所有している土地は放置せずに、活用することがおすすめです。土地を活用することで収益化ができるだけではなく、方法次第では節税も可能です。
土地は所有しているだけでも税金がかかるため、コストを削減するには節税を考える必要があります。どのような税金が節税できるのか、その方法や土地活用のやり方などを知り、所有する土地を有効活用しましょう。
不動産にかかる固定資産税について基礎的な知識を知りたい方はこちらの記事を参考にしてください。
土地活用で節税できる可能性がある税金
土地活用をして節税できる可能性がある税金は、次の通りです。
- 相続税
- 固定資産税
- 贈与税
- 都市計画税
それぞれどのような場合に節税が可能なのかを知り、賢く税コストを抑えましょう。
相続税
土地の所有者が死亡し、相続人への遺産相続が発生すると、相続する財産の金額に応じて相続税がかかります。相続税は土地のみにかかるわけではなく、相続対象となる財産のすべてにかかります。
相続税は相続税評価額という基準によって決定するものであり、現金よりも土地や建物などの不動産のほうが評価額は下がるため、節税が可能です。
また、同じ不動産でも更地と賃貸住宅が建っている土地などでは、相続税評価額が異なります。現金を不動産にするだけではなく、賃貸住宅などを建築して評価額を下げることで、より大幅に相続税を節税できます。
固定資産税
不動産を所有している人には、毎年固定資産税が課税されます。固定資産税は不動産を所有していることが課税条件であり、土地や建物の使用の有無は関係ありません。そのため、使用せずに放置している土地であっても、固定資産税はかかり続けると考えましょう。
土地の固定資産税は更地のまま所有していると高額になりやすいため、節税対策をするなら建物を建築することがおすすめです。土地の上に建物があると、土地の固定資産税は最大6分の1に減額されるため、節税効果は高くなります。
贈与税
財産を生前に贈与する場合は、贈与した金額に対して贈与税がかかります。贈与税は年間110万円まで非課税枠が設けられており、110万円を超える金額を贈与した場合に課税対象となります。
財産は現金よりも不動産のほうが評価額が低くなるため、現金は不動産にしてから贈与したほうが節税が可能です。また、高額な贈与になると贈与税がかかりますが、場合によっては贈与税を事前に支払っているほうが、相続税を節税できることもあります。
都市計画税
市街化区域内など、特定のエリアに不動産を持っている人は、毎年都市計画税の課税対象です。都市計画税は固定資産税と同じであり、不動産を所有していることが課税条件となります。
節税するには土地の上に建物を建築することがおすすめであり、更地の場合と比較すると、建物が建っている土地のほうが、都市計画税は最大3分の1に減額されます。
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活用事例:市街化調整区域を活用。 待ち望まれた施設が完成し 地域貢献を実現。
エリア | 千葉県 |
土地面積(㎡) | 713 |
延べ床面積(㎡) | 368 |
工法 | 木造軸組 |
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節税対策におすすめの土地活用
節税対策を考えるなら、次の土地活用がおすすめです。
- アパートやマンションなどの賃貸経営
- サービス付き高齢者向け住宅の経営
- 戸建て住宅の賃貸経営
- 等価交換
土地活用の方法によって、節税できる税金や節税効果は異なるため、それぞれの違いを知っていきましょう。
アパートやマンションなどの賃貸経営
土地の上に賃貸物件を建築し、アパートやマンションなどの賃貸経営をすると、固定資産税は最大6分の1に、都市計画税は最大3分の1に減額されます。
不動産取得には不動産取得税がかかりますが、床面積が40平方メートル以上、240平方メートル以下の場合は、建物取得から60日以内に都道府県税事務所に届け出ることで、1,200万円の控除を受けられます。
税控除を受けることで、不動産取得税は非課税となることも多く、大幅な節税が可能です。また、賃貸経営によって発生した利益には、所得税や住民税がかかります。
これらの税金は税務上の利益に対して課税されるものであり、初年度は減価償却による不動産取得費や、その他経費の計上が増えやすいため、大幅に節税、あるいは非課税となることも多いでしょう。
