これからアパート経営をしようと考えている人、すでにアパート経営をしている人にとってアパート経営のこれからは気になる情報でしょう。社会情勢が大きく変化するなかで経営を長く継続していくにはどのような考え方を持っておく必要があるのでしょうか。
ひとついえることは、これからのアパート経営は戦略を練ることが求められるということです。いかに的確な戦略を練ることができるかがこれからのアパート経営をスムーズに進めていくための鍵になります。
この記事ではこれからのアパート経営がどうなっていくのかについて解説します。知っておきたい問題点やリスクについても紹介しますので参考にしてください。
これからのアパート経営とは
これからのアパート経営で注目すべき社会情勢にはどのような点があげられるのでしょうか。ここではこれからのアパート経営に必要な情報を解説します。
日本の人口減少
総務省統計局が発表している日本の人口についてみていきましょう。2009年には1億2,800万人といわれていた日本の人口も10年が経過した2019年には1億2,500万人にまで減少しています。減少傾向は止まることなく予測では2059年には1億人を割り込むともいわれています。
日本の人口減少がこのまま加速すると賃貸需要が低下してしまう可能性が高まるでしょう。アパート経営ではこうした10年20年先のことまで考えておく必要があります。
賃貸物件の供給過多
日本の人口が減少している一方で、賃貸物件は上昇傾向にあります。人口の減少はいわば需要の現状です。逆に賃貸物件が増えるということは供給が増えるということです。
賃貸物件は毎年40万戸が新築で建設されているのが現状です。需要が減る可能性が高いのに供給が増えている理由はどこにあるのでしょうか。
- 土地活用の加速
- 相続対策
- 老朽化したアパートの建て替え
- 不動産投資ブーム
- 特定層をターゲットにしたアパートの建築
新しいアパートが増えればそれまでにあったアパートの需要に影響が出るでしょう。賃貸物件全体としては供給量にダブつきが起こることは否めません。経済の原則として需要が減って供給が増えると空室率が高まるということがあげられます。
そのため現在所有しているアパートの築年数が経過している場合には対策を練っておく必要があるでしょう。
空き家率の上昇
一見するとアパート経営とはあまり関係ないようにも思えますが、空き家率の上昇も経営者としては常に頭に入れておきたい情報です。総務省統計局が発表している「住宅・土地統計調査結果」から推測すると2018年時点では、2040年には空き家率が40%を超えると考えられます。
空き家率が増えるということは住宅需要が減るということになるため、賃貸需要も低下することが見込まれます。こうなるとアパート経営が難しくなる可能性があります。
空き家が増えても賃貸需要が増える可能性も
ただし、世帯数の推移をみてみると世帯数については増加していることがわかります。そのため一概に賃貸需要が低下すると言い切れないのも現状です。核家族化の加速やひとり暮らし世代の増加などで世帯数が増えれば賃貸需要は自然と増えることが予測されます。
このように賃貸需要は社会情勢によって大きく変動するため常に最新の情報を知っておくことがこれからのアパート経営には必要となります。
経営初心者が知っておきたいアパート経営のリスク
これからアパート経営をしてみようと考えている人はメリットだけでなくリスクについてもしっかり理解したうえでスタートすることが大切です。ここでは経営初心者が知っておきたいアパート経営のリスクについて解説します。
満室以上の収入が得られない
アパート経営をするからには少しでも多くの利益を得たいと考えるのは当然でしょう。ただここで注意しておきたいのは、投資といってもあくまでも利益の中心は家賃収入であるため満室状態の家賃以上の稼ぎは得られないということです。
つまりアパート経営では収入の上限が決まっているということです。株や仮想通貨などの投資であれば利益に上限がないためやり方次第では一気に稼ぐことができるかもしれません。ただアパート経営では収入に上限があるだけでなくもしも全室空き部屋となると収入がゼロになるという点はよく理解しておきましょう。
自然災害の発生
アパート経営は有形資産であるため自然災害などで被害を被るリスクがあることも忘れてはなりません。地震や台風などの被害でアパートが全壊してしまうこともあるでしょう。こうなった場合には投資をして手に入れた資産を一瞬で失うことになります。
