土地活用で介護施設経営を始めるのはあり?メリットデメリットを解説

土地活用で介護施設経営を始めるのはあり?メリットデメリットを解説

土地活用の方法はさまざまです。土地の面積や用途地域によって展開できる活用方法も異なります。広い土地がある場合で、現時点で需要が高いとされているのが介護施設の経営です。

自分が居住する住居はすでにあり、アパート経営やマンション経営を検討しているという人には介護施設経営も視野に入れたプランニングをおすすめします。

この記事では土地活用として介護施設をはじめるために必要な知識について解説します。メリット・デメリットについても紹介しますので検討材料にしてみてください。

最適な土地活用のプランって?
STEP1
土地の有無
STEP2
都道府県
STEP3
市区町村

様々な土地活用方法が知りたいという方にはこちらの記事がおすすめです。

介護施設経営のメリット

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高齢化社会で介護施設の需要が増加しているとはいえ介護施設の経営となると人件費や資格取得などハードルが高そうと考える人もいるでしょう。まずは介護施設を経営するメリットについて理解していくことからはじめてみましょう。

安定した収益を確保できる

介護施設経営の最大のメリットは安定した収益を確保できるという点にあります。賃貸経営でも安定した家賃収入が得られると考える人は多いでしょう。介護施設と賃貸の違いは入居者層にあります。

賃貸の場合はファミリー層や学生、単身者など将来的に引越しをする可能性が高い層がターゲットとなるでしょう。この場合はよほどニーズにあった快適な空間でなければ数年のサイクルで入居者が入れ替わる可能性が高くなります。場合によっては空室期間が長くなり収入が減少するということも考えられるでしょう。

介護施設では施設の利用者が高齢者であるためよほどのことがない限り転居したりする可能性が低いと考えられます。さらに最大の特徴としては利用料金を施設利用者だけでなく介護保険を取り扱っている保険会社も負担するという点があげられるでしょう。

介護保険に加入している場合、1カ月あたりに利用者が負担する金額は利用限度額以内であれば自己負担金1?3割ですみます。そのため多少高額な料金設定の施設でも利用してみたいと考える人が出てくることも考えられるでしょう。

こうした点から考えても介護施設は賃貸経営と比較して収益性が高いといえます。

賃貸住宅向けでない土地も活用できる

賃貸経営と比較してメリットがあると考えられるもうひとつの項目は立地です。賃貸の場合は駅からのアクセスや買い物環境、周辺施設へのアクセスなど生活環境のよさが収益や集客に大きく影響を与えるということがいえます。

そのためせっかく土地を所有していても立地が悪ければ賃貸経営には向かないと判断せざるを得ないケースも少なくありません。こうした点で介護施設は基本的にはすべての用件が施設内で完結するシステムになっているため多少立地が悪くても生活する人が困るということは少ないといえます。

交通アクセスに関しても施設の車を利用することができるため通院などで不便を感じることは少ないでしょう。逆に緑が多くあまりうるさくない落ち着いた環境のほうが介護施設の建設には向いているともいえます。

このように賃貸向けでない土地でも活用できるという点は介護施設経営のメリットになるでしょう。

相続税を抑えることができる

個人で介護施設を経営するためには資格を取得したり人を雇ったりとさまざまな手間がかかります。高齢者向けの賃貸施設にする場合であれば個人でも開業は可能でしょう。ただ大規模な施設となると建物の管理から入居者の管理、サービスの提供など多くのノウハウを獲得する必要があります。

そのため建物を建設して業者に運営を委託するという方法を取ることがおすすめです。介護のノウハウをすでに持っていて従業員教育ができてすぐに開業してくれる企業であればオーナーとして賃料を得るだけであとは企業に委託することが可能です。

建物を第三者に貸すことは、賃貸経営と同様に相続税の節約にもなるため個人で経営するよりもおすすめの方法になります。

土地を他人に貸している場合には建物は貸家評価として建物の評価額の7割、土地に関しては貸家建付地評価として土地評価額の8割が適用されます。さらにその土地での事業が継続されていくという要件を満たすことができれば一定面積までの土地評価額が5割減で計算されるという大きなメリットがあります。