サービス付き高齢者向け住宅の経営
土地の上にサービス付き高齢者向け住宅を建築すると、固定資産税や都市計画税が減額されます。また、事業を開始すると経費が発生するため、抜け漏れなく計上することで所得税や住民税などの税金も減らせます。
自治体によっては高齢者施設の経営に補助金を出していることもあるため、地域ごとの制度を利用できるなら、さらに節税を目指すことも可能です。
戸建て住宅の賃貸経営
マンションやアパートだけではなく、戸建て住宅の賃貸経営でも節税は可能です。土地の上に建物があることで固定資産税や都市計画税を減額できます。
さらに賃貸経営をすることで相続税評価額が下がり、相続税の対策になることも魅力の1つです。戸建て住宅の賃貸経営は、更地に戸建て住宅を新築するだけではなく、すでにある家をリフォームやリノベーションし、貸し出すことも可能です。
等価交換
不動産会社やデベロッパーに土地を提供することで、提供した土地の価値分の不動産を等価交換で得ることも可能です。例えばマンション建設のために土地を差し出した場合は、土地の価値分のマンションの区分所有権を得ることができ、初期費用をかけずに住居を手に入れられます。
土地を手放し、マンションの区分所有権を得ることで、住む場所ができるだけではなく、相続税評価額や固定資産税が減額されるため、節税効果も得られます。
土地活用で節税するための確定申告について
土地活用によって節税をするためには、確定申告を行う必要があります。確定申告の必要性は土地活用の内容や経営によって発生した利益によって異なります。どのような場合に確定申告が必要なのか、確定申告による節税効果も含めて知っていきましょう。
20万円以上の収入があるなら確定申告が必要
土地活用をして、年間20万円以上の収入がある場合は、確定申告をしなければなりません。年間20万円以下の収入なら非課税となりますが、20万円を超えると課税対象となるため、確定申告をして税金を納付しなければならないと考えましょう。
課税対象となる収入があるのに確定申告をしないと、脱税となったり、ペナルティが発生して通常よりも高い税率で税金を納めたりしなければならないため、注意が必要です。
確定申告は1月1日から12月31日までの収支を計算し、翌年の2月16~3月15日までの間に、税務署や確定申告書作成会場などで申告書を提出して行います。
節税したいなら青色申告が有利
確定申告には白色申告と青色申告の2種類があります。節税効果が高いのは青色申告であるため、税負担を抑えたいなら青色申告を選びましょう。青色申告をするには事前に税務署に申し出て、青色申告承認申請書を提出する必要があります。
青色申告とは
青色申告は、事業の取引内容を細かく申告書に記載し、申告する方法です。簿記のつけ方も白色申告とは異なり、白色申告は簡易的な単式簿記で構いませんが、青色申告ではより詳細まで記載する複式簿記で記載しなければなりません。
また、貸借対照表や損益計算書などの作成も必要であり、青色申告のほうが手間がかかります。ただし、青色申告にすることで65万円の特別控除など、白色申告にはない控除を受けられるため、節税効果がさらに高くなる点は大きな魅力です。
複雑な場合は税理士に依頼する
確定申告の手続きが複雑だったり、難しいと感じたりするなら、税理士に依頼して申告を代行してもらうことがおすすめです。税理士に依頼することで、申告書類の作成や収支の計算など、さまざまなサポートを受けられます。
確定申告では土地活用による収支を計算するだけではなく、申告する収入額から税金を計算したり、控除を受ける場合はその書類の作成や準備をしたりする必要があります。
手続きが複雑になることも多いため、申告ミスが心配なら無理せず専門家に依頼したほうが、失敗なくスムーズに確定申告を終えられるでしょう。
最適な土地活用方法は土地の立地や広さ、周辺の需要によって変わります。土地活用を検討しているなら日本最大級の比較サイトイエウール土地活用で複数企業から土地活用プランを取り寄せましょう。将来の収益性の高い土地活用方法を見つけることができます。
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土地活用の節税に関するQ&A
土地活用によって節税を狙うなら、よくある疑問とその答えを参考にすることがおすすめです。
- 節税効果の低い活用法は?