こうしたリスクを少しでも軽減するために火災保険や地震保険に加入しておくなどの対策を講じておくことが必要です。
入居者同士のトラブル
アパートは知らないもの同士が同じ建物に集合して生活するため、ときにはトラブルが起こることもあります。すべての入居者の生活を監視しておくわけにはいかないため、ルールを守らなかったりマナーが悪かったりする入居者もときにはいるでしょう。
こうした人が引き金となり入居者同士のトラブルが起こるリスクはゼロではありません。経営者に直接相談してもらえればよいものの、入居者同士が直接言い合いになるケースもあり、こうなるとトラブルが大きくなってしまう可能性も高くなります。
騒音問題やゴミ出し問題など毎日の生活に関係するトラブルは発生した時点で早急に対応して解決に導く必要があります。もしもトラブルが解決しない場合は入居者が引っ越して空室になってしまうリスクも背負うことになるでしょう。
自分での対応が困難なほど大きな問題になった場合には不動産会社や弁護士、管理会社などに相談して穏便に解決できるような対応を取ることも必要です。
経年劣化による修繕や建て替えが必要
アパートは築年数が経過すると外観だけでなく設備面でも修繕箇所が増えてきます。おおよそ10?20年に一度は大規模修繕をすることを収支計画に盛り込んで積み立てをしておくことをおすすめします。もしも経年劣化が原因で空室が増えているようなら建て替えも検討しなければなりません。
そのためにもできるだけキャッシュフローを良好な状態に保って貯蓄をしておくことも必要です。アパート経営を長く継続させるためには資金に余裕を持たせながら適切なタイミングでアパートを新しくしていくということも求められます。
不労所得を達成するための方法としても人気の高いアパート経営ですが、今回ご紹介したように様々なリスクがあることも事実です。
アパート経営は、数十年と長い年月をかけて黒字化を目指していくものなので、リスクを把握しその対策を怠らないことがとても大切になってきます。
リスク対策を行い安定して収益を得ていくためには、アパート経営の計画段階から抜かりなく準備しておくことがポイントです。そのためには、まず複数の建築会社に相談しプランを比較検討できるようにするとベストです。
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これから経営を始める人が選びたいアパートは
これからアパート経営をはじめる人は物件選びからのスタートになるでしょう。どのような物件を選べば長期的に経営を継続していくことができるでしょう。アパート経営を安定的に継続していくためには物件選びが重要です。ここではこれから経営をはじめる人が選びたいアパートについて解説します。
新築または築浅
まずは築年数を考えてみましょう。現在建築されているアパートの多くはバブル期に建てられた築年数の古いものが多いのが特徴です。バブル期は経済が好転し投資にお金を注ぎ込む人も続出しました。そのため一見すると豪華な造りのアパートも多くあります。
とはいえ築年数が経過すれば設備や外壁などには修繕の跡や劣化の兆候がみえてきます。これから入居者が求める物件はやはり築浅または新築のアパートです。同じエリアで家賃がそれほど変わらないのであれば築年数が新しいアパートを選ぶのが入居者の心理でしょう。
家賃が少し高くても新築に住みたいという人もいるでしょう。こうしたことを考えるとこれからアパート経営をはじめる人は資金に余裕があれば新築を建てるということも視野に入れてみるとよいでしょう。
ワンルーム・1K
間取りはどうでしょうか。国立社会保障・人口問題研究所が調査した「日本の世帯数の将来推移」をみると2005年ごろまでは夫婦のみや夫婦と子などの核家族世帯が上昇傾向にありました。ところが2005年を境に急激に単身者世帯数が増え、2020年現在では夫婦のみ世帯のおおよそ倍の数値を叩き出しています。
2030年以降、夫婦のみの世帯は減少が予測されており、核家族世帯も少しずつ減少してきていることがわかります。こうしたことから考えてアパートの間取りはワンルームまたは1K、広くても2K程度がよいといえるでしょう。
社会情勢から考えて、リモートワークでの働き方が認知されてきたことで単身者でもプライベート空間と仕事部屋をわけたいという希望を持つ人も徐々に増えてきています。そのため単身者でも2Kのアパートを選択する可能性はあるというのもひとつの考え方です。