介護施設経営のデメリット

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右肩上がりに需要が伸びている介護施設利用ですが、経営を行うという視点でみた場合にやはりデメリットも存在します。プランニングを行う前にデメリットについてもしっかり理解してそれぞれのマイナス点にも対応できるかどうかをよく検討してみましょう。

賃料の下落リスクがある

介護施設の利用料は介護保険料からも支払われているため保険料の改定などの影響を受ける点は理解しておきましょう。さらに介護報酬の改定で賃料が引き下げられるという可能性もあります。こうなると利用者から受け取れる賃料を下げる必要があるため収益が大きく下落するリスクがあることは理解しておきましょう。

事業者の撤退リスクがある

介護施設の経営を行う場合には個人での経営ではなく事業者に業務委託するケースが多くあるでしょう。この場合に起こりやすいデメリットは事業者が撤退してしまうという点になります。介護施設の経営がうまくいかず減収してしまうと事業を続けることが難しくなり、事業者が撤退する可能性はゼロではありません。

代わりの事業者がすぐにみつかれば事業者チェンジとして問題なく経営継続が可能ですが、すでに経営が破綻しかけている施設の再建をしてくれる事業者をみつけることはなかなか難しいと考えておきましょう。

転用が難しい

減収などが原因で事業者が撤退してしまった場合などは新たに土地を活用することを考える必要が出てきます。この場合、介護施設として建設しているため専門的な間取りや設備が導入されていることがネックとなるでしょう。

専門的な間取りであるため賃貸住宅にするにしてもかなり大がかりなリフォームが必要です。とはいえ介護施設の場合は建物内に居住空間とは別に広めの浴室やリクリエーションスペース、リハビリスペースなどが設けられているのが通常です。

こうなるとほかの活用方法に転用することはかなり難しいと考えておいたほうがよいでしょう。将来的に転用する可能性が少しでもあるなら介護施設の経営は向かないと理解しておく必要があります。

土地活用における介護施設の経営方法

狭小地 アパート建築

介護施設を建築して経営するとなった場合、どのような方法が考えられるでしょうか。自分で建設して自分で経営するだけが方法ではありません。ここでは土地活用における介護施設の経営方法について解説します。自分にあった経営方法を把握して無理のない経営をすることを考えましょう。

土地を介護事業者に貸し出す

広い土地を所有している場合、土地そのものを介護事業者に貸し出すという方法があります。介護施設の経営自体は無資格でも行うことが可能ですが、そこで働く人を管理するなどということになれば知識や資格が必要になってきます。

こうしたことを考えるとノウハウを持っている介護事業者に土地を貸し出して賃料で収益をえたほうが得策ともいえるでしょう。この場合には事業用定期借地権を利用することが可能です。事業用定期借地権とは10年以上50年未満の期間にわたり事業者に自分が所有する土地を貸し出す権利を指します。

期間が満了した場合には事業者が土地を更地の状態にして返還するという条件がついているのも特徴です。もしも介護施設からの転用を検討している場合には更地で土地が戻ってくるというのは大きなメリットになります。さらに初期費用がかからないためリスクが少ない状態で土地活用できる点も魅力です。

事業用定期借地に向いている人

事業用定期借地は一見するとリスクも低く収益を得られるため魅力的に感じる人も多いでしょう。ただ向き不向きがあるという点は理解しておく必要があります。解説したように土地の貸し出し期間が10?50年と比較的長期になるため、途中でなにかほかのことに土地を利用したいと考えた場合でも中途解約はできません。

オーナーの都合で事業を撤退させることができないため契約期間中はなにがあっても土地は事業者が利用する権利を持っていることになります。こうした点から考えると長期間使う予定がない土地を持て余している人にとっては事業用定期借地が向いているといえるでしょう。

介護施設を建ててから貸す

土地だけを貸し出すよりも大きな収益を得たい場合には、自分が介護施設を建設してから介護事業者に貸し出す建て貸しという方法もあります。こうすることで土地と建物両方の賃料を安定して得ることが可能となります。ただし建設費用などの初期費用がかかる点には注意が必要です。