- 土地の売却は節税になる?
- 土地活用の節税対策を行うときの注意点は?
- 土地活用ができない場合はどんな節税対策がある?
節税対策の詳細まで理解を深め、土地活用で上手に税負担を減らしましょう。
節税効果の低い活用法は?
土地活用の中でも、節税効果の低い活用方法はいくつかあります。
- 駐車場経営
- 土地の賃貸
- コインランドリー
- 資材置き場
- 自動販売機の設置
上記の土地活用は、初期投資額が安く経営を始めやすいですが、経費が少ないため節税効果が低いです。また、土地の上に建物が建築されないため、固定資産税や都市計画税などの減税もありません。
少ない初期投資と低リスクで経営を開始できるものの、リターンが小さかったり、経費計上できる部分が少なかったりすることから、節税効果も低くなることは覚えておきましょう。
土地の売却は節税になる?
土地を活用せずに売却することでも、節税は可能です。土地を売却することで固定資産税や都市計画税などの負担を免れることができ、この点においては節税になるでしょう。
ただし、売却すると土地活用をした場合に受けられる、長期的な節税効果は得られません。つまり、土地活用をした場合は長期的な節税効果が、売却した場合は短期的な節税効果があるといえます。
土地活用の節税対策を行うときの注意点は?
土地活用で節税対策をする場合は、次の5点に注意しましょう。
- 相続対策の優先順位を考える
- 二次相続を見越して考える
- 定期的に効果を見直す
- 遺産分割しにくくなる
- 経営が上手くいくかを考える
土地活用をすることで相続税の対策にはなりますが、他にもすべき対策はさまざまあります。相続対策としては遺産分割のしやすさや、相続税の納付ができるかが重要であるため、二次相続や遺産分割のしづらさを考慮し、子や孫の相続時にトラブルが発生しないように対策をしなければなりません。
また、節税効果は定期的に見直し、本当に節税ができているかはこまめにチェックしておきましょう。土地活用をする際には相続税対策を考えることも大切ですが、それ以上に経営が上手くいくかを検討することが重要です。
経営に失敗すると、節税対策ができていても損失が発生し、結果的にマイナスが生まれてしまいます。大前提として経営失敗による損失を防ぐことを最優先し、その付随効果として節税対策をすると考えましょう。
土地活用ができない場合はどんな節税対策がある?
土地の形状や性質などによって活用が難しい場合は、別の事業用資産に買い換えることで、特例を適用して節税が可能です。特定事業用資産の買換え特例は、所有期間が10年を超える土地や建物を売却し、300平方メートル以上の土地などで、特定の事業用施設として使われているものを購入した際に適用できます。
特例を適用すると、売却時に発生した税金を将来に繰り延べることができるため、買い換え時には税負担が発生しません。
また、買い換えをしない場合は、土地を売却して現金化し、直近の固定資産税や都市計画税を免れるという方法でも、節税は可能です。
「今持っている不動産を現金化したい」という方は、売却という形で手放すという選択肢もあります。一括査定サイト「イエウール」を使えば、無料で最大6社から査定を受けられるので高く売ってくれそうな会社が分かります。
節税効果の高い土地活用の方法を選ぼう
土地活用をするなら、節税効果の高い方法を選ぶことがおすすめです。土地活用によって節税対策をすることで、税負担を抑えて出費を減らせます。
また、土地活用によって収益が得られると、その分を自己資金として貯蓄したり、税金の支払いに充てたりすることも可能です。土地活用の方法によって節税効果は異なるため、よりお得になる活用方法を選び、賢く税コストを引き下げましょう。