立地が都市部
エリアについてはどのように考えればよいでしょうか。総務省統計局が発表している「住民基本台帳人口移動報告」から推測するに人口は都市部に集中しているといえます。これは最近というよりもここ数年続いている傾向です。
この現象は今後も続くといわれており、地方の人口減少も同様に続くでしょう。つまりこれからアパート経営をするのであれば人が多く集まる都市部のほうが賃貸需要が高く入居者確保に苦労しない可能性が高いということです。
立地条件がよい
アパート経営で重要なのは入居率の高さ、競争率の高さです。これらはアパートの設備や外観なども関係しますが大きくは立地条件が優先されます。入居率が下がりにくい立地条件とはどのようなものなのでしょうか。
- 最寄り駅が多い
- 最寄り駅から徒歩15分圏内
- 小学校や中学校への通学距離が短い
- 子育てしやすい環境である(保育所が多くあるなど)
- 商業施設へのアクセスがよい
こうした条件のアパートはとくにファミリー層にとってメリットの大きい立地です。ファミリー層をターゲットにするメリットは一度入居すると長く住んでもらえる可能性が高い点にあります。長く住んでもらえればその分、安定して家賃収入が入ってくるため経営もしやすくなります。
ではこれから需要が増える可能性が高い単身者にはどのような立地条件が求められているのでしょう。
- 最寄駅が多い
- 最寄駅から徒歩10分圏内
- コンビニが近い
- 大学が近い
- 病院が近い
単身者の場合は生活の大半を1人でこなさなければならないため、通勤・通学の時間をできるだけ短縮したい、帰宅途中で買い物ができると便利、もしも病気になったときに近くにすぐ行ける病院があると安心などのニーズを考えることができます。
生活を一連の流れで考えていかに効率的に活動できる動線があるかどうかが単身者向けのアパートには必要な条件といえるでしょう。
これからのアパート経営で大切なこと
これからアパート経営をする人が大切にしておきたいことを解説します。できるだけ長く安定した経営を続けていくためには、しっかり学び頼れるところは人に頼るという考え方が必要になります。これからのアパート経営で大切なことをみていきましょう。
入居者のニーズを理解する
アパート経営は入居者がお客様です。そのためお客様のニーズをかなえていくことが経営を順調に進めていくうえでとくに大切なことです。アパートを建築する際、自分が住んでみたい間取りや設備を取り入れてしまう人も少なくありません。
それはあくまでも自分のニーズです。それが万人に受け入れられるとは限りません。大切なのは設備や間取りはターゲットとするお客様、いわゆる入居者のニーズをしっかり考えて決定することです。
さらに入居者のニーズは変動するものであることも理解しておきましょう。一度整えた設備や間取りでも流行や社会情勢によってニーズが変化することもあります。ニーズにあわせてリフォームしたり新しい設備を取り入れたりすることで競争力の高いアパートにすることが大切です。
自己資金を多く貯めておく
アパート経営でフルローンを利用する人もいるでしょう。これはとても危険な行為です。フルローンが悪いわけではありませんが、フルローンで自己資金に余裕がない場合には経営悪化が起きた場合に有効な対策が取れず最悪の場合は破産寸前まで追い込まれることもあります。
こうした事態を避けるためにも自己資金に余裕がある状態で経営をスタートすることが大切です。可能であればアパートの購入資金は自己資金でまかなってローンの返済額はできるだけ少ない状態にしておきましょう。
アパート経営では突発的な出費が起こることも少なくありません。しかもその多くが高額な出費であるため資金に余裕がないと借入が増えてしまう可能性が高くなるでしょう。せっかく家賃収入が入ってきても借入の返済にばかり回ってしまって手元にお金が残らなければ経営している意味がありません。
経営するからには利益が得られるような方法で進めていくことが大切です。そのためにも自己資金を多く貯めておくことは大切なポイントとなります。
基礎知識を頭に入れておく
経営初心者の場合はとくに正しい情報を選び取っていくために基本的な知識を頭に入れることからはじめることが大切です。アパート経営は不動産投資という一面も持っています。そのためさまざまな企業や業者からさまざまな情報を聞く機会も多くなるでしょう。