リースバック方式を採用することで介護事業者から建設にかかる費用の一部を協力金として預かることで初期費用を抑える方法もあります。リースバックで預かった費用は毎月の賃料から相殺されることになりますが、土地だけを貸し出すよりは大きな収益になるでしょう。

リースバック方式に向いている人

リースバック方式が向いているのは、介護施設を建設したいけれど初期費用を用意することが難しい人になります。また金融機関でローンを組むことを避けたいという人にも向いているでしょう。

一般的な借地契約と異なり事業者が建設費の協力金を差し入れることで、ローンを利用せずに建設することができる点はオーナーにとっても事業者にとってもメリットのある方法といえます。

介護施設経営を成功させるためのポイント

介護施設の経営はただ建物を建てて入居者を募集すればよいというわけにはいきません。事業者や地域、競合施設とうまく付き合っていくことも経営を成功させるためには重要なポイントになります。そこでここでは介護施設経営を成功させるためのポイントについて解説します。

総量規制のある施設を選ぶ

介護施設と一言でいってもさまざまな種類があります。具体的には次のとおりです。

施設名称 サービス内容 総量規制
介護付き有料老人ホーム 生活支援や身体介助サービスが受けられる 有り
住宅型有料老人ホーム 生活支援を中心にサポートを受けられる 無し
健康型有料老人ホーム 自立できている状態を前提として生活支援を受けられる 無し
サービス付き高齢者向け住宅 見守り・生活相談をすることができるバリアフリー賃貸 無し
グループホーム 要介護2レベルの高齢者が複数人で生活を共にすることができる 有り

介護施設にはおおよそこのような種類があります。ここで注目したいのが総量規制の有無です。総量規制は各自治体が制限した事業所数を指します。介護施設は介護保険で費用が賄われる部分が多いため、数に制限を設けずに次々と施設が建設されてしまうと自治体が負担する介護報酬が膨大な金額になる可能性があります。

さらに同じような施設が乱立すると事業者の経営悪化による倒産などが相次ぐ可能性も考慮して建設数に制限をかけているということです。介護施設を建設する側としては総量規制がある施設を建設しておいたほうが安心です。

競合施設が近隣に建設される可能性が低いため経営が安定し長期的に収益を出し続けることができるでしょう。表のなかで選択するとすれば介護付き有料老人ホームまたはグループホームが総量規制のある施設となります。

実績重視で事業者を選ぶ

介護事業者は1社だけでなく複数社を比較して決定することがポイントです。賃料が高い事業者を選びたくなるものですが、重要視するべきポイントは賃料よりも実績になります。最初は高額な賃料を提示していた業者も実積がなく事業が不安定になってくると賃料の値下げを交渉してくる可能性が高いでしょう。

事業の不安定だけでなく介護報酬の改定などを理由に交渉を持ちかけてくるケースも考えられます。これに対して実績があり長く介護事業を行っている事業者であれば介護報酬の改定を乗り切ってきた実積もあるでしょう。

賃料がほかより安くても長く安定的に経営をしてもらえる事業者を選ぶことで将来的な安定もある程度保証されると考えるとよいでしょう。目先の利益だけで事業者を選択すると後々困ったことになる可能性もあることは理解しておきましょう。

また介護事業社の経営者の考え方もよく確認しておくことが大切です。価値観があわない経営者であった場合、いくら土地や建物を貸すだけとはいえ、自分の土地で気に入らない事業を展開されるとストレスになる可能性が高いでしょう。

よい経営者のもとにはよい人材が自然と育成されていきます。介護施設は人と人との関わりが重要なサービス業であるため人材育成に力を入れている価値観のあう経営者がいる事業者を選択するというのも大切なポイントです。

自治体や事業者との打ち合わせはしっかり行う

介護施設を建設する際には地域との連携が非常に重要になってきます。利用者がその地域の高齢者であるケースが大半であるからです。それだけではなく建築するにあたり自治体の関係各所に対して自分や事業者の計画をしっかりと伝える必要もあります。

自治体からの許可がなければ介護施設を建築できないのかというとそうではありません。ただ総量規制がある場合には許可が必要です。いずれにしても丁寧で綿密な中長期的プランを立ててから自治体と協議を行うようにしましょう。

