではなく設備にも気を配る
- 間取りがよくても狭いのはNG
- 風呂とトイレは別にする
注意点を把握しておくことで、より入居者のニーズに寄り添った間取りを決めやすくなります。
間取りだけではなく設備にも気を配る
アパート経営で安定した収入を得るには、間取りだけではなく設備にも気を配ることが大切です。住宅設備が充実していると、入居者は快適に暮らしやすくなり、物件も人気になります。住宅設備はさまざまありますが、人気の高い設備としては次のものがあげられます。
- 無料のWi-Fi
- 宅配ボックス
- 備え付けの家具
- セキュリティシステム
アパートを取得するエリアやターゲット層に応じて、どのような設備が気に入ってもらえるかを考えておきましょう。
間取りがよくても狭いのはNG
若者や単身者ならコンパクトな間取りでも問題ありませんが、狭くならないように注意しましょう。単身者でもある程度の広さを求める人は多いため、狭すぎて暮らしづらい部屋はよくありません。
コンパクトで部屋数が少ないながらも、圧迫感のない間取りを考え、快適に暮らせる部屋を作ることが大切です。
風呂とトイレは別にする
風呂とトイレは別にしたほうが、入居者のニーズは満たしやすいです。風呂とトイレが同じ間取りのアパートやマンションもありますが、別々を希望する人の方が多いです。
間取りや広さがよくても、風呂とトイレが同じであるため、別の物件を探すという人もいます。多少費用がかかったとしても、風呂とトイレは別のほうが入居者は獲得しやすくなります。
入居者が満足できる間取りのアパートを用意することが大切
アパート経営をするなら、入居者が満足できる間取りを考えることが大切です。ターゲットが単身者なのか、2人暮らしなのか、ファミリーなのかによって、適する間取りは異なります。
そのため、アパートの建築や購入前には、そのエリアではどのような層がターゲットになるのかを、事前に調査しておく必要があります。ターゲット層を明確にし、入居者のニーズを満たす間取りを設定することで、アパート経営を成功させましょう。
記事のおさらい