70坪の土地を所有し、活用を考えている方の中には、「アパート建築費用がどのくらかかるのか」気になっている方もいらっしゃるかと思います。
この記事では、70坪の土地でのアパート建築費や失敗しないアパート建築をおこなうために知っておくべきことについて詳しく解説しています。
また、70坪という土地の広さにおいてアパートを建築する際の注意点もご紹介しています。
70坪の土地をお持ちでアパート建築をお考えの方の参考となれば幸いです。
70坪の土地にかかるアパート建築費は?
70坪でアパートを建築する際の費用はどのくらいかかるのもなのでしょうか。本章では、70坪の土地でのアパート建築費用を詳しく解説します。
建築費用の相場
当社が以前(イエウール土地活用で)実際にアパートを建てたことがある方80人を対象にアンケート調査をおこなったところ、以下のような結果が得られました。
- 建築前に予想した平均建築費・・・7,500万円
実際にかかった平均建築費・・・5,320万円
以上のように、実際に70坪でアパートを建築する際の費用としては5,300万円ほどを目安とすることができます。
ただし、近年は建築費の高騰が続いているため、上記のアンケート結果よりもやや高めに見積もっておくとよいでしょう。
結果をみると、建築費の予想額と実際の建築費にはおよそ2,000万円ほどの差額があることが分かりましたが、建築費は地域や建築業者、構造によって金額が変わります。ご自身の土地に建築する場合にかかる費用は、実際に建築プランの見積もりをしてもらって確認する必要があります。
坪単価
アパートの建築費は、坪単価×延べ床面積で求めることができるため、坪単価を知ることで建築費を概算できます。
坪単価は構造によって変化します。アパート建築では、木造、軽量鉄骨造、重量鉄骨造、鉄筋コンクリート造の4つの構造が主に採用されます。
以下に、構造別の坪単価相場をまとめました。
構造 | 坪単価 |
---|---|
木造 | 74万円~105万円 |
軽量鉄骨造 | 80万円~105万円 |
重量鉄骨造 | 90万円~120万円 |
鉄筋コンクリート造 | 95万円~125万円 |
(イエウール編集部調べ)
それぞれの構造における坪単価は、木造で74万円~105万円、軽量鉄骨造で80万円~105万円、重量鉄骨造で90万円~120万円、鉄筋コンクリート造で95万円~125万円となっています。
最も建築費用を抑えることができるのは木造です。
最近では、基準を満たすことにより木造でも三階建てアパートを建てることが可能です。
一方で、現在のアパート建築の主流は軽量鉄骨造であり、建築会社のパッケージプランでも多く用いられている構造であるため、多くのアパートが鉄骨造で建築されています。
それぞれの構造の費用や特徴には大きな違いがありますので、比較検討することが大切です。
70坪の土地に建てるアパート建築費の目安
それでは、アパートの構造ごとの建築費の目安をみてみましょう。
70坪の土地において、先ほど紹介した坪単価を元に試算した2階建てアパート建築費の目安は以下の通りです。
構造 | 建築費用 |
---|---|
木造 | 6,216万円~8,820万円 |
軽量鉄骨造 | 6,720万円~8,820万円 |
重量鉄骨造 | 7,560万円~1億80万円 |
鉄筋コンクリート造 | 7,980万円~1億500万円 |
(建ぺい率(※1)を60%、容積率(※2)を200%と仮定して計算)
※1 建ぺい率・・・土地面積に対する建物面積の割合
※2 容積率・・・土地面積に対する延床面積の割合
アパートの建築費について、より詳しく知りたい方は以下の記事をご覧ください。
本体工事費以外にかかる費用
アパート建築費には、建物の建築にかかる本体工事費の他に、駐車場や塀の設置などにかかる付帯工事費や、印紙代や不動産登記費用、火災保険料などの諸費用がかかります。
全体の建築費を10としたとき、本体工事費・付帯工事費・諸費用の割合目安は7:2:1です。
ただし、本体工事費用や付帯工事費用、諸費用はアパートの規模や設備、ハウスメーカーによって異なるため、あくまでも目安としてご参考にしてください。
特に諸費用に関しては、例えば建築費用が4,000万円であった場合にはおよそ400万円前後が目安となりますが、アパートローンの融資の前に支払わなければなりません。あらかじめ余裕をもった資金計画を立てておくと安心です。
ご自身の土地に建てるアパートの建築費がいくらになるか、見積り金額を知りたい方は「イエウール土地活用」の一括見積をご利用ください。
複数の大手ハウスメーカーにまとめて見積もりを請求できるため、各企業のプランを比較しながら、アパート建築の計画を進められます。
\建築費は?初期費用は?/
70坪以外の坪数別のアパート建築費用は、以下の記事をご覧ください。
活用事例:杉並の活用事例
エリア | 東京都 |
土地面積(㎡) | 140 |
延べ床面積(㎡) | 230 |
工法 | 木造2×4工法 |
建築費用(円) | 8,000万 |
70坪の土地でアパートを建築する際に注意すべきポイント
70坪という広さの土地でアパート経営を行う上で注意すべきポイントにはどのようなものがあるのでしょうか。詳しくご紹介します。
坪単価の算出方法は建築会社によって異なる
先ほどご紹介した坪単価には、その価格の設定に関する決まったルールがありません。そのため、各建築会社によってその算出方法が異なります。
例えば、坪単価を純粋に建築費用だけの価格としている場合や、坪単価に諸費用なども込みの金額が含まれている場合など様々です。
建築会社と契約を結ぶ前段階で建築プランを確認できますので、建築費用を確認すると同時に坪単価がどのように決められているのかもあわせて確認しておくことをおすすめします。
条件によっては建物規模が小さくなること
土地には、建ぺい率と容積率が定められており、これによってどの程度の規模のアパートを建てることができるのかが決まります。
70坪の土地では70坪という面積を100%使ってアパートを建てることはできません。また、建物の高さについても制限がかけられます。
一般的な土地の建ぺい率は60%、容積率は200%前後が多く、70坪に当てはめた場合には最大84坪の延べ床面積を確保することができます。
建ぺい率と容積率はそれぞれの地域によって変わるため、一度所有地の建ぺい率と容積率を確認しておくと安心です。
土地活用方法をアパート経営に限定しないこと
70坪ほどの広さの土地がある場合には、アパート経営だけでなく他の土地活用を行うことも十分に可能です。
例えば、相続税対策であれば同じ賃貸住宅経営である戸建て賃貸経営や賃貸併用住宅経営も候補に入ります。
戸建て賃貸経営や賃貸併用住宅経営は、戸数が少ないため相続税対策としての効果はアパート経営よりも下がってしまいますが、コストや経営リスクの低さに優れているため、おすすめの方法です。
また、「初期費用を抑えたい」、「土地の転用性を高めたい」とお考えの方には駐車場経営がおすすめです。
駐車場経営は、人や車の往来が多い都心部の駅前やオフィス街、観光地周辺にある土地との相性がよく、これらの土地で経営を行うことによって費用対効果を高めることができます。
アパート経営は土地活用方法として人気ですが、所有している土地に向いていたり、ご自身の目的に合っていたりする活用方法を検討しましょう。
こちらの記事ではさまざまな土地活用方法を紹介しています。
失敗しないアパート建築をするためには?
アパートを建てるための費用は最低でも数千万円ほどかかるため、建築にあたっては慎重に検討する必要があります。本章では、アパートを建てる際の注意点について詳しく解説します。
ハウスメーカーと契約する
大手のハウスメーカーは全国規模でアパートの建築実績があるだけでなく、工場で部材を大量生産し現場で組み立てるというプレハブ工法を採用しています。そのため、設計業者と建築業者を別々で契約するよりも建築費を抑えやすいです。
また、各社が創意工夫を凝らした設計プランからアパートを選ぶことができるため入居率を保ちやすいというメリットがあります。
一方で、ハウスメーカーは大々的な宣伝や広告を行っているためそれらの費用が建築費に反映されていることもあります。
複数のプランを比較する
建築会社によって、提案される建築プランが異なります。そのため、どのようなプランが自分に合っているのかを知るためにも複数の企業の提案を比較することが望ましいです。
費用や収支計画、どのようなアパートを建てることができるのかなどの観点からプランを比較し、少しでも分からないことがあれば担当者に確認しましょう。
同時に、建築後のフォローや管理体制について確認します。建物の管理方式はサブリース契約を提案されることが多いですが、それだけでなく自主管理、管理委託といった建物管理方法がありますので、ここまで考えておくと安心です。
ニーズに合った設備投資をする
アパートの競争力を確保し、入居率を高めるためには建物への設備投資が重要です。入居希望者のニーズに合ったアパートを建てることは、アパート経営で成功できるかどうかを左右する要素となります。しかし、行き過ぎた設備投資はかえって収支計画を圧迫することにつながります。
最近では、オートロックやカメラ付きインターホンなどのセキュリティ面を重視する入居者が増えています。また、都市部でアパート経営を行う場合、数台の駐車スペースをつくることで競合物件と差別化をはかることができ入居率のアップが見込めます。
一方で、エントランスの装飾、セキュリティや防音性能はアパートの魅力的な要素となりますが、同時に投資額がかさんでいしまうことも事実です。そのため、設備投資にこだわるべきかは周辺の競合となるアパートの設備のランクをリサーチして考えるようにしましょう。
事前に土地の周辺環境がどのような特徴があるのかを調べることで、ニーズに合ったアパートを建築し、無駄な初期投資をしないようにしましょう。アパートを建築する土地に関する規制
アパート建築はどのような土地でもできるわけではなく、建物の規模にも制限があります。
本章では、アパートを建築する際に確認すべき建築基準法をはじめとするいくつかの規制について解説します。
建ぺい率と容積率
どんな建物を建てるかを考えるうえで、土地と建物の広さのそれぞれを踏まえる必要があります。ただし、土地の広さに対して建物の規模を好きに決めることはできません。周辺に住む人たちの快適さや安全を考え、さまざまな規制が設けられているのです。
その代表格として、目安建築費を算出した際に使用した建ぺい率と容積率が挙げられます。
土地面積に対し建物の広さを決めているのが建ぺい率、フロア数などにつながる規模が決められているのが容積率です。
建ぺい率とは、土地面積に対する建物面積の割合であり、容積率とは、土地面積に対する延床面積の割合です。建築基準法で建築可能であると定められた建ぺい率と容積率を超えた建物の建築はできません。
接道義務とセットバック
アパートが建てられる土地であるかについて、まずは土地が道路とどのように接しているか確認する必要があります。
どの程度接しているかに関する規定が接道義務、接している道路の幅によって自用地を後退させる規定がセットバックです。
接道義務とは、幅員が4メートル以上の道路への出入り口を2メートル以上確保する義務を指します。セットバックとは、土地と接する道路の幅員が4メートル未満の場合、道路の中心から2メートルを道路分として確保する(自用地を後退させる)ことです。
なお、セットバックした部分の土地は、道路以外の使用方法は認められていません。セットバックした部分を駐輪・駐車スペースにしたり、門や塀を設置したりすることは違法です。所有権があっても自由に使用できる土地ではないため、アパート建築の際には注意が必要です。
接道の確認については、各自治体の建築指導課で調べるとよいです。
接道義務とその確認方法について詳しくは以下の記事をご覧ください。
用途地域の制限
エリアによっては、用途地域で定められた制限によってアパートを建てることができません。
用途地域は13に分けられており、このうちの一つである工場専用地域ではアパートを建てることができません。
また、第一種・第二種低層住宅専用地域では、高さが10メートルもしくは12メートルを超える建物は建てられないため注意が必要です。
上記の規定に加え、建物の建築については、住環境を良好に保つために各自治体で独自の基準が設けられていたり、高さの制限がかかる場合があります。建設予定の土地にかかる規制は事前に確認するようにしましょう。
アパートを建てようかと考えたとき、どのようにアパートを設計すればいいのか見当がつかないのではないでしょうか。
例えば2階建てにするか3階建てにするか、間取りの設計をどうするかについては土地の条件やアパート経営の目的によって変わります。
イエウール土地活用なら複数の大手ハウスメーカーから提案を受けることができます。
\建築費は?初期費用は?/
まとめ
70坪の土地で2階建てアパートを建てるときの建築費は、木造なら6,216万円~8,820万円、軽量鉄骨造なら6,720万円~8,820万円、重量鉄骨造なら7,560万円~1億80万円、鉄筋コンクリート造なら7,980万円~1億500万円が目安です。
実際にかかる費用を事前に正確に把握することは難しいですが、どのような費用がどのくらいかかるのかを大まかに把握することで収支計画に役立てることができます。
また、建築費用と同時にアパートを建てる際の注意点や、建築可能な条件も確認し、後悔しないようアパート建築に向けて動くようにしましょう。
アパートを建てるなら最初の情報収集が重要です。一括見積もり請求サービス「イエウール土地活用」なら、土地所在地の入力だけで建築費の見積もりを取り寄せることができます。