自治体に行く前には事業者との綿密な打ち合わせも必要です。事業者と考えが一致していることで自治体にも介護施設建設に対するプランや思いが届きやすくなるでしょう。

自治体や事業者との入念な打ち合わせは将来的なトラブルを回避するためにも重要な項目となりますので手を抜かないようにすることが大切です。

介護施設経営に関するQ&A

介護施設の経営を行う場合、どのような施設をどのように経営するのかを明確にする必要があります。介護施設といっても先に解説したようにさまざまな種類があります。自分がどのような人をターゲット層としてどのようなサービスを提供したいかで建設する施設の種類は異なります。

また提供できるサービスも施設によって異なる点もよく理解しておきましょう。ここでは介護施設の具体的な種類と経営をスタートするまでの流れについて解説します。

介護施設にはどんな種類がある?

介護施設の種類については先の項目ですでに解説しましたが、箇条書きで再度確認しておきましょう。

  • 介護付き有料老人ホーム
  • 住宅型有料老人ホーム
  • 健康型有料老人ホーム
  • グループホーム
  • サービス付き高齢者向け住宅

まず総量規制があるのが介護付き有料老人ホームとグループホームです。これらは各地域で建築できる施設数が定められています。そのため競合施設が乱立することがなく経営しやすい施設といえるでしょう。

上であげた施設の詳細な特徴について違いを表でまとめておきますので参考にしてください。

施設名 受け入れ可能な介護度 認知症患者の受け入れ 入居待ち期間 看取り
介護付き有料老人ホーム 自立~要介護5 可能 短い 可能な場合もある
住宅型有料老人ホーム 自立~要介護5 軽度までなら可能 短い 可能な場合もある
グループホーム 要支援2~要介護5 可能 長い場合もある なし
サービス付き高齢者向け住宅 自立~要介護3程度 軽度なら可能 短い なし

このように経営する施設によって提供するサービスが異なるため施設それぞれの特徴も理解しておくとよいでしょう。

介護施設経営を始めるまでの流れは?

では介護施設経営をスタートするまでの流れについて簡単にまとめておきます。土地活用で介護施設の経営を検討している場合には全体の流れを把握してどの程度の初期費用がかかり、どのような人たちと関わる必要があるのかをしっかりと理解しておくことが大切です。

  1. 土地活用の相談
  2. 役所の調査
  3. 賃貸需要の調査
  4. 土地活用プランの提出
  5. 土地活用内容の決定
  6. 請負契約と着工
  7. 竣工

おおまかな流れはこのようになります。まずは介護施設を経営できる土地なのかどうかを判断するために不動産業者などに相談を行います。イエウールであれば全国の優良な不動産会社とのみ提携しているため安心して任せられる業者をみつけることができるためおすすめです。

最初の相談段階で失敗するとあとがすべて崩れてしまうためここは慎重に行うようにしましょう。相談がしっかりとできたら総量規制の状況を確認するため役所の調査などを受けることになります。このタイミングで介護事業者に事業を委託するかも決定しておく必要があるでしょう。

不動産業者は、オーナーだけでなく役所と介護事業者に対しても土地活用のプランを提出します。このプラン内容にすべて同意したらいよいよ建築関連の契約に入ります。請負工事契約を交わしてから着工し、竣工までは経営に関するさまざまな手続きなどを行って過ごすことになります。

介護施設の土地活用で安定した収益を得よう

使わない広い土地を所有しているなら土地活用を検討して収益を得ることを考えてみましょう。土地活用では立地が重視されますが介護施設であれば郊外や田舎の土地であっても広さがあれば十分に経営していくことは可能です。

どのような施設を建設するのかについては専門家にしっかりと相談して必要な資格があれば取得するようにしましょう。ただ、事業のすべてを介護事業者に委託する場合には土地と建物の賃料を受け取るだけですむためこうした経営方法を選択する人も少なくありません。

将来的に利用する予定のない土地であれば固定資産税などの維持費を払い続けていくより、少しでも収益をあげてくれる活用方法をみつけることも検討してみましょう。

土地活用の選択で迷ったらイエウールで優良な不動産会社をみつけて相談してみることをおすすめします。

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