この際、残念ながら悪質な業者もいるためこうした業者に騙されることがないように自己防衛しておくことも大切です。必ずもうかる、損をすることはないといった話をしてくる業者は要注意です。どのような投資でも必ずもうかると断言することはできません。
株であっても仮想通貨であっても社会情勢が悪化すればその波にのまれて一気に損失が出る可能性はゼロではありません。それを不動産投資だから安全、必ずもうかると言い切るところに問題点があると考えましょう。
すべての業者が悪徳というわけではありません。だからこそ、その情報が正しく、どれを選択することがこれからのアパート経営に役立つのかを自分自身で判断していく力が必要となるのです。
アパート経営では不動産の知識だけでなく、法律の知識や税金の知識を勉強しましょう。自分でイチからすべてを学ぶことには限界があるためセミナーや経営者の交流会などに積極的に参加して新しい知識を得る機会を自ら持っていくことも大切です。
信頼できる業者にサポートを依頼する
アパート経営は1人で背負い込むと業務に追われるだけでなくさまざまなトラブルに巻き込まれるリスクも高くなります。そのため信頼できる業者にいつでも相談できる環境を整えておくことも大切です。
アパートの建築や購入については不動産会社に相談しましょう。その際に経営についての知識もアドバイスしてもらいながら経営計画を立てることができるとよいでしょう。
アパートの管理については自分だけで行うという人もいますが、管理会社に委託する方法もあることを知っておきましょう。自分でできる業務は自分で行って管理会社に委託することは委託するという選択肢もあります。費用はかかりますが管理のプロが身近にいるだけでもリスク回避につながると考えるとよいでしょう。
税金や入居者同士のトラブルなどについては弁護士にサポートを依頼しましょう。弁護士は不動産会社や管理会社を通じて紹介してもらうこともできます。どこに依頼すればよいかわからない場合には信頼できる不動産会社や管理会社にまずは相談してみましょう。
アパート経営を順調に進めていくためには信頼できるパートナーをみつけることが大切です。
アパートを建築する可能性が出てきたら、複数の企業の建築費用の見積もりを比較しましょう。
アパートの建築費用は設計や工法によって大きく異なり、企業によって収益が1,000万円以上変わることもあります。
建築費がいくらなら収益性の高いアパート経営ができるのか、気になるところを建築会社に相談してみましょう。
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これからのアパート経営はオーナーの手腕にかかっている
これからのアパート経営で大切なことについて解説してきました。アパート経営にはさまざまなリスクが含まれています。もちろんメリットも多く、軌道に乗れば事業を拡大することも可能です。
事業拡大にこぎつけるようにするためには、アパート経営に本気で取り組む姿勢が大切になります。力んで取り組むということではなく、肩の力を抜いて自分でできることは自分で、誰かに頼るところはしっかり頼って経営のための作戦をしっかりと練ることこそが重要です。
経営計画や収支計画は入念すぎるほど入念に立てておいて問題ありません。まずは自分が基本的な知識を身につけて、アパート経営の目標を立てましょう。そのうえで足らない知識は専門家の意見を聞くということが必要です。
いずれも自分主導で動いていくことでうまく周りを巻き込んでいくことができるでしょう。アパート経営を楽しいと感じることができるオーナーであれば入居者にとってメリットの多いアパートを作っていくこともできるでしょう。
そのためにも信頼できるパートナーを経営当初からみつけておくことです。アパート経営はスタート時の計画こそ大切です。ここが曖昧であったり適当であったりするとそれなりの経営しかできないと考えてもよいほどです。
初心者であってもしっかりとした計画を練ることができていれば、どんなに情勢が悪くなっても焦ることなく乗り越えていくことができるでしょう。
信頼できるパートナーをみつけるためには複数の不動産会社や管理会社を比較することも大切です。それぞれ考え方が異なるかもしれませんが、相性のあう企業に出会うことができれば長く続くアパート経営を安心して続けていくことができるでしょう